純「あー、楽しかった!」
憂「花火もきれいだったね」
純「でも高校最後の夏休みもあと半分かー」
梓「焼きそばもりんご飴もかき氷も食べて充分楽しんだでしょ?」
憂「あと、たこ焼きも食べてたね」クスクス
純「なによ。梓だって射的にムキになってたくせにー」
梓「む、むきになんかなってないもん!」
憂「まあまあ、二人とも落ち着いて」
梓「あ。ねぇ、憂。数学の課題やった?一つ解らないのがあったんだよね」
憂「一応全部解いたけど、梓ちゃんが解らないのってどれかなぁ?」
純「え、ちょ、課題なんて出てったっけ?」
梓「うん。数学と生物」
純「うわー!!忘れてた!あぁ、せっかくのお祭りあとの気分が…」
梓「いま思い出せてよかったじゃん」
憂「あはは。純ちゃん、頑張ってね」
純「ちぇー。 あれ?さっきは曇ってて見えてなかったけど、今日って満月なんだ」
憂「えっ?!」
純「えっ?」
梓「え?」チラッ
憂「梓ちゃん見ちゃダメッ!!」ガバッ
純「な、なに?!」
梓「…」ピタッ
憂「…あ、梓ちゃん?」オソルオソル
純「憂大丈夫?梓もどうしたの?」
梓「…に゙ゃあ゙あ゙あ゙ああぁぁっ!!」バリバリバリッ!
憂純「「!!」」ビクッ
憂「油断してたよ…」アチャー
純「え、何なに?憂、これ何の冗談なの?ちょっと、梓?」
梓「ぐぅぅ」ムクッ
純「あず、さ…?」エッ
梓「に゙ゃあ゙あ゙……」フシュウウゥ
純「何…これ…猫?ライオン? ってか、でかっ!!」
憂「じ、純ちゃん危ない!離れて!」グイッ
梓「ぐるるる」
純「う、憂、これどういうことなの?今の梓、軽トラくらいの大きさあるよ? ……というか、梓なんだよ、ね?」
憂「…そうだよ、あの黒猫さんは梓ちゃんだよ。私も実際ああなった梓ちゃんを目の当たりにしたのは初めてだけど」
純「それって変身するのは知ってたって事?」
憂「う、うん。ごめんね純ちゃん、黙ってて」
純「…今はそんな事置いといて、とにかく梓をどうにかしないと!」
憂「えっと、とりあえず梓ちゃんの足止めしなくちゃ!」ゴソゴソ
純「あ、あんな大きな黒猫、どうやって?!」
憂「これ!梓ちゃんの緊急事態用のマタタビ球だよ!」エイッ!!
梓「ふにゃあ」ゴロンゴロン
純「おお!効いてる効いてる」
憂「あと救援も呼んでおいたよ!」
純「救援?」
菫「先輩方、遅くなりました!」タッタッタッ
直「平沢先輩、鈴木先輩、大丈夫ですか!」タッタッタッ
純「スミーレと奥田さん?!」
憂「二人とも、すぐここの場所わかった?」
直「はい。パソコンで中野先輩の生体反応位置を確認しましたので」
菫「おね、紬お嬢様達にも連絡しておきました!」
憂「ありがとう。スミーレちゃん、奥田さん!」
純「え、待って。二人も知ってるわけ?」マジデ
梓「に゙ゃあ…」フラフラ
憂「あ、マタタビの効果が薄れてきたみたい。梓ちゃんが動き出しちゃう…!」
菫「ど、どうしましょう」
直「持ってあと4、5分といった所でしょうか」カタカタ
純「スルーされた」
梓「に゙ゃう…」ムクリ
憂「梓ちゃん起きちゃった!」
菫「わ、私達で止めないと…!」
律「待たせたな皆の衆っ!!」ババーン!
純「律先輩?」
唯「あずにゃん、こっちだよ~♪」オイデオイデー
憂「お姉ちゃん!!」
澪「梓、鯛焼きもあるぞ!」
純「澪先輩も!」
梓「!」ピクッ
唯「かもん!あずにゃん!」
律「よっしゃ、梓こーい!」
澪「梓!こっちだ!」
梓「がうぅ」タタッ
直「あちらは任せておいて大丈夫みたいですね」カタカタ
憂「じゃ、尻尾作戦開始だね」
直「はい。尻尾を切れば、そこからエネルギーが放出されて先輩は元の姿に戻るはずです」カタカタ
純(展開の速さについてけない…)
紬「りっちゃん達が梓ちゃんの気を引き付けている今がチャンスね!」
純「うおっ!ムギ先輩、いつの間に!?」
菫「そうだ!お嬢様、これ使って下さい」スッ
紬「これは…腕にはめるのかな?」スチャッ
菫「はい。まだ開発中ですけど、装着型軽量ブレードです」
直「ただ、軽量化したといえこのメンバー内ではまだ琴吹先輩にしか扱えない重さなんです」
憂「よろしくお願いします、紬さん!」
紬「わかった! ごめんね梓ちゃん、ちょっと痛いけど我慢して!」タタッ
梓「に゙ゃ」ギロッ
律「しまった!梓のやつ、ムギの事に気づいたみたいだぞ!」
澪「ムギ、気をつけて!」
梓「グルルル」バシィッ!
