唯「…うーん。あずにゃん、表情カタいよ。笑って笑って!」
梓「こ、こうですか?///」ニコッ
唯「うおっ!?可愛い…!あずにゃん可愛いよ!これは10万円間違いなしだよ!!」
紬「10万円…?」
唯「ギク」
澪「10万円て何…?」
唯「ほら…ひゃ、百万ドルの夜景みたいなもんだよ!例えだよ例え!」
梓「妙に生々しい数字ですね…」
唯「うぐ…!撮るよ!あずにゃん撮るよ!!」
梓「あ、は…はい///」ニコッ
唯「あぁー…いいよー…あずにゃんいいよー」パシャ
唯「いいよ~その笑顔!もっとちょうだい!!」パシャパシャ
梓「ちょ…ちょっと…いつまで撮ってるんですか///」
唯「あ、へへ…つい…」
梓「もう…///」
唯「じゃあ次はムギちゃんだね!」
紬「よろしくね唯ちゃん」
唯「おー!さ、笑ってー」
紬「ふふ」ニコッ
澪律梓(すごい…!撮られなれてる感じだ…!)
唯「ゴクリ」
唯「む、ムギちゃん…ちょっとこう…両手を前に…」
紬「こう?」
唯「そうそう!それをこう…ぐいっと…」
紬「こうかな?」ぎゅ
澪律梓「ブハッ///」
唯「おお…!じゃあ次はうつ伏せになって、物憂げな顔で…」
紬「こうかしら…?」トローン
澪律梓「///」ポタポタ
唯「おもろい…!」
紬「唯ちゃん…この体勢、疲れるわ…」
唯「あっ!ご、ごめん!じゃあ普通に立ってこっち見て笑ってー」
紬「ニコッ」
唯「はーい、チーズー!」パシャ
唯「うん、バッチリだよムギちゃん」
紬「ふふ、ありがと♪」
律「んじゃ、次は私か」
唯「え?りっちゃんは別にいいよ」
律「うおおおおおい!?何でだよ!?アルバムだろ!?私も入れろよ!!」
唯「う…わ、わかったよ…じゃあこっち向いて笑ってー」
律「ったく…」
澪「律、カチューシャ外したら?」
律「え?何で?」
澪「いや…ちょっと見てみたいってゆーか…髪下ろしてるの…///」
律「ええ?やだよー。おかしーから」
澪「い、いや、そんなコトない!そんなコトないと思うぞ!!///」
律「ええー?」
唯「りっちゃん早くー」
律「あぁ、ごめんごめん。しょーがねーな。リクエストにお答えして外してやるかー」
律「よいしょ」スッ
唯澪紬梓「!!!」
律「な?おかしーだろ?」
唯「う、ううん!可愛いよ!これなら9万円は軽くいくよ!!」
律「またその例えかよ…」
澪「ああ!私もいいと思う///」
梓「何かイメージ変わりますね」
紬「ええ。ステキよりっちゃん!」
律「う…///なんか照れるな…///」
律「お、おい唯!恥ずかしーから早く撮ってよ///」
唯「オッケーオッケー!!じゃいくよー!…ん?あれ…?」
律「ど、どうした?///」
唯「ごめん、バッテリー切れちゃった」
律「」
…………
……
…
律「うう…ちきしょー…」
紬「まあまあ。写真なんていつでも撮れるから…」
梓「アルバム出来たら見せてくださいね」
唯「へ?アルバム?何の?」
澪「おいおい…私達のアルバム作るんだろ?」
唯「あっ…う、うん!楽しみにしててね!アハ…アハハハハ…」
唯「そ、そうだ!うまくいったらみんなにもお礼するから!期待しててねー♪」
澪紬梓「??」
翌々日 街中
唯「ふー…みんなから制服も預かったコトだし、さっさと売りに行こう」よたよた
唯「さすがに重いなぁ…」よたよた
唯「お、着いた…。ここだここだ」よたよた
唯「ご、ごめんくださーい!」よたよた
男「んん?何だ、またキミか」
唯「えへへ。制服売りにきましたぁ」よたよた
男「へへ、まぁたそんなに持ってきて、悪い子だなホントに」ニヤリ
唯「そうかなあ?…よいしょ!」ドサ
唯「ほい!写真もバッチリ撮ってきました!」
男「また友達のかい?全く、最近の女子高生はおっかないねぇ」ニヤニヤ
唯(おっかないのかな?)
