梓「それでどうするんです?」
唯「え?なに?」
梓「何って……」
唯「あ、ムギちゃん、お茶おかわり~」
紬「はーい。 澪ちゃんと梓ちゃんは?」
澪「あ、じゃあ私も貰おうかな」
梓「すいません、お願いします」
紬「はーい」
梓「いやそんなことよりですね」
ガチャン!
梓「え?」
紬「ううっ……」
澪「ムギ?」
唯「ムギちゃん!どうしたの?」
紬「ううん、何でもないの。 ごめんなさい驚かせちゃって」
唯「ほんとに?でもそんなに辛そうな顔してるじゃない、何かあったの?」
紬「何でもない、何でもないの……ただ、梓ちゃん……」
梓「え? 私?」
唯「あずにゃんがどうしたの?」
紬「梓ちゃんにとって私の淹れるお茶は『そんなこと』なんだ、って」
梓「えっ?」
紬「どうでもいいって思われてるんだなって……そう考えたら急に悲しくなっちゃって……」
唯「そうだったの……」
紬「ううっ……」
梓「え?」
唯「あずにゃん、今のは失言だよ、口にはもっと気を付けないと」
梓「あ……私そんな……」
紬「いいのよ唯ちゃん、梓ちゃんを責めないで」
唯「でもねムギちゃん、あずにゃんもそういう意味で言ったんじゃないと思うんだ」
唯「ね、そうでしょ?あずにゃん」
梓「わ、私、そんなつもりじゃ」
紬「いいの、大丈夫……大丈夫よ ううっ」
梓「すいません、すいませんっ」
紬「いいの……そんなに謝らなくて」
梓「でも私……」
紬「いいの……」
梓「わ、私ほんとに」
紬「いいのよ、だって……」
紬「だって冗談だものー」
梓「すっ、すいまっ……は?……」
梓「はあ?」
唯「えへへ」
紬「うふふー」
梓「……冗談……ですか」
紬「ごめんねー」
梓「今本当に泣きそうになりましたよ」
紬「ごめん、一度こういうのやってみたかったのー」
唯「あずにゃんごめんよー」
梓「もう、ムギ先輩は最近律先輩の悪い影響受け過ぎですよ」
紬「ほんとにごめんねー」
梓「まあ冗談で安心しましたけど……あと」
梓「唯先輩ムカつきます」
唯「ええー何で私?」
澪「ほらもういい加減にしとけよ」
澪「さて空気が温まった所で本題に入ろうか」
梓「全然温まってないんですけど」
紬「あー梓ちゃん怒らないでー」
梓「ああいえ怒ってないです」
唯「♪あーいえ、おーいえ」
梓「……」 ジロッ
唯「あ、梓ちゃんが睨んでくるよ~」
梓「ほんとにもう」
紬「はいお茶」 コトン
梓「あ、ありがとうございます」
唯「で何だっけ?」
梓「プレゼントですよ、律先輩の誕生日の」
唯「ああそうだったね!」 ポン
梓「自分で律先輩に内緒で集まって相談しようって言い出したくせに」
唯「ああ、怒んないでよあずにゃーん」
梓「怒ってません、呆れてるんです」
唯「もう、あずにゃーん」 ピト
梓「引っ付かないで下さい、暑苦しいですよ」
唯「ああーん」
梓「だからどうするんですか?」
唯「何が?」
梓「ほんとに怒りますよ」
澪「ほらもういいだろ、お前らの仲が良いのは判ったから」
梓「何でそういうことになるんですか」
紬「うふふー」
唯「りっちゃんに何をプレゼントするか決めるんだよ、あずにゃん」
梓「……そうですね」
澪「どういったものがいいかな」
紬「うーん」
梓「うーん」
唯「何あげたら喜ぶんだろうね、りっちゃん」
澪「律の喜ぶものか」
梓「あ、ドラムのスティックなんかどうですか?」
澪「うんスティックか、それも悪くはないなあ」
紬「そうねえー」
唯「でもなんかいかにもでサプライズが無いよね」
梓「なんか唯先輩に言われるとムカつきます」
唯「それは愛しているからだよ、愛があるからだよ、あずにゃん」
梓「そんなのないです」
唯「ええ~」
澪「そうだな、スティックなんか自分でも買うだろうし」
紬「自分では買わないものが良いんじゃない?」
梓「自分で買わないものですか」
紬「ほら自分では気付かないけど、ひとから貰って始めて自分の求めていたものが判る場合もあると思うの」
澪「なるほど」
唯「じゃありっちゃんが求めているもの?」
梓「求めている……」
紬「やっぱり求めるのは……足りないもの、かな?」
唯「そっか、やっぱり足りないものを求めるんだよね」
澪「律に足りないものかあ」
澪「そうだな、じゃあパッと思いつくもの言ってみてくれ」
紬「お色気?」
梓「女らしさ?」
澪「ふーむ」
唯「学力?」
澪「それは唯もだろ」
唯「ありゃりゃ」
梓「ぷっ!」
澪「でもお色気とか女らしさが足りないとして、その場合どんなプレゼントがいいんだ?」
梓「そうですねえ……」
唯「りっちゃんを女らしくさせるもの……」
紬「あ、じゃあ下着なんかどうかしら? 色っぽい大人な感じの」
澪「下着か」
梓「でも大人な感じって」
唯「大人の色気って言えばやっぱり黒、だよね?」
澪「おお、シルクの黒でレース付きとかだな?」
紬「そうそう」
梓「うわあ」
唯「でも黒の下着ってムギちゃん持ってそうだね」
梓「あーなんか似合いそうです」
澪「うんうん、結構持ってるんじゃないか? なんちゃってな」
