律「今年の春はどこ行こうか!」

澪「…は?」

律「だから、今年の春はどこ行こうか、って」

梓「どうしたんですか急に流行歌の歌詞なんか」


唯「ナスダックが来ちゃうよぉ」

紬「唯ちゃんそれを言うならカスラックよ」


澪「それも違う」

梓「で、そのヒルなんとかがどうしたんですか?」

律「そういうとなんか虫みたいだな」

梓「いや質問に答えてくださいよ」

律「いやだからさぁ、春には大型連休、つまりゴールデンウィーク略してGWがあるだろ?」

梓「はぁ」

律「皆でどっか行こうぜぇ!!」

澪「…そういうことか」

唯「なんとかヒルは関係なかったんだねぇ」

紬「それだともっと虫みたいよ」

律「で!で!皆どこ行きたい?!」ワクワク

澪「要は合宿だろ?別に夏みたくムギの別荘にやっかいになれば……。ムギがそれでいいなら」

律「何言ってンだ澪のオタンコナス!別に合宿ってわけじゃあねーよぉ」

梓「え?じゃあ何のために…」

律「なんだよお前らかったいなー!別にたまには練習のこと忘れて旅行したっていいだろー?!」


唯「お腹空いてきちゃった」

紬「立て続けにナスナス言われるとねぇ」

澪「まぁ春先から海ってのも考えてみれば妙だしな。…そうだな、どこがいいだろう」

梓「夏は海か山で冬はスキーかスノーボード、もしくはスケート……そうくると秋と春って真っ当に観光地回ったりレジャー施設行ったりする旅行が似つかわしいですよね」

唯「あ、私京都行きたいー」

律「へぇ?どうしてだ?」

唯「しかせんべ食べてみたいの!」

紬「あら、そういう名産品があるの?面白そうね」

律「おーいいないいなー楽しそうだなー!」

澪「色々間違ってるぞお前ら」

梓「結局唯先輩が行きたいのは奈良ってことでいいんですよね…?」

紬「じゃあGWは奈良に行くことで仮決定ね。私のツテでグリーン車安くとれるから移動については安心してくれていいわよ」

唯「ムギちゃんすっごーい!」

澪(一応しかせんべいが京都のものっていう誤解は解いたけど…)

律(それが鹿用の食い物で人が食っても美味くはないってことは唯には秘密にしておこう)ニヤニヤ

梓「唯先輩知ってました?奈良公園の鹿ってホルンを吹いたら寄ってくるんですよ」

唯「ほぇ~、じゃあギー太弾いても寄ってくるかなぁ」

律「ヨーシ、GWは奈良でしかせんべいを食うぞー!」

唯&紬「おーっ!」

澪「…いいのかなぁ」


律「それでさ皆、今年の夏はどこ行こうか!」

皆「」


澪「なんだ舌の根も乾かないうちから」

律「いや、なんかコレ言わなきゃダメな気がしたんだよ」

唯「今度こそナスダックが来ちゃうよ~」

紬「だから唯ちゃんそれを言うならカスラックよ」

澪「だから違うって」

梓「っていうか夏はまたムギ先輩の別荘ですよね?」

律「それもいいけど……。なぁムギ、海以外でにスタジオ付きの別荘はないのか?」

紬「あるわよ。日本全国津々浦々」

澪「どんなんや」

唯「夏は涼しいところがいいなぁ」

梓「軽井沢とか、北海道とかですか?」

唯「うん、そう」

紬「あるわよー、軽井沢と北海道」

澪「なんといふ」

律「やっぱり夏といえば山か海の二択だからなー」

梓「じゃあ水着は要りませんかねぇ」

紬「大きめのプールもあるのよー?」

澪「もう逆に琴吹家にないものを教えて欲しいな」

唯「じゃあ夏は山と海の二大自然制覇だね!」

澪「どっちも行く気か?!」

紬「あら別に構わないわよ?とう別荘は誰でもウェルカム」

梓(アゴと鼻が……尖って見える……?)

律「じゃあ春は奈良で夏は山と海だな」

唯「あ、川原でバーベキューやるのも楽しそう」

紬「別荘の近くに川あるわよ?」

澪「最早ただのご都合主義じゃないか」

梓(アゴと鼻が…元に戻ってる…)

律「フフン、夏を制すものは受験を制すとはよく言ったものだな!皆!けいおん部の進路実現は明るいぞー!」

澪「それ意味違うから」

律「さぁて諸君」

澪「次にお前が言うことくらい想像がつくぞ」

律「今年の秋はどこ行こうか!」

澪「やっぱり」


唯「ナスダック来ないねぇ」

紬「ナスダックは来ないわよ。来るのはカスラックよ」

澪「もういいや」

唯「そういえばさっきにゃずあんが言ってたよねぇ、秋と春は観光地かレジャー施設って」

紬「唯ちゃん、名前名前」

律「つまり、観光地を春が抑えた今、秋に残された道は一つ!」

梓「レジャー施設ですね」

澪「つまり、遊園地とかのことだろ?」

唯「あ、私UFJ行きたいー」

紬「唯ちゃんそこは銀行よ」

律「なんだ、唯はユニバーサルスタジオジャパン行きたいのか?」

唯「そうだよ、UFJ。なんで略さないのりっちゃん?」

澪(可哀想な頭してんなぁ…)

梓「なんでユニバーサルスタジオジャパンに行きたいんですか?」

唯「実はね、私ディズニーランドもシーも富士急ハイランドも浜名湖パルパルも志摩スペイン村も明治村もリトルワールドも日本モンキーセンターもも長島スパーランドも琵琶湖タワー(故)もハウステンボスも行ったことはあるんだけど、UFJだけはなくって」

