ガチャン

紬「博士。お茶はいかがですか?」

フジ「あ、ああ。もらおうかな」

紬「ミュウの体調はまた悪くなってきています」

フジ「そうか・・・」

ドン!ドコン!

紬「研究室の音がどんどん激しくなってますね」

フジ「ミュウツーが脱出してしまうのも時間の問題だ。紬ちゃん・・・
   頼むから逃げてくれないか?」

紬「この島でミュウツーが暴れたら島民に逃げ場はありません。
  でしたら私もカツラさんとミュウツーを食い止めます」

………………

実験室前

ドン!ドゴン!

紬「カツラさん・・・」

カツラ「君の覚悟はわかった。もう逃げろとは言わないさ」

紬「ありがとうございます!」

トゴ!ドゴ!

カツラ「もう扉が破壊されるのも時間の問題だ。ポニータを出して構えておけ」

紬「はい。いけっ!リリィ!」

リリィ「ひひーん!」

カツラ「構えろ。ウィンディ」

ウィンディ「がう!」

ドン!ドン!ドゴン!バキバキバキバキ!

カツラ「来るぞ・・・!」

ドゴオオオン!シュン!

カツラ「・・・・?」

紬「・・・消えた?」

カツラ「まずい!抜けられた・・・!二手に分かれて屋敷内を探すぞ!
    おれはあっちに行く!」

紬「はい!」

………………

フジ「あの音・・・扉が破壊されたか・・・」

シュン!

ミュウツー「・・・」スッ

フジ「な!一瞬でこの部屋に・・・う!」

ギギギギギギ

ミュウツー「・・・」

フジ「ぐ・・・ああ(サイコキネシスで・・・首を・・・!)」


ミュウツー「・・・」

フジ「ぐ・・・(ここまでか・・・)」

ガチャン!

紬「博士・・・!リリィ!ミュウツーを止めて!」

リリィ「ひひん!」

ドカ!

ミュウツー「・・・!」ぱっ

フジ「ぷはっ!・・・はあ、はあ・・・」

紬「博士!大丈夫ですか?」

フジ「あ、ああ・・・はあ、ありがとう・・・」

ミュウツー「・・・」

紬「ミュウツー・・・もうやめて」

ミュウツー「・・・」

紬「あなたの気持はわかるわ。勝手に実験や投薬をされて怒ってるのよね?」

ミュウツー「・・・」

紬「私がこんなこと言うのは勝手なことだけど・・・今ならまだ、私たちが歩み寄れると思うの」

ミュウ「みゅ~」

ミュウツー「・・・!」

ミュウ「みゅ」

紬「ミュウ・・・ミュウツーに会いたかったのね?分かる?ミュウツー。あなたのお母さんよ。 あ、お父さんかもしれないけど」

ミュウツー「・・・」

ミュウ「みゅ!」シュン!

ミュウツー「・・・」シュン!

