― ☆domino☆ ―


梓「じゃ、行くね。ばいばい憂」ノシ

タッタッタ

憂「……」





憂「言われなくても」

憂「そんなこと」

憂「……」

憂「ちゃんと、わかってるよ」

憂「わかってる」

憂「……」

憂「……はぁ」

憂「…あ」

憂「そうだ…夕飯のおかず買って行かなきゃ」

憂「今日は何にしようかなぁ…」

憂「…あ。昨日の食べ切れなかった分も、どうにかしないとなぁ」

憂「……」

憂「はぁ」

憂「……」パンパン

憂「平沢、憂。しっかりしろー」

憂「…よし」グッ

――テクテク


ガチャ

憂「ただいまー」

…バタン

憂「……」ドサドサ



憂「……」

スタン



憂「……」トタトタ


憂「……」ピ

トタトタトタ

――トントントン

憂「お豆腐、お豆腐ー」サッサ

憂「……」

憂「……」

グツグツ

カチャン…

憂「お味噌、お味噌はー…、と」キョロキョロ

憂「……」サッ

チャカチャカ


憂「ふー、ふー」

憂「……」ズズ

憂「ん」

憂「このくらいかな」

憂「やっぱお味噌汁は、うす味の方がいいよね」


ガチャ

バタン

唯「ただいまー」

憂「おかえりー、お姉ちゃん」ヒョコ

憂「もうちょっとで夕ご飯できるから、待ってねー」

唯「はーい」

トタトタ

唯「今日の、ごっはんは、なっにかな~」チラ

憂「ん?」

憂「普通に野菜炒めと、お豆腐と油揚げのお味噌汁だよー」

憂「後、昨日の残り物だね。納豆とかいる?」

唯「いるーっ」

唯「いただきまーす」

憂「召し上がれー」


唯「……」モグモグ

唯「んん、この里芋おいしいー」

憂「ほんと?」ニコ

唯「あいかわらず憂のシェフっぷりには脱帽ですよ」フフン

憂「そんなことないよー」ニヘー

唯「わたしの、自慢の妹です」ニコ

憂「えへへ」

憂「ありがとー。お姉ちゃん」

憂「あ。納豆食べる?」

唯「食べるー」

唯「ねるねるーねるねは~」マゼマゼ

唯「ねればねるほど~」ミョーン

唯「…はむ」

唯「うまーい」ホワーン

憂「お姉ちゃん、口から糸引いてるよ」クスクス

唯「ほんと?憂、そこのティッシュとってー」

憂「はい」

唯「ありがと」

唯「……」フキフキ

唯「……あ」

唯「ういー、みてみて…ティッシュ、くちびるにくっ付いちった」タラン

憂「あはは、かわいい」

唯「でへへ」タラーン


唯「ごちそうさまでした」ナムー

憂「お粗末さまでした」ニコ



唯「ねーね」

憂「ん」


憂「なーに?」

唯「久しぶりに、一緒にお風呂入らない?」

憂「別にいいけど、どうしたの」

唯「ん。妹の発育が気になって気になって」

唯「最近ね、夜眠れないんだよー」

憂「それ…セクハラだよ、お姉ちゃん」ジト

唯「にっひっひ」ニギニギ

チャプン


憂「……」

憂「ふー…あったかー」ニヘー


ワシャワシャ

唯「うーいー?」ワシャワシャ

憂「なーにー? お姉ちゃん」チャプ

唯「憂って好きな人いるんだっけー」ワシャワシャ

憂「わたしは、お父さんと、お母さんと」

憂「お姉ちゃんが好きだよ」ニヘヘ

唯「そっかぁ」ワシャワシャ

唯「ありがとーね。ういー」ニヒヒ

憂「えへへ」

唯「憂はさー」ワシャワシャ

唯「おとこの子の友達で好きな人は、いないのー?」

憂「いないよー」

唯「ふーん」

唯「……」ワシャワシャ



唯「ういー。実は、わたしね」ワシャワシャ

唯「……」ワシャ…


唯「好きな人、できたかもしれない」


憂「……」

憂「…へ?」ザバ


ポタ…ポタ…

憂「え?お姉ちゃん」ポタ…

唯「……」ジー

唯「んー…」

唯「たくましく育ちましたね。わが妹よ」キュン

憂「…なっ」カァァ

ザプン

憂「……」

憂「……」プクプク

唯「ぷぷ」

唯「あははは」

憂「……」


唯「でもねー」

