梓「唯先輩!」

唯「なあに?あずにゃん」

梓「唯先輩にギューってしてもいいですか?」

唯「もちろんだよ!」

梓「では…ぎゅー」

唯「おぉ…あったかあい…」ギュー

梓「私もです…」ギュー

唯「えへへっ」

梓「唯先輩……」

唯「ん?」

梓「チュー…してください」

唯「もうあずにゃんったら」

梓「えへへ」

唯「じゃあ、いくよ?」

梓「んー……」

唯「んー……」



憂「お姉ちゃん!」



唯「うわあ!!?」バッ

憂「うわっ!お、お姉ちゃん?」

唯「あ、あれ?あずにゃんがいない……」

憂「何言ってるの?それよりも遅刻しちゃうよ?早く起きて!」

唯「う、うん」

唯(ちぇっ、また夢かあ…)

唯(夢の中なら…あずにゃんといろんなことできるのに……)

唯(はあ…あずにゃん……)



――放課後

唯「あずにゃ~ん!」

梓「なんですか?」

唯「抱きついてもいい?」

梓「ダメです」

唯「えー!なんで?」

梓「嫌だからです」

唯「そんなあ!でもまんざらでもないんでしょ?」

梓「そんなわけないです」

唯「うっ……」

梓「ほら、他の先輩達が来る前に練習しときましょうよ」

唯「やだ!」

梓「なんでですか?」

唯「あずにゃんをギューってできなきゃ練習したくない!」

梓「わがまま言ってるとギューさせませんよ?」

唯「あずにゃんのいじわる!」

梓「いじわるでけっこう」

唯「くっ…手ごわい…」


ガチャ

律「やっほー!りっちゃん参上!」

紬「遅れてごめんね?すぐお茶いれるから」

唯「わーい!!」

梓「もう唯先輩ってば…」

梓「澪先輩は今日お休みなんですか?」

律「そうだぜ!」

唯「そうなんだぜ!」

梓「1回でけっこうです」

律「なんだあ?梓は澪のことが気になるのかあ?」

梓「そ、それは気になりますけど……」

紬「それは恋ね!」キリッ

梓「!」

唯「!」


梓「バ、バカなこと言わないでくださいよ!ムギ先輩!」

紬「だって…梓ちゃん、澪ちゃんのこと気になるんでしょ?」

梓「それは病気で心配だからで、好きとか嫌いとかでは……」

律「そうかそうか」

梓「もう!バカにして!」

律「ははっごめんごめん!」


紬「…唯ちゃん?」

唯「……」

律「ゆいー?どうした?」

唯「へっ!?な、なに!?」

梓「何って…ボーっとしてどうしたんですか?」

唯「な、なんでもないよ!」

律「そっか」

紬「むむ…」

………

律「今日は澪もいないし練習はしないでおくか」

梓「いないからこそじゃないんですか?」

律「じゃあ多数決な!今日は練習なしの人!」

唯「はいはーい!」

紬「はーい!」

梓「ム、ムギ先輩まで……」

律「はい、決定!」

唯「あずにゃん、たまには休みも必要だよ!」

梓「たまにはって…いつもじゃないですか」

紬「まあまあまあまあ」

唯「ほい、あずにゃんギュー」ギュー

梓「うっ…またそうやって……」

唯「ぎゅー」

梓「……」ホワーン

律「こうかはばつぐんだ!」

紬「うふふふふふふふ」

………

律「じゃあなー」

紬「また明日ね」

唯「ばいば~い!」

梓「また明日です!」



唯「ねえねえあずにゃん」

梓「はい?」

唯「あずにゃんは恋したことある?」

梓「な、なんですか!いきなり!」

唯「今日の話聞いてたら気になっちゃって」


梓「…澪先輩のことですか」

唯「い、いや、そういうわけじゃないよ?ただ、私が気になるだけで……」

梓「…わからないんです」

唯「えっ?」

梓「恋というものがどういうものか、私にはわからないんです」

唯「そうなんだ…」

梓「だから、澪先輩のことは先輩として尊敬してるんですけど、それが恋だとは……」

唯「そうだったんだね…」

梓「…じゃあ、唯先輩は恋したことあるんですか?」

唯「ふえっ!?わ、私!?」

梓「はい!ぜひ聞いてみたいです!」

唯「わ、私は……」

唯(あずにゃんに恋してるんだ!って言えるわけないよ!)

