>放課後

梓(お二人に告白された次の日に、お二人からフラれるなんて……)

梓(あの後どうなったんだろ……)

梓(はぁ……)

梓(そういえば、今日の部活は休みだと律先輩からメールが来てたな)

梓(澪先輩かムギ先輩が頼んだのかな)

梓(……一応部室に行ってみようかな。誰かいるかもしれないし)


>部室前

紬「澪ちゃんのわからずや!」

澪「わかってないのはムギのほうだ!!」

紬「そんなことないもん!」

澪「じゃあ聞くけど、ムギは梓のこと好きなんだろ?」

紬「うん。好き」

澪「じゃあ取り消さなくていいんじゃないか」

紬「でも澪ちゃんのほうが絶対お似合いだから!」

澪「お似合いだから引き下がるっておかしいよ!」

紬「それを言うなら澪ちゃんはどうなるの。澪ちゃんだって梓ちゃんのこと好きなんでしょ」

澪「……ぅ」

紬「好きなんでしょ!」

澪「そうだよ。好きだよ!」

紬「じゃあ引き下がらなくてもいいじゃない」

澪「けど、ムギのほうが優しいだろ」

紬「そんなことない。澪ちゃんのほうが梓ちゃんへの気配りは上手よ」

澪「それはムギのおかげだよ」

紬「えっ」

澪「私が失敗してもムギが慰めてくれるから、私は心に余裕を持って行動できるんだ」

紬「そ、そんなの……。それを言うなら、澪ちゃんがいてくれるから、私は毎日が楽しいんだから」

澪「へっ」

紬「澪ちゃんがストッパーになってくれるから、どんな無茶でもできるんだよ」

澪「そんなの……」

紬「きっと毎日のティータイムが楽しいのだって、澪ちゃんが練習する方向へ引っ張ってくれるから」

澪「うぅ……。でも、そのティータイムができるのはムギのおかげだろ」

紬「私は貰い物のお菓子持ってきてるだけだもん!」

澪「お茶だって入れてくれるじゃないか」

紬「お茶だって持ってきてるだけよ」

澪「でも、入れてくれるのはムギだ」

紬「そんな屁理屈!」

澪「屁理屈なんかじゃない!」

紬・澪「ぐむむむむむむ」


梓「……あのっ」


紬「梓ちゃん」
澪「梓」

梓「お二人とも……」

紬「ごめんなさい。梓ちゃん。澪ちゃんが意外と聞き分けなくて……。もうすぐ終わるから今日は帰って」
澪「ごめんな梓。ムギの奴全然私の話を聞いてくれないんだ。でも必ず今日のうちに」

梓「あっ……」

紬「ぐむむむむむ」
澪「ぐむむむむむ」

梓「あのっ! 私のために争うのはもうやめてください!!」


紬「えっ」
澪「えっ」


紬「……」ジー
澪「……」ジー

梓「……?」

紬「…プッ」
澪「…プッ」

梓「へっ、へっ」

紬「ねぇ、澪ちゃん」

澪「あぁ、ムギ」

紬「人生でまず聞かないだろう台詞No1を聞いちゃった」

澪「あぁ、絶対に縁がない台詞だと思ってたのにな」

梓「///」

紬「あっ、赤くなった」

澪「かわいい……」

紬「やっぱり澪ちゃん、梓ちゃんのこと大好きじゃない」

澪「ムギだって、そうだろ」

紬「私は違うわ。梓ちゃんなんて……」

澪「なんて?」

紬「……………言えない」

澪「言えないじゃないか。私は言えるぞ。梓なんて…………」

紬「言えないじゃない」

澪「……あぁ、悔しいけど私は梓のことが大好きだ」

紬「……私も」

梓「///」

澪「しょうがないな」

紬「ええ、この方法だけはとりたくなかったんだけど」

梓「……どういうことですか?」

澪「あぁ、梓に決めてもらおうと思う」

紬「もちろん二人とも振ってもいいのよ」

澪「うん。そのときはスッパリ諦めるから」

梓「……おふたりとも」

澪「時間が必要か?」

梓「……いいえ。大丈夫です」

紬「それじゃあ梓ちゃんの答えを聞かせてくれる?」

梓「私の答えは……」

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>週末

梓「こっちです!!」

澪「ご、ごめん梓。ちょっと服を選ぶのに手間取っちゃって」

梓「くすっ。きっとムギ先輩だったらこう言いますよ」

澪「『私、今来たところなのって言うのが夢だったの~』か?」

梓「あんまり似てませんね」

澪「……ぐすっ」

梓「わ、わ。泣くようなことじゃないですよ」

澪「そうだな。落ち込んでもここにはムギがいないもんな」

梓「はい」

澪「じゃあ行こうか」

梓「ええ、行きましょう」

澪「でも、本当に意外だったよ。梓があんなことを言うなんて」

梓「単純にお二人のことを好きだったというのもあります」

澪「梓は浮気者だな」

梓「……否定できません。でも、それだけじゃないです」

澪「そうなのか?」

梓「はい。澪先輩とムギ先輩の信頼関係を見てたら思ったんです」

梓「私もその仲間になりたいな。お二人と一緒のものを見てみたいなって」

澪「そうなんだ……」

梓「それともうひとつ」

澪「なんだ?」

梓「ちょっとだけ見てみたくなったんです。澪先輩とムギ先輩がいちゃついてるところ」

澪「へっ……。ムギみたいなこと言うんだな」

梓「はい。毎日お茶を飲んでたから伝染っちゃったのかもしれません」

澪「……うーん」

梓「澪先輩?」

澪「私はまだその境地に達してないかな」

梓「へっ」

澪「梓とムギがキスしてたら、私も混ぜて欲しいと思うから」

梓「でも、私もそうかもしれません」

澪「…そろそろ到着かな」

梓「はい。楽しみです」

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ピンポーン♪

紬「いらっしゃい。今日はたっぷり楽しみましょ」

澪・梓「///」


おしまいっ!




18禁要素のおまけ(続編?)を途中まで書いたのですが、
2chは一応エロ禁止を謳っているので、SS深夜VIPに投下します
18歳以上の人は、こちらも見てくれると嬉しいです
では、また




最終更新:2012年10月07日 22:38