澪の部屋
澪「…………」
律「入るよー」
澪「…………」
律「もー何日顔出さないつもりだよ。唯たち心配してるぞー」
澪「…………」
律「おーい。澪ちゃーん」
澪「…………」
澪「りつー」
律「んー?」
澪「わたしなんで軽音部入ったんだっけ」
律「それは私と澪が見たあの汗と涙のライブで…」
澪「なんで入ったんだっけー」
律「…文芸部に入ろうとした澪を私が誘ったんだろー」
澪「わたしいつベース始めたっけー」
律「それは……んーと、いつだっけかなー」
澪「なんでバンドやってんだろー」
澪「な~んで~バンドやってんだろ~♪ フンフン♪」
律「……………」
澪「ハァー……わかってるよ、こんなの考えても意味ないの」
澪「梓はすごいよ。私と違って、全然ブレたりしないんだから。
あいつはギターもできる。ベースも私よりうまくできる。ドラムだって律より……
その気になればあいつ一人で音楽やれる。
でも、私は一人じゃなあんもできない」
律「…………」
澪「ほんとはさ……こんなことでウジウジしてるんじゃないんだ。
この間、梓がメガネ買ったとき……り、律が選んだって聞いたときね……
な、なんか……嫌だなって……こ、こんな……恥ずかしいっ……」
律「…………」
澪「こんなねっ……グスッ……子供っぽいっ……理由でね……
バ、バカみたいだよね……だって…梓……すごいじゃん?
だから……な、なんか……り、律がねっ……離れちゃうんじゃないかって」
律「……ばーかだなー。そんなことだったのかよー」ギュ
澪「うんっ……バカだよね……ばかばか……」
律「澪はすーぐ泣いちゃうもんなー」
澪「……うんっうん」
律「左利きってだけで泣くもんなー」
澪「うんっ……うん」
律「髪の毛のことでも泣いちゃうもんなー」
澪「……うん」
律「すーぐ捏造しちゃうしなー」
澪「そ、それは律だろっ」
律「あれーそーだっけー」
澪「そ、そうだぁ」
澪「ごめんな……変なとこ見せて」
律「なーに言ってんだよっ! これだけ付き合ってればもっとすごいのが他に…」
澪「なんだよーそれー」
律「明日からはちゃんと来るよね」
澪「うん……みんなに謝らなきゃな」
律「ムギなんかなーここ最近お茶出してくれないんだぜー
澪ちゃんが来るまでおあずけでーすって」
澪「それじゃあ早く行かなきゃ」
律「おう! じゃな、お~や~す~み~♪」
澪「お~や~す~み~♪」
澪「よし!
ルイ・ルイ! オーノーベイベー! ミーガッゴー!
行かなくちゃ!」
学園祭2日前
澪「オッスッ!!」
唯「あ! 澪ちゃーん!」
紬「澪ちゃん!」
澪「みんなごめんなさい! ご迷惑おかけしました!」
唯「いいよ~大丈夫大丈夫」
紬「お茶にするー?」
澪「ありがとう! でも時間ないから早く練習…」
唯「えへへーもう準備できてるよー」
澪「唯…」
唯「わたくし! 澪ちゃんが来るまでお茶も飲んでないしお菓子も食べてません!」
澪「そうか」
唯「それに練習も全くしてません! なぜならば!
澪ちゃんがいなきゃ意味ないからです!!」
紬「わー」パチパチ
澪「……ばっ」
澪「バカーーーーーーーッ!!!」
唯「わあーぁ」
澪「時間ないんだから私がいなくても練習しろ! おい、まさかムギも」
紬「全然キーボードさわってないの~」
律「ういーっす」バタン
澪「律! 私がいない間練習は!?」
律「え? してないよ」
澪「梓は!?」
唯「あずにゃん、音楽室来ても寝てばっかだよ」
澪「おい! 梓!」
梓「Zzz……」
澪「起きろコラ!!」
梓「…あ、ああ、おはようございます」
澪「最近最後にギターさわったのは!?」
梓「あ~……1週間近く前ですね」
澪「いいか。明日はスタジオが借りられたからそこで徹夜で練習!
今日は校門が閉まるまで練習!」
唯「ええ~」
澪「AもBもCもない! とにかく練習です!
