――とある日
憂「梓ちゃ~ん!」
梓「なに?」
憂「あ、あのね!今度の休日に…遊びに行かない?」
梓「うん、いいよ」
憂「ほ、ほんと!?」
梓「うんってば」
憂「や、やったー!」
梓「喜びすぎだよ」
憂「梓ちゃんとデートなんて…死んでもいいよ!」
梓「デートじゃない!」
……
――デート当日
憂「う~…緊張する…」ドキドキ
憂「服装よし…髪型よし…口臭よし…あ、あとは…」
憂「そうだ!もしものために事後のピロートークの練習を…」
梓「しなくていい!」
憂「あっ!梓ちゃん!」
梓「まだ時間じゃないのに…いつ来たの?」
憂「えっと…3時間前ぐらいに」
梓「はやっ!そんなに早く来なくてもいいのに…」
憂「だ、だって待ちきれなくって…」
梓「別にデートじゃないんだし、気楽に行こうよ」
憂「えっ、デートじゃないの?」
梓「ちがいます!ただの友達同士の遊びです!」
憂「もう!梓ちゃんったら!素直になりなよ!」
梓「うるさいっ!ほら行くよ!」
憂「はーい!」
――ファンシーショップ
憂「うわぁ…ぬいぐるみがいっぱいだ」
梓「……」ウズウズ
憂「梓ちゃん…ひょっとしてぬいぐるみが大好きなの?」
梓「えっ!?ち、違うよ…!」
憂「ふ~ん、そうなんだ」ニヤニヤ
梓(うっ…絶対にばれてる…)
憂「まあ行こうか」
梓「うん」
憂「あっこのクマさんかわいい!」
梓「あっ…」
憂「梓ちゃん、これほしいの?」
梓「へっ!?そ、それは…」
憂「ほら!かわいいでしょ!」
梓「か、かわいい…」
憂「梓ちゃんの方がかわいいよ」
梓「う、うるさい!」
憂「あっ!これ2種類あるんだ…」
梓「ほんとだ…」
憂「ねえねえ、これ一緒に買おうよ」
梓「えっ?でも…」
憂「私は梓ちゃんとおそろいがいいなあ…」
梓「うぅ…わかったよ…」
憂「やったー!」
……
梓「……♪」ギュー
憂「街中で抱いてたら変な人と思われちゃうよ?」
梓「ベ、別にいいでしょ!」
憂「そろそろお昼かあ…ごはん食べに行こうか」
梓「うん」
――レストラン
憂「何食べる?」
梓「えっと…私ダイエット中だから…サラダだけでいいや」
憂「そんなんじゃ倒れちゃうよ?」
梓「い、いいの!憂はダイエットしないの?」
憂「私はお姉ちゃんほどじゃないけど食べても太りにくいんだぁ」
梓「うらやましすぎる!!」
憂「えっそう?」
梓「そうだよ…私たちは日々見えないところでも努力してるってのに…」
憂「梓ちゃんはそのままがいいよ!」
梓「うい…」
憂「梓ちゃんのその幼女体型がいいんだよ!」
梓「やっぱ太ろう」
……
憂「次はどこ行こうか」
梓「う~ん……」
キャアアアアアアア
梓「へっ!?なに!?」
憂「あっあそこ!」
澪「あいてててて…」
梓「澪先輩!?」
澪「ああ、梓と憂ちゃんか…」
憂「どうしたんですか?」
澪「いやぁ、律と遊びに来たらはぐれちゃって…そしたら転んだんだ」
梓「ついてないですね」
憂「じゃあ私たちも律さん一緒に探しましょうか」
澪「本当か!?ありがとう!」
梓「じゃあケータイで呼べば…」
憂「ダメだよ梓ちゃん!」
梓「な、なんで?」
憂「もっと時間かけないと楽しくないじゃん!」
梓「楽しくないってなに!?」
憂「何かあるかもだよ!梓ちゃん!」
梓「何もありません!電話します!」
憂「えー」
梓「えーじゃない!」
律「あっ!あずさ~!憂ちゃん~!」
梓「律先輩!」
