唯「もう3月なのに、寒いよねぇ」
澪「ああ、寒いな」
唯「早く、あったかくなんないかなぁ」
澪「そういえば」
澪「まえに雑誌で読んだんだけどさ」
唯「ほぇ?」
澪「なんか特殊な状況で結ばれたカップルは」
澪「長く続かないらしいよ」
唯「そうなんだぁ」
澪「そうなんだってさ」
唯「ふーん」
澪「でも」
唯「わたし達には、関係なかったみたいだねぇ」
澪「だな」
紬「唯ちゃん、澪ちゃん、お待たせ」
律「席取り、ごくろー」
澪「誰が、席取りだ」
唯「失礼なっ、誰がお相撲さんだっ!」
律「そっちの関取じゃねーよ」びしっ
唯「あぅ、つっこまれたぁ」
紬「それで、どうしたの?」
唯「へ?」
紬「なにか話があって、呼び出したんじゃないの?」
律「なんか、あったのかー?」
唯「・・・実はね」
澪「じ、実は?」
唯「あ、あのね」
律「なな、なんだよー?」
唯「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
澪「・・・・・・」
律「・・・・・・」
唯「今日は憂が登校日で、お昼なくてさぁ」
唯「どうせなら、みんなで食べようと思ってぇ」ころっ
紬「え、それだけ?」
唯「そー、それだけぇ」
澪「さっきの間は、なんだったんだっ」
律「なんだよー、こっちも忙しいんだぞー?」ぶーっ
唯「なにが忙しいか、教えて欲しいもんだねっ」
律「レベル上げに決まっている!」
紬「ほ、ほんとに!?」ぐいっ
紬「ほんとに相談とか、ないの?」
唯「ないよぉ、どして?」
紬「えっ?あっ」
紬「そ、それなら、いいのー」
~数時間後~
唯「なんか、こう寒いとさぁ」
唯「春物を買う気がしないよねぇ」
紬「うん」
唯「でも、大学は私服だからなぁ」
唯「もう少し、揃えとかないとね」
紬「うん」
唯「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
唯「ムギちゃん」
紬「は、はい?」
唯「あれ、ムギちゃんだよね」
紬「え?」
唯「あの手紙、ムギちゃんだよね?」
紬「ななな、なんのこと!?」
紬「招待状なんて、ぜんぜん知らないわ!」
唯「・・・引っ掛かったね」にやっ
紬「な、なにが?」
唯「招待状なんて、一言も言ってないよっ」
紬「・・・あ!」
唯「やっぱりかぁ」
紬「な、なんでわかったの?」
唯「ムギちゃん、相談のこと言い過ぎ」
紬「あぅ」
唯「なんで、あんないたずらを?」
紬「い、いたずらじゃなくて」
唯「違うのぉ?」
紬「うん、あの、そのっ」
唯「その?」
紬「・・・・・・」
唯「・・・・・・」
紬「やっぱり、言えないー」
紬「だって、唯ちゃん、怒るもんー」あぅぅ
唯「お、怒らないよっ」
紬「ほんとに怒らない?」
唯「怒らないよぉ」
紬「ほんとに、ほんと?」
唯「約束するよっ」
紬「ぜっっったいに?」
唯「指きりしてもいいよっ」
紬「わ、わかった」
唯「うんっ」
紬「・・・・・・」
唯「・・・・・・」
紬「い、いちおう指きりしてくれる?」
唯「そ、そか」
唯・紬「指きった♪」
唯「これで大丈夫」
唯「わたしは遅刻はしても」
唯「約束は守る人なんだよっ」ふふん
紬「そ、そう」
唯「あのね」
唯「ほんとに怒ったりしないからさぁ」
紬「わかったわ、唯ちゃん」
紬「わたし、言うね!」
唯「その調子だよ、ムギちゃんっ!」
紬「寂しかったのー!」
唯「へ?」
紬「だって、だって」
紬「唯ちゃん、夏フェスから帰ってから」
紬「あんまりスキンシップしてくれないんだもん!」
唯「へ?」
紬「あの時みたいなことがあれば」
紬「もっと、くっついてくれると思ったのー!」
唯「わ、わたしのせいだったぁ!」がーんっ
紬「ち、違うわ」
紬「唯ちゃんのせいってわけじゃ」
唯「・・・ムギちゃん」
紬「は、はい?」
唯「いま頭の中にね」
