梓「はい。知ってますか?」
唯「うーん・・・知らないなあ。何それ?」
梓「なんか純が最近流行ってる漫画って言ってました。
私は漫画とか読まないから唯先輩なら知ってるかなあって思って」
唯「でもタイトルに科学って入ってるから難しそうだよね。私難しい漫画は読まないから」
梓「そうですか・・・」
唯「なんか私たちって流行に疎いのかなあ・・・」
梓「確かに、いつも5人で音楽室に籠ってお茶してるから外部の情報が入りにくいのかもしれませんね」
唯「これは由々しき事態だよ!」
梓「待ってください。他の先輩たちが知ってるかもしれないじゃないですか」
唯「そだねー。とりあえずみんなが来たら聞いてみよう」
ガチャ
唯「りっちゃん!とある科学のレーズンって知ってる!?」
律「はあ?」
梓「違いますよ。とある科学のレーガンです」
唯「あーそうだっけ」
梓「こんな簡単な単語を聞き間違えないでくださいよもう」
唯「ごめんごめん」
律「えっと、なんの話?」
梓「えっと、友達から、とある科学のレーガンって漫画が流行ってるって聞いたんですけど」
唯「りっちゃん漫画たくさん持ってるから知ってるよね!」
律「とある科学のレーガンか。少年漫画なら結構詳しいつもりだけどわかんないな」
唯「ありゃー知らないのかあ。りっちゃんには失望したよ」
律「おい」
梓「となると、少年漫画じゃないみたいですね」
唯「純ちゃんってどういう漫画が好きなの?」
梓「さあ?あまり漫画の話はしないので。でも女の子なら少女漫画が好きなんじゃないですかね」
律「なんか引っかかる言い方だな」
唯「少女漫画かあ」
律「少女漫画なら澪が結構知ってるかもよ」
唯「じゃあ澪ちゃんに期待だね」
ガチャ
澪「遅れてごめん」
律「お、澪!とある科学のレーズンパンって知ってるか?」
澪「え?食べたいのか?」
唯「違うよ!レーズンだよ!」
律「あれー?そうだっけ」
梓「それも違います!レーガンですよ!」
澪「えっと・・・はい?」
梓「純が好きな漫画なんですけど、とある科学のレーガンって言うタイトルなんです」
唯「澪ちゃん知ってる?」
律「澪、お前少女漫画好きだよな!」
澪「大声で言うなよ・・・ま、まあ好きだけど//」
律「なら知ってるか?」
澪「いや、聞いたことないな」
唯「なんだー澪ちゃんも知らないのか・・・」
梓「少年漫画でも少女漫画でもないわけですね」
唯「じゃあもう無いじゃん!」
律「いや、少年漫画と少女漫画以外にもいくらでも漫画はあるから」
澪「とりあえず、タイトルから内容を予想してみようよ」
梓「そうですね。さすが澪先輩です!」
律「まずレーガンってなんだ?」
澪「アメリカの元大統領の名前くらいしか思いつかない」
律「へーそんなやついたんだ」
唯「小浜さんじゃなの?」
梓「オバマですよ」
澪「世界史で習ってるだろそれくらい・・・」
律「まあレーガンは大統領の名前として、とある科学のていうのは?」
唯「はいはい!」
律「はい平沢君」
唯「科学忍者戦隊ガッチャマン的な意味だと思います!」
澪「いや、ガッチャマン的な意味って何」
唯「えーっと。説明するのが難しいや」
梓「科学の力で戦うってことですか?」
唯「そー!そんな感じ!あずにゃん大好き!」
律「大統領が科学の力で戦うわけか・・・」
梓「なんか社長がロボットになって戦う映画最近ありませんでしたっけ?」
律「あったなあ。アイアンマンだろ?」
梓「そうです。そんな感じとか?」
律「大統領がロボットになって戦うってまるでアメコミだな」
澪「・・・!待て律」
律「どうした!」
澪「アメコミだって立派な漫画だ!」
律「!」
