澪「ほら、静かに見ないと駄目だからな?」

唯「そうだね」

ブー

澪「お、そろそろ始まるか」

『この春一番の感動巨編・・・!』

唯「(また予告かー)

澪(なんか眠くなってきた・・・)ウトウト

唯(暖かくて、気持ちいいなー・・・)ウトウト

澪(やばい・・・寝ちゃ駄目だって・・・)

唯「・・・」スゥスゥ

澪「・・・」クー




澪「・・・ん」

唯「・・・」スゥスゥ

澪「あ、あれ・・・?(ね、寝ちゃったのか?)」

『ほら、昨日会っただろ?あいつだよ』

澪「」

澪(どいつだ・・・)

澪(ゆ、唯は・・・!?」

唯「・・・」クークー

澪(やっぱり・・・)

澪「唯っ」ボソッ

唯「んー・・・」

澪「唯ってばっ」

唯「んー?なにー?」

澪「ばかっ、声が大きいって」ボソボソ

唯「そうだねぇ?」

澪「・・・寝ぼけてるだろ?」

唯「ん・・・んー」ノビー

澪「お、起きたか?」

唯「うん?・・・あ、そうだった。映画!」

澪「しぃー!もうとっくに始まってるよっ」ボソッ

唯「うそー・・・」

澪「ちょっと待ってて」

唯「何してるの?」

澪「鞄の中でケータイの時計チェックしてみる」ゴソゴソ

唯「なるほど、どれくらい寝てたかわかるね」

澪「あぁ」

唯「・・・」ドキドキ

澪「う、わぁ・・・」

唯「どうしたの?」

澪「この映画、もう・・・」

『え・・・?そ、それって・・・!』

唯「この人は誰?」

澪「多分、主人公じゃないか?」

『だから言っただろ?お前にはその服が、プラダが一番似合うってな』

唯「えーっと・・・?」

『fin・・・~♪~~♪』

澪「お、終わった・・・」


唯「えーと・・・」

澪「私達、2時間近く寝てたのか?」

唯「どうしよっか?」

澪「多分、次の上映があるはずだから、それを観るとか・・・」

唯「でもそろそろ帰らないと、ね?」

澪「確かに。でも、寝るために何千円も払ったなんて・・・」ハァ

唯「これも思い出だね、うん」

澪「なんて強引なポジティブ思考なんだ」

唯「駄目かなー?」

澪「まぁ、いいか」クスッ

唯「そうだよ、こんな日もあるよ!」

澪「唯の場合、こんな日しかなさそうだけどなー」ニヤニヤ

唯「それは言わない約束だよ!」

澪「あはは、ごめんごめん」

唯「この曲、いい曲だね」

澪「主題歌か?」

唯「うん、聞いてると楽しい気分になってくるなー」

澪「あぁ、そうだな」

唯「この曲聴けただけでもいいかなー、なんて・・・駄目?」

『~~♪~♪』

澪「・・・」

澪「ううん、そういうことにしておこうよ」

唯「やった!」

澪「ホント、いい曲だな」

唯「うん!」

澪「さっ、帰るか!」ガスッ

隣のおっさん「いだっ!?」

澪「す、すみません・・・」




律「面白かったなー」

梓「はい、ただ・・・」

律「なんだよ?」

梓「律先輩、リアクション大き過ぎです」

律「えー?そうかー?」

梓「そうですよ、一緒にいてちょっと恥ずかしかったです」

律「うっ、ごめん」

梓「でも、楽しかったからチャラです」ボソッ

律「ん?今なんか言ったか?」

梓「いいえ、何も?」

律「そうかー?」

梓「ほら、行きましょうよ。清掃の人が来ちゃいますよ」

律「それもそうだな」




律澪「あっ」

唯「どうしたの?澪ちゃん」

梓「いきなり変な声出さないでくださいよ・・・って、あれ?」

唯「あずにゃん!りっちゃんも!」

律「澪達も映画観てたのか!」

澪「こんなところで会うなんて・・・」

梓「すごい偶然ですね」

唯「こらー!りっちゃん隊員、私のあずにゃんになんてことを!」

律「へ?一緒に遊んでただけだろー?それを言ったら唯だって澪と」

梓「そうですよ、ちょっとそこでたまたま会っただけです」

律「そこ嘘つくなよ!?」

澪「そうか、今日は二人一緒だったのか」

梓「そうです、澪先輩・・・勇敢でした!」

澪「へ?何が?」

梓「唯先輩のミートソースですよー」

律「ありゃ絶対太ったな、うん」

澪「なななんでそのこと知ってるんだ!?」ゴンッ

律「状況をうかがいながらも私へのツッコミを忘れないとは・・・さすが澪・・・」イタタ

唯「そうそう!澪ちゃん、カッコよかったんだぁ」

梓「えぇ、まさか完食するなんて・・・!」

澪「だからどうして知ってるんだ!?」

律「澪の後ろの席」

