梓(お願い…止まって!)

律(頼む…止まってくれ!)

紬(神様…唯ちゃんを助けてください!)

澪(完全に憂ちゃんに嫌われたな…)

唯「…」

唯「止まっ…た…?」

唯「…」

唯「止まったよー!!」

律澪紬梓憂「!!」

律「や…」

律澪「やったーーーーー!!!」

紬「よ…良かった…」

梓「はあ…寿命が縮まりましたよ…」

憂「もう…今度から気をつけてねお姉ちゃん」

唯「うん!ありがとう憂!命拾いしたよー…」

律「よーし!お祝いにケーキ食べに行くぞー!」

唯紬「おー!」

澪「やれやれ…」

唯「はー、良かった良かった!」


唯「…ひっく!」


唯「う…うそ…なんで…」

律「な…76回目…」

澪「そ…そんな…」

梓「こんな…こんな事って…」


律「77回目…!!」

紬「ほ、他に…他に方法はないの!?」

憂「い…息を止めて3回唾を飲むとか…」

澪「唯!今すぐやるんだ!」

唯「う、うん…!」

唯「…!」ゴクリゴクリゴクリ

唯「ひっく!」

律「78回目…!」

唯「どうしよう…hikuhikuが止まんない!」

唯「ど…どうしたら…わ…私…」ガタガタ

澪「まだ何かあるはずだ…まだ…」

梓「憂っ!まだ何かあるんでしょ!?」

憂「も…もう…ないよ…私は知らない…」

紬「そんな…!」

憂「お…お姉ちゃん…!」

唯「う、うい~…」ガタガタ

憂「お姉ちゃん…。私が代わりにうつしてもらえれば…」

梓「な…うつすってどうやって…」

憂「それは…」

憂「口移しとか!!」

律「んな…風邪じゃないんだから…」

澪「でもしゃっくりはうつるって話、聞いた事あったような…」

紬「やるべき!すぐにやるべきです!!今すぐに!!!Right now!!!!」

唯「ひっく!」

律「79回目!やばいぞ!?」

梓「も、もう何でもいいから、試してみて!!」

澪「でも憂ちゃんにうつしたら今度は憂ちゃんが…!!」

憂「大丈夫です!その場合私は1からカウントですから!!」

律「なるほど!それなら他の方法を考える時間はあるってことだね!!」

唯「ひっく!」

唯「あ…あああああああ!!」


律「80回目!憂ちゃんはやく!!」

憂「はい!いくよお姉ちゃん!!」

唯「はっ…はやく!!」


チュ

チュウウウウウウウ


紬「///」

律「うお…す、すげえ…///」

梓「大胆な子…///」

澪「」プシュー

チュウウウウウウウウウウ

唯憂「ぷは」

唯「止まった…かな…?」


唯「ひっく!」


律「81回目!!ダメだ…!止まってない!!」

梓「まあ…しゃっくりが口うつしできるなんて聞いた事ないですからね…」

憂「お姉ちゃん…どうしよう…どうしよう…!」

唯「いや…死にたくないよ…」ガタガタ

唯「ひっく!」

律「くっ!82回目…!」

澪「万事休すかっ…!」

紬「ケ、ケーキ…とりあえずケーキ食べて落ち着きましょう!?」オロオロ

唯「ひっく!ひっく!ひっく!」

律「85回目…!!」

律「わああああああああああ!!!!」

唯澪「うわ!?」

律「止まったか!?」

唯「ひっく!」

律「86回目…!」

紬「唯ちゃん、水と割り箸っ!!」バシャッ

唯「ひっく!」

梓「息…息とめてください!」ぐぐぐぐぐ…

唯「うぐ…」

唯「ひっく!」

憂「お姉ちゃん!背中!口移し!!」ぽんぽんチュウウウウウ

唯「ひっく!」

澪「唯!腹パンチ…はやめとくか…」

唯「ひっく!」

律「90回目…!やばい!やばいぞ!!」

澪「ま、まさかこんなことになるなんて…!」

唯「あ…ああああ…し…死ぬ…」ブルブル

梓「唯先輩!ダメ!死んだらダメですっ!!」

紬「しっかり!ケーキ!ほらっ!ケーキよ唯ちゃん!!」

唯「あ…ああ…あ…」

憂「やだ…お姉ちゃん!死んだらやだよおおっ!!!!!」

唯「ひっく!」

律「91回目…。もうイヤだ!私は唯の寿命のカウントなんてしたくない!!」


唯「ひっく!」

律澪紬梓憂「うわああああああ!!」


ガラッ

和「何騒いでるの?外まで聞こえてるわよ…」

律「か…の、和っ!!」

和「一体何の騒ぎ?」

梓「ゆ…唯先輩が…唯先輩が…!」

唯「ひっく!」

憂「お姉ちゃんのしゃっくりが止まらないんです!!」

唯「ひっく!」

律「今ので94回目…!くそっ!!!!」

紬「和ちゃん!しゃっくりを止める方法、何か知らない!?」

和「私が知ってるのは…割り箸と水を使うやつだけだけど…そこに落ちてる割り箸を見る限りじゃ、もう試したみたいね…」

澪「くっ…!」

唯「ひっく!」

律「95回目だ…!」

和「…ごめんなさい。私は役に立てそうもないわ…。でも…」

憂「でも?」

和「…昔こんな事があったの」

和「唯が私の家のお風呂にザリガニわ…」

律「その話はもう聞いた!!!」

和「そうだったかしら?とにかく、唯は一つの事に夢中になると他の事は全部忘れちゃうってことよ」

唯「ひっく!」

和「今、唯の体はしゃっくりに夢中になってるの…。もう…止めることはできないわ…」

梓(…役に立たないなこの人…)