梓「私は?」

唯「あ、あ、あ……」

梓「あ?」

唯「明日!また会おう!!」ダッ

梓「えっ!?唯先輩!?」

タタタ…

梓「行っちゃった……」



――平沢家

唯「ただいまあ!」

憂「おかえり!お姉ちゃん!」

唯「ふー、今日も疲れたよ」

憂「じゃあ、お風呂から入る?」

唯「うん!」

………

唯「ふぅぅぅ、極楽極楽~」ザパア

唯「やっぱ、お風呂は落ち着くねえ」

唯「……」ブクブク

唯(あずにゃんは恋したことがない……)ブクブク

唯(じゃあ、私にもチャンスはあるってことか…)ブクブク

唯(でも、告白して、フラれたら…)ブクブク

唯(……やっぱり、夢の中のあずにゃんでいいや!)ザパア

唯(ああ、はやくあずにゃんに会いたいよ)

………


梓「唯先輩!」

唯「なあに?あずにゃん」

梓「あーんです!」

唯「おお!あーん…」パクン

梓「おいしいですか?」

唯「うん!おいしいよ!」

唯「じゃあ私もあーん!」

梓「あーん…」パクン

唯「おいしい?」

梓「おいしいです!」

唯「えへへー、よかった!」

梓「……唯先輩」

唯「ん?なに?」

梓「もう一口…です」

唯(はうっ!口にくわえて…なんて大胆な子!)

梓「んー…」

唯「じゃあ、いただきます!」ガバッ



憂「お姉ちゃん!」



唯「うわひゃあっ!?」バッ

憂「豪快な起きっぷりだね…」

唯「あっういー…」

憂「もう起きて。学校の時間だよ」

唯「うん、わかった」

唯(はあ、やっぱり夢っていいなあ)

唯(またあずにゃんに会えたしね…)

唯(夢が現実だったらいいのに……)



――放課後

律「唯!ちょっといいか?」

唯「どうしたのりっちゃん?」

律「職員室に行ってさわちゃんの机のところにこれ置いてきてくれないかな?」

唯「なにこれ?」

紬「余ったお菓子なの。最近来てくれないから…」

唯「ムギちゃんはやさしいね!」

律「私とムギも行きたかったんだけどさ、掃除当番じゃん。だから唯が行ってきてくれないかなあって」

唯「うんいいよ!まかせて!」

紬「よろしくね」



――職員室

唯「しつれいしまーす!」

梓「あれ?唯先輩?」

唯「あーっ!あずにゃん!なんでここにいるの?」

梓「先生に用事を頼まれて……唯先輩は?」

唯「ああ、さわちゃん先生にお菓子を届けようと思ってね!」

梓「そうなんですか。じゃあ私も行きますよ。ちょうど終わったんで」

唯「ほんと?やったー!」

唯「で、さわちゃんはーっと…」

さわ子「ブツブツ……」

唯「あっいた!さわちゃ~ん!」

さわ子「なに!!…って唯ちゃんか」

唯「そんなにイライラしてどうしたの?」

梓(さすが唯先輩、言いづらいことをズバズバと)

さわ子「ちょっとねえ。先生って仕事はいろいろやらなきゃいけないの」

唯「そうなんだ。そんなさわちゃん先生にはいっ!差し入れ!」

さわ子「これは…お菓子…?」

唯「うん!ムギちゃんが最近来ないからってことでね!」

さわ子「……」

梓「先生?」

さわ子「私…教師やっててよかったわ…」グス

梓「先生…」

唯「ほら!泣かないでよ!さわちゃん先生に涙は似合わないよ!」

さわ子「うるさいわね!たまにはいいでしょ!」

梓(感動ぶちこわしだー!)

………

唯「あずにゃーん、部活に行こうよ!」

梓「はい!」

唯「澪ちゃん、まだ休みなんだって」

梓「そうなんですか…」シュン

唯「…あずにゃん、わかりやすいね」

梓「だ、だからそんなんじゃないです!」

唯「はいはい」

梓「もー!」


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最終更新:2010年02月11日 00:12