りっちゃんち!

澪「梓インターホンおしてくれ」

梓「はい」ピンポーン

聡『はい田井中です』

澪「あっ聡君? 律いる?」

聡『うちセールスはお断りなんですよすみません』

梓「そのいるじゃないです!!」

聡『うわすみません?! 姉ちゃんなら昨日から帰ってきてないです』

紬「事件のにおいがするわね」

唯「りっちゃん…」

梓「…」プルプル

澪「…梓のせいじゃないよ」

唯「そうだよ! りっちゃんはきっと居酒屋で酔いつぶれてるだけだよ!」

澪「酔いつぶれてたらそれはそれで問題だな」

唯「りっちゃん…ご無事で!」ビシッ


梓「先輩への愛とかで道が開けたりしないですかね…」

紬「まあなんて素敵なお話なの?! 梓ちゃん素晴らしいわ!」



そのころ!

律「いてて…」

女「お目覚め?」

律「誰だ?!」

女「そういきり立たないでよ~」

律「なんで私が縛られてるんだ?! ほどけ!」

女「威勢がいいのね…かわいいわ」

律「?!」ゾクッ


……

梓「とりあえず、私の家から律先輩の家まででなにかあったんでしょう」

梓「手分けして探しませんか?」

澪「名案だな」

紬「でも1人ずつじゃ危ないわ」

唯「ちょうど2人ずつに分かれられるよ!」

澪「どう分かれる?」

唯「ぐっとっぱー!」

紬「まあ!私じゃんけんで分かれるの夢だったの♪」

梓「すごい夢ですね」



けっか!

梓・唯

澪・紬

澪紬(あの2人ペアにして大丈夫かなあ…)

澪(変な奴に襲われたり…考えすぎか)

紬(梓ちゃん振り回されそうね)

澪「私は律の家周辺には詳しいしこのあたりを探すよ」

梓「私は自分の家周辺から探していきます!」

澪「じゃあ何かあったら連絡してくれ」

梓「はい!」



澪・紬ペア

澪「なあムギ、律のやつどこ行ったと思う?」

紬「案外公衆トイレとかでホイホイついていったりとか…」

澪「ムギ?」

紬「あらやだ私ったらはしたない! 専門外よ!」

澪「?」



梓・唯ペア

梓「とりあえず簡単に周りを確認しながら私の家まで行きましょう!」

唯「りっちゃーん出ておいで―!」ノゾキッ

梓「律先輩は道路側溝には潜んでないと信じてます」

梓(律先輩になんて謝ればいいんだろう…)

梓(無事でいてください…!)



律サイド

律「なんだよ…」

女「おびえる女の子っていいわよね…」

女「普段強気だとなおさらそのギャップが…ハア…」ポッ

律(なんかムギと同じようなにおいを感じる)

女「なんで私が君をこんなところに連れてきて縛ってるかわかる?」

律「わかるわけないだろ! 早く帰らせてくれ!」

女「君には前から目をつけててね…」

女「君って呼ぶのはいやね…名前を教えてくれる?」

律「…」

女「だんまり? やーねえ」フフッ

律(なんとかしてこの縄を解かないと…)



澪・紬ペア

澪「あまりにも情報が少なすぎる」

紬「もう一度りっちゃんの家に行って弟さんにいろいろ聞いてみましょう?」

澪「そうしよう」

ピンポーン

聡『はいはい田井中ですよっと』

澪「聡? 律はどうしたんだ?」

聡『知らないですよ どうせリア充…朝帰り的なあれでしょう』

紬「りっちゃんに彼氏がいるの?!」

聡『いえ知りませんけど…そんなかんじ?フィーリング?弟の勘的な?』

澪「ごめん聡1発殴らせて?」

聡『あっすんません』

紬「澪ちゃん…この子は何も知らなそうだし他のところで手がかりをつかみましょう?」

聡『もしかして姉ちゃんに何か』

澪「そうだな 家に帰ってないなら部屋にも手がかりはなさそうだし」

紬「公園とかで聞き込みしてみましょう」

タッタッタ…

聡『あったんですか? あれ?』

聡『無視ですか?』



梓・唯ペア

梓「家から周辺地図をもってきました!」

唯「おおーっあずにゃんやるねえ!」

梓「ほめても何もでませんよ」

梓「私の家から律先輩の家で怪しげなところは…廃ビルが数件」

唯「周辺地図ってそんなことまでわかるの?」

梓「ジェバンニが一晩で仕上げてくれたんです」

唯「すごーい!」

梓「とりあえずうちに近いところからまわっていきましょう」

唯「うん! りっちゃん救助隊その1しゅっぱーつ おー! ほらあずにゃんも!」

梓「お…おー!」

梓(胸騒ぎが…)