唯「やぶへび、って言葉が浮かんだんだけどぉ」
唯「使い方、あってる?」
紬「だいたい、あってる・・・かも」
唯「勉強したかいがありましたっ」うぅ
紬「ゆ、唯ちゃん、頑張ってるもんね」
唯「ごめんねぇ、ムギちゃん」
紬「あ、謝ることなんて」
唯「わたし、ムギちゃんが隣で笑ってくれてるだけで」
唯「すっごい幸せだったからさぁ」
唯「そゆこと、あんまし考えなかった」しゅんっ
紬「・・・・・・」
唯「・・・・・・」
紬「ずるい」
唯「はぇ?」
紬「いま、そんなこと言うなんて、ずるいー!///」
唯「ごめんなさいっ」
紬「で、でも今日は腕を組んでもらうから」
唯「わ、わかったよっ」
紬「じゃ、このまま春物見にいこ?」
唯「あ、うん」
紬「レッツ、ウインドーショッピングー♪」
唯「ご、ごーごー!」
唯(い、いいのかな、これでぇ)
~その夜 ファミレス~
唯「こんな時間にファミレスなんて」
唯「不良だね、澪ちゃんっ」
澪「唯が呼んだんだろ!」
唯「ごめん、ごめん」たはは
澪「で、なに、話って」
唯「えと、うんとねぇ」
澪「もしかして、ムギのこと?」
唯「ななな、なんでわかったのっ!?」
唯「澪ちゃん、エスパー!?」
澪「・・・いや、なんとなく想像つくし」
唯「そ、そうなの?」
澪「で、どんなこと?」
唯「んとね、女の子ってさぁ」
唯「いつもスキンシップ、望んでるのかなぁって」
がたたっ
唯「ど、どしたの?」
澪「い、いや」
澪「あまりに直球が来たもんだから」
澪(ていうか)
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
澪『唯だって、女の子じゃーん』びしっ
唯『そういえば、そうでしたー』
澪『って、なんでやねーん』
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
澪(なんて、つっこみはダメなのか?)
澪(こういう場合ってっ)
唯「おーい、澪ちゃーん?」
澪「でも、なんでわたしにそんなこと?」
唯「ムギちゃん本人に聞けと!?」
澪「いや、それはさすがに」
唯「律っちゃんに聞けと!?」
澪「あ、いや」
唯「あずにゃんに!?さわちゃんに!?」
唯「まさか、憂にっ!?」
澪「ご、ごめん」
澪「なんていうか、悪かった」
唯「和ちゃんと迷ったけど」
唯「ここは、彼氏持ちの澪ちゃんでお願いしますっ!」
澪「か、彼氏持ちぃ!?」
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
律『どうも!』
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
澪「ぶふっ」
唯「澪ちゃんっ!?」
澪「・・・コホン」
澪「で、スキンシップだっけ?」
唯「そうそうっ」
唯「やっぱり、澪ちゃんもしてもらいたい?」
澪「え、あの」
唯「・・・・・・」じーっ
澪「その、ね」
唯「・・・・・・」じーっ
澪「そ、そんなこと」
澪「恥ずかしくて、言えないよぉ!」ふるふるっ
唯「・・・ごめん、澪ちゃん」
唯「そのリアクションで、わかっちゃったよ」
澪「はぅっ!///」
澪「べ、別にさ」
澪「ベタベタしたいとかじゃないんだ」
唯「ふんふん」
澪「ちゃんと、わたしのこと好きなんだって」
澪「感じさせてくれる、なにかがあればさ」
澪「そ、それだけで、いいというか」
唯「・・・・・・」
澪「・・・・・・///」
唯「なんというか」
唯「いろいろ、ごちそうさまですっ」
澪「唯が聞くから、言ったのにっ!」がーんっ
唯「ふむむ」
唯「ふわふわ時間かなぁ」
澪「え?」
唯「なんか、ああいう恋したいのかなぁって」
唯「どきどきのふわふわ、みたいな」
澪「・・・ああ、そうかも」
澪「あの詞ってさ、すごく自然に書けたんだよね!」
澪「素直に自分を出せたっていうかさ!」
