唯「うい~」

憂「なあに、お姉ちゃん」

唯「ういはあずにゃんと仲いいの?」

憂「もっちろんだよ!私と梓ちゃんの仲は切っても切れないよ!」

唯「そうかあ」

憂「なんでそんなこと聞くの?」

唯「いやあ、あずにゃんと今日ね、ういの話をしたんだ~」

憂「それで!?梓ちゃんはなんて!?」

唯「えっ!?えっと…ういはかわいいですよねって」

憂「よっしゃああ!!」

唯「う、うい!?」ビクウ

憂「うれしいなあ、梓ちゃんがそんなこと言ってくれるなんて…私、今死んでもいいよ!」

唯「し、死ぬのはやめて!」

唯(どうしよう…本当はうっとうしいですって言ってたんだけど…まあいいか)

憂「楽しみだなあ!明日梓ちゃんに会うの!」



私の名前は平沢憂
どこにでもいる普通の女子高生だ
そして、私には今、気になる娘がいる
その娘は……

ーー学校

ガラッ

憂「おはよう」

純「おはよう、憂」

憂「今日も寒いね」

純「うん、まあね」

憂「あれ?梓ちゃんは?」

純「ああ、トイレに行ってるよ」

憂「! そう…」ツカツカ

純「あっ、憂、どこ行くの?」

憂「ちょっとトイレに…」スタスタ

純「目が怖かったな……梓、がんばれよ」

……

梓「……」

梓「はあ…今日も大変だな…」

梓「唯先輩はまだやさしいスキンシップだってのに…憂はなんであんなに激しいんだろう?」

憂「それは梓ちゃんが好きだからだよ」

梓「……うわあっ!?う、うい!?」

憂「やあ」

梓「やあじゃないよ!なんでトイレにいるってわかったの!?」

憂「まあ、あんなひとりごとしてたらね」

梓「し、しまった……」

憂「ひとりごと垂れ流しな梓ちゃんも好きだよ!」

梓「う、うるさいっ!いいから見ないで!」

憂「わかったよ」

梓「もう…油断するとすぐこれだからな……」

スーーッ…

梓「ん?……ひいっ!?」

カシャッ!

