和「(最近の私……なんかおかしい……)」


廊下にて

律「おーす、のどかぁ」

澪「これから生徒会?」

和「うん、そっちは練習だよね」

澪「ああ。文化祭も近いし」

和「……」

律「? どうしたんだ?」

和「……いや、二人は仲いいなって思って」

律「幼稚園からの付き合いだからな♪」

ぎゅー(澪に抱きつく律)

和「!!!!!」

澪「コラ! 人前でベタベタくっつくな!」


和「……///」

澪「ほら見ろ! 和も呆れてるじゃないか!」

律「へへ―♪ じゃあ、そろそろ部室へ行きますか」

澪「まったく……じゃあな、和」

和「え? あ……うん。じゃあまた」

去っていく澪と律

和「……」


和の妄想

律「ねえ、澪? 私たち幼稚園のころからずうっと一緒だよね」

澪に抱きつく律

澪「ちょ、ちょっと……人が見てる……///」

律「見たいなら見せてあげればいいじゃない」

澪「の、和だって見てるし……///」

律「じゃあ続きは部室で……ね?」

澪「う……うん///」

和「(……はっ!?わ、私ったらまた変な想像してる!?)」

和「(最近こんな妄想ばっかりして……どうしちゃったんだろ?)」

和「(しかも澪と律で……///)」

和「(とりあえず生徒会室へ行こう)」



生徒会室

書記「会長、お茶が入りましたのでどうぞ」

和「うん、ありがとう。いただくわ」

書記「実は……お願いがありまして」

和「お願い?」

書記「実は軽音部がまた講堂の使用届を出し忘れてるみたいで……」

和「はぁ、また律の仕業ね」

書記「それで、お知り合いの会長から提出するように伝えていただけないかと」

和「わかったわ。この書類が終わったら部室に行ってくるわ」

書記「ありがとうございます♪」



廊下

和「……」
妄想

書記「会長、お茶が入りましたのでどうぞ」

和「うん、ありがとう。いただくわ」

書記「実は……お願いがありまして」

和「お願い?」

書記「そのお茶……私にも一口いただけませんか?」

和「コレ? よかったら新しいの入れるけど……」

書記「いえ……会長の飲んでるお茶を口移しで欲しいんです……///」

和「わかったわ。この書類が終わったらね」

書記「ありがとうございます……♪」

和「うわああああああ!!!!!」

和「(何考えてるんだ私!?)」

和「(今のは忘れよう! さっさと用事済ませて今日は早く帰ろう!)」

和「(はぁ……)」



部室
唯「あ、のどかちゃん」

紬「こんにちは、和さん」ニコニコ

和「律、また講堂の使用届け出し忘れてたでしょ」

律「あっ!」

和「もう、これで何回目だと思ってるの?」

澪「まったく! お前ってやつは!」

グリグリ

律「ひえええ! ごめんなさいごめんなさい!」

澪「今日という今日はきつく言わせてもらうからな!」

律「のどかー、たすけてえええ!」

和「……」
妄想

澪「ほんと、律はイケナイ子だな」

なでなで

律「うぅ……イケナイ律を許してぇ……」

澪「だーめ。 今夜はたっぷりオシオキしてやるからな♪」

律「あっ……だ、ダメぇぇぇ……///」

和「……///」

唯「和ちゃん?」

和「あんなオシオキやこんなオシオキを……///」

唯「和ちゃーん?」

和「……はっ!? な、何?」

唯「和ちゃんが急にぼーっとしちゃうから……」

和「な、何でもないの! ちょっとぼーっとしてただけ!」

唯「すっごい鼻血でてるけど」

和「うん、大丈夫。鼻血でやすい体質だから」

唯「ふーん。そうだっけ?」

和「そ、そうなの。だから全然大丈夫」

唯「じゃあ、よかった♪はい、ティッシュ」

和「うん、ありがとう」

唯「和ちゃん、ちゃんと止まるまでそこのソファで横になっていきなよ」

和「え?でも練習の邪魔に……」

唯「大丈夫♪ちょうど休憩中だから」

梓「唯先輩がお菓子食べたいって言い出したからですけどね」

唯「はい、和ちゃん、どうぞー♪」

和「じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ」

妄想
唯「和ちゃん、血が止まるまで横になって行きなよ」

和「お言葉に甘えさせてもらうわ」

横になる和

和「? ちょっと唯!?」

唯「へへえ♪ 膝枕だよ♪」

和「は、恥ずかしいからいいってば」

唯「でも、イヤじゃないでしょ?」

和「イヤではないけど……」

唯「じゃあ、ゆっくりしていっていいからね♪」

なでなで

和「もう……唯ったら……///」

