唯「さっきのお話は難しくてよくわからなかったけどわかったことがあるよムギちゃん」
唯「ムギちゃんは今恋してるんだね!」
紬「!」
紬「ええ、そうかもしれないわ」
紬「だけどね」
紬「それはしてはいけない恋なのよ」
唯「どうして?」
紬「どうしても、よ」
唯「・・・そっか これ以上は聞かないよ」
紬「ありがとう唯ちゃん」
唯「ねぇムギちゃん」
紬「なぁに?」
唯「今から出かけちゃわない?」
紬「でも練習が・・・」
唯「一日くらいさぼっても平気だよ!」
唯「それにまだ誰も来てないし」
紬「うーん」
唯「ほら行こっ」
紬「もぅ、わかったわ」
バタン
タッタッタ
唯「とーちゃーく」
紬「ここは・・・アイス屋さん?」
唯「そうだよー」
唯「走り出しては見たもののどこに行くか思いつかなかったのでここにしちゃいました!」テヘッ
紬(唯ちゃんったら可愛いわ)
唯「ごめんねムギちゃん」
唯「私がムギちゃんをりーどしなきゃいけなかったのに・・・」
紬「いいのよ唯ちゃん」
唯「えへへ」
唯「おやじぃ アイス二つ!」
唯「両方三段重ねで!」
店主「あいよ」
店主「はいおまち」
唯「ありがとー はいお金」
店主「まいど」
唯「はいムギちゃん」
紬「ありがとう いくらだったかしら?」
唯「ここは私のおごりなのです!」
紬「そんなの悪いわ」
唯「いいのいいの」
唯「いつもムギちゃんにはお菓子もらってばかりだしたまには、ね」
紬「唯ちゃん・・・ごちそうになるわ」
唯「うん!」
唯「そういえばさ」
紬「なぁに?」
唯「二人だけで買い食いするのって初めてだよね」
紬「そうね」
唯「よし、記念日にしよう!」
紬「もうなってるんじゃないの?」
唯「今日は『ムギちゃんと二人記念の日』兼『ムギちゃんと初めて二人で買い食いした記念の日』だよ!」
紬「ええ!」
紬「今日は記念日だわ」
唯「秘密の共有って感じで楽しいよね!」
紬「うんうん♪」
唯「・・・ねえムギちゃん」
紬「何かしら?」
唯「変なこと聞いていい?」
紬「変なこと・・・?」
紬「いいわよ」
唯「それじゃあ」
唯「・・・ムギちゃんって私と二人きりっていや?」
紬「!? そんなことないわよ?」
唯「ほんとにほんと?」
紬「ほんとにほんとよ」
唯「そっか・・・よかった」
紬「どうして私がそう思ってるって思ったの?」
唯「なんとなくなんだけどね」
唯「ムギちゃんって私たちと距離を置いてるのかなって思ってたんだ」
紬「距離・・・?」
唯「うん」
紬「どうして・・・そう思うの?」
唯「ムギちゃんって私たちを眺めてることが多いなって」
紬「眺める・・・」
唯「ぼーかんしゃの立場でいることが多いなって」
紬「・・・」
紬「・・・そうかもしれないわ」
紬「確かに私はみんなのことをどこか遠目でみていたのかもしれないわ」
唯「ムギちゃん・・・」
唯「それって私たちのことが・・・嫌いだから?」
紬「いいえ」
紬「そんなことないわ唯ちゃん」
唯「じゃあどうして・・・?」
紬「私はそれで幸せだから」
唯「幸せ・・・?」
紬「ええ」
紬「唯ちゃんにりっちゃんに澪ちゃんに梓ちゃん、みんなのことを眺めているだけで私は幸福感に包まれるのよ」
紬「私にはこんなにも素敵な仲間がいるんだって」
唯「ムギちゃん・・・」
紬「だから決してみんなのことが嫌いなんかじゃないし、この先もそう思うことはないわ」
唯「ムギちゃん・・・」ポロポロ
紬「あらあら どうして泣くの唯ちゃん?」
唯「だって・・・ムギちゃんがいなくなっぢゃうような気がじてで」ボロボロ
紬「唯ちゃんは優しいのね」
紬「よしよし」ナデナデ
―――
――――
―――――
唯「いやーお見苦しいところをお見せしました」
紬「いえいえ 私のことを思って泣いてくれてむしろ嬉しかったわ」
唯「えへへ~」
唯「それにしてもさっきとは逆になっちゃったね」
紬「逆?」
唯「なでなでが」
唯「部室では私がムギちゃんをなでなでしてたのにさっきは私がムギちゃんになでなでしてもらって」
紬「そういえばそうね」クス
唯「あームギちゃん笑ったー」
唯「・・・実はね」
紬「?」
唯「今日音楽室にムギちゃんしかいなくてよかったって思ってたんだ」
紬「え?」
紬「それって・・・」
唯「あーもう遅くなっちゃったしそろそろ帰らないとね!」
紬「ちょ、ちょっと唯ちゃん!」
唯「・・・ねえムギちゃん」
紬「なにかしら?」
唯「また・・・ふたりだけでお出かけしない?」
紬「ふたりだけ?」
唯「うん、二人きり」
唯「だってムギちゃんの笑顔を独占できるんだもん」
紬「唯ちゃん・・・///」
紬「ええ!」
紬「私も唯ちゃんを独占したいわ!」
唯「それじゃまたね」
紬「また明日」
唯「そうだムギちゃん」
紬「何かしら?」
唯「今日が記念日だってこと忘れないでね!」
唯「何日たっても何ヶ月たっても何年たってもだよ!」
紬「ええ! 絶対忘れないわ!」
唯「うん! それじゃあまた明日ね さらば!」タッタッタ
紬「行っちゃったわ・・・」
紬「でも今日のことは絶対忘れない」
紬「でもね唯ちゃん」
紬「私にとっては毎日が記念日のようなものなのよ」
紬「大好きな仲間に会え、素敵な時間を過ごし、また明日ねと別れる」
紬「それってとてもとても素晴らしいことだわ」
紬「さて私も帰るとするかしら」
紬「明日は真面目に部活しないとね、ふふ」
~fin~
最終更新:2010年02月09日 01:26