梓「う、憂!!下からケータイで写メするのやめて!」

憂「あ、ごめん、つい」

梓「ついじゃないよ!これ下手したら訴えることができるパターンだよ!!」

憂「まあまあ、いいじゃない」

梓「くそっ!なんでそんなに冷静なの!」

梓「これは没収します!」ヒョイ

憂「ああん!梓ちゃんの鬼畜!」

梓「うるさい!」

憂「まあ、SDに保存したので大丈夫ですけどね」

梓「なっ!?」

憂「ごちそうさまでした」

梓「いやだあああああっ!」

……

梓「はあ…疲れたよ…」

律「どうしたんだ?生理か?」

梓「違います!憂のことですよ…」

律「憂ちゃん?」

梓「そうですよ…今日も人がトイレに入ってるときに覗いてきたり、写メしたりしてきたんです…」

律「えっ?それぐらい普通じゃん」

梓「あっすんません、ド変態の律先輩にはこれぐらい普通でしたね」

律「へっ!私の守備範囲に男と幼女は含まれておりません!」

梓「それが異常って言うんですよ」

律「まあ、憂ちゃんはいい子だと思うんだけどな」

梓「私も最初はそう思ったんですけど…日にちがたつにつれて変態的になっていくんです」

律「そりゃあ憂ちゃんが梓のことが好きなんだろ」

梓「あれが好きって言うのはおかしいと思います」

律「そうかなあ」

梓「そうですよ」

梓「そういえば澪先輩はどうしたんですか?」

律「ああ、澪はまた骨折したよ」

梓「またですか…」

律「澪は世界で一番の不幸体質だからな…骨折は仕方ない」

梓「そんな設定聞いたことないです」

律「そういう一面もあるってことだよ」

梓「部活でもあんまり見たことないし…どんな人だったか忘れかけてますよ」

律「おいおい、澪は梓のことかわいがってるんだから、少しは心配しとけよ?」

梓「そうですね」

ガチャ

紬「こんにちは」

律「おー!ムギ!来たか!」

紬「遅れてごめんね?掃除が忙しくて…」

梓「いいですよ。でも唯先輩はまだなんですか?」

紬「うん。もうちょっと時間がかかりそうね」

梓「そうなんですか……」

律「なんだあ?梓は唯のことが待ちきれないのか?」

梓「ち、違いますよ!!」

紬「正直になった方がいいこともあるのよ?梓ちゃん」

梓「もう!ちがいますってば!!」

律「ムギ…こいつは一回素直にさせた方がいいんじゃないか?」

紬「そうね…」スッ

梓「えっ…ちょ、何するんですか…?」

紬「喰らいなさい!!ムギフィンガー!」バスン

梓「あうっ!?」

律「説明しよう!ムギはあらゆる『ツボ』を熟知しているのだ!!」

紬「うふふ…梓ちゃんには『素直になるツボ』を押してあげたわ」

梓「くっ…なんてことを…」

紬「では…梓ちゃんは唯ちゃんのことが待ちきれないの?」

梓「あっ…くっ…」

梓(言いたい…本当は待ちきれないって言いたい…!)

梓(でも言ったら、この変態達の仲間になってしまう…!)

梓(女同士は……世間体的に無理なんだよっ!!)

紬「それは違うわ梓ちゃん」

梓「ひ、人の心を勝手に読むな!」

紬「あら、すんません」

律「ほら、言っちゃいなよ~」

梓「あ…わ、わたしは…唯先輩が…」

紬「よしきた」●REC

梓(ダメだ…口が勝手に…!)

梓「私は…唯先輩が…」

ガチャ

唯「やっほー!」

梓「唯先輩が待ちきれないんです!!」

唯「えっ……」

梓「あっ」

紬「GOOD!」●REC

唯「あっ…あずにゃんごめんね…私はその…女の子同士って言うのは…」

梓「ち、違うんです!!唯先輩のマッチが切れないんですよ!!」

唯「えっ?」

律「苦しいな」

紬「very much!」●REC

……

唯「なんだ~、私が待ちきれないって言うのは早くお茶が飲みたかったからか~」

梓「そうですよ!そうなんですよ!」

律「くくくっ…」

紬「むぎぎっ…」

梓(くそっ…笑いやがって…)

唯「まったく、あずにゃんはかわいいなあもう!」ダキッ

梓「あうっ///」

律(これで女の子同士は無理って言うんだからおもしれえよな)

唯「ところで澪ちゃんは?」

律「骨折」

唯「またか」

梓「ほんとうに澪先輩って大丈夫なんですか?」

唯「心配しても無駄だよあずにゃん。いくら心配したって澪ちゃんはケガしちゃうんだから」

梓「何気にひどいですね…」


紬「話は変わるけど…唯ちゃん、憂ちゃんにこれ渡してほしいの」

唯「ん?なにこれ?」

紬「秘密よ」

唯「ちぇー」

梓(なんだろう…なにか怪しいもののような気がする…)

紬「別に怪しいものじゃないわよ?」

梓「だから人の心を読まないでください!」

……

律「じゃあな」

紬「唯ちゃん、憂ちゃんによろしくね」

唯「うん、わかった!」

梓「さよならです」

唯「なんなんだろうねこれ」

梓「さあ…でもムギ先輩が渡すぐらいだから何か怪しいものじゃないかと」

唯「そうかなあ」

憂「おねえちゃあん!あずさちゃあん!」タタタ

梓「げえっ!憂!」

唯「あっうい~!どうしたの?」

憂「えへへっ、買い物の帰りだったんだ!」

梓「あ、そう…」

唯(あずにゃんのテンションががくっとさがった!)