澪(どや顔でわけわかんない事言って…何しに来たんだよ…)

唯「ひっく!」

律「97回目…」

和「唯…ごめんね…。私、どうすることもできないの…」

唯「の…和…ちゃん…」

唯「ひっく!」

澪「ゆ…唯…」

梓「唯先輩…」

紬「唯ちゃん…」

憂「お姉ちゃん…」

唯「最期に…みんなとお話できて…良かったよ…」

唯「えへへ…私は幸せ者だね…」

唯「ひっく!」

律「9…9回…目…」

唯「りっちゃん」

律「何だ…?唯…」

唯「りっちゃんと一緒に…はしゃいだり…ふざけあったり…とっても楽しかったよ…」

唯「澪ちゃんと仲良くね…喧嘩しちゃダメだよ…?」

唯「澪ちゃん…」

澪「唯…」

唯「澪ちゃんと…一緒にボーカルできたのは…私の誇りだよ…」

唯「最期に…ひゃうっ!って言って…?」

澪「バカ…!」

澪「…ひゃうっ…」

唯「えへへ…かわいい…」

唯「ムギちゃん…」

紬「唯ちゃん…ここにいるわ…」

唯「ギターのお金…返せなくてごめんね…」

紬「そんな…いいの…お金なんて…」

唯「ケーキ…おいしかったよ…ムギちゃん…は…いつもみんなに気を配っててくれてたね…ありがとう…」

唯「あずにゃん…」

梓「唯…先輩…」

唯「練習…あんまりできなくてごめんね…」

梓「…いいですよ…もう…」

唯「結局チューさせてくれなかったね…でも…いっぱいくっついたから…いいかな…」

梓「…最低…ですっ…こんな…いきなり逝くなんて…」

唯「和ちゃん…」

和「唯…」

唯「今までありがとう…。和ちゃんが後押ししてくれたから、私は…部活を始めることが…できたよ…」

和「唯…。あなた、立派だったわ…。もうニートなんかじゃないわ…」

唯「えへへ…ありがとう…」

唯「憂…」

憂「お姉ちゃん…」

唯「今まで…苦労ばっかりさせてごめんね…憂は…私の自慢の妹…だよ…」

憂「お姉ちゃんこそ…自慢のお姉ちゃんだよ…」

唯「そ…っかぁ…。マフラー…大切にしてね…」

憂「お姉ちゃん…!」


ガラッ

さわ子「ちょりーっす」

律澪紬梓憂和「…」

さわ子「うっ…なんなのこの空気は…」

澪「唯が…しゃっくり止まらなくて…」

紬「もう…99回目なんです…」

さわ子「…!」

さわ子「そう…。仕方ないわ…。医学がいくら発展しても、しゃっくりだけはどうしようもないものね…」

唯「さわ…ちゃん…」

律「くっ!唯!!もういい!もう喋るな!!」

唯「さわちゃんの衣装…もっと…着たかったなあ…」

唯「私を棺に入れる時は…さわちゃんが…衣装作って…ね…」

さわ子「…」

憂「お姉ちゃん…」

律「唯…唯ーーーーーっ!!!」


さわ子「…」

さわ子「あの…ひとつ聞いていいかしら?」


唯「…なに…?」

さわ子「唯ちゃん、しゃっくりなんてしてなくない?」

律「はあ?な、何をバカな……あれ?」

唯「…」

唯「…」

唯「…」

唯「…」

唯「…」


澪紬梓憂和「…!!!!」

唯「あれ?止まってる…」


唯「そっかあ。喋るのに夢中になってたら、しゃっくり止まっちゃった!」

澪「な…」ヘナヘナ…

和「…全く、唯らしいわね…」

律「バカヤロー!心配したんだからな!!」

紬「よ、良かったぁ…」

憂「もう…お姉ちゃんたら!!」

唯「えへへ~みんな、ごめんごめん」

さわ子「まあ、なんにせよ唯ちゃんが無事でよかったわね」

梓「さ…最低です…本当に…死んじゃうかと…唯先輩…さい…ていですっ…!」ぐすっ

梓「う…うう…」ポロポロ

さわ子「あっ!?ダ、ダメよ梓ちゃん!!!」

梓「う…うわああああああん!!」

さわ子「あちゃー…やっちゃったか…」

律「ん?なんだよさわちゃん」

さわ子「いや、だから…」

唯「あずにゃんごめんね~?」ナデナデ


梓「うう…あううう…うわあああああん…」

梓「うわああん…ぐすっ…ひっく…」


唯律澪紬憂和「!!?」


梓「ぐすっ……あ…れ…?」

梓「…ひっく…ひっく…」


律「…3回目…」






最終更新:2010年02月04日 00:27