数年前



梓「にゃー恐いにゃー」ダッ


澪「何だにゃん?うわぁ」



ネズミ大群「チュー」


澪「こっちに来いにゃん」


梓「にゃっ!」


澪「いいから来いにゃん」


澪「ふうっ諦めたようだにゃん」


梓「怖かったにゃん」ぶるぶる


澪「何であんな大群を相手にしたんだにゃん!食べられる所だったにゃん」


梓「お腹が空いて…沢山居たからついにゃん」


澪「ネズミは一匹で居る所を狙わないと駄目にゃん!」


梓「気をつけるですにゃん…」


梓「お腹空いたにゃん」


澪「仕方ないにゃんちょっと捕まえて来るから待つにゃん」

澪「ほれっ食べるにゃん」


梓「と、鳥にネズミにゃん!凄いにゃん」


澪「慣れたら君にもとれるにゃん」


梓「あ、あのお名前は?私は梓って言いますにゃん」


澪「澪だにゃん」


梓「澪、いえ澪にゃん先輩!仲間になりましょう」


澪「構わないにゃん♪」


純「ネズミの大群に喰い殺されそうになってたなんて…梓にゃん生きてて良かったにゃん」


梓「今考えてもゾッとするにゃん」


澪「その1年後ぐらいに純にゃんと出会ったにゃん」


純「シクシク…寂しいにゃん」


梓「澪にゃん先輩あそこで泣いている猫が居ますにゃん」


澪「本当だ、おーいどうしたんだにゃん?」


純「ずっとずっと1匹で寂しいにゃん…」


梓「大丈夫かにゃん?鳥食べるかにゃん?」


梓「とれたてのホヤホヤにゃん」


純「いいの?にゃん」


澪「構わないにゃんまた捕まえて来るにゃん」


純「美味しいにゃん」ガツガツ


梓「お腹空いてたんだ、名前は何て言うのかにゃん?」


純「純と言うにゃん」


梓「私は梓、宜しくね純にゃん」


純「宜しく梓にゃん」


澪「私は澪だにゃん」


梓「澪にゃん先輩は狩りの名手だにゃん」


純「宜しくお願いします澪にゃん先輩」

梓「純にゃんも仲間になるにゃん」


澪「猫数が多いほど心強いにゃん」


純「嬉しいにゃん!喜んで仲間になるにゃん」


澪「ヨシッ誓いをたてようにゃん」


梓「誓い?」


澪「そうだにゃん人間は結婚する時に誓いをたてるにゃん」

純「はい!やります」


澪「じゃあ同じように言うにゃん」


澪「健やかなる時も」


梓純「健やかなる時も」


澪「病める時も」


梓純「病める時も」

澪「死が3匹を別つまで」


梓純「死が3匹を別つまで」


純「違うにゃん!」

澪梓「えっ?」


純「死んでも一緒だにゃん♪」


梓「そうだったね~」


澪「早いな」


姫子「ただいま~寂しかったか澪梓純」

澪梓純「おかえりなさいにゃー」スリスリ


姫子「くすぐったいよ♪」なでなで


姫子「ご飯もちゃんと食べてるね問題なしと」


澪「美味しかったにゃん♪」


姫子「夕飯持ってくるね♪」


梓「晩御飯だにゃん♪」


純「ご主人様大好きだにゃん♪」


姫子「んじゃ~寝ますか♪おやすみなさい澪梓純」


澪梓純「おやすみなさいにゃん♪」





女「ねぇ?この猫さ~全然なつかないよね」


澪「恐いよぉ」


男「何かいつもオドオドしてイライラするな」


女「捨てちゃおうか?」


男「そうだな~なつかないわイライラさせるわ…捨てるか」

澪「にゃっ!捨てないで捨てないでにゃんもう乱暴にされても逃げないから」


男「うるせぇクソ猫」ゲシッ


澪「にゃっ」


女「私達のストレス解消になるなら置いてあげるよ~」ゲラゲラ


澪「に、にゃっ…」

男「ほーらよ♪山の中だぞ~野生に帰れクソ猫」ニヤニヤ


澪「嫌だにゃん!こんな所に置いてかないでにゃん」


女「うっせーんだよクソ猫」ゲシッ バキッ


女「じゃあーねーキャハハハ」ブォー


澪「今度から何をされても逃げないから…お願いだから捨てないでにゃん」


姫子「はっ!今度は澪…澪?澪?」がばっ


澪「許して…捨てないで…気に入られるようにするからにゃん」ガタガタぶるぶる


姫子「澪、大丈夫だから私は捨てないから大丈夫だからね」ギュッ


澪「ご主人様を起こしてしまったにゃんごめんなさいごめんなさいごめんなさいにゃん」ぶるぶる


姫子「澪、大丈夫だよ」なでなで


澪「ご主人様、暖かくて優しいにゃん…安心するにゃん」すうすう


姫子「この子達をここまで怯えさせた無責任な飼い主を私は許さない絶対にこの世からそんな飼い主を無くすよ!約束するからね皆」


