梓「だ、だったら……私が捨てておいてあげますよ」
唯「え、でも……いいの?」
梓「だ、大丈夫です、このくらい、後輩として当然のことです///」
唯(うーん、何だかんだ言ってあずにゃんは優しいな……)
梓(先輩のストロー……これは持って帰って大事に……)ドキドキ
梓(……家宝にしよう)ドキドキ
――――
梓「先輩の使ったストロー……」ドキドキ
梓(これはビニール袋にしまって大事に……)
梓「……」ドキドキ
梓(でも……ちょっと舐めてみたいな……)
梓(ううん、駄目だめ、そんなことしたら、せっかくの先輩の唾液が……)
梓「……」ドキドキ
梓「ちょ、ちょっとだけなら……」ドキドキ
梓「……」ペロペロ
憂(梓ちゃん、何であんなにストローを舐めて……)
憂(……ストローに残ったジュースを取ってるのかな)
――部活後――
唯「よーし、あずにゃん、一緒に帰ろっか」
梓「は、はい」ドキッ
梓「あ、ちょっと待ってて下さい……トイレ行ってきます」
唯「ほい」
――たたたっ
唯(あずにゃんのバッグ……)
――がさごそ
唯(今のうちにあずにゃんが使ったお箸でも……)
唯「……ん?」
唯(ストローだ、何でこんなに大事そうにしまってるんだろう)
唯(……あずにゃんの使ったストローかな)ドキドキ
唯「……」キョロキョロ
唯「……あずにゃん」ペロペロ
――朝――
梓(先輩はいつもあの時間に来てたのか……)
梓(……今日は見張る時間をずらさないと)
梓「……」
梓「き、来た……」
――たたたっ
梓(……何で走ってるんだろう、まだ大分余裕あるはずなのに)
唯(急がないと、下駄箱に登校する人が来ちゃう……)
唯(あずにゃんの匂いを嗅げないと私……)
梓(……よし、今だ)
――カシャカシャ
梓(う……走ってるせいか、横顔しか撮れなかった……)
唯(……ん、シャッター音?)
唯「おー、あずにゃんだー」
梓(しまった、見つかった……)
唯(……あ、もう時間がない)
唯(どうしよう……靴をとるべきか本人をとるべきか)
唯(ええい、匂いなんて、本人からいっぱい嗅げばいいや!)
唯「あずにゃん、おはようー♪」
――ぎゅうぅぅ
梓「せ、先輩……朝から抱きつかないで下さい……///」ドキドキ
唯(……あずにゃん……いい匂い……)ドキドキ
唯「あ、しまった」
梓「どうしたんですか」
唯「今日、体育あるのに、間違って憂の体操着持って来ちゃった……」
梓「……もう、しっかりして下さいよ」
唯「ど、どうしよう……」
梓「じゃあ、その体操着は私が憂に渡しておきますよ」
梓「憂が先輩の体操着持ってきてるんですよね、だったら私があとで教室にもって行きますよ」
唯「……ありがとー、あずにゃん」
――ぎゅうぅぅ
梓「だ、だから、抱きつかないで下さいってば……」ドキドキ
梓(先輩の体操着……か)ドキドキ
――
憂「ありがとう梓ちゃん、これお姉ちゃんの体操着だから、お願いね」
梓「う、うん……」ドキドキ
梓「……」ドキドキ
梓(……唯先輩の体操着……)ドキドキ
梓(べ、別にこれは洗ってあるんだし、特に……ん?)