律サイド

律 モゾモゾ

律(くそっめちゃくちゃ固くしばってある…この道のプロか何かか?!)グッグッ

女「縄をほどいてほしいの?」

律「言ったらほどいてくれるのか?」

女「まさか」

律「…目的を言えよ」

女「ひとめぼれ」

律「あきたこまち」

女「とんちじゃないんだけど」

律「…私に?」

女「他に誰がいるのよw」

律(どうすればいいんだ)



澪・紬ペア

澪「あの…」

スタスタ

澪「すいません…」

スタスタ

澪「ぐすっ」

紬「澪ちゃん…こんな大事な時にコミュ力を前面に押し出さないで…」

澪「最近食生活の偏りとかで体に異常が出たりするとかで…ほらたぶん耳のほうがちょっと…」

紬「澪ちゃん! 澪ちゃんがそんなことでどうするの?」

澪「ムギ…」

紬「ほら一緒に声をかけていきましょ!」

澪「うん!」



梓・唯ペア

梓「私の家から一番近いのがこの廃ビルです」

唯「うわ~雰囲気でてるなあ…」

梓「どんなところであろうとも私は絶対に律先輩を探し出します!」

唯「おおっあずにゃんストーカー!」

梓「…」

唯「あれっ誉めたつもりだったんだけど…」

梓「さあ入りましょう!」

唯「りっちゃん隊員を求めて!」

梓唯「いざ突撃ー!(です!)」



律サイド

女「そろそろ心の準備はできたかしら?」

律「何のだよ」

女「同性にやられちゃうっていう覚悟かな♪」

女「まずは大人しくなってもらいましょう」

女「まだ暴れそうだし…ふふっ」

律(この人何かで見たことあるぞ…?)

女「縛ってるし特に難しいこともなさそうね」

律「何をする気だ?!」

女「ふふっ」

ドカッ



澪・紬ペア

澪「最近廃ビルから女の笑い声がするって…」ブルブル

紬「それはなかなか重要な手掛かりかもね」

澪「なんで?」

紬「誘拐の線で疑っていけば自然と犯人は男性になっちゃうけど、それを利用して何かしらの方法で女性が犯人ということも…」

澪「詳しいんだな」

紬「とりあえず廃ビルに向かっていきましょう?」

澪「それよりもさ」

澪「警察に連絡しよう」

紬「盲点だったわ」



梓・唯ペア

梓「暗いですね…」

唯「あずにゃん! こわかったら私を頼ってくれてもいいんだよ!」

梓「大丈夫です!」

唯「ちぇー」

梓「ここって携帯使えるでしょうか?」パカッ

唯「あーそれ最新機種?!」ガバッ

梓「ちょ…やめてくださいっ あワンセグ起動しちゃった」

携帯『…依然犯人は逃走中です。市内の方はお気を付けください』

唯「この女の人やつれてるねえ」

梓「ドラッグにはまるとそんな風になるんですよね」

唯「…あずにゃん、なんか物音しない?」

梓「上から聞こえます…」

唯「いってみよう!」




律サイド

律「うぐっ…げほげほ」

女「私ってばSの才能あるのかしらねえ…」ゾクゾク

女「どう? もう暴れる気分じゃないでしょ? あはは」

女「んー…ちょっときれてきたかも…」

律(いてぇ…ん? バッグから何か…白い粉?)

女 スゥッ

女「はぁああ いいわあ」

女「そろそろ脱がしたりとか…いいわよね」

律(殴られたついでに縄がゆるんだりとかは…ないか)

ピト

律「! さわるなっ」

女「あらまあ まだ痛めつけてほしいの?」

女「ふふっ」

女「いいわよ♪」



澪・紬ペア

澪「とりあえずなにかあったら連絡してくれ…か」

紬「他の事件もたくさんあるもの 仕方ないわ」

澪「目下で事件がおきてるっていうのに…」

紬「まあまあまあまあまあまあ」

澪「うん私たちにできることをしよう」

紬「とりあえず笑い声がするっていう廃ビルからみていきましょう」

澪「やっぱいかなきゃだめ?」ウルウル

紬「えっ」



梓・唯ペア

唯「! 今何か声が…」

梓「笑い声が…」

唯「お化けとかじゃないよね?」

梓「そんなこと気にしてられません!」

梓「早く行きましょう!」

唯「まってよ~」

梓「緊張感ないですね唯先輩はっ」

唯「ごめんよ~」

唯(私がちょっとでもりっちゃんの代わりになれればと思ったけど…無理かあ)

女「あはははははは」ドカッドカッ

律「…!…っぐ」

女「楽しいねーあはははは」ゲシッ

律(この人…狂ってる!)

女「逃げ出した甲斐があったようふふふ」




唯(あずにゃーん…なんかやばそうな独り言が聞こえるよぉ…)

梓(まず様子を見ましょう!)




女「そろそろ元気なくなったころかな~」ドカドカ

律「…」

女「えっまさか逝っちゃった? あははごめ~ん」

女「好きな人がしんじゃうのはかなしいねー」

女「まあ今更何人でも同じだけど」


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最終更新:2010年02月24日 05:06