澪「?・・・それがどうしたんだ?」

律「誰が座ってたと思う?」

澪「へ?他のお客さんだろ?」

律「正解だけどはずれー」

唯「えー?じゃあ誰が座ってたの?」

律「ふっふっふ、それはな・・・私だよ。わ・た・し!」

唯「え!?全然気付かなかったよ!」

澪「嘘だよな?」

律「ううん、ホント」

澪「・・・っ!」チラッ

梓「本当ですよー?」

澪「そんな・・・!」

律「まぁいいじゃん?」

澪「言ってくれればよかったのに・・・」

梓「澪先輩が唯先輩と交友を深めたいと言ってたので遠慮させていただきました」

澪「うぅ・・・///(聞かれてたのか・・・///)」

梓「今度は私とも遊んでくださいねー?」

澪「も、もちろんだよ!」

律「じゃあその日は唯は私と遊ぼうなー?」

唯「えーと・・・」

律「いやなのか!?」

唯「ううん、まさかー。そのときはムギちゃんも一緒だよ?」

律「そういうことかっ。もちろんだよ、その時はムギも一緒な」

澪「そういえば、さっきムギに会ったんだ」

梓「へ?そうなんですか?」

唯「うん、雑貨屋さんで」

律「へー、ムギは一人だったのか?」

唯「うーん、召使いっぽい人と一緒にいたよ?」

澪「召使いっていうよりも執事だと思う」

律「噂の斉藤さんかー」

梓「ちょっと見たかったです・・・」

律「どんな人だった?」

澪「えーと、それがよくわからないんだよな・・・」

梓「へ?」

唯「確かにムギちゃんだと思うんだけど・・・声掛けたら走って逃げちゃったんだよー」

律「・・・何してるんだ、ムギのやつ」

澪「あれはムギだと思うんだけどなー。人違いですって言われちゃったんだ」

梓「ムギ先輩・・・なんだかミステリアスです」

唯「・・・ねぇねぇ」

梓「どうしたんですか?」

唯「りっちゃん達はドラえもんが静止する日を観てたんだよね?」

律「あぁ、そうだぞ?」

唯「面白かった?」

梓「結構面白かったですよ?」

唯「そっかー」

律「澪達はのだめだろ?」

澪「へ?あぁ」

梓「実は私もちょっと気になってたんですよ。どうでした?」

澪「え、えーと・・・(言えない、寝てただなんて言えない)」

唯「最後がすごかったよ!」

律「へー。でも恋愛ものも終わり方なんてどれも似たり寄ったりだろ?」

唯「ううん!澪ちゃんがおじさんに肘打ちした!」

梓「」

律「何やってんだ、お前・・・」

澪「ち、違うぞ?振り返り様に肘が当たっちゃったんだよ」

唯「痛がってたよねー」

澪「本当にあのおじさんにはご迷惑を」

ガチャ

律「ん?あのシアターも今終わったみたいだな」

澪「人気の映画じゃないのかな。あまり人が出てこないな」

梓「あそこは・・・『百合姫無双theムービー』ですね」

律「予告編観たけど、いかにもムギが好きそうな映画だったなー」

唯「どういうこと?」

梓「深く考えちゃいけません」

紬「・・・」テクテク

律「って、ムギ!?」

紬「へ!?りっちゃん!?」

唯「おーい!ムギちゃーん!」タッタッタッ

紬(ダブルデート・・・!?)

澪「なぁ、ムギ。さっきも会ったよな?」

紬(駄目よ、私はここにいてはいけない・・・!)

梓「ムギ先輩ー?」

紬「人違いです!」ダッ

律「私のこと『りっちゃん』って呼んでおいてそれはないだろっ」ガシッ

紬(捕まった・・・!)ジタバタ

澪「ムギー?」

紬「せっかくのダブルデートを・・・ごめんなさい・・・」

梓「な、何言ってるんですか」

律「でもまさか、映画館の通路でみんな揃うなんてな」

澪「ホント、すごい偶然だ」

唯「あー、いいこと考えた!」

律「どうした?」

唯「今からみんなでお茶しに行こうよ!」

澪「唯、門限は大丈夫か?」

唯「憂にはちょっと遅くなるってメールしておくよー」

律「梓とムギは?大丈夫か」

梓「私は構いませんよ」

紬「私も平気」


律「よし!それじゃ行こうぜっ!」

唯「はい!りっちゃん隊員!」

紬「私も一緒でいいの?」

澪「何言ってるんだ、ここでムギに会えてよかったよ」

紬「へ?えーと・・・うふふ///」

梓「それにしても、お茶しに行くって・・・」

律「ついて来い!唯隊員!」

唯「あいあいさー!」

澪「全く、結局普段と何も変わらないなー?」







おわり



最終更新:2010年02月25日 14:28