憂「次! 次ゲームセンターに行こうよ」
律「お、いいぜ~。…っと、ちょっと先行ってて」
憂「え? わかった」
律「お待たせ~」
憂「あ、きたきた」
憂「何か買ってたの?」
律「ん、まーね」
律「それより最初は何するよ? ガンシュー? それとも格ゲーでも…」
憂「え、えーと…あ、UFOキャッチャーがある!」
律「じゃあそれいっときますか」
律「もう少し右、もう少し…も、もうちょい…あっ」
憂「ん~……」
律「そこ!」
憂「引っ掛かった! …ああっ」
律「穴の近くに落ちるとか…これ悔しいな!」
憂「うんっ、でもこれぐらいで止めとくよ。キリなさそうだし」
律「まぁ、100円も馬鹿にならないしね。にしても何でお菓子の詰め合わせなんか狙ったの? 隣のやつとかのほうが取りがいがありそうなのに…」
憂「あ、うん。ちょっと欲しかったかなーって」
憂(…無意識にお姉ちゃんの為に取ろうとしてた///)
律「そろそろ昼飯行っちゃう?」
憂「そうだね」
律「ほいほい。と、その前に」
律「プリクラ、記念に一枚…よろしい?」
憂「よろしい!」
律「そのノリの良さまで私は愛せるっ」グッ
店員「いらっしゃいませー。ご注文は?」
律「えっと、ハンバーグ定食一つに」
憂「オムライスのセットを」
律「じゃあその二つを」
店員「かしこまりましたー」
律「いやー、にしてもこの時間帯だと客が多いなぁ」
憂「運良く入ることができたね」
律「だね…ん? あそこにいるのって…」
憂「あ、澪さん」
律「窓際の席で一人ぽつんと…何してんだ?」
憂「誰かと待ち合わせとか?」
律「どうだろ? …ちょっと携帯ならしてみるか」ピ
憂(ふ、普通に話しかけに行けばいいのに)
ヴィィン、ヴィィン、デンワダヨ!デンワダヨ!キラリン☆
澪「あ、電話…律から?」
律(今どきの女子高生であの着信音は珍しい…)
澪『はい、もしもし』
律『私りっちゃん! 今あなたの後ろにいるの!』
澪『ひっ…って、いないじゃん!?』
澪『いたずらか? まったく…』
律『まぁまぁ、ところで一人で何してんの?』
澪『何でそれを…もしかしてどこかにいる――』
澪「あ」
律「わーわー」ブンブン
憂「あはは…」ペコリ
澪『わざわざ電話使わなくてよかっただろ!?』
律『いいじゃん。とりあえずこっちおいで』
澪「やぁ、憂ちゃん。…ていうかほんとに例のアレやってたんだな」
律「まぁねー、楽しませてもらってる♪」
澪「律がよくても憂ちゃんは迷惑なんじゃないか」
憂「そんなことないです。律さん…お姉ちゃんといるととても楽しいですし」
澪「お姉ちゃん?」
律「今日だけお姉ちゃんって呼んでもらってんの。へへ、いいでしょ」
澪「変態…」ボソ
律「なっ」
憂「ところで澪さんは一人でどうしたんですか?」
律「恥ずかしがりの澪ちゅわんがこんな人が多いところでってのは気になる…」
澪「さすがに私をナメすぎだろ」
律「はいはい。で?」
澪「…うん、新しい歌詞を考えてたんだ」
律「こんなところでまたどうして…」
澪「いや、ファミレスって中々集中できたりするからさぁ」
憂(…ちょっと変わってる)
律「で、何か書けた?」
澪「……」シュン
憂「あ…だ、大丈夫です! 澪さんならいい詩が書けますよ!」
憂「ふぁ、ふぁいとーっ」
澪「お…おー!」
憂「はい! これでバッチリですね」ニッコリ
律(こういうところは唯と似てるところあるよなぁ)
澪「ありがとう憂ちゃん。お蔭でもうちょっと頑張れる気がしてきたよ」
律「な? 妹って偉大だろ」
澪「どうして今その話になる」
律「さーて、そろそろ行きますか」
憂「うん。それじゃあ、澪さん。頑張ってくださいね」
澪「ああ」
律「…あ、そうだ」
澪「ん、どうしたの?」
律「あとでウチの家によって聡と唯の様子見てきてくれない? どうなってるかちょっと気になってて」
澪「あー…まぁ、とりあえずわかった」
律「ありがと。それじゃ」
澪「うん」
…
律「お腹も膨れたし、次はどこ行こっか? 憂ちゃん」
憂「うーん…」
律「どした?」
憂「あのね、お姉ちゃん。私のこと呼び捨てで呼んで欲しいな」
憂「その方が姉妹って感じもするでしょ?」
律「…おぉ」
律「おぉー! 憂ぃ!」
憂「なぁに? お姉ちゃん」
律「憂ー!! 妹よぉ!!」ギュ
憂「ふふ」
律「憂、憂~♪」
憂「そ、そんなに連呼されたら照れるよ…」
律「あはは、ごめんごめん」
律「でも嬉しくてさ」
憂「そっか―――あ! 危ないっ」
律「へ?」
ヒュッ…スコーン
律「あいたっ!?」
憂「だ、大丈夫?」
律「うう…サッカーボール?」
?「すみませ~ん……」
?「怪我しませんでしたか!?」
?「って、あれ…姉ちゃんじゃん」
律「聡!」
憂「え、この人が聡くん?」
律「ああ、一応弟の聡」
聡「一応って何さ…どうも、田井中 聡です」
憂「あ、
平沢 唯の妹の憂です。こ、このたびは姉がお世話に…」
聡「いえいえ、気にしないで…あ」
聡「ていうか姉ちゃんっ! 一体どういうことなんだよ!?」
律「あはは、だから言ったでしょ。新しい姉ちゃんだよ」
聡「意味わかんねぇんだよっ…たく、携帯に掛けても出てくれないし」
律「まぁまぁ…それよりよくも私にボール飛ばしてくれたな?」
聡「いや、俺じゃなくて…」
?「お~い……」
憂「この声は…」
律「唯!」
唯「聡くーん。ボールあったの……って」
唯「りっちゃん! それに……」
憂「……」
律(…?)