唯「え? 私がなぁに?」

和「!? ゆ、唯ったら心配性だなって思って……」

唯「そ、そうかなぁ?」

和「そうだよ。ホラ、もう鼻血も止まりかけてるし」

唯「ティッシュが全体的に真っ赤になってるけど」

和「とにかく大丈夫だから!心配しないで?」

唯「う、うん……(さっきより鼻血が出てる気が)」

和「(私ったら唯まで妄想のネタに……)」

和「(本当にどうにかしないと……)」

紬「和さん、大丈夫?」ニコニコ

和「うん、もう平気」

紬「よかったわ。そうだ。お菓子を食べていかない?」ニコニコ

和「うん、ちょっとごちそうになっていこうかしら」

和「(お菓子でも食べていったん気を落ち着かせよう……)」


紬「はい、ケーキと紅茶をどうぞ♪」ニコニコ

和「ありがとう。いただくわ」サクッ

和「(はぁ……いったい私はどうしちゃったんだろう)」

梓「唯先輩ったら口の周りにクリームつけて」

唯「ほえ?」

梓「はい、ティッシュです。これで拭いてください」

唯「(クリームの付いてるとこ)どこー?」

梓「もー、拭いてあげますからじっとしててください」

唯「へへー♪ ありがとーあずにゃん♪」

ゴシゴシ

和「……」

妄想

梓「」梓「唯先輩ったら口の周りにクリームつけて」

唯「(クリームの付いてるとこ)どこー?」

梓「ここですよ」

ペロッ

唯「!?」

梓「キレイにしてあげますから……動かないでくださいね♪」

ペロ ペロ

唯「あ、あずにゃん……///」

梓「唯先輩……♪」

近づく二人の唇……

梓「和先輩? どうかしましたか?」

紬「ケーキが口に合わなかった?」ニコニコ

和「え? いや、おいしかったわ!いろんな意味で!」

梓「いろんな意味?」

和「気にしないで! ご、ごちそうさま!じゃあ私そろそろ……」

律「そうだ、せっかくだから最後に演奏聞いて言ってよ」

和「そ、そうね。せっかくだし、聞かせてもらおうかしら」

澪「よーし、じゃあはりきって一曲いくか!」

ジャジャジャ―ン♪

唯「どうだった、和ちゃん♪」

和「すごくよかったわ。唯もギターが上手くなったわね」パチパチパチ

梓「……」

律「どうした梓?」

梓「いえ、ちょっと弦で指を切ってしまって……」

澪「血が出てるじゃないか」

梓「いえ、絆創膏を貼れば大丈夫ですから」

澪「あまり無理しちゃダメだぞ」

和「……」

妄想

梓「弦で指を切ってしまって……」

澪「かわいそうに血が出てるじゃないか……」

梓「いえ、絆創膏を貼れば大丈夫ですから」

パクっ(梓の指をくわえる澪)

梓「み、澪先輩!?」

澪「「あまり無理しちゃダメだぞ……」ちゅうっ

梓「は、はいっ……///」

澪「よく見ればクチビルも切れてるじゃないか」

梓「こ、これは乾燥してて……」

澪「動かないで」

梓「澪先輩……」

澪「愛してるよ……梓」

近づく二人の唇


和「……」

梓「和先輩」

和「ねえ梓?」

梓「なんですか?」

和「乾燥してクチビルとか切れてない?」

梓「切れてませんけど」

和「そっか……」

梓「(なんで残念そうなんだろう)」




その夜

和「ハァ……なんでこんな妄想ばっかりするように……」

和「いったい何がきっかけだっけ……」

和「もういいや!寝ちゃお寝ちゃお寝ちゃお!」

唯「のどかちゃん♪」

唯「のーどかちゃん♪」

唯「わたし、のどかちゃんだーいすき♪」
和「唯のことを考えるとドキドキして眠れない……」

和「それも恋に近いような……///」

和「唯……///」

和「……! 違う違う違う!そんなんじゃないハズ! 寝よう!全力で寝よう!」

和「唯……///」ドキドキ



琴吹家

書記「……はい、今日も会長のお茶に例の薬を混ぜておきました」

紬「ごくろうさま。明日もよろしくお願いね♪」

ピッ (通話終了)

紬「うちの系列の会社が開発した(っていうか開発させた)新薬『ユリモエール』」

紬「服用すると女性同士の絡みに過剰に反応するようになるっていうけど」

紬「和さんの様子から察するに、効き目はばっちりみたい♪」

紬「服用を続けると、女性に対して恋愛感情を持つようにもなるっていうし」

紬「今頃和ちゃん、唯ちゃんのこと考えてドキドキしてるかもしれないわ♪」

紬「今度は澪ちゃんの紅茶にでも入れてみようかしら♪ それともりっちゃんにしようかしら♪」

紬「楽しみだわぁ……♪ ウフフフフ……♪」



おわり



最終更新:2010年02月12日 02:03