紬「きゃっ!」
唯「ムギちゃん!」
菫「ああ!お姉ちゃんっ!」
紬「くっ、警戒されて尻尾に近付けないわ」ムムム
直「中野先輩、意外に隙がないですね…」グヌヌ
和「もう一つの作戦の出番ね」
憂「和ちゃん!!」
純「和先輩まで?!」
和「憂、あなたと唯にしか出来ない作戦があるでしょう?」
憂「…和ちゃん」
直「しかし!あれはまだ完全とは…」
憂「大丈夫、私やるよ。奥田さん」
直「……平沢先輩が言うと不思議と大丈夫な気がしますね」
和「これもまだ試作品だけど、エネルギー増幅装置よ。使って」カタッ
憂「ありがとう、和ちゃん!」
純(私だけどんどん置いてかれてるわー)
憂「お姉ちゃん、平沢作戦の出番だよ!」
唯「おっけぃ!ムギちゃん!りっちゃん!澪ちゃん!もうちょこっとだけ時間稼ぎできる?」
紬「もちろんよ、唯ちゃん。梓ちゃんの方はまかせて!」
律「はなっから無理なんて選択肢は無いぜ!」
澪「…仕方ないな。行くぞ律!ムギ!」
梓「に゙ゃあ゙あ゙あ゙!」フシャアア
唯「三人とも任せたよ!憂、こっちに!」タッ
憂「うん!お姉ちゃん!」スタッ
純「あの~、平沢作戦っていったい何するんです?」
和「簡単に言えば、唯と憂が力を合わせて月の一部を破壊する作戦ね」
純「はぁ、なるほど月を破壊…、は、破壊ぃ?!」
和「あ、破壊とは言っても、月をちょっと削るだけよ?」
純「どっちも同じようなもんですよ!」
和「梓ちゃんは満月の時にでる波動の影響で変身するの。だから月の一部が欠ければその波動が不十分になる、理論的にはそれであの姿は維持出来なくなるはずだわ」
純「いやいやいや!だいたい月なんてどうやって?」
和「ま、唯達を見てればわかるわよ」フフッ
憂「お姉ちゃん、装置着けた?」カチッ
唯「ばっちしです!」カチッ
唯「よーし、行くよ!憂!」グッ
憂「おっけーだよ、お姉ちゃん!」グッ
純「憂と唯先輩が並んで両手を前に構えた!」ゴクリ
唯憂「「ひー らー さー わーー」」コオォォォ
唯憂「「シスタービーーーム!!」」ハァッ!!!
純「憂と唯先輩の手の平からエネルギー波的なものが!」
月「」ボコーン!!!
和「やったわ!成功よ!」
直「月からの波動が弱まってきてます!」カタカタッ
純「まじですか」
梓「!」ビクンッ
梓「ゔぅぅ」シュウゥゥゥゥ
菫「梓先輩の変身が解けていきます!」
梓「…」フラフラ
梓「」パッタリ
唯「あずにゃん!」タタッ
憂「梓ちゃん!」タタッ
律澪紬「「「梓(ちゃん)!」」」タタタッ
菫「あ、梓先輩にタオルを持ってかないと!」タタッ
直「現段階の平沢シスタービームで月の一部を破壊出来る確率は57.23%…上手くいって良かったです」カタカタ
和「いざという時の唯と憂なら問題ないわ。でも梓ちゃんの制御装置、早く完成させなくちゃね」
純「」ポカーン
純「あ、梓っ!」タタタッ
□ □ □
純「はっ!」ガバッ
純「あれ…?ここ私の部屋…」ドサバサ
純「おっとと。あー、ちょっとだけ気分転換にって漫画読んでるうちに寝ちゃったのか」アチャー
純「そして、あんな夢見たのはこれが原因か…」ドラ〇ンボール
純「うわっ!しかももうこんな時間?課題まだ途中なのに」ウヘェ
純「しっかし、やけにリアルというか騒がしい夢だったなぁ」ハッ!
純「…よし、ちゃんと月はある。なーんて当たり前だよねー」ハハッ
純「んん?あれ?月ってあんな変な欠け方してたっけ?」
純「というか、今日は満月だったような…」
純「いやいやいやいやいや」ナイナイ
純「……夢、だよね?」
おしまい!
最終更新:2012年08月19日 20:18