最初は『ホッチキス』から! やるぞー!」
律「よかったよかった」
学園祭当日
和「入るわよー」ガチャ
和「…………」
和「…………」
和「…………ああ、みんなトイレか」
某スタジオ
澪「…………」
律「…………」
紬「…………」
梓「…………Zzz」
いつびーなはーでいずなーい♪
唯「……う~ん」
唯「あぁ! 和ちゃんだぁ」
唯「もしもし? 和ちゃんですか?」
和「あ、唯? 今どこ? もうすぐ時間だから準備よろしくね」
唯「じかん?」
唯「…………」
唯「あのぅ……和ちゃん、あと何時間くらいでございましたっけ?」
和「あと30分よ。よろしくね」プッツーツー…
唯「…………」
唯「…………」
唯「…………もう間に合わないかもね」
唯「…………」
唯「…………」
唯「…………あ、そうだ」ガチャガチャ
唯「シャキーン☆ 合体☆ギー太!」
唯「…………せーの」
ジャラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンンンン……
律「うるさーい!」
紬「なにー?」
澪「なんだよもー」
梓「……ヴァーヴのスター・セイル?」
唯「おはよう! みんな!」
唯「いやあ、本日は大変お日柄もよく気候に恵まれ雲ひとつない」
澪「…………」
律「なんだよ~テストでもないのに徹夜したんだぞ~」
紬「もう少し寝かせて~」
梓「…………びたーすぃーしんほにぃ……Zzz」
澪「みんな急げ!!」
澪「バッグなんてあとで取りにくればいいから! 楽器だけ楽器だけ!
あーもう梓起きろ!」
和「唯、遅いわね……」
澪「ほら走れ!!」
唯「へぇ……へぇ……」
律「テストの次は体育祭かー!?」
紬「がんばれ私……がんばれ私」
梓「(……吐く)」
唯「(間に合うかな~?)」
律「(水飲みたい……)」
紬「(こういうときは楽しいこと考えて……)」
梓「(……吐く吐く)」
澪「(行かなくちゃ、はやく行かなくちゃ)」
…
月の出てる夜 ぼくはジャマイカンのあの娘に会いに行く
もうすぐ 僕の恋人に会える
彼女を抱きしめて それから
二度と離さないって誓うんだ
ルイ・ルイ
オーノー ぼく、行かなくちゃ
イエーイエーイエーイエーイエーイエー
ルイ・ルイ
オーノー ぼく、行かなくちゃ
LOUIE,LOUIE(Richard Berry)
…
和「唯・・・はやく」
「すいませーん、まだですかー」
和「もう来ます!」
「急いでくださーい」
和「はやく来て!」
…
憂「もうすぐだなー」
憂「そういえば去年はかわいい服着てたなー」
憂「今年はどんなのかなー」
アナウンス「つづいては、軽音楽部の演奏です」
ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
「あれ、誰もいなくない?」
「あ、出てきた」
「なんか制服ヨレヨレー」
「あれっ、これから準備するの!?」
「あのちっちゃい子、顔真っ青だけど大丈夫?」
ブウウゥウーーーーーーーーーーーーーンン……
カチャ…………カチャ…………
……ゥタンッタタタンッッ……
チャラーーンチャラーーン……
ドレミーレド……ドレミレドレー……
唯「PiPiPiPiiiiiiiiiii!!」
澪「……あ、あ、あ、あ、マイクチェック」
澪「あ、あ、あ、マイクチェック」
澪「あ、あ、あ、あ、きこえますかーきこえますかー」
ズンタタダッツーダダッツーッダツー!!!
澪「ふうぅーーーーーっ……」
「…………」
澪「えーお待たせしました、軽音楽部もとい放課後ティータイムです。
準備が遅れて申し訳ありませんでした」
「…………」
澪「時間の都合で1曲しか演奏できません。
でも、聴いてください」
澪「……ハアァー……ッ」
「ふわふわ時間!!!!!」
~~~
唯「…………」
澪「…………」
律「…………」
紬「…………」
梓「…………」
唯「……ねむい」
律「私は疲れて逆に眠くないよ……」
紬「もう……ゲル状……」
澪「…………」
梓「…………」
澪「…………」
梓「…………」
澪「…………どうだった? このバンドでの初演奏?」
梓「…………いい、暇つぶしになりましたよ」
澪「そっか…………よかった」
和「ちょっとーあんたたちー。
アンコール頼めるかしら?」
澪「…………だってさ」
梓「…………まだ退屈はしのげそうですね」
唯「うーん……おかわり」
おわり♪
最終更新:2010年02月19日 23:45