男「どれどれ…」
唯「どうですか?」
男「うーん…まずこの黒髪の小さい子は…そうだなぁ…マニア受けしそうだし、9万円ってところかな」
唯「おおー!さすがあずにゃん!(マニア?)」
男「この眉毛の太い子も中々いいね。9万5千円で買い取るよ」
唯「おお!」
男「このスタイルのいい黒髪の子なんて最高だな。こいつは10万円で引き取らせてもらおう」
唯「わーい!さすが澪ちゃん!!」
男「じゃ、お金だ。大金だからな。うっかり落とすなよ?」ニヤニヤ
唯「はい!気をつけます!じゃあありがとうございました!」
男「おう!またいつでも来な!キミなら大歓迎だよ!」ニヤリ
唯「はーい!」スタスタ
男(さて…ちょっと街に出てスカウトでもしてくるか…)
……………………
律「はぁ…くっそー…私も撮られたかったなぁ」
澪「まあまあ…。私がいつでも撮ってやるからさ、せっかく街中まで遊びに来たんだから元気出せよ」
律「うん…ありがとう澪…」
…
律「…お、この通り入った事ないな。行ってみようぜ」
澪「ええ?やだよ…何か怖そうだし…」
律「いいじゃんいいじゃん!行ってみようぜ!」
澪「ヤダ!!」
律「行こーよ澪~!」
澪「ヤダー!!」
男「…ん?あの二人ってもしかして…」
律澪「キャイキャイ」
男「おーい、ちょっとそこのお二人さん!」
澪「ひっ!?」ビクッ
律「な…なんだよアンタ…」
男「そんな警戒しないでよ~。俺、唯ちゃんのお友達なんだからさ~」ニヤニヤ
澪「ゆ…唯の…?」
律(お、おい澪!こいつ絶対怪しいぞ!?)ひそひそ
澪(う、うん…私もそう思う…)ひそひそ
男「いやー、キミ、生で見るとホント可愛いね~(私服はダサイけど)」ニヤニヤ
澪「ひいいぃ!?」
律「な、なんなんだよお前っ!あっち行けよ!!」
男「そんな怖い顔しないでよ~(ちっ、7万円台が調子乗るなよ)」ニヤニヤ
律「み…澪、行こう!こんな怪しいヤツほっといてさっさと帰ろう!!」
澪「う、うん…」ビクビク
男「ははは、怪しいのはお互い様でしょ~?」ニヤニヤ
律「う、うるせぇ!私達もう行くからな!ほら、澪!」
男「ミオちゃんだっけ?今度はパンツも売りにきてよ」ニヤニヤ
澪「な…///パ、パパパパパパ…パン…!?///」
律「おい!逃げるぞ澪!!」ダッ
澪「う、うん!!」ダダッ
男「あらら、行っちゃった。残念…。やれやれ、今日はもう店に戻るか」
律「はぁ…はぁ…!ここまで来れば…大丈夫か…?」
澪「ぜー…はー…。だ、だから嫌って言ったんだ!あんな所に入るのは!!」
律「う…ご、ごめん…」
澪「まったく…」
律「ナハハハ…。…ん?あそこにいるのは…」
唯「えへへ~!大金~!ほっかほか~♪」
律「おーい!ゆい~!」
唯「ふおっ!?りっちゃんに澪ちゃん!!」
澪「おー!唯、奇遇だな」
唯「わーい!りっちゃんと澪ちゃんだー!澪ちゃん、本当にありがとう!」
澪「…??ど、どういたしまして…?」
律「なぁ唯、さっきお前の友達とかいう奴に声かけられたんだけど」
唯「友達?」
澪「うん…。なんかニヤニヤした男の人で…怖かったよ…」
唯「ギク」
律「知り合いなの?」
唯「う、ううん!全然!そんな人知らないよ!」ピューピュピュー♪
澪「まぁそうだよな…」
唯「そ、それより!アイス食べに行こうアイス!私がご馳走するから!」
律「え?お前お金あんの?」
唯「うん!私、今ピストルで撃たれても、お財布が守ってくれるくらいお金持ってるから!」
澪「なんだそりゃ…」
唯「ささ!二人とも遠慮しないで!」
律「まぁそこまで言うなら…」
澪「行ってみるか…」
唯「そうそう!レッツゴー!!」
……………………
さわ子「ふふ…新しい衣装は何にしようかしら…腕がなるわぁ…」
さわ子「ん?この店…中々マニアックなの売ってそうね」
さわ子「ちょっと参考に覗いてみよう…」ニヤリ
男「ん?いらっしゃい」ニヤリ
さわ子(む…私と似た雰囲気の男ね…)
さわ子「ここではどんなものを扱ってるのかしら?」ニヤリ
男「へへ…ここは主に制服とか下着とか…そーゆーのを売ってるよ」ニヤリ