紬「えー?」
唯梓澪「はははははっ」
紬「5枚くらいしか持ってないわー」
唯梓澪「あ」
唯(持ってるんだ……)
澪(持ってるのか……)
梓(持ってるんですね……)
澪(ムギが黒い下着……)
梓「ムギ先輩、黒い下着なんてどういう時に」
澪「ま、待て梓、そんなことは聞くもんじゃな」
紬「たまにイブニングドレス着るときなんかにね」
澪「えっ」
梓「ああなるほど」
澪「そ、そうか、イブニングドレスか。 それは私達の知らない世界だな」
唯「澪ちゃん何赤くなってるの?」
澪「なってない!」
唯「でも」
澪「さ、さあ、黒のおぱんつは第一候補ということで、次だ次行こう」
梓「おぱんつ?」
唯「おぱんつ?」
紬「おぱんつ?」
澪「……下着」
澪「いいから他に、他に何かないのか」
梓「他に足りないもの……胸、とか?」
唯「えっ? 胸?」
澪「ああ胸か」 チラッ
紬「そ、そうねえ」 チラッ
唯「足りないよね、確かに」 チラッ
梓「皆さん……」
梓「何で私の胸見るんですか?」
唯澪紬「見てない見てない」
唯「でもパットのプレゼントっていうのもねえ」
澪「それだったら下着とセットということになるんだろうけど」
紬「そうだ、おっぱい大きくする器具ってあったんじゃない?」
澪「ああなんか胸に当ててポンプで吸うみたいなやつか」
唯「へえー、そんなのあるんだね」
紬「雑誌の広告で見るわよね」
澪「うんうん」
梓「ああ豊胸くんですか?ダメですよあんなの」 フン
唯梓澪「えっ?」
梓「あんなの痛いだけで全然効果無いです。 詐欺ですよ、詐欺」
唯「あずにゃん?」
紬「……豊胸くん?」
澪「梓……お前なんで」
唯「な、なんで知ってるのかな……」
梓「えっ? あ! そ、それはっ」
梓「あの……ええと……あ、そうネットで、ネットで見たんです!」
梓「ほ、ほらっ、美容のサイトとかあるじゃないですか!」
唯梓澪「あー……」
唯(買ったんだ……)
紬(買ったのね……)
澪(買ったんだな……)
梓「あんなの全然ダメみたいですよっ!」
唯梓澪「でしょうねー」
梓「あんなの懲り懲りです! ところがですね!」
唯梓澪「え?」
梓「つい先日スーパー豊胸くんDXっていう新製品が発売されてまして」
唯「すーぱー?」
澪「で」
紬「デラックス?」
梓「はい、これは両胸を同時に揉み上げながら吸い出すという
特殊機能を搭載した画期的新型なんですよ!」
唯(懲りてない……)
紬(懲りてない……)
澪(全然懲りてない……)
梓「これは中々効果が期待できるかもですっ」
澪「そ、そうか」
紬「じゃあこれも候補ね」
唯「う、うん」
梓「少し高価にはなるんですけど、是非律先輩に試していただいてですね」
澪(律に試させる気だ……)
唯(試させるんだ……)
紬(試させる気ね……)
梓「是非是非」
澪「じ、じゃあ次、他に何かあるかな」
梓「ないです」
澪「ええっ」
紬「梓ちゃん、そんなに……」
唯「あっそうだ!」
澪「なんだっ? 何かあるのか唯っ」
唯「ええっとねえ、りっちゃん前に憂みたいな妹がほしいって言ってたよ」
澪「ああ、そういえばそんなことを」
唯「一日だけりっちゃんの妹になってあげればいいんだよっ」
梓「それは憂を一日だけ律先輩の妹として貸し出すということですか?」
唯「それはだめだよ、憂は私の大事な妹なんだから」
梓「だったらどうするっていうんですか」
唯「私が憂になってりっちゃんにご奉仕するよ」
梓「ご奉仕って、似てるの見た目だけじゃないですか」
唯「大丈夫だよ~」
澪「それは無理だろ」
紬「無理よ、唯ちゃん」
梓「絶対無理ですよ」
唯「え~」
梓「これはやはりスーパー豊胸くんDXで決まりですかね」
澪「うーん」
紬「黒の下着もいいわよー」
澪「うーん」
唯「だから私が憂に」
澪紬梓「それはダメ」です」
唯「ううー」
澪「あと律の女らしさを引き立てるものといえば……」
紬「うーん」
梓「うーん」
唯「はいあずにゃんお茶」 コトン
梓「あ、ありがとうございます」 カチャ
梓「ん……」ゴク
梓「あっ苦っ、唯先輩このお茶濃いです」
唯「あれ? 葉っぱの分量間違っちゃたかな」
紬「あ」
梓「それでよく憂の代わりが出来るって思いましたね」
唯「うう、あずにゃん毒舌」
紬「それよっ!」
梓「え」
唯「へ?」
澪「?」
紬「恋よ!」
梓「たしかにこのお茶は濃いですけど、それが何か」
紬「そうじゃなくて恋よ、恋愛よ!」
梓「ああ、恋愛ですか」
紬「恋愛は女の子を女らしくさせるっていうわ」
唯「へえー」
澪「いやでもだからといってそんな急に」
梓「そうですよ、相手はどうするんですか」
紬「彼氏がいるって雰囲気だけでいいのよ」
唯「かれし?」
紬「だからその日だけこの中の誰かが彼氏になってあげれば、ねっ?」
梓「この中の誰か……」
澪「……」
梓「……」
澪「わ、私は嫌だからなっ」
唯「澪ちゃん?」
澪「無理無理!」
紬「じゃあ私がー」
澪「えっ?」
最終更新:2012年08月21日 23:58