唯「あっずにゃーん!」ダキッ

梓「ちょっと///」

澪「お前ら、本当に仲がいいな」

紬「ほら、お茶が入ったわよー」

律「おー!いい香りだ!」イタダキッ!

唯「あーずーにゃーん」ギュー

梓「せ、先輩・・・離してくださいよ」

澪「そうだ、そろそろ離してやれよ」

唯「えー」ブー

梓「律先輩、ムギ先輩、どうにかしてください」

紬「絶対離しちゃ駄目よ、わかった?」ニコッ

律「別にどっちでもいいけど、お茶こぼしたりすんなよー?」ニヤニヤ

梓「鬼が2匹・・・!」

澪「ほら、唯ってば」テシテシ

唯「むー・・・わかったよぅ」パッ

梓「澪先輩、ありがとうございます」

澪「律とムギが鬼なら、私はこのタイミングで天使って言われてもいいハズなのに・・・」

梓「見返りを求めてたんですね、わかります」

唯「ねー、りっちゃん。私、思ったんだけど・・・」

律「へ?なんだよ」

唯「うーん、でも今ここで言うのはまずいかも・・・」

澪「いや、お前が切り出した話だろ」

唯「そうなんだけど・・・よく考えたら、ね?」

紬「私達の仲じゃない。言って?」

梓「そうですよ、気になります」

律「ほら、唯」

唯「んじゃ言うね。えーと・・・」

澪「なんだ?」

唯「りっちゃんってあずにゃんのこと好きでしょ?」

律「」

梓「」


律「は、はぁ?///」

澪「唯、いきなりどうした」

紬「よくやったわ、唯ちゃん」

澪「ムギは黙ってようなー?」

紬「負けないんだから・・・!」シュン

唯「ねーねー、本当のこと言って?」

律「いや、別に好きじゃねーし」

唯「じゃあ嫌いなの?」

梓「・・・」シュン

律「いや、嫌いなわけないだろ!」

唯「じゃあ好きなんじゃん!」

梓「・・・」パァァァァ!

律「梓、一喜一憂するのやめてくれ。会話がしにくい」

紬「でも唯ちゃん、急にどうしたの?」

唯「えっとねー、りっちゃんがあずにゃんに愛を送ってたんだ!視線で!」

律「私の視線はラブビームかよ」

紬「一理あるわね」

澪「いや、ないだろ」

唯「りっちゃんってば、私が羨ましいんでしょー?」ニヤニヤ

律「ばっ!///・・・べつに羨ましくなんかねーし!///」

紬「はい、わかった!」ビシ!

澪「・・・この問題は・・・わかるヤツはいないみたいだな・・・」キョロキョロ

紬「やめて!先生無視しないで!私、手挙げてる!!」ピーン!

梓「何このコント」

唯「はい、ムギちゃん!」

律「こら、あてるな!また話がこじれるだろ!」

紬「はい、りっちゃんが唯ちゃんの真似をすればいいと思います!!」


律「」

梓「」

澪「・・・はい?」


紬「もちろん、抱きつくのじゃないわよ?」

律「そ、そっか・・・」ホッ

梓「よかった・・・。ムギ先輩のことだから私、てっきり」

紬「呼び方を真似すればいいと思うの」

梓「こんなことだと思ってた」

唯「それいいね!りっちゃん、あずにゃんって呼んでみなよ!」

律「いいいいいやだよ!///」

唯「いいから!」

律「いくねぇぇ!!」

紬「いくなくない!」

律「いくなくなくない!」

澪「ごめん、ちょっとついていけなくなりそうだ」

梓「『な』が偶数がなら肯定、奇数なら否定です」

澪「また冷静だな、おい」

唯「ほら!勇気を出して!」

律「ここで必要となるのは果たして勇気であっているのだろうか・・・」

紬「頑張って!」

律「何に対してだ」

澪「うーん、でも確かに」

律「おい、澪。お前まで変なこと言うなよ?」

澪「唯と同じように呼んでみろよ、な?」

律「はい私の味方いなーい」

梓「っていうか呼ばれる側の気持ちは無視ですか!!!」


唯「」

紬「」

澪「・・・びっくりした」


律「何もそんなに大声で言わなくたって」

梓「私は律先輩に唯先輩と同じように呼ばれるのは嫌です!!」

律「そんなに断言しなくても・・・」シュン

澪「律、これはこれでクるだろ?」

律「ああ、けっこうしんどいな」

唯「あずにゃんも照れなくていいんだよ?」

紬「はい!わかりました!」

澪「・・・この問題も・・・わかるヤツはいない、か・・・」

紬「先生!私わかります!私わかります!」ピーン!ピーン!ピーン!