さわ子「ほう…制服…。ちょっと見せてもらえるかしら?」ニヤリ
男「いいぜ。特に今日は最高の品が入ったからな。アンタ運がいいぜ」ニヤリ
さわ子「ふふ…それは楽しみね」ニヤリ
男「ほら、こいつだ。いい胸してるだろう?」ニヤリ
さわ子「どれどれ…?」
さわ子「…!!?み、澪ちゃん!!?」
男「他にはそうだな…ホレ、こんなのもあるぜ…?」ニヤリ
さわ子「唯ちゃんに憂ちゃんにりっちゃんにムギちゃんに…梓ちゃんまで!?」
男「…ん?知り合いかい?」
さわ子「こ…これは一体…!?」
平沢家 ゆいのへや
唯「ふー…危ない危ない。バレるところだったよ…」
唯「こんないいお小遣い稼ぎがあるってわかったら、きっとりっちゃん達もマネするもんね」
唯「それじゃあ商売あがったりだよ…」
唯「さて…」チラ
唯「えへへ…お金がいっぱい!」
唯「そうだ!お金をばら撒いて泳いでみよう!!」
唯「よーし…」
唯「えいやぁー!!」バサバサ
唯「とうっ!」ザパーン
唯「あはははは!た~のし~い♪」スイムスイム
唯「チョー気持ちいい!!」ヒラオヨギ
ガラッ
憂「お姉ちゃん、あんまり騒ぐと隣の人に迷惑…」
憂「な、何このお金!!?」
唯「あ、うい~!一緒におよご~!」
憂「お…お姉ちゃん…!?」
…………
………
…
憂「ガミガミガミガミ」
唯「ご、ごめんなさい…」
憂「ごめんじゃないよ!軽音部のみなさんのまで売るなんて…何考えてるの!!?」
唯「うう…ごめんなさい…。まさかそんな危ない事だったなんて露知らず…」
憂「…はぁ。もう…こんな事二度としないでね?」
唯「う、うん!約束する!…それとみんなには…その…」ゴニョゴニョ
憂「うん。軽音部のみなさんにはナイショにしておいてあげるから…ちゃんと反省してね?」
唯「はーい…」
憂(……あと…私に出来る事は…)
翌日
唯「はぁ…澪ちゃんの制服を売りまくれば、大金持ちになれたのに…」とぼとぼ
唯「でもまさかあんな危ない商売だったなんて…日本社会はこわいなぁ…」とぼとぼ
唯「…落ち込んでても仕方ない!部活部活!」
ガラッ
唯「みんなー!おいっすー!!」
律「…」
澪「…」
梓「…」
さわ子「…」
唯「あ、あれ?みんなどうしたの…?」
梓「唯先輩…私の制服はどうしたんですか…?」
唯「ん…?あ、ク、クリーニングに出してるよ…」
律「へえ?クリーニングねぇ?白い液体かけて洗うのかなぁ?」
唯「さ、さぁ…?そこまでは…」
紬「さわ子先生から聞いたわ…。私達の制服…売りさばいてたみたいね?」
唯「ギク」
澪「しかも写真つきで…」
唯「ギクギク」
さわ子「ごめんね唯ちゃん。さすがにこれは私も立場上黙ってるわけにもいかなかったの」
唯「あ、あは…あはははは…」
律「澪!梓!唯を取り押さえろ」
澪梓「了解!!」ガバッ
唯「ちょ…や…ゴ、ゴメン!ゴメンなさい!!ちょっとした出来心で…!」
紬「ふふ…ギター代、まだ返してもらってなかったよね?」
唯「返します!今すぐ返しますから!!」
紬「いいわ、返さなくて。そのかわり唯ちゃんにはコレをあげる…。鉛球をね…」ジャキン
唯「ひぃっ…ピ、ピストルゥゥ!?ちょ…し、死んじゃうって!!」
律「あれぇ?お財布が守ってくれるんじゃなかったの~?」
唯「ア…アワ…アワワワワワ…」
律澪紬梓「ゆ~~い~~(ちゃん、先輩)!!!!」
唯「ごめんなさああああああああああああい!!」
真鍋家
和「テレビテレビっと…時事問題のために
ニュース見ないと」ポチ
テレビ『…の事から、警察関係者は一様に口をつぐみ、別荘での女子高生失踪事件の内容は伏せられたままとなっています』
テレビ『続いてのニュースです。昨夜未明、桜ヶ丘市内で未成年の衣服を写真つきで販売していた男が、逮捕されました』
テレビ『男は突然、署に出頭してきたとの事で、取調べでは「悪魔…ポニーテールの悪魔が襲ってきた…」などと意味不明の供述をしている模様です』
和「ふーん…。物騒な世の中ね…」
完
最終更新:2010年02月07日 02:18