律「和・・・?なにやってんだ?そんなに慌てて」

和「澪が!・・・澪が大変なの!!とにかく来て!!」

律「な、なんだ!?何があったんだよ!?おい、和!?」

和「いいから早く!!」

タッタッタッタ

律(ゼェ・・・ハァ・・・ゼェ・・・ハァ・・・)

律(一体どこに向かってんだ?)

律(この方向は・・・音楽室?)

紬「あ、りっちゃん!!」

律「ムギ!?」

紬「りっちゃんも音楽室へ向かうところ!?」

律「あ、あぁ・・・」


紬「澪ちゃん・・・どうしたの・・・何があったのかしら・・・」ポロポロ

律「お、おい泣くなよムギ!」

律「それじゃ・・・それじゃあまるで本当に澪がやばいみたいじゃないか・・・」

紬「うぅ・・・」ポロポロ



律「着いた!!」

律「唯!梓!それに、憂ちゃんまで!?ど、どうなってんだよ一体!!」

唯「りっちゃん・・・」

梓「澪先輩が・・・澪先輩が・・・」

律「お、おい!!なんだよ!!早く誰か説明しろよ!!」

憂「それが・・・私とお姉ちゃんがここを通りかかった時、この部屋に一人で入っていく澪さんの姿が見えたんです・・・」

律「それで!?」

憂「・・・わかりません」

律「は!?わからない?!」

憂「わからないんです・・・突然・・・突然大きな音がして・・・それで・・・」

律「なんだ!?」

憂「澪さんの・・・・・・悲鳴が・・・」

律「なんだって!?澪の悲鳴!?」

憂「はい・・・」

律「なんでこんなとこでグズグズしてんだよ!!早く澪を助けないと!!」


紬「やっぱり・・・たくましいりっちゃんがいないと怖くって・・・」

唯「ごめんねりっちゃん、皆でりっちゃんを探してたんだよ」

律「・・・くそー!!おい!!澪!!大丈夫か!?今助けるからな!!!」

ガチャッ!!

律「澪!!!!」

黒板消し「ポフッ」

律「ん?」

唯「あ」

梓「・・・あちゃー」

紬「外れた・・・?」

憂「律さんの前に落ちちゃいましたね・・・」

和「惜しいわ・・・」

律「・・・へ?」

澪「律!」

律「え?・・・何?え?澪?生きてる?」

澪「当たり前じゃないか」

澪「人を勝手に殺すなよ」

律「え?え?なんだ?どうなってんだ?」

紬「ごめんなさいね、りっちゃん」

律「え?何が?というか・・・え?何これ?」

紬「バトルロワイアルなのよ・・・」

律「へ?・・・バ、バトルロワイアル?」

紬「それがね、皆の意見を集束したところ、全員の意見が一致したの」

紬「皆がりっちゃんを狙っていたのよ」

律「なんだって・・・?」


紬「それで、りっちゃんをここへ誘い込んで黒板消しを当てるつもりだったんだけど・・・」

紬「失敗しちゃったの・・・」

律「な、なんだよそれ・・・」

紬「こうまでしないとりっちゃんは騙されてくれないと思って・・・」

唯「ご、ごめんね、りっちゃん」

梓「申し訳ないことをしました・・・」

和「私からも謝るわ」

律「・・・けんなっ・・・」

唯「え?」

律「ふざけんなっ!!!!!」

澪「お、おい、律」

律「ふざけんなぁ!!!!!!!!!」

澪「」ビクッ

律「私の気持ちをなんだと思ってるんだ!?」

律「こんなことして楽しいか!?!?」

律「私は・・・私はてっきり・・・澪が・・・」

唯「りっちゃん・・・」

梓「律先輩・・・」

律「もう知らねぇ!!!!!勝手にしてろっ!!!!!」ダッ

澪「お、おい!待て!!律!!!」ダッ

唯「りっちゃん・・・泣いてた・・・」

梓「・・・うぅ」ポロポロ

憂「これは本当に申し訳ないことをしてしまいました・・・」

和「ちょっとお遊びが過ぎたわね・・・」

紬「もう一度、皆で謝りに行きましょう」

唯「でも、澪ちゃんが・・・」

一同「・・・・・・」



澪「律・・・!!律!!律ぅ!!」タッタッタッタ

澪「うっ・・・律・・・」ポロポロ


もう友達に戻れないかもしれない
それくらい私は律に対してひどいことをしてしまった
本気で怒鳴る律を初めて見た
なんて馬鹿なことを・・・
しかもこの作戦を最初に提言したのは私自身だ
律なら・・・幼馴染で親友の律なら許してくれると思っていた・・・
私は・・・律に怒鳴られてしまった
私は・・・最低だ・・・
嫌われたに違いない・・・


澪「・・・律?」


この部屋・・・
私は巡り巡って保健室へと辿り着いていた
ここに律がいる・・・
少し開いた扉の隙間から、律の姿が見える
それと同時に、中から律のすすり泣く声が聞こえてきている・・・
私は溢れてくる涙を拭った
扉の向こうでも、律はそうしているのだろうか
今はそんな些細な律との繋がりも、とても大切にしていたいものに感じる
私は勇気を振り絞った
ここで一歩が踏み出せなかったらもう本当に律とは仲直りできないだろう
これが最後のチャンスである気がしてならなかった