唯「でさ、スタジオっていうからにはちゃんと練習できる場所があるんでしょ?ついでに合宿もできるじゃん!だから!」

澪(どんだけー)

律「なるほどなー。じゃあ秋はユニバーサルスタジオジャパンにするか!」


唯「さっきから皆なんでUFJって略さないの?ナスダック来ちゃうよ?」

紬「流石にカスラックも今回ばかりは来ないわよ」

律「澪にはファストパスっていうすごいアイテムを渡してやるからな」

澪「私そのファストパスってのよく知らないんだけど…いいのか?」

律「私が持ってても腐らせちゃうからさ」

澪「な、なんだかよくわからないけど悪いな律。ありがとう」

律(ただしジュラシックパークのファストパスですがね)ニヤニヤ

梓「ユニバーサルスタジオジャパンなんて中学の修学旅行以来だなぁ」

唯「ほぇ?にゃずあん修学旅行はUFJだったの?」

律「近頃のゆとりは変に贅沢だなオイ…」

澪「私らなんて鎌倉だったんだぞ…」

梓「あぅ。…その、ごめんなさい」

律「じゃあ秋はユニバーサルスタジオジャパン合宿(笑)ってことで決定ー!」

唯「りっちゃんなんでちょっと笑ったの?」

律「だってオマエ、合宿って…w」プークスクス

唯「?」

梓「でも秋って特別長いお休みないですよね」

紬「皆、今のうちに進級に必要な出席日数はしっかり確保しとくのよー」

梓「…サボれと」

律「二泊三日で考えると、土日を挟めば一日休むだけでいいだろ?」

梓「日数の問題じゃありませんよ」

澪「…ファストパス…」ワクワク

梓「あれ、私孤軍奮闘か」

律「さて、そんじゃ秋の予定も決まったことだし!」

澪「…お前は次に、『今年の冬はどこ行こうか』と言うッ!!」

律「今年の冬はどこ行こうか!……ハッ!」


唯「…ナスダック」

紬「…カスラック」

律「冬といやぁやっぱりウィンタースポーツだよな!」

澪「さっき梓が例に出したのだと…スキー、スノーボード、スケートの三択か」

唯「私スキーもスノーボードもスケートもやったことないんだぁ」

紬「私も」

澪「私もだ」

律「私もねーや」

梓「なんだ、皆やったことないんですか」

律「そういう梓は?」

梓「ないですよ」

律「さぁインストラクターを雇う金はないぞ。素人が雪山滑ったら下手すりゃ死ぬぞ」

梓「唯先輩はスケートですっころんだ拍子に、ブレードで前にいた人を一刀両断しちゃいそうですよね」

澪「」ガクガク


律「…冬の遠出はやめとくか」

澪「…そうだな」

梓「唯先輩は毎年、冬休みってどうやって過ごしてます?」

唯「一日中こたつでごろごろ~、かなぁ」

紬「ダメじゃない唯ちゃん、風邪引くわよ」

律「おいおいムギ、いくら唯でもまだこたつで寝るなんて言ってないじゃないか」

唯「もう万年床って気分だよ」

律「寝とるしこいつー!」

澪「…しかしまぁなんだ、ウィンタースポーツがダメなら、もうそれでいいんじゃないか?」

唯「ほぇ?それ、って?」

澪「こたつだよ、こたつ。冬休みは皆でこたつに入って、ゆっくりしようよ。みかんでも食べながらさ」

梓「…それもそうですね。春夏秋と遊びましたし、冬くらいは」

律「ん。悪くないな。ムギ、冬の間だけ、この机をこたつ机にするぞ!毎日のお茶は熱ぅい緑茶、お菓子は練りきりか羊羮、そうでなきゃ赤福だーっ!!」

紬「わかったわりっちゃん。……でも一つ問題があると思うの」

皆「?」


紬「おこたの机ってたいてい四角じゃない」

澪「うん」

紬「そう大きなこたつは置けないから、たぶん一辺につき一人収めるのが限界なわけじゃない」

唯「うん」

紬「…けいおん部は5人じゃない」

律「あー…」

梓「一人あぶれちゃいますね」

澪「」ジー

紬「」ジー

唯「」ジー

律「」ジー

梓「あぁそっか、私があぶれればいいんですね」


澪「い、いやそういう意味の視線じゃなかったんだが」

梓「いえいいんですよ澪先輩。……今からでもジャズ研の入部間に合うかなぁ」

律「いやだから違うんだって!」

紬「ただね、梓ちゃんってやっぱり猫っぽいじゃない」

唯「なんたってにゃずあんだからねぇ」

梓「…それがどうかしたんですか」

唯「だからねにゃずあん、猫は猫らしく、誰かの膝の上に乗ってればいいと思うの」

律「具体的には唯の上に」

澪「唯としてもそのほうが嬉しいだろ?二人ともいっつもベタベタしてんだし」

梓「……」

唯「まぁそういうことだから。…ほぅれにゃずあん、ここおいで?」ポンポン


梓「…まったくもう…まだこたつじゃないじゃないですか」ポス

律「と、言いつつもしっかり唯の上に乗っかる梓」ニヤニヤ

梓「律先輩は黙っててください」

唯「えへへー。にゃずあんが近いやー」ナデナデ

紬「」テカテカ

澪「まぁ今年の冬はこんな感じになるんだろうな」

律「そうだな。それじゃまぁ、アレだ」

皆「?」

律「来年の春は、どこ行こうか!」






終わり



最終更新:2010年02月02日 00:42