梓「そんなに力いっぱい挙手しなくても・・・」

唯「はい、ムギちゃん!答えてみなさい!」

律「だからムギに当てんなっつのぉ!!」

紬「呼び方をみんなで交換すればいいと思うの!」


唯「」

澪「」

律梓「ほら、言わんこっちゃない」


澪「私はスルーする方向で頑張ったぞ」

唯「楽しそうだね!」

澪「えぇ・・・?」

紬「絶対いいと思うの!」

梓「えっと・・・」チラッ

律「(あ、そうか、この手があったか・・・!)いいぜ!」

澪「って、いいのか!?」

律「おう!(とっておきの方法、思いついちゃったぜ!)」

唯「呼び方を交換するってことは・・・」

紬「例えば私がりっちゃんの呼び方をもらうとするならば・・・みんなを唯、澪、梓って呼ぶことになるわ」

唯「なんかややこしいね」

紬「えぇ。でも、梓ちゃんは自分だけあずにゃんって呼ばれるのが嫌だったんでしょう?でもみんなでやれば」

梓「問題はそこじゃないですよ」

紬「謀ったな・・・!」

澪「いや、謀ってない謀ってない」

紬「でもこれは決定したことなの。大きな流れには逆らえないわ。悲しいことだけど、私達はその中で足掻き続けるしかできないの」

梓「この人は何を言ってるの」

紬「赤信号もみんなで渡れば怖くないわ!だから大丈夫!照れないで!」

梓「そういう問題じゃないんですが・・・」

律「あー、わかったぞ」

梓「なにがですか」

律「『唯先輩だけの呼び名なのに、律先輩に呼ばれるなんて嫌!あずにゃんっていう呼び方は二人だけの特別なの!』」クネクネ

律「って感じ?」


梓「もっと違います」

律「」



澪「じゃあなんで嫌なんだよ?」

梓「あずにゃんなんてあだ名を呼ぶ人が増えるのが嫌なんです、純粋に」

唯「えー、今までもいやだったの!?あずにゃん!」

梓「え、いや・・・。そりゃ、最初は抵抗ありましたけど、最近は慣れましたよ」

唯「じゃあいいじゃん!」

梓「唯先輩に関しては、です。他の人が呼ぶとなると話は別です」

澪「なんだ、そんなことか」

紬「百合的な展開に結びつきそうもないから梓ちゃんの意見は無視でいいわね?」

梓「何その特殊な物事の判断の仕方」

紬「というわけで、呼び方の交換。始めるわよ?」

唯「ほい!」

澪「はいはい」

律「言ってもいかねーな、こりゃ」

梓「もー好きにするです」

紬「まず、一つ禁止事項があります」

澪「なんだよ?」

律「ちょっと待ってくれ。まず、私は澪と呼び方を交換する」

紬「のは駄目です」

律「なんでだよ!」

紬「なんで澪ちゃんなの?」

律「うっ・・・(とっておきの方法が早くも封じられた・・・!)」

紬「だって二人は同じでしょう?」

澪「へ?」

唯「あー、呼び方がってこと?」

紬「そう。りっちゃんも澪ちゃんも、唯、梓、ムギって呼ぶじゃない?」

律「・・・(バレてたのか・・・?)」

紬「意味ないでしょ?だから駄目」

澪「確かに、まぁ、な」

律「・・・(くっそー)」

紬「そこで提案なんだけど」

律「なんだ?」

紬「私はりっちゃんの呼び方を、りっちゃんは唯ちゃんの呼び方を、唯ちゃんは澪ちゃんの呼び方を、
澪ちゃんは梓ちゃんの呼び方を、梓ちゃんは私の呼び方をもらえばいいわ」

律「ややこしい」

澪「喋り方は?真似しないと駄目なのか?」

紬「まさか、喋り方はそのままでいいの。今回はあくまで呼び名を変えるのが目的よ」

唯「そっか」

紬「>>1のためよ。多分、呼び名を変えるのも書ききれないと思うから。同じ理由で罰ゲームとか、そういうのも無しよ」

律「ま、そういうことならしかたがないな」

紬「そしてもう一つ」

律「なんだよ」


紬「これを実践したときに、困ることが出てくるのよ」

梓「はい!先生!」ピン!