梓「……」スンスン
梓(若干だけど、先輩の匂いがする……)ドキドキ
梓(ど、どうしよう……渡したくない……このまま持って帰っちゃいたい……)ドキドキ
梓「……」ドキドキ
梓(ズボンだったら、私のと取り替えても分からないかな……)ドキドキ
――
梓「せ、先輩、これ……」ドキドキ
唯「おー、あずにゃん、ありがとー」
梓「じゃ、じゃあ私はこれで……」イソイソ
唯(あ、あれ、もう行っちゃった……急いでたのかな)
――体育の時間――
唯「よーし、じゃあ着替え……ん?」
唯「……」スンスン
唯(体操着から、あずにゃんの匂いがする……まさか……)
唯(……って、そんなわけないか)
唯(いつもあずにゃんの事ばっかり考えてるから、変なこと考えちゃうんだよね、きっと)
梓(……いよいよ体育の時間だ)ドキドキ
梓(今まで唯先輩が着ていたズボン……)ドキドキ
――
梓(ちょっとだけサイズあわないな……これでばれたりしないかな……)ドキドキ
梓(で、でも、先輩は結構鈍いから大丈夫……かな)
梓「……」ドキドキ
梓(私……私、今……)
梓(先輩と……一つになってる……)ドキドキ
――部活後――
律「よーし、帰るか」
唯「うん」
律「あれ、唯、今日うちのクラス体育あっただろ、持って帰らないのか?」
唯「ま、まあ、一度しか着てないからいいかなーって思って……」
澪「汚いなー、一度使ったらちゃんと洗えよ」
唯「えへへ」
梓「本当ですよ、汚……」
梓「……!!」
梓「……」ドキドキ
梓「あ、あの、私、ちょっと用事があるので、先に帰ってて下さい」
――たたたっ
澪「……どうしたんだ、梓のやつ、急に……」
――こそこそ
――ガララ
梓(もうこんな時間だし……教室、真っ暗ね……)
梓「先輩のロッカーは確か……」
梓「……ここだ」
梓「……」ドキドキ
梓(先輩が着たばっかりの体操着……)ドキドキ
ロッカーに手を伸ばす梓
――そぉー
梓「……あっ」
紬「……あっ」
唯のロッカーの取っ手で偶然二人の手と手が触れ合う
梓「……」
紬「……」
梓(もしかして紬さんも唯先輩の体操着を……)
梓(こ、ここは誤魔化し通さなくちゃ……)
紬「あ、梓ちゃん、何してるの……?」
梓「い、いや、その、私は……」オロオロ
梓「せ、せせ、先輩こそ何をやってるんですか?」
紬「わ、私は……」
梓(先輩もこれを聞かれたらつらいはず……)
紬「ゆ、唯ちゃんの体操着が目当てで……///」
梓「……!!」
紬「ほ、ほら、あんなこと聞いたらどうしても気になるっていうか……ねえ///」
梓(な、なんてオープンな人なの……)
梓「た、体操着って……」
紬「ほら、唯ちゃんの汗がしみこんでると思うと興奮するじゃない///」
梓(そ、そこまで言い切られたら、こっちはもう何も言えないじゃない……)
紬「もしかして、梓ちゃんも……」
梓「……」
紬「あら……でも私が先よ///」
梓「な……な……」
紬「うふふ……」
梓(て、手ごわい……)
梓「……好きなんですか?」
紬「……え?」
梓「紬さんも……唯先輩のこと、好きなんですか?」
紬「ええ、好きよ」
梓「……!!」
紬「あ、でも勘違いしないでね、私は唯ちゃんだけが好きじゃないのよ」
梓「……?」
紬「澪ちゃんでも律っちゃんでも、使用済みの体操着があったら欲しいと思うわよ」
梓「……え、え?」
紬「……そうね、梓ちゃんのでも体操着があったら、今すぐ嗅ぎに行きたいわ」
梓「……」
梓(どうしよう、この人……真性だ……)
紬「でも、紬さん"も"好きなんですかって、もしかして梓ちゃんも……」
梓「う……」
紬「女の子の体操着漁るのが趣味なのかしら?」
梓「……」
紬「うふふ、分かるわ、なかなかやめられないものね、これは」
梓(だ、駄目だこの人……)
梓「そ、そんなわけないじゃないですか!」
紬「……え?」
梓「大体、おかしいですよ、そんな趣味!」
紬「あら、でも梓ちゃんも同じようなことしてるじゃない……」
梓「ち、違……私は……」
梓「私は……唯先輩の体操着だから嗅ぎたいんです!」
梓「唯先輩の使ったスプーンだから舐めまわしたくなるんです!」
梓「唯先輩のリップだから、盗みたくなるんです!」
梓「唯先輩の履いていた靴だから……」
梓「……とにかく、紬さんみたいに不特定多数の女の子の体操着を漁るなんて不純です」
梓「訂正して下さい、私は紬さんとは違います」
紬「ね、ねえ、梓ちゃん、後ろ……」
梓「……え?」
唯「……」
梓「ゆ、唯先輩……!!」
唯「聞いてたよ、あずにゃん……」
梓「あ、あの、その……」オロオロ
紬「唯ちゃん、帰ったんじゃ……」
唯「私も……あずにゃんの体操着を漁ろうと思って……」
梓「……!!」
梓「先輩……///」
唯「私ね、あずにゃんの上履きの匂いを嗅ぐのが日課だったんだ///」
梓「私は……どっちかっていうと革靴派でした……///」
唯「それも悪くないね、あずにゃん///」
梓「……唯先輩///」
――完――
最終更新:2010年02月10日 00:31