和「見事にしてやられたわね」

紬「ええ、唯ちゃんの真っ白パンツも丸見えだったわ」ホクホク

女子C「私も見たわ!」

和「何でアンタがそこにいて何に張り合っているのよ」

女子C「話の流れ的に解説役が必要だったのよ」

和「メタ発言するな」

澪「…律め、絶対につかまえてやる」ゴゴゴゴゴゴ…

和「すっかり本気ね」

和「何時までもここにいたって仕方ないわ移動しましょ」

澪「そうだな」

紬「何か心当たりはあるの?」

澪「もう校舎内には居ないだろうけど…」

紬「講堂はどうかしら?」

澪「体育館と同じで隠れるにはベター過ぎないか?」

紬「そうねぇ」

和「ん? 正門に向かっているあれは…」
 (対唯用の切り札発見!)



律「しっかしさっきは凄かったな唯!」

梓「です!」キラキラ

唯「いや~、それほどでもない」

律「やれば出来る子だと信じてたよ」

唯「ところでりっちゃん」

律「どうした?」

唯「私達の勝利条件って何?」

律「そりゃ『逃げ切れたら』だろ」

唯「何時まで?」

律「日が暮れるまで」

唯「そっかー」

梓「私達の所では宝物があって泥棒はそれを盗ったら勝ちでしたよ」

律「ほー、ローカルルールってやつだな」

唯「日が暮れるまで逃げてたら1ゲームで終わっちゃうよ」

律「ルール変更するか」

唯「そうしよう!」

律「じゃあ、さわちゃんと澪達にメールするよ」

唯「待って、澪ちゃん達には別の方法で伝えようよ」

律「分かった」



グラウンド

澪「なんだあれ」

紬「地面にカードが刺さってるわね」

澪「律達か?」


夕方17時秋山澪様の愛用のピックを戴きに参ります
            ―怪盗キャッツアイにゃー―


紬「先生からメールよ、ルール変更があったみたい」

和「逃げ回るだけじゃ勝敗が着かないから泥棒にも勝利条件を付けたようね」

澪「何で私のなんだ」

紬「でもこれで待ち構えていれば捕まえるチャンスが来るわ」

和「その前に敵を一人減らしましょ」

澪「出来るのか?」

和「任せなさい」



律「後は時間までやり過ごすだけだな」

梓「作戦はあるんですか?」

律「無い!」

唯「無いのかよ!」

梓「唯先輩がツッコミ!?」

律「まあ、なんとかなるって」

律「いざとなれば梓が仲間を呼んでくれるしな」


梓「仲間って何の事ですか?」



憂(どうして私ここにいるんだろう…)

和「さてと、校舎内に居る事はわかっているのよ!」

憂(和さんどうしてそんなにお芝居口調なの?)

唯「和ちゃんの声だ」

律「マジかよ、参ったねこりゃ」

和「あんた達は包囲されているわ!大人しく投降しなさい!」

律「ここまで来て投降なんてしねーよ」

和「平沢唯! こんな事してご家族が悲しんでいるわよ!」

唯憂「「えっ?」」

和「さあ、妹さん呼びかけて説得して」

憂「お、お姉ちゃ~~ん、出てきて~」

唯「う~い~~」

律「あ! こら唯行くな!」


梓「孔明の罠です唯先輩!」


和「はい、唯捕まえた♪」

唯「しまった~」

憂「お姉ちゃん…」

澪「一人確保だな」

紬「姉妹愛っていいわ~」ジュルリ


律「迂闊だった! 憂ちゃんを使われるなんて」

梓「こっちに憂を引き入れていれば唯先輩は捕まらずに済んだのに」


律「梓隊員、唯隊員が捕まったのは私のミスだ、殴ってくれて構わない!」

梓「そんな事は出来ません律先輩隊員! チーム全員のミスであります!」

律「そこは先輩を抜いてくれないと締まらないだろ梓」

梓「スミマセン」

律「私はこれより唯隊員の救助及びお宝の捜索作戦を開始したいと思う!」

梓「イエスマム!」

律「いざ行かん着いて参れ」

梓「ははー」
 (唯先輩の代わりは務まりそうにありません…)



音楽室

さわ子「あら、唯ちゃん捕まったのね」

唯「さわちゃん先生久しぶり~」

さわ子「時間的には1時間も経ってないけどね」

女子C「正確には45レス振り約11時間振りになるわ!」

和「どっから湧いて来たんだあんたは、それと約って言ってる時点で正確じゃないから!」

女子C「モブだって目立ちたいのよ!」

唯「捕まった俺を笑いにきたのかい? 子猫ちゃん」

女子C「そんな訳無いじゃない! 心配したんだからばかぁ!」

唯「走れない泥棒は只の泥棒さ」

和「どっちにしろ只の泥棒じゃない」

女子C「そんな貴方も素敵!」ジュンジュワー

憂(この人お姉ちゃんのなんなの!?)