ダッダッダ

カツラ「博士!・・・これは一体?」

フジ「ミュウは飛び出していったよ・・・ミュウツーもそれを追って飛び出して行った。
   紬ちゃんのおかげだ」

紬「私は・・・何もしてないです」

カツラ「二体とも去ったか・・・これが正しいあり方なのかもしれないな」

フジ「二人ともすまない!」

紬「博士!」

カツラ「頭を上げてください」

フジ「私のせいで、君たちの命や、この島を危険にさらした。この責任は一生かかっても償えない・・・」

紬「そんな・・・」

カツラ「私からは何も言えません・・・博士」

フジ「私はこの島に残るわけにはいかないな・・・この屋敷は閉鎖する」

カツラ「では博士はこれからどうするんです?」

フジ「本当に人とポケモンに役立つことをしたい・・・今までの私は成果にだけ囚われて大切なことを忘れていた」

カツラ「そうですか・・・紬はどうする?私のジムでトレーナーをやってもいいぞ?」

紬「いえ、お言葉はありがたいんですけど、この機会に本土に仲間を探しに行きたいと思います」

カツラ「そうか」

紬「あ、でも・・・・今夜は遅いのでジムに泊めてもらってもいいですか?」

カツラ「ああ、もちろんだ」

………………

グレンジム

カツラ「長く開けてすまなかったな。今帰ったぞ」

紬「おじゃまします」

トレーナー「カツラさん!」

カツラ「どうした?」

トレーナー「さっきから子供がジムの中に居座ってて・・・リーダーはどこだ!って・・・
      俺らはみんな負けちゃいました・・・」

少年「あんたがジムリーダーか?」

カツラ「そうだ。挑戦者か?」

少年「一応な。リーダーが来るまで暇だったからここのトレーナーと戦ってたけど、みんな弱くて話になんないな
   せっかくこんな島まで来てやったのに」

カツラ「ここのトレーナーはこのジムが出来てからポケモンを始めた初心者の島民ばっかりだ。
    自分より弱いやつを倒せたのがそんなにうれしいか?」

少年「ち!うるせえな!じゃあさっさとアンタが戦ってくれよ!」

カツラ「戦いたければ明日の朝に来い。こんな夜中にジムは空いてないぞ」

少年「なんだよ?負けるのが怖いのか?」

カツラ「面倒くさいガキだな・・・そんな安い挑発には乗らないからさっさと帰れ」

少年「ふざけんな!こっちはずっと待ってたんだよ!」

紬「ごめんね?カツラさんは疲れてるの。かわりに私が戦ってあげるから」

少年「お前誰だよ?」

紬「ただの通りすがりの女の子よ♪」

少年「よくわかんねえけど・・・暇だから相手してやるよ」

紬「ありがとう♪」



海岸

少年「なんだよここ」

紬「私が訓練で使ってる海岸よ。夜中にジムや街中で戦っちゃ迷惑でしょ?」

少年「いちいちうるせえやつだな・・・行くぞ」

紬「どうぞ♪」

少年「行け!ニドラン!」

紬「リリィ!」

………………

リリィのふみつけ!ディグダは倒れた!

少年「くそ・・・くそ!!なんでこっちは3体も使ったのにそいつ一体に負けるんだよ・・・!」

紬「あなたはポケモンを使う以前に常識を学んだ方がいいわ」

少年「はあ?」

紬「人と話す姿勢もそうだけど、ポケモンを育てる姿勢も。何もかも雑よ」

少年「なんだよ・・・」

紬「正しい心で人と接して、ポケモンと向き合えばあなたはきっと強くなるわ」

少年「ふざけんな!俺は誰の指図も受けないんだよ!」

紬「そう。それはあなたの勝手だけど、この島で迷惑を起こすようなら許さないからね♪」

少年「」ビクッ

紬「私の名前は紬。あなたは?」

少年「うるせえ・・・もうこんなつまんねえ島にいてやるかよ。
   俺の名前か?二度と会わないだろうけどな聞きたいんなら教えてやるよ。」

少年「サカキだ」


………………

現在
ヤマブキシティ シルフカンパニー

トントン

アポロ「失礼します。サカキ様。先ほどアテナの部隊がヤマブキに到着、
    これで全戦力がヤマブキに結集しました」

サカキ「・・・」

アポロ「サカキ様?どうされました。体調がすぐれないようですが・・・」

サカキ「いや、気分の悪いことを少し思い出してしまってな。
    アテナ隊にも作戦通りの配置につかせろ」

アポロ「了解しました。・・・サカキ様、質問してもよろしいですか」

サカキ「何だ?」

アポロ「澪は・・・何者なんですか?確かに彼女の部隊は一人一人がよく鍛えられていて質も高く、
    男性部隊員の士気も異様に高いですが・・・素性の知らないものを隊長にしていて良いのですか?」

サカキ「今の時点ではあいつは有能な部下だ。それでいいだろう」

アポロ「は!失礼しました」

ガチャン

サカキ「・・・」 


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最終更新:2012年09月26日 22:11