澪「その漫画がアメコミじゃないという証拠はどこにもない・・・!」
律「そうか!それは盲点だった・・・」
梓「さすが澪先輩です!」
唯「よくわかんないけどすごい!」
梓「アメコミ説が有力になりましたけど、確定はしてませんね」
律「ムギは海外に良く行ってそうだし、アメコミに詳しいんじゃないか?」
澪「何その強引な理論」
ガチャ
紬「こんにちは~」
律「ムギ!」
紬「はい?」
唯「とある科学のレーズンサンドって知ってる?」
律「違う!レーズンパ
梓「レーガンですレーガン!」
律「レーズンパンおいしいのに」
梓「そういう問題じゃありません」
紬「あの~」
澪「ごめんムギ。今説明するから」
紬「レーズンパンって何かしら?」
律「そこ!?」
唯「さすがお嬢様だね」
律「レーズンパンは今度買ってあげるから、本題に入ろう」
紬「まあ」
梓「純が、とある科学のレーガンという漫画が流行ってると言ってたんです」
澪「それで、話し合いの結果アメコミの可能性が高いってことになったんだけど」
唯「ムギちゃん知ってる!?」
紬「アメコミって何かしら?」
澪「あ、そこからか」
律「知らないらしいな」
唯「最後の希望だったのに・・・」
紬「えっと、なんかごめんなさい」
律「これで話は振り出しに戻っちゃったな・・・」
澪「まあ全員そろったことだし練習するか」
唯「えー!気になるから漫画の正体を突き止めてからにしようよー」
澪「知ってる人がいないのにどうやって突き止めるんだよ」
梓「すいません澪先輩、私も練習より・・・」
澪「梓まで・・・」シクシク
紬「あの・・・」
律「どしたムギ」
紬「純ちゃんに聞けばいいんじゃないかな・・・」
律「・・・」
唯「・・・」
梓「・・・」
紬「あら?」
律「ムギ、お前は何もわかっちゃいない」
紬「え・・・」
唯「ムギちゃん、謎は自分の手で解かないと意味がないんだよ!」
律「そうだ!人に答えを教わったら意味がない!」
澪「試験前のお前らに聞かせてやりたいよ」
梓「唯先輩と律先輩の言う通りです!」
紬「ごめんなさい・・・私、間違ってたわ」
澪「いや間違ってないよ」
律「わかってくれればいいんだよ、ムギ」
紬「りっちゃん・・・!」
律「さて、では検証を再開しようか」
唯「了解!」
紬「了解♪」
律「さて、まずレーガン元大統領の漫画ってことがわかってるわけだが」
澪「あのさあ、そもそもその前提がおかしいような気がするんだけど」
梓「レーガン大統領の漫画が流行るとは思えませんもんね」
律「く・・・反論できない!」
唯「あずにゃん、他に情報はないの?」
梓「そういえば・・・その漫画はもうひとつの・・・とある魔術のなんとかっていう作品と対になってると聞いたような」
澪「なるほど、科学と魔術が対になってるわけか」
律「魔術の、の後はなんなんだよ?そこ重要でしょうに」
梓「ちょっと思い出せないです」
唯「でもでも、科学と魔術が対なら、魔術の後はレーガンと対になってるものが入るんだよね」
律「お、珍しくさえてるな」
唯「えへへー」
澪「レーガンと対になる物か・・・」
紬「・・・ゴルバチョフ」
律「なんだって?」
紬「レーガンと対になる人物と聞いて思い浮かぶのは、レーガンと共に冷戦を終結に導いたソ連のゴルバチョフね」
澪「あり得るな」
梓「とある魔術のゴルバチョフ。なんか語呂もいいですね!」
唯「ゴルバチョフって誰?」
澪「唯はもうちょっと授業聞こうな」
律「これはかなり真実に近づいてる気がするぞ!ムギお手柄だな!」
紬「ありがとう♪」
唯「わかった!こうもりみたいなポケモンのこと?」
律「それはゴルバットだろ」