澪「ピックは無事だな」

紬「きっちり時間通りに来るのかしら」

澪「そういうやつだよ律は」

紬「お茶でも飲む?」

澪「そうだな、まだ時間あるし」

唯「憂~アイス~」

憂「お家に帰ってからね」

唯「は~い」

女子C(この子が妹の憂ちゃんね)キュピーン


憂「…寒気が!?」



律「梓は唯の救出を頼む」

梓「律先輩がピックを盗るんですね」

律「いや、私は囮だ」

梓「え?」

律「いいか、相手はピックを盗られたら終わりだ、最優先でピックを守る為動くだろう」

梓「律先輩が皆を引き付けて、私が唯先輩を助け出す」

律「そして2人でピックを盗ってくれ」

梓「分かりました」

律「そろそろ時間だな、健闘を祈る」

梓「律先輩も」

律「これが終わったら俺結婚するんだ!」

梓「それ死亡フラグですー」



澪「いよいよ時間だな」

和「どういう作戦で来るかしら」

澪「律が囮になって梓がピックを盗りに来るんじゃないか」

唯「私は助けてくれないの?」

紬「そうねぇ、梓ちゃんが唯ちゃんを助けて2人で盗りに来るんじゃないかしら」

澪「有り得るな」

和「なら私が唯に付いているわ、2人で律をお願い」

澪「いや、律は私がやる、だからムギはどっちにも援護に行ける様にしてくれ」

紬「分かったわ」

さわ子「さあ、決着の時ね」

唯「わくわく」

憂(早く帰らないとタイムセールが終わっちゃう…)

女子C「この私が実況してあげるわ!」


バーン
澪「来たか!」

梓「唯先輩ー!」

和「梓ちゃんだけ?」

律「うおおぉぉ」

澪「律が唯の方に向かった!?」

女子C「澪達の予想に反して梓ちゃんが唯の名前を叫びながらピックに向かった!
   そして数秒遅れて入ってきた律が唯目掛けて突っ込む!
   和は梓に反応し澪は律に反応した為音楽室の中央で交錯してしまう!
   完全に裏を掻かれた澪達絶体絶命!」

紬「澪ちゃん達はそのまま追って、ピックは私が守るわ」

和「任せたわよ紬」

澪「待てー律ー」

律「待てと言われて待つやつは居ないぞ澪」

唯「りっちゃん、あずにゃん頑張れー」

律「お前も頑張るんだよ唯、手を伸ばせ」

唯「おお~りっちゃん隊員決死の覚悟で助けに来てくれたんだね!」

パシッ
律「よし! 唯復活、そのまま突っ込め」

唯「とおっ!」

女子C「ピック目掛けて飛んだ唯の前には紬が立ち塞がる!
   唯を助けた律は勢い余って転倒、すかさず澪が押さえに行って敢え無く御用となっ   た!
   梓ちゃんはちょこまかと和を牽制、それを和は冷静に対応している!
   唯の無謀なジャンプが一気に形勢を逆転させてしまったか!?」

律「ここまでなのか…?」

梓「唯先輩ぃー!!」


唯(このままじゃダメだ、でもどうしたら
  …よく見たらムギちゃんと和ちゃんの距離が近い?
  そうだ! ムギちゃんに抱き付いて和ちゃんも巻き添えにすればいいんだ!)

紬「さあ、ここまでよ唯ちゃん」

唯「ムギちゃん、抱き締めて!」

俺「銀河のはちぇまれー!」

紬「唯ちゃん! 来て!」

ダキッ
唯「このまま和ちゃんも連れて行く! あずにゃん行けぇぇ!」

梓「やってやるです!」


和「そうはさせるものですか」

唯「見えるっ! 黒!」

和「え?」


梓「ピックとったどー!!」

唯「和ちゃん大人なんだね」

和「」


律「やった、勝ったぞー」

澪「負けた…」

唯「やったねあずにゃん!」

梓「唯先輩のおかげです」

紬「負けちゃった」ツヤツヤ

和「紬、負けた側の人の顔じゃないわ」

さわ子「いやーいい勝負だったわよ皆」

憂「見ていて楽しかったです」
 (やっと終わってくれた)

女子C「誰か実況した私を労って!」

俺「お疲れ女子C、結婚しよう」

女子C「男に興味無いわボケェ!」

グサッ


澪「よし、じゃあ2ゲーム目だ!」

和「悪いんだけど生徒会の仕事があるから私は抜けるわ」

憂「私もお買い物行かなきゃダメなので帰りますね」

律「そっかー」

和「じゃあ、行くわよ女子C」

女子C「はーい」

唯「女子Cちゃんって生徒会の人だったんだ」

紬「和ちゃん、ティータイムは?」

和「また今度ご馳走になるわ」

律「また半端になっちゃったなー」

唯「さわちゃん先生やろーよー」

さわ子「ごめんね~、やりたいのは山々なんだけど仕事が残ってるのよ」

唯「そっかー残念だなぁ」

澪「仕方ないだろ仕事なんだから」

律「そんな事言って一番やりたがってるの澪なんじゃないのか?」

紬「まあまあ、お茶入れるわね」


唯「楽しかったなー」

律「今日の唯はジャンプが凄かったな」

梓「今日のMVPは唯先輩ですね」

律「MVPの唯隊員には後でご褒美をあげよう」

唯「やったー」


紬「たまに思いっきり運動するのも良いものね」

律「また今度、もっと大人数でやりたいな」

澪「そうだな、今度は負けないからな」

律「汗掻いた事だしこの後皆で銭湯行かないか?」

唯「おー」

キャッキャウフフ


おしまい



最終更新:2010年02月25日 18:18