澪「おはようにゃん♪」


梓「澪にゃん先輩何か顔が明るくなったにゃん♪」


純「澪にゃん先輩はやっぱり優しくて明るい澪にゃん先輩だにゃん」

姫子「おはよう澪梓純♪今日も学校行って来るからお留守番宜しくね」


澪梓純「行ってらっしゃいにゃん♪」


澪「にゃー平和だにゃん」


梓「野良猫時代には考えられないぐらい平和ですにゃん」


純「ポカポカ陽気で眠くなるにゃん」


姫子母「えっ?姫子が事故!」


澪梓純「!」


澪「い、今事故って言ったにゃん」


梓「姫子ってご主人様の名前にゃん」


純「そんなそんな…ご主人様が事故だにゃんて」


母「命が危ない?わかりました今すぐ向かいます」


澪「にゃー大変だにゃん」


梓「ご主人様が危ないにゃん」


純「猫の私達に出来る事は祈る事しかないのかにゃん…」


澪「いや、あるかもにゃん!」


梓「澪にゃん先輩それは何ですか?」


澪「猫神様に頼むにゃん」


純「猫神様って正しい心を持った猫の願いを聞いてくれるっていうあの?」


梓「でも、猫神様なんて本当に居るのかにゃん?」


澪「何もしないよりはマシにゃん!みんな心を一つにして祈るにゃん!」


澪「猫神様!姿を現して欲しいにゃん!」


梓「猫神様お願いしますにゃん!」


純「どんな事でもするからお願いにゃん」



澪「猫神様かにゃん?」


いちご「そうよ何?」


梓「随分と冷めた神様だにゃん…」


純「何か拍子抜けにゃん…」


いちご「帰る…」


澪「ごめんなさいごめんなさい帰らないでにゃん」


いちご「許す、だから何の用?」


梓「ご主人様を助けて欲しいにゃん!」

純「何でもするにゃん!だからご主人様を助けて欲しいにゃん」


いちご「何でも?本当に?」


澪「猫に二言はないにゃん」


梓「同じくにゃん」

純「どんな事でも耐えるにゃん」


いちご「じゃあ、命を懸けて私に祈りなさい出来る?」


梓「命…」


純「命か…」


澪「わかったにゃん!その代わり命は私のだけにして欲しいにゃん」


梓「なっ…」


純「何を言ってるんですか!澪にゃん先輩」


澪「みんなは私より年下にゃん生きて欲しいにゃん」


梓「駄目ですにゃん!」


純「誓いを忘れたのかにゃん!」


澪「みんな…」


梓「私達3匹は常に一緒ですにゃん!」

純「3匹で祈るにゃん!」


いちご「やるの?やらないの?」


澪梓純「やってやるです!」


いちご「そっ、じゃあ目を閉じて強く祈りなさい」


澪「みんな手を繋ぐにゃん!離れたら駄目にゃん」


梓「はいっ!澪にゃん先輩」


純「了解にゃん!」

澪梓純「猫神様!ご主人様を私達の命と引き替えに助けて下さい!お願いしますにゃん!」


いちご「☆□◇○■аррстф」パァァァー


澪梓純(さようならご主人様幸せになって下さいにゃん)










姫子「はっ!」パチッ


姫子母「姫子姫子~」


姫子父「良かった良かった姫子…」


医者「信じられません…回復力が凄まじいです」


医者「経過を診ないとわかりませんが後遺症の心配もないでしょう」ニコッ


姫子「お父さん…お母さん…私夢を見たの」


姫子母「どんな夢?」グスッ


姫子「澪梓純がね来たら駄目だって叫んでたの…」


姫子父「あの猫達がか?」


姫子母「姫子はあの猫達を大事にしていたから守ってくれたんだよ」ぽろぽろ


姫子「お父さんお母さん澪梓純の様子を見て来て欲しいの…もしかして自分達の命と引き替えに助けてくれたのかもしれない」ぽろぽろ


姫子母「今すぐ見て来るからきっときっと生きてるわ!」




その後
立花姫子は高校 大学を卒業後 獣医として活躍し、無責任な飼い主の撲滅活動に生涯を通して尽力 その傍らには常に3匹の猫が寄り添っていたと言う


澪梓純 同日 同時刻に大好きな立花姫子に看取られながら息を引き取る 享年20歳

健やかなる時も


病める時も


死が3匹を別つまで!
だから違うにゃん!

澪梓純「私達は死んでも一緒にゃーん♪」



    完



   おまけ


澪「あれっ?死んでないにゃん?」


梓「生きてるにゃん?」


純「何でにゃん?」

いちご「悪魔じゃないんだから命なんかとらないわよ」


いちご「死ぬ気で祈れって事わかる?」

澪梓純「良かったにゃーん」


   おしまい



最終更新:2012年08月29日 22:37