律「澪見なかったか!?」
憂「澪さんならこっちに…」
梓「あれ?いない!」
律「またどっかに行きやがったのか…それじゃまたな!」
梓「は、はい」
憂「今のはなんだったんだろう」
梓「さあ」
……
――公園
憂「ここらで休憩しますか」
梓「そだね」
にゃ~ん
憂「おっ!この声は…」
猫「にゃ~ん」
憂「わ~っ!猫ちゃんだ!」
梓「子猫だ…かわいい」
憂「この子猫、梓ちゃんにそっくりだね」
梓「そ、そうかなあ」
猫「なー!」
憂「ほら!猫ちゃんも言ってるよ!」
憂「うーんそうだなあ…君の名前はあずにゃん3号だ!」
梓「もうちょっとひねろうよ」
憂「これが限界なの」
あずにゃん3号「にゃ~!!」ピョン
憂「おぉ!はねるほどうれしいのかい!」
梓「へへへ、かわいいな」
憂「……」
梓「ん?どうしたの憂?」
憂「この子が私たちの子供だと思うと…うれしくて」ポッ
梓「そんなわけないだろっ!」
あずにゃん3号「にゃっ」ピョン
梓「うわっ!膝の上に…」
憂「どうやらお母さんの膝の上が好きみたいだね」
梓「誰がお母さんだ!」
あずにゃん3号「……」
梓「えへへ…寝ちゃった…」ナデナデ
憂「!」ズキューン
憂(あぁ…なにこの素晴らしい光景は…)
憂「私…今死んでもいいや…」
梓「死ぬな」
……
梓「もう日が暮れちゃうね」
憂「うん…」
憂(今日こそ言うんだ…!私の思いを…梓ちゃんに…!)
梓「……」
憂「…ねえ梓ちゃん」
梓「なに…?」
憂「あのね…私ね…」
梓「う、うん…」ドキドキ
憂「梓ちゃんのことがね…」
梓「うん…」ドキドキ
憂「す、す、す、す……」
梓「……」ドキドキ
憂(ダメ…!やっぱりこの雰囲気じゃ言えないよ……!)
紬(落ち着くのよ憂ちゃん)
憂(ああっ!あなたは脳内の紬さん!)
紬(ここは激しく責めるのよ!激しくいけば梓ちゃんもコロッといくわ!)
憂(そうですね!私激しくいきます!)
紬(あなたに百合神様のご加護があらんことを…)
憂「あずさちゃ~ん!」バッ
梓「へっ!?」
憂「キスしても…いい?」
梓「ダ、ダメ!!何言ってんの!!」
憂「どうしても…?」ウルウル
梓(うっ…その上目づかいは卑怯だ…)
憂「いくよ…梓ちゃん…」
梓「うぅ…」
ガサッ
梓「へっ!?」
ドタン
唯「あいたたたた…」
憂「お、おねえちゃん!?」
唯「あっ…こ、これは違うの…!」
梓「何が違うんですか…」
唯「もう!りっちゃんが押したせいでばれちゃったじゃん!」
律「あはは、どうも…」
澪「ば、ばれちゃ仕方ないな…」
梓「律先輩に澪先輩まで…」
憂「じゃあ今日会ったのは…」
律「尾行してたんだけど…途中で澪がはぐれてさ…」
澪「わ、悪かったな…」
梓「じゃあ今日のは全部見られてたってことですか…」
紬「録画もオッケーよ!」●REC
梓「黙れ変態沢庵!!」
紬「うふふ…私たちは気にしないで!ささ、続きを…」
梓「で、できるかぁっ!!」
……
梓「はあ、今日は散々だったよ…」
憂「そうかなぁ」
梓「そうです」
憂「あっ!私忘れ物しちゃった!」
梓「ん?なにを?」
チュッ
梓「へっ…?」
憂「えへへっしちゃった!」
梓「うぅ…不意打ちは卑怯だ…」
憂「ほっぺただからいいでしょ?」
梓「まあそういうことにしとく…」
憂「梓ちゃん、これからもよろしくね!」
梓「…うん!」
おわり
最終更新:2010年02月18日 01:54