澪「律、入るぞ・・・」

ガララッ

黒板消し「ポフッ」

澪「・・・・・・え?」

律「・・・っぷ!」

澪「これは・・・?」


律「ぷははははははははっ!!だっせぇー!!澪の奴ひっかかってやがる!!」

澪「」ピキッ


律「あははははははは!!私をあんな目にあわせた罰だー!!」

律「これで澪の負けだな!!!やったぜケーキゲット!!!!」

澪「律・・・お前は・・・」

澪「本気で心配したんだぞ!!」ポロポロ

律「え、あ、わ、悪い!泣くなよ!」

澪「うぇ~ん!!」

律「・・・っふ」

律「ほらほらよしよし」

澪「うぅ~・・・」

(扉の外)

唯「なんだぁ・・・余計な心配だったねぇ」

憂「これは律さんに一本とられましたね」

梓「な、なかなかやるです!律先輩!」

紬「あらあらうふふ」

和「でも念のため一応後で謝っておくべきだわ」

唯「そうだね!」

紬「それじゃ、私達は邪魔しちゃ悪いし、さわちゃんを呼んで先に音楽室で待ってましょ」

唯「おー!」



(保健室)

澪「私、もう律と友達に戻れないとまで思ったんだぞ!」

律「いやぁ~悪い悪い」

律「仕返ししてやろうと思ってな」

澪「ひどいじゃないかっ」

律「それはそっちも言えたことじゃないだろう~?」

澪「そうだな・・・ごめん」

律「いいよ、怒ってないぜ」

律「それにしても澪、マジで泣いてるじゃんか」

澪「当たり前だろ!!というかそれを言うなら律だって!」

律「バ、バカ!!私は泣きマネだ!」


澪「馬鹿・・・何年一緒にいると思ってるんだ」

澪「それにその真っ赤な目と大量のティッシュを見れば私じゃなくたって気づくだろう」


律「う、うるへー!」

澪「・・・」ジーッ

律「・・・」ジーッ

澪「・・・っぷ」

律「はは」

律&澪「あはははははははははは!」

澪「何やってんだろうな私達!あははは!」

律「マジ泣きまでして馬鹿かよ!あははははははは!」

澪「あははは!・・・・・・」

律「おもしれー!」

澪「じゃ」

律「うん」

澪「帰ろうか」

律「・・・おう」

ギュッ


律(親友だ・・・バトルロワイアル・・・中々いいもんだったな)

澪(私はケーキは食べられないけど、別にいいんだ。心からそう思える)

澪(歌詞・・・書かなきゃな)



唯「りっちゃん達遅いなー」

紬「そろそろ来るわよ」

紬「私達は静かに待っとくべきなのよ」

唯「ぶーぶー、ケーキぃ~」

憂「まぁまぁお姉ちゃん、あと少しだから、ね?」

唯「わかったよーぅ」

梓「あっ!」

ガチャッ!

唯「りっちゃん!!それに澪ちゃん!!」

紬「あらあら」

紬(手なんか繋いじゃって・・・微笑ましいわね)

梓「お、おかえりなさいです!!」

澪「ああ、ただいま」

律「それより早くケーキ食おうぜぇ!!」

憂「待ってください律さん、その前に」

律「ん?なに?」

憂「あの・・・私達、あんなひどいことしちゃって・・・」


一同「ごめんなさい」


律「なになに、良いってことよ!気にすんな!」

唯「あ、和ちゃんは生徒会の急用が入ったからって、ごめんねって伝えておいて、だってさ」

律「そっか!」

律「それじゃあ・・・」

唯「お?とうとうかなっ!?」

律「へへへー!」

梓「ワクワク」

律&唯&梓「ケーキぃ!!!!」


ガチャッ

さわ子「あら、みんな御苦労さま!」

唯「あ!さわちゃん先生どこ行ってたんだよぉ~」

さわ子「ごめんごめん!ちょっと吹奏楽部の方の話し合いがあってね!」

律「それより早く早く!!」

唯「そうそう!!」

梓「ワクワクワクワク」

さわ子「え?何?」

律「な、なにってケーキだよ!超高級品の苺のショートケーキ!!」

さわ子「あ、それなら吹奏楽部の顧問の先生方にあげちゃったわよ?」

律「・・・え?」


唯「な、なんですとー!!」

梓「そ、そんな・・・」

律「な、なんでだぁー!!」

さわ子「なんでって、あなた達、完全にルール無視してけいおん部内で協定組みまくってたじゃない。」

さわ子「最初に言わなかったかしら?「ルールを破ったら即脱落」って」

律「お・・・おろろーん!」

唯「そんなー!!」

梓「あんまりですー!」

さわ子「ま、よくがんばったわね、それじゃ、お疲れ様!」

ガチャ
スタスタスタ


唯「行っちゃった・・・」

律「ちくしょう・・・」

梓「・・・」

律「なんだったんだ・・・なんだったんだー!!」

紬「あらあら、うふふ」

澪「ふふっ、やれやれ・・・」



~終わり~



最終更新:2010年02月17日 00:11