唯「・・・」ジー

律「いや、お前当ててやれよ!ムギのときはバンバン当ててたくせに!」

梓「・・・」シュン

澪「ほほ、ほら、梓!どうしたんだ?」

梓「お情けで当ててもらった・・・」

紬「お情けって・・・」

澪「そんなことないって、本当に気になるよ?なぁ、どうしたんだ?」

梓「死にたい・・・」

律「お前、最大MP1だろ」

唯「MP?マジックポイント?」

律「ううん、メンタルポイント」


紬「ある意味スライム以下ね」

梓「・・・」ズーン


律「ほほほら、話を元に戻そうぜ?」

唯「あ、そうだね。えーと、あずにゃんには何が『困ること』なのかわかるんだよね?」

梓「・・・はい。例えばさっきのローテーションで呼び合ったとき、私はムギ先輩のことをなんて呼べばいいんですか?」

律「へ?だからそのまま真似して・・・って、あ」

紬「気付いたみたいね。私は私のことを私と呼ぶわ。私の私に対する『他人→私』の呼び方なんてないのよ」

澪「うーん、どうすればいいんだ?」

紬「それは今までどおりでいいんじゃないかな。どう?」

律「あぁ、それがいいな」

梓「えーと、じゃあ確認していいですか?」

紬「うん。えっと、まずは唯ちゃん、言ってみて?」

唯「おっけー!私は澪ちゃんの呼び方を借りるから・・・」

唯「律!」ビシッ!

律「うお!?」

唯「ムギ!」ビシッ!

紬「なんか新鮮ね」ホワホワ

唯「梓にゃん!」ビシッ!

梓「いや違うでしょう。いま絶対わざとでしょう」

唯「澪ちゃん!」ビシッ!

梓「無視かよ」

唯「・・・でいいんだよね?」

紬「えぇ、次は澪ちゃんよ」

澪「いいぞ。えーと・・・私は梓だから・・・」ウーン

澪「律先輩!唯先輩!ムギ先輩!梓!」ビシ!ビシ!ビシ!ビシ!

澪「で、いいんだよな?」

紬「うん、そうね」

律「っていうかなんで名前呼ぶごとに指差すんだよ」

紬「その方が覚えやすいでしょ?指差し確認よ」

律「わかったよ・・・」

紬「それで、私がりっちゃんの呼び方だから・・・」

紬「澪、唯、梓、りっちゃん・・・で、いいのよね」

梓「そうなりますね」

律「こら、指差し確認しろよ」

紬「じゃあ次はりっちゃん、確認してみて?」

律「(無視かよ)・・・えーと、私は唯だよな?」

唯「うん!しばらく貸してあげるね!」

律「そりゃどーもありがとよ。えーと、澪ちゃん、ムギちゃん、唯、あず・・・あず・・・あ、あ・・・///」

澪「なに照れてるんだよ」

律「うううるへー!///」

唯「っていうか澪もちょっと顔赤いよ?」

梓「『澪』って・・・もう始まってるんですか?」

紬「そうみたい。唯、素晴らしい順応能力だわ・・・!」

梓「変なところで感心しないように」

澪「ほら、梓のことも呼んでやれよ」

律「・・・えーと・・・その・・・///」

唯「え?そんなに恥ずかしい?」

梓「そりゃ、普通の人はこうなりますって」

紬「いいえ、違いますー。りっちゃんは梓を愛しているから逆に呼べないんですー」

律「おい、こら」

梓「なんかその小学生みたいな言い方ムカつきますね」ニコッ

唯「小学生ってどうしてケンカするときにだけ敬語になるんだろうね」

澪「小学生なりの嫌味みたいなもんなんだろ?」

唯「ホント、もれなく敬語になるよね」

梓「つまりムギ先輩は小学生っと・・・」

唯「あー、今ムギ先輩って言ったー!」

梓「私はまだ確認作業してないからいいんですー」

紬「梓も小学生じゃない・・・」

梓「私は元々こんな口調です!」


律「あずにゃん!!」

澪唯紬梓「!?!?!?」


律「け、ケンカ腰になるのはよくないぜ、ああ、あ、・・・あずにゃん・・・///」

澪「声のデクレッシェンド上手すぎだろ」

律「うっせ!///」

梓「(なんか変な感じかも)・・・///」

唯「なんで梓が赤くなってるの」

紬「なんで唯が怒ってるの」

唯「だってなんかちょっと悔しい・・・!」

紬「わからないでもないけど・・・」

澪「ほら、最後は梓の確認だぞ」

紬「そうね、梓も頑張ってね」

梓「は、はい!えーと、私はムギ先輩からだから・・・」

梓「澪ちゃん、唯ちゃん、ムギ先輩、りっりっりっ・・・りっ・・・///」

紬「あれ?呼べないの?」ニヤニヤ

唯「梓、ちゃんと呼ばないと駄目だよ?」ニヤニヤ

澪「なるほど、これはこれで楽しいな」ニヤニヤ

律「な、なんだよ、早く呼べよ・・・///」

梓「りりりっり・・・ちゃん・・・///」

律「・・・///」


紬「はい駄目ー」

梓「」


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最終更新:2010年02月03日 00:46