憂「梓ちゃんもお家に来る?」

梓「いや、明日も学校だからいいよ…」

憂「そう言わずに!」サワ

梓「サラッとセクハラすんな!」

唯「まあまあ、次に来ればいいじゃん」

梓「唯先輩…」

憂「まあお姉ちゃんが言うなら仕方ないか」サワ

梓「だからセクハラすんな!」

唯「じゃあねえあずにゃん」

梓「また明日です!」

憂「愛してるよ~!」

梓「唯先輩、さようなら~!」

憂「あ~ん!でも無視する梓ちゃんも素敵!」

……

――平沢家

唯「あっそうだ。うい~」

憂「なあに、お姉ちゃん」

唯「これね、ムギちゃんからなんだけど」

憂「ああ、あれだね。ありがとね!」

唯「それ何が入ってるの?」

憂「世の中には知らない方がいいこともあるんだよ?お姉ちゃん」

唯「は、はい…」


――憂の部屋

憂「ふふふ…これはもしや…」

憂「やはりか…紬さんも恐ろしい人だ」

憂「これさえあれば…梓ちゃんも…」

憂「くくく…楽しみだなあ…」

憂「あはは、あははは、あははははっ」

唯「ういー?うるさいよ」

憂「あっ、すんません」

……

――翌日

純「梓、今日のテスト、勉強してきた?」

梓「うん、まあね」

純「まあ梓は勉強できる方だからね、心配しなくてもいいのか」

梓「それほどでも~」テヘヘ

憂「梓ちゃん!私がカンニングさせてあげようか?」

梓「いいよ!今の話聞いてなかったの?」

憂「梓ちゃんを網膜に焼きつけるのに忙しくて」

梓「ああそうですか」

純「あんたら仲良しだね」

梓「断じて違う!」 憂「そうだよ!」

純「ここまで正反対だとおもろいわ」

……

憂「梓ちゃん、今日の部活に私も行っていい?」

梓「ダメ」

憂「えーいいよね?」

梓「ダメ」

憂「お願い!私にどうかチャンスを!」

梓「ダメ」

憂「もう!梓ちゃんの意地悪!」

梓「はいそうですね」

憂(くくく…これぐらいであきらめる私じゃないよ、梓ちゃん!)



――軽音部部室

唯「あずにゃ~ん、ネコ耳つけて~」

梓「いやです!」

律「いつもどおりだな」

紬「ええ、でも普通ならこの後になにか事件が起こるものよね」

律「そだな」

ガチャ

憂「しつれいしまーす!」

紬「そら来た!」

梓「憂!?」

唯「どうしたのうい?」

憂「えへへ、私も軽音部に入ろうかなと思って」

唯「えっそうなの?」

律「そうかあ!いいぞいいぞ!座って!」

梓「憂!来るなって言ったのに…なんで来たの!?」ヒソヒソ

憂「どうしても梓ちゃんに会いたくなって」

梓「あーもう!最悪だ…」

紬(これはこれは…楽しそうなことになりそうです…)ムギギ

憂「よっこいしょ」

梓「あの…憂?」

憂「なあに?梓ちゃん」

梓「私の上に座るのはどうしてかな…?」

憂「えっ?だって座れって言われたから」

梓「憂は!ここに!座りなさい!」ガシッストン

憂「やーん!梓ちゃん大胆!」

梓「もううっさい!」

律「それで、憂ちゃん、軽音部に入りたいって本当?」

憂「あっ嘘です」

唯「えっ」

梓「嘘なのかよ!」

紬「じゃあなんで来たの?」

憂「軽音部のみなさん、(特に梓ちゃん)がどうしてるか気になっちゃって」

梓「気にならなくていいよ!?」

律「まあ憂ちゃんはいつでも歓迎するから、来たいときには言ってくれよな?」

憂「はい!」

梓(ああ、部長の公認がでたよ…終わった)

紬「これからが始まりよ、梓ちゃん!」

梓「ちゃんと会話しましょうよ」

憂「あっ、私がお茶いれますよ、紬さん」

紬「そう?じゃあお願いね」

憂「はい!」

梓(む…これはあやしい…)

律「はあ、憂ちゃんはほんと、何でもできていいなあ」

唯「えっへへ~、いいでしょ?」

梓「唯先輩が自慢する事じゃないですよ」

憂「はい、みなさんどうぞ」コト

唯「わーい!」

律「サンキュな」

紬「ありがとね」

梓「……」


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最終更新:2010年02月19日 00:31