こなた「みゆきさん、その後どうなったの?」

みゆき「その後と言うと……?」

つかさ「この前言ってた、ネットで知り合ったっていう人のことだよ~」

みゆき「あ、その方とのことですね!報告が遅くなってすみません」

かがみ「みゆき、言いたくなかったら別にいいのよ?」

みゆき「いえ、大丈夫ですかがみさん。みなさんのおかげでお会いすることになりました」

かがみ「ええっ!?」

こなた「おー!」

つかさ「ゆきちゃんやる~!」

こなた「みゆきさんいつ会うのー?」

みゆき「今週の土曜日です」

つかさ「どこで会うの~?」

みゆき「池袋の予定です」

こなた「2人で会うんだよね?」

かがみ「おい、お前らそんなに質問してみゆきが可哀想だぞ……大体2人で会うとか当たり前のことを……」

みゆき「いえ、3人です。もう1人共通の知人がいまして」

こなた「え」

つかさ「え」

かがみ「ええっ!?」

みゆき「じゃあ、また明日」

こなた「バイバイ、みゆきさーん」

かがみ「なあ、こなた……」

こなた「うん、3人って言うのは少し怪しいよね」

かがみ「じゃあ、みゆきに言って行かせないようにしよう!」

こなた「でも、誘うよう仕向けたのは私たちだしねー……うーん」

つかさ「ねえねえ、なら私たちでゆきちゃんのボディーガードをしようよ~!」

かがみ「ボディーガード?」

つかさ「うん、ゆきちゃんが危ない目に合わないように付いてくの!」

こなた「それいいね、つかさ!うん、そうしよう!みんなでみゆきさんを守るぞー!」

つかさ「お~!」

かがみ「……絶対見たいだけだろ」



当日

唯「」じーっ

律「」じーっ

梓「」じーっ

澪「な、なあ……」

唯「どうしたの澪ちゃん?」

律「どうした澪?」

梓「どうしたんですか澪先輩?」

澪「もうやめないか……ムギが可哀想だろ」

唯「澪ちゃん!せっかくここまで来たんだよ!?」

律「そうだ!ここまで来たら引き下がれないだろ!」

澪「でも……」

梓「あ!誰かムギ先輩に話しかけてます!」

……

こなた「」じーっ

つかさ「」じーっ

かがみ「はあ……もう帰らない?」

こなた「後少し……後少しだよ、かがみん!」

つかさ「もう少しの辛抱だよ、お姉ちゃん!」

かがみ「よく考えてみたらさ、みゆきがそんな危ないことに首突っ込むわけないんだよな」

かがみ「だから、今日はもう尾行なんてやめて……」

こなた「かがみんシーッ!」

つかさ「ゆきちゃんが誰かに話しかけられてる!」


……

紬「……」

まちまち

紬(待ち合わせの場所はここだけど……少し早かったかしら?)

紬(一応メールして着いてることを知らせとこう)

めるめる

みゆき「……」

まちまち

みゆき(待ち合わせ場所はここであってますよね?……早すぎたでしょうか)

みゆき(連絡を入れといた方がいいですよね)

めるめる

?「あのー、たくあんさんとみwikiさんですか?」

紬「え?」

みゆき「はい?」

?「あ、すいません……私なくらです」

紬「なくらさん……あ!どうも初めまして、たくあんです」

みゆき「あ、たくあんさんだったