アットウィキロゴ
梓「はい。まだ今日は13日ですけど」

さわ子「そう、ねえ……」

梓「今日はお世話になりました。ありがとうございました。さわちゃん先生」

さわ子「いえ、どういたしまして……」

梓「次は軽音部の分をやります」

さわ子「(なんか……もらえると思ってなかったから)」

さわ子「それじゃ、私は帰るから」

梓「はい」

さわ子「そうだ。梓ちゃんって、どういう音楽好きなの?」

梓「……」

さわ子「え、もしかしてないの……?」

梓「考え中です」

さわ子「ああ、なるほど……」

梓「む……マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『ラブレス』ですね」

さわ子「このタイミングには縁起悪い名前ね……」

さわ子「はやく寝なさいよー」

梓「残りをやったら寝ます。オヤスミなさい」

さわ子「はーい、おやすみー」



さわ子「『ラブレス』ねえ……」


さわ子「ずいぶん愛情あふれるバレンタインだこと」



よくじつ!

憂「……よし、ちゃんとできてる」

唯「うーいーおはよー」

憂「あ、ああ、おはよう、お姉ちゃん!」

憂「これで今からお姉ちゃんは顔洗って、歯磨いて、数分稼げる。今のうちに包まなきゃ!」

唯「今日は夢でムギちゃん出てきちゃったよー。髪の毛バナナなんだよー」

憂「へっ!? うん、うん、そうなんだー」



琴吹家

紬「なかなか寝付けなかった……」

紬「ああ……内線」

斎藤「おはようございます、お嬢様。朝食の準備が整いました」

紬「ありがとう。今いくわ……あ~」

斎藤「何かございましたら」

紬「バナナは! バナナはあるの!?」

斎藤「はっ、バナナでございますか」

紬「そうよ! バナナが食べたいの! 今日はバナナの日なのよ!」

斎藤「これは失礼をいたしました。早急に準備させます」

紬「ありがとう。少ししたら行くわ」

紬「ハァー……」

紬「あ、メール……澪ちゃん!」

澪『ムギ、とても言いにくいんだけど、私のパンツ知らない? あの後どこかいっちゃって…』

紬「私が……私が死ねばいいんだわーっ! もう死にたいー!! 誰か! 誰か殺してー!」

斎藤「お嬢様! どうなさいましたか! くせものでございますか!?」

紬「私がっ、私がくせものなのよーっ!!」


……

律「だーから、ちゃんと探したのかー?」

澪「探したよっ! ちゃんとスミからスミまで。でもどこにも……」

律「だからね、澪ちゃん、ママ言ったでしょう? お部屋はきれいにしなさいって」

澪「最近はきれいにしてるのっ! もう、ムギにメール打つのだってすっごく恥ずかしかったのに」

律「まぁ、いーじゃん。パンツの1枚や2枚。お、ゆーいー!!」

澪「人事だと思って……はっ、まさか下着ドロ!?」


唯「りっちゃーん!」

律「ゆーいー!」

唯「りっちゃーん!」

律「ゆーいー!」



澪「あの二人何やってるんだ? あのままお互いすれ違って行っちゃったぞ」

憂「最近なにかの映画に影響されてるみたいです」


紬「おはよ~」


唯「あ、ムギちゃん!」

紬「あのう、唯ちゃん、昨日のことは……」

唯「ううん! 私こそごめんね!」

憂「私もお姉ちゃんからお話を聞いてるかと思いますけど、ごめんなさいっ!」

唯「昨日、私感動したよ! ずっと友達でいようね! ムギちゃん!」

紬「え、ええ。こちらこそ……」

紬「(言えない……こんなに純粋に私を信じてる唯ちゃんに言えるわけない……)」


紬「も、もうっ、私死んでしまいそう!!」

唯「!?」


唯「えっ、下着泥棒!?」

澪「うん……」

律「別に気にしなきゃいいのにさー」

澪「だ、だって! またやられたらと思うと……こわい」

紬「(胸が痛い……)」

憂「でも、とんでもない変態ですねー。もし、お姉ちゃんがやられたら、私つかまえるからね!」

紬「(ビクッ!!)」

唯「えーいいよー憂が危ないよー」

憂「ううん、大丈夫! だって、二度と悪さできないようにしてやればいいんだからっ」

律「へー。例えば?」

憂「そうですねぇ……手に五寸釘さして、ロウソクを垂らすとか?」

紬「(ああああああああああああああああああああああああああああああ!!)」


梓「おはようございます」

唯「あずにゃん、おっは~」

梓「おっは~」

憂「ずいぶんたくさん何か持ってるみたい」

律「ほほ~う。この後輩も成長したね~」

梓「はぁ」

澪「そろったことだし、お店行こう」

紬「(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ)」



カフェ!

唯「へ~いいとこだね~」

憂「来てよかったね~」

澪「映画とかに出てきそう」

律「あ、すいません、コーヒーください」

紬「そうよ……バナナなの……なんてバナナ……そんなバナナ」

梓「?」

唯「そうそう~今日夢にムギちゃん出てきた~。バナナ持ってたよ」

紬「えへ、えへへ、バァナナァ~」

唯「そうそう、そんな感じ! すごいね~夢の通りだよ、ムギちゃん!」

紬「セブンティシックス……ななじゅうろくのバナナ……」

唯「憂、あのね、今日は渡すものあるの」

憂「うん?」

唯「はい! ハッピーバレンタイン~」

憂「わぁ……」

律「おめでとうございまーす!」パチパチ

澪「何に? まぁいっか」パチパチ

梓「おめでとう」パチパチ


憂「……」


律「ちょ! 憂ちゃん泣いてる?」

憂「ごめんなさい……う、うれしくて……」

唯「お~よしよし」

澪「できた姉妹だな」


紬「美しいバナナねぇ~」

梓「? ばなな?」


憂「ありがとう、お姉ちゃん! コレ、部屋に飾るねっ」

唯「いやぁ、できれば今日中に食べてもらいたいです」

憂「わ、私もっ、あるのっ!」ゴソゴソ

唯「ほい?」

憂「コレ! お姉ちゃんにバレンタイン!」つチョコケーキ

唯「おお~う、ありがとー!」

澪「さすが憂ちゃん……」

律「愛情の大きさが形になっている……」

紬「でも、すごい一人の量じゃないバナナねぇ」

憂「あ、よかったら後でみなさんで切りましょう」

唯「え~私一人で食べられるよぅ」

律「いや、こういうときにガメつくなよ……」

律「さぁて、誰からいく~?」

唯「あ、じゃあ」

梓「はい」


律「おお! いつにもまして積極的な梓くん! 君を買った!」

澪「業界人かなにかか?」


律「てなわけでどうぞ~」

梓「はぁ。コレ、です」

澪「……」

律「……」

紬「バナナ~」

唯「おお~」

憂「わぁ~」

澪「(がんばった……)」

律「(んだろうな……)」

澪「(ラッピングはめちゃめちゃ……だけど)」

律「(おお、中身もイカツい形だ。まぁ、料理するっていう風に見えないし…でもまあ)」

唯「あずにゃん! ありがと~。手作りだよね」

梓「はい。手作りました。包装もしました」

紬「うれしいわ~」

梓「だから、いつか、先輩たちと」

唯「うん?」


梓「学校で会えなくなっても、なんとか、やっていけると思います」

梓「先輩たちがいなくても、がんばれ、マス」


憂「梓ちゃん……」

梓「でも、それまで、は……」

唯「それまで、もっといっぱい遊んだり、演奏しようね、あずにゃん」ギュ

梓「……うん……ハイ」



律「やっぱ、ウチのバンマスは唯だねぇ」

澪「そうだな」



またよくじつ!

憂「梓ちゃん、お昼だよー」

梓「む……」

憂「ほら、純ちゃんに渡して、和さんにも渡すんでしょ?」

梓「うん……その前に、職員室行ってくる」

憂「職員室?」

梓「うん。ちょっと急いで行ってくる」



職員室

梓「失礼? シマス」

さわ子「あら、あずにゃん。チョコ渡せたー?」

梓「はぁ。それはあとでいいです」

さわ子「なっ」

梓「スイマセン」

英語の先生「……はい。なんですか」

梓「コレをさしあげます」

先生「はぁ? なにかしら……」

梓「チヨコです」

先生「チヨコ? ああ、バレンタインの~って、ええ!?」

梓「それから」

先生「は、はい?」

梓「これからも、ドウゾ、よろしくお願いします」



教室

憂「あ、帰ってきた。もういいの?」

梓「うん。えっと、メガネさんは……」

憂「和さんだよ……えっと、3年の教室か生徒会室かなぁ」

梓「ふむ。じゃあ、行かなきゃ」

憂「あ、ついてっていい?」

梓「うん。いいよ」

憂「ねえ、職員室で何してたの?」

梓「チョコ渡した」

憂「え、さわ子先生?」

梓「ううん、名前知らない先生」

憂「そ、それ、男の先生!?」


梓「ううん。オバハン」

憂「ええー!? それってどういう……」


                      おわり♪



最終更新:2010年02月16日 00:51