梓「でも、とある魔術のゴルバチョフの語呂の良さに比べたら」
澪「うん、とある科学のレーガンはあまり語呂が良くないな」
唯「もしかしてそっちのほうが間違ってるとか?」
梓「そう言われてみると、聞き間違えたかもしれないです・・・」
澪「他にゴルバチョフと対になりそうな人物って誰がいるかなあ」
紬「そうね・・・」
紬「っは!」
唯「どうしたのムギちゃん?」
紬「ソ連の最後の指導者ゴルバチョフに対して、最初の指導者レーニン、というのはどうかしら?」
律「おおお!」
澪「それっぽいな!」
梓「確かにレーガンとレーニンなら聞き間違えるかもしれないです!」
律「もうムギの天才っぷりはとどまるところを知らないな!」
唯「ムギちゃん最高!」
紬「あらあら、恥ずかしいわ」
澪「とある科学のレーニン、か」
澪「・・・まてよ」
律「どーした澪」
澪「とある科学のレーニンじゃ、語呂良くなって無いじゃん!」
梓「あ」
紬「あ」
唯「え?」
梓「そういえば文字数同じですもんね・・・」
律「盲点だったな」
澪「お前盲点って言いたいだけだろ」
梓「レーニンじゃないとすれば・・・」
紬「あとはスターリンかしら。実質的にはスターリンが最初の指導者と言えなくもないわ」
澪「とある科学のスターリン・・・語呂的にはOKだな」
唯「スターリンって何?あ、ヒトデマンの進化形か!」
梓「唯先輩は置いといて、今回は安易に決めてはいけないと思います」
律「そうだな。スターリンは有力候補として保留にしよう」
梓「ムギ先輩、他に心当たりは?」
紬「うーん・・・ちょっと待ってね」
澪「そういえばなんでさっきから頭脳労働をムギに全部押しつけてるんだ」
唯「そうだね。ごめんねムギちゃん」
紬「いいのよ♪」
律「それにしてもムギは詳しいな」
紬「私のおじいちゃんロシア人なの」
澪「へー。だからか」
澪「・・・え?」
唯「あずにゃんもっと思い出してよ~」ユサユサ
梓「ちょっと、考えてますから揺らさないでください!」
律「うーん・・・スターリンかあ」
澪「ちょっと待って。なんか今重大な発言なかったか?」
律「澪も考えろよー」
澪「あ、うん」
紬「うふふ♪」
梓「えっと、どこまで話しましたっけ」
律「さー?」
唯「なんだっけ?」
澪「飽きてきたんだろ」
律「そ、そんなことないよー・・・」
梓「とりあえず、とある魔術のゴルバチョフと、とある科学のスターリンが最有力ですよね」
澪「そうだけど・・・タイトルを予想したところで答えは出るのだろうか」
唯「結局どんな漫画かはわからないよね」
律「確かに、それは盲点だったな」
澪「お前は盲点言いたいだけだろ」
紬「梓ちゃん、何か内容の情報覚えてない?」
梓「あ、そういえば・・・」
唯「なに?」
梓「メインの登場人物は4人の女の子だって言ってました」
律「まじかよ」
澪「となると主人公はスターリンではなさそうだな」
唯「でも、スターリンは別のポジションで出てくるかもしれないよ」
梓「そうですね。しかし4人の女の子って何なんでしょう?」
紬「冷戦時代の女性政治家となると、サッチャーあたりが有名ね」
澪「ということはサッチャーの少女時代の物語とか?」
律「あーそれっぽい!」
梓「なんだろう・・・話があらぬ方向に流れてるような気がする・・・」
数時間後
ガチャ
さわ子「ちょっとあなたたち。もう下校時刻よ?」
唯「あ、さわちゃん先生!」
律「聞きたいことがあるんです!」
さわ子「何?」
律「とあるブッシュのペレストロイカって漫画知ってますか!!!」
さわ子「・・・は?」
律「どうしてこうなった」
おわり
最終更新:2010年02月07日 00:38