唯「わたしとりっちゃんの邪魔するならみんな殺してやる!」

「こ、降参だやめ・」ビシュ

唯「あんた達の上の奴らもみんな殺してやる!」



唯「!」

え? めまい…


また
 身体が動か  
    これを待ってたのか…

  足が
あ、、倒れる、、

     りっちゃ・・


律「唯ぃー!」


唯「り、りっちゃん、、来ちゃだ、、」


震えで足がもつれる
でも行かなきゃ…


律「唯!」


りっちゃん…

律「唯!ゆいぃ!?」

唯「りっちゃ、うごけない、、の」

隊員「おい!お前!動くな」

唯「りっちゃん、、逃げ、て、」

隊員2「そいつも連れて行こう」

隊員「倒れてる方を・・」


パ パン


唯「りっ、ちゃん…」

パンパンパンパンパン! カチッ! カチッ! カチッ!

…ガチャッ


律「あああ… や、やっちゃったよぉお」ガクガク

律「ゆ、唯ぃ こ、これで邪魔する奴はいなくなったぞ」

律「に、逃げよう、どれか動かせるだろ、ハハ…」

唯「りっちゃん…」


私は唯を車に乗せた
バイトの先輩の見様見真似で、このバーを動かし
アクセルとブレーキ位しか分からないけど夢中で走らせた

頭が真っ白だ、いや考えろ
とにかく逃げなきゃ

あの騒ぎだ
パトカーにでも止められたら終わりだ

どこを走ってるのか分からない

唯の顔色が悪い

とにかく隠れる所を…

周りが全て敵に見える


1時間ほど走ったか
もうさっぱりだ
町外れのホテルにでも行くしかない

私は必死で泊まれる所を探した


なんとか唯をおぶってホテルの部屋に入った
自分の身体の小ささが恨めしい


律「唯…気分はどうだ?」

唯「あぁ、りっちゃん、、ごめんねぇ・・」

律「やったぞ唯!逃げられた!ハハハ」

唯「うん、、りっちゃんすごいや」


律「動けるか?」

唯「うん、、少し、楽になった…」

律「良かった、唯が死んじゃうのかと思ったよ…」

唯「わたしは大丈夫だよ…」

唯「ありがとう、りっちゃん…」

律「少し寝た方がいいぞ」

唯「うん・・」

唯「…りっちゃん」

律「ん?」

唯「わたしたちもうなにもいらないよね」

律「…」

律「あ、あぁ…」グスッ

律「いらないぞ、いらない、、」

唯「しあわせだね しあわせだねぇ」

律「うん、うん幸せだ、、幸せだ、、よ」



わたしとりっちゃんは手を握ったまま眠りました



りっちゃんは初めてわたしの前で泣きました
ずっと我慢してたんだね… ごめんね…

りっちゃん ごめんなさい
わたしのせいでこんな酷い目に合わせちゃったね


言わなければ良かった?

「りっちゃん、私とつきあってくれないかなぁ?」

「でも好きなんだもん」

「じゃあつきあってください」


ふたりとも少し寝坊をしてしまいました
昼前にここを出ました


唯「おばあちゃんに悪い事しちゃったね…」

律「そうだな…」

律「いつか謝りに行こう」

唯「うん、、」


唯「りっちゃん、運転上手くなったね」

律「あぁ、必死だったからなぁー」

唯「これでどこでも行けるね」

律「おう、行けるぞ~」

律「唯」

唯「うん?」

律「またどこかで部屋借りて一緒に暮らそうぜ」

唯「…うん!」

唯「おばあちゃんみたいな人がいればいいね」

律「そうだなぁ」

律「部屋見つけてバイトして」

律「18になったらちゃんとした仕事するんだ」

唯「わ、わたしも頑張るよ!ドジしないように」


律「頑張るぞー!」

律「家建てるからな!家!」

唯「りっちゃんカッコイイ!!」

律「まかせとけーい!」

唯「あはは」


あの頃のりっちゃんだ
いつも元気いっぱいだったりっちゃんだ

律「あのな、唯が最初私とつきあいたいって言った時は正直困ったんだ」

律「どうすればいいんだろうって」

律「でも今は言ってもらえてよかったと思ってるよ」

唯「…」

律「あ、コンビニだ」

律「寄るな」

唯「うん」


律「よっと、ちょっと待っててな」バタッ

唯「…うん」

律「唯と会えてよかった」


パシュッ

…………
……………………

りっちゃん…

りっちゃんどうしたの?

頭から血が出てるよ?

りっちゃん?

まかせとけって言ったでしょ

へんじして?



りっちゃんのカチューシャが割れちゃった

わたしがあげた指輪 今もしてくれてるんだね

りっちゃんを抱きしめた

わたしの視界が真っ赤になりました

わたしの周りの物は全て燃えました

わたしの周りの全ては真っ黒になりました

灰になりました


残ってるのはりっちゃんだけ


さっきまで恋しあってた

冷たくなった りっちゃんだけ


りっちゃん

もうこれで誰にも邪魔されないよ
逃げなくていいんだよ

ありがとう りっちゃん
りっちゃんのおかげだよ?


りっちゃんは髪を下ろしてもかっこいいね

わたしすこし眠くなっちゃった…

目が覚めたら楽しみにしていた海に行こうね

りっちゃんの声が聞こえる

おやすみ りっちゃん


「ゆいー 早くしろよー」

「ちょっと待ってー りっちゃん」

「このカバン重いんだよー」

「まったくしょうがねぇなぁ」



終わり



最終更新:2010年02月15日 01:11