聡「あ、ボールはありましたよ。大丈夫でした」
唯「そっか。りっちゃん達はどうしてここに?」
律「歩いてたらボールが飛んできて私の頭にクリンヒット」
唯「え!? ご、ごめんねっ、私が遠くに蹴っ飛ばしちゃって…」
律「いや、大した事なかったから別に構わないけど」
律「ていうか唯、お前聡とサッカーしてたの?」
唯「んー正確に言いますと私と聡くんとその友達二人の合計四人ですっ」
憂(お姉ちゃんがサッカー…)
憂(け、けがしないか心配だよぉ)ドキドキ
聡「友達の誘い断りたくもなかったし、さすがに唯さんを家に一人にしておくわけにもいかなかったから」
律「無理に誘ってないだろーなぁ?」
唯「そんなことないって。何してればいいかわかんなかったから助かったよ」
律「…ならいいけど」
男A「おーい、まだかー?」
男B「はぁはぁ唯さんはぁはぁ」
唯「あ、すぐ行くからちょっとまってて~」
唯「聡くん。私さきに戻ってるね!」タタタ…
聡「はい。それじゃあ姉ちゃん、くれぐれも憂さんに迷惑かけるなよな」
律「へ、お前こそ唯に手ぇ出したりするなよー?」
聡「ばっ///」
憂「!」
律「唯かわいいだろ?」
聡「知らねーしっ! ばかでこっ」タタタ…
律「おほー♪ 照れてる、照れてる」
憂「……」
律「あの調子ならなんとか唯ともやっていけてるみたいだな」
憂「……」
律「やっぱり心配?」
憂「そ、そんなことっ」
憂「あっちはあっちで楽しめてるなら何よりだし…」
律「そっか?」
憂「私たちも負けずに楽しまなきゃ!」
憂「次いこ、次!」
律「あ、ああ」
ひらさわけ!
律・憂「ただいま~」
律・憂「おかえり~」
律「…ぷっ」
憂「あはっ」
律・憂「あははははは!
律「いや~遊んだなぁ」
憂「すごく充実してたよ」
律「あっというまに夕方になってたしな」
憂「楽しいと時間が過ぎるのが早いよね…あ、そろそろご飯作らないと」
律「何作るの?」
憂「無難にカレーとか」
律「よーし、じゃあ私も手伝うよ」
憂「え、悪いですよっ」
律「んー? 今なんて」
憂「わ、悪いよ…お姉ちゃん」
律「気にすんなって、一人で作るより二人の方が手っ取り早いだろ?」
憂「うん…」
律「大丈夫! カレーなら自信あるからさ!」
憂「そう? それじゃあ頼っちゃおうかな」
律「まーかしといてよっ!」
…
律・憂「できたー!」
律「にしても料理作ってるとそれだけで何だか腹一杯になる感じしない?」
憂「あ、わかるー」
律「まぁ、食べるけどね」カタ
憂「ふふ」
律「はい、それではご一緒にー」
律・憂「いただきまーす」
…
憂「ふぅ」
律「いやー美味かったなぁ」
憂「うん」
律「そういやいつも甘口カレー食べてんの?」
憂「ああ。お姉ちゃん…唯の方のお姉ちゃんが甘口じゃなくちゃヤダっていつも言ってて。それで…」
律「ふーん、お子ちゃまだなぁ」
憂「で、でもでも、甘口カレー食べてるお姉ちゃんはかわいくて!」
憂「とーってもかわいくて!」
律「あはは(唯には…負けるなぁ)」
律「あ、そうだ」ガサゴソ
憂「ん?」
律「はい、これ」
憂「あ…」
憂「これ雑貨屋であったペンギンの…」
律「色々つきあってくれたお礼に。…あ、もしかして微妙だった?」
憂「とんでもないっ、すごく嬉しいよ?」
律「そっか! 気に入ってくれてよかった」
憂「えへへ」ギュー
憂「お姉ちゃーん、お風呂沸いたよ~」
律「お、じゃあ一緒に入るか」
憂「うん…え」
憂「はい!?」
律「いいじゃん、ここまで来たら一緒に風呂入るぐらい。ね?」
憂「うーん…」
憂「…じゃあ、一緒に入ろっか?」
律「YES!」
憂「じゃあお姉ちゃん入るよ~」
律「おう」
ガラガラガラ…
律「……」
憂「あ、あんまりジロジロ見ないで///」フックラ
律「……」ペッタンコ
律「ゆ」
憂「ゆ?」
律「許さんぞぉぉぉ」ガバッ
憂「!?」
憂「もう…びっくりした」
律「面目ねぇ」
憂「ふふ」
憂「あ、背中洗ってあげるね」
律「おおー気が利きますなぁ」
憂「えへへ」ゴシゴシ
律「こんどは私がしたげるよ」
憂「うん、ありがと」
律「…ねぇ」ゴシゴシ
憂「なぁに?」
律「もしかして唯となんかあった?」
憂「え、あっ」
最終更新:2010年02月18日 00:22