唯「昨日いなくなったりしないって言ってたのに…」

唯「ういぃー!」

唯「……」グスッ

唯「うっ……ううっ」

唯「…あっ」

唯(きっとおかし買いに出かけたんだ…)

ガチャ

唯「この近くだときっとあそこのお店だよね…」

唯(ほんとは勉強しなくちゃいけないんだけど…ちょっとくらいいいよね?)

唯(憂見つけたら手つないで帰ろう…)

……

唯「あ、お店見えてきた…」

キキーーッツ

ドンッ!!!

キャーッ

ウワーオンナノコガ

キュウキュウシャヨベー!

唯「事故…?」

唯(女の子って…まさか…)

唯「はぁはぁ」タッタッ

唯(でも…そんなこと…あるわけないよ)

唯「はぁはぁ」タッタッタッ

唯(あるわけないよね…)

唯「!うい…?」

唯「うそ…」

唯「やだ…やだよ…」

唯「ういいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!」

………

唯「あのっ憂っ!憂はっ!!」

医「妹さんは外傷などは殆どなく出血もそれほど多くはありませんでした」

唯「じゃあ…」

医「しかし…事故の際強く頭を打ったらしく意識が戻りません…」

医「とりあえずは様子をみることになりますが…意識が戻るかは保証できません」

唯「そんな…」

医「もう少しすればご両親も来られるそうですから、詳しい話はまたその時に」

唯(憂…)

………

憂「……」

唯「憂…」

唯(こうしてると寝てるだけにしか見えないのに…)

唯「…うい…すぐ起きるよね…」

唯「お姉ちゃん、おはよ、って…言って…くれ、るよね…?」グスッ

唯「ういっ…ういぃ…」

唯「やだよぉ…ういと話したいよぉ…」

唯「ういぃい、うわああぁあぁ」

……

唯「ぐすっ…ぐす…」

唯「うい…もう、目、覚まさないのかな…」

唯「昨日見た夢って…このことだったのかな…?」

唯「ねぇ…ういぃ…こたえてよぉ…」

唯「起きてよぉ……」

唯「……わたしにできること…ないのかなぁ…」

唯「……」

唯「……お話なら、キスで目を覚ますよね…」

唯「……」

唯「…うい…おきて…」

チュ

唯「……」

憂「……」

唯「はは…だめかぁ…王子様じゃないもんね…」

唯「ごめんね…うい…」

唯「だめなお姉ちゃんで…」

唯「ういのために何もしてあげられないよ…」

唯「ごめんね…」

唯「ごめん、ね…」


……

唯「憂ー?どこー?」

唯(あれ…これ…)

憂「ここだよ、お姉ちゃん」

唯「あっ、憂ー」

唯(昨日見た夢だ…)

憂「……」スー

唯「えっ、待ってよういー!」

唯(待ってうい…)

唯「おいてっちゃやだよー」

唯(やだよぉ…)

唯「ういぃー!」

唯(うい…)

唯(追いかけなくちゃ…)

唯「ういぃいい!」

唯(追いかけなくちゃ…!)

唯「待ってえええ」

唯(憂を行かせちゃだめだ!)

唯(憂の手を掴まなくちゃ!!)

唯「ういいいいいぃぃぃぃぃ!!!」

唯(掴んだ!!)


唯「!」

唯「あ…」

唯「寝ちゃってたんだ…」

唯(そうだ…夢を見てて…)

唯(どんな夢だったっけ…?)

唯(そうだ…憂を追いかけて…それで…)

唯(手を…掴んで…)