唯「澪ちゃんっ」
澪「ん?」
唯「次からもっと、優しく歌うからねっ」
澪「あ、あれ?」
澪「前に、同じようなセリフ聞いた気が」
唯「マシュマロみたいに、ふーわふわっ、だねっ」
澪「・・・そういえば唯は」
澪「ムギのどんなとこが好きなの?」
唯「い、いきなりだねっ」
澪「いいじゃない、聞かせてよ」
唯「うーん」
唯「笑顔が、ほわほわなとことかぁ」
澪「ふわふわじゃないの?」
唯「えー?」
唯「ムギちゃんは、ほわほわだよぉ」
澪(なにが、どう違うんだっ)
澪「って、どっちかっていうと」
澪「唯の笑顔のが、ほわほわな感じするけどな」
唯「も、もしかして澪ちゃん」
唯「わたしのことぉ?」もじっ
澪「違うから」
唯「ま、真顔でつっこみはやめてっ」
澪「まあ、でも」
澪「唯とムギは、お似合いだと思うよ」
唯「そ、そうかなぁ」
澪「ただし」
唯「へ?」
澪「暴走始めたら、どっちが止めるんだ」
澪「っていう心配はあるけど」
唯「うぅぅ、否定しきれないっ」
澪「・・・スキンシップもほどほどにしといた方が」
澪「いいような気がする」
唯「え!?それ、どんな心配!?」
澪「かといって」
澪「大事にし過ぎるのも、どうかと思うけどさ」ずーんっ
唯「・・・・・」
澪「・・・・・」
唯「み、澪ちゃんは、大事にされ過ぎてるの?」
澪「いや」
澪「律の場合は、ヘタレなだけかも」
唯(本音が厳しすぎるっ)ひぃぃっ
唯「あ、もうこんな時間かぁ」
澪「ほんとだ」
唯「ありがとね、澪ちゃん」
唯「参考になったよっ」
澪「なんか、まとまりのない話になっちゃったけど」
唯「そんなこと、ないってぇ」
唯「遅くまで、ごめんね」
澪「ぜんぜん構わないよ、このくら・・・い?」びくっ
唯「澪ちゃん、どしたのぉ?」
澪「あ、あの」
澪「窓の外に、なんか見えるんだけどっ」
唯「ほぇ?」
唯「うーん」
唯「こんなムギちゃんそっくりな人がいるなんて」
唯「驚きだねっ」
澪「・・・・・・」
唯「・・・・・・」
澪「いろいろ無理じゃないかな、それ」
唯「デスヨネー」
澪「ほら、手を振ってるし」
唯「き、気のせいかな」
唯「笑顔が怖い気がするんだけどぉ」
紬「澪ちゃん、置いてきてよかったの?」
唯「う、うん」
唯「お話、終わった時だったからぁ」
紬「そうなんだー」
唯「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
唯「あの、ムギちゃん」
紬「・・・ひどいよ」
紬「わたしを帰したあとに」
紬「他の女の子と会ってるなんてー」 ←やっぱり女の子限定
唯「えぇぇぇぇぇ!?」
紬「唯ちゃんは、わたしに飽きたの!?」にじりっ
唯「そ、そんなわけないじゃんっ」
紬「じゃあ」
紬「もしかして、二股とか!?」
唯「あ、ありえないよぉ」
唯「だって、どうやってスキンシップしようか」
唯「相談してたくらいだったのにっ」
紬「スキンシップ?」
唯「って、あれぇ?」
唯(言っちゃってどうするのっ!)がーんっ
紬「・・・・・・」
唯「・・・・・・」
紬「うん、そんなことだと思った」
唯「はぇ?」
紬「浮気とか二股とか、言ってみたかったのー」
唯「も、もしかして」
唯「また、女性週刊誌とか?」
紬「さっきまで、美容室だったから♪」
唯「と、とりあえず」
唯「変に誤解されないで、よかったぁ」
紬「でも、唯ちゃん」
紬「言っておかなきゃいけないことがあるわ」きりっ
唯「な、なんでしょぉ?」
紬「あのね」
唯「う、うんっ」
紬「車で送ってもらってて」
紬「唯ちゃん達が見えたから、降りたんだけどね」
唯「うんうん」
紬「お泊りの約束、忘れてたーって」
紬「嘘ついて、降ろしてもらったのー」
唯「へ?」
紬「だから今日は、家に帰れませんっ」
唯「えぇぇぇぇぇ!?」
最終更新:2012年10月01日 00:32