唯「まだよくわかんないよ」

唯「かもしれない、だけだからさ」

唯「……」…ワシャワシャ

憂「……そっかー」

憂「わたしは、その、…応援、してるよ?」

憂「うん。応援してる」ニコ

唯「ありがと、ういー」ワシャワシャ

憂「……」

憂「……」

憂「……」プクプク…


チャプン

ブォーーー

憂「……」

唯「髪、伸びたね。憂」サラサラ…

憂「え?あ、うん。そうだね」

憂「でも、そろそろ切ろうかな」サラ…

唯「え?」

唯「だーめっ。もったいない、もうちょっと伸ばそーよ」

憂「じゃぁお姉ちゃんも一緒に伸ばそうよ」

憂「そしたら、わたしも伸ばすよー」ニコ

唯「やだもーん」

唯「わたしはいーの」ニヒヒ

憂「えーっ、ずるいよー」

唯「なんだとーぅ」コチョコチョ

憂「きゃっ、あははっ、くすぐたいよぅ」ケラケラ

唯「まったく、もー」

唯「かわゆいやつめー」

唯「……ん」チュ

憂「わわ」

唯「にひひひ」

憂「…びっくりしたよ~」

憂「どうしたの、お姉ちゃん」

唯「むー」

唯「姉から妹へのスキンシップ…?」

唯「わたしは、憂のことが、だいすき!ってことだよ」

憂「……」

憂「わたしだって、お姉ちゃんのこと…。だいすきだよ」

唯「ん?」

憂「んーん。なんでもない」ニコ


唯「ふぁぁ」

唯「……ねむ」

憂「もう遅いし、そろそろ寝ようか」

唯「…うん。もう、おねむです」

唯「目がしぱしぱするもん」

憂「あはは、しぱしぱだねー」

唯「しぱしぱです」ニャム

唯「じゃぁ」

唯「おやすみ。ういー」

憂「うん、おやすみ。お姉ちゃん」

唯「いい夢見るんだよー」

憂「お姉ちゃんもねー」クスクス


――カチャン

憂「部屋、寒いな…」ブル

憂「…っくしゅ」

憂「ずず、…ふー」

ポフン

憂「…ふー」

憂「……」クルン…ファサ

憂「わー」

ゴロン…ゴロン

憂「あったかい…」モフモフ



ぬいぐるみ「……」

憂「……そういえば」



― ☆darkness rabbit☆ ―


憂「まだ、名前……付けてあげてなかったね」

憂「なにがいいかな」

ぬいぐるみ「……」

憂「なにがいい?」ニコ

ぬいぐるみ「……」

憂「わかんないか。…わかんないよね」

憂「わたしも、わからないもん」



憂「なんだか、ちょっとだけさみしいよ」

憂「……おやすみ、ウサギさん」ギュ

ぬいぐるみ「……」

憂「……」

憂「…きっと、わたしが一番、姉離れできてないね」ボソ


……

――ばいばーい

――あ、待って。わたしも一緒に行くー


梓「もー、前にあれほど練習して!って言ったのに」

梓「ほんと練習してくれないわけですよ」

憂「……うん」

梓「夢はでっかく武道館とか…夢でかすぎでしょ」プンプン

憂「…そうだね」

梓「やっぱり、ティータイムが長すぎるのがいけないのかな」

梓「きっと、あれが全ての元凶に違いない…」

憂「…うん」

梓「あ、でも…お菓子食べられなくなるのは嫌だな…」

憂「……」

梓「ちょっと憂、聞いてる?」

憂「…うん」

梓「せっかく、わたしだってやる気になったのにさー」

憂「ねぇ、梓ちゃん」ボー

憂「お姉ちゃん、好きな人できたかもしれないんだって」

梓「また、律先輩と唯先輩がさー」

梓「……」

梓「……」

梓「はい?」

憂「わたし、家のことやらなきゃいけないから、帰るね」

梓「え?え?」

憂「ばいばい、梓ちゃん」

テクテク

ガラガラ

梓「……」

梓「……」ポリポリ

梓「これは、誰かに相談した方がいいのかなぁ」


……

トントント…

憂「…いっ」

憂「……」ジワ…

ポタ

ポタ…

憂「……」

憂「……ん」チュプ

憂「……」

憂「はー…」キョロキョロ

憂「絆創膏どこしまってたっけ…」


――トタトタ


3
最終更新:2010年02月13日 00:44