唯「あ…憂の手…そっか、いつの間にか握ってたんだ」

唯「あったかい…」ギュ

ギュ

唯「!憂っ」

憂「……ぁ」

唯「憂っういっ」

憂「…ちゃ、ぉ……」

唯「ういっ…なにっ…なに?」

憂「ぉね…ちゃ…どこ…?…ど…にぃる、の…」

唯「ここだよういぃ、ここにいるよっ!」

憂「…あ」

唯「うい…?」

憂「……」

憂「…おねえちゃん…?」

唯「…うい…ういいいいぃぃぃぃぃ!」ギュー

憂「あ…痛っ」

唯「あっ…」

唯「ごめん…ごめんね…ういぃ…ごめんね…」

憂「…おねえちゃん…気にしないで…ちょっと、痛かっただけだから…」

唯「ううん…ちがうの…わたし…」

唯「お姉ちゃん、なのに…なにも…できな、くてぇ…」グスッ

憂「おねえちゃん…」

憂「おねえちゃん…わたし…夢をみてたの…」

唯「…?」

憂「すごく暗いところにいて…おねえちゃんが、わたしを呼んでるだけど…」

憂「わたしはここだよって言って、おねえちゃんのところに行こうとするんだけど…」

憂「すごくつよいちからで引っぱられて…どんどんおねえちゃんから離れていくの…」

唯「それって…」

憂「わたし…すごくこわいんだけど…なにもできなくて」

憂「そしたらね…おねえちゃんが、わたしのこと追いかけてきてくれて…」

唯「憂の手を…掴んだ…?」

憂「え…?」

憂「おねえちゃん…どうして?」

唯「たぶん…わたしも同じ夢見たよ…」

唯「憂が遠くにいっちゃって…憂がいなくなっちゃう!って思って」

唯「必死に追いかけて…」

憂「わたしの手を…掴んだ…」

唯「うん…」

憂「ふふ…やっぱりおねえちゃんがたすけてくれたんだ…」

唯「…でも…夢、だよ…?」


憂「夢でも…2人で同じ夢見たんだから…きっと特別な夢だったんだよ」

憂「わたしは、おねえちゃんがたすけてくれたって…思うな」

憂「だから…おねえちゃんがなにもできなかったなんて…」

憂「わたしは思わないよ…?」

唯「うい…」

憂「おねえちゃんの手…すごく暖かかった…」

憂「ありがとう…おねえちゃん…」

唯「ういっ…ういいぃ、ういいぃいぃ」ギュー

憂「おねえちゃん…痛いよぉ」

………

澪「それでここ最近休んでたのか…」

梓「それでっ憂は大丈夫なんですか!!?」

唯「う、うん、検査があってまだ入院してるけど…もう何日かすれば退院できるって」

紬「よかったぁ…」

律「しかし私たちくらいには連絡してくれても良かったんじゃないか~」

唯「う…ご、ごめん、忘れちゃってた…」

律「しかも、こっちから連絡しても全然返事来ないしさ」

唯「え…?あっ!!携帯の電源切りっぱなしだった…」

律「はぁ…」

和「唯らしいといえばらしいけど…」

梓「まぁ憂が無事なら…いいですけど」

律「じゃあ今日はみんなで憂ちゃんのお見舞いだな」

紬「おいしいケーキ持っていかないとね」

澪「今日行っても大丈夫なのか?」

唯「うん!きっと憂も喜ぶよ~」

律「しかし澪は病院大丈夫なのか~?」ニヤ

澪「な。なんでだよ?」

律「病院といえば~…夜な夜な血まみれの看護婦がひたひた…ひたひた~っと…」

澪「きこえないきこえないきこえない…」

………


唯「……」

憂「……」

唯「みんな帰っちゃうと急に静かになっちゃうね…」

憂「うん…」

唯「えへへっ…」グスッ

憂「お姉ちゃん?どうしたの?」

唯「ううん・・・ただね」

唯「…みんなが居て、憂が居て…すごく幸せだな~って」

憂「…うん」

唯「うい…」ギュ

憂「お姉ちゃん…?」

唯「これからもずぅ~っと、ずぅ~~っと一緒だよ」

唯「憂が嫌がっても離れないから…」

憂「お姉ちゃん…」

憂「わたしが嫌がるなんてありえないよ…」

憂「だって…私、お姉ちゃんのこと大好きだもん」ギュ

唯「憂…わたしも、大好き…」ギュー

皆さんこんにちは、平沢憂です
あの後お姉ちゃんと私は補修の人達と一緒にテストを受けました
お姉ちゃんは軽音部の皆さん(特に澪さん)にずいぶん助けられていたみたいです
それと、事故の後からお姉ちゃんは私ともっと一緒にいてくれるようになりました
でもなし崩しにお風呂も一緒に入るようになってしまったのは、嬉しいけど…ちょっと恥ずかしいです


唯「うい~あいす~」

憂「もぉ、ごはん食べてから」


他にもいろいろあるけど、とにかく私今すごく幸せです





おわり



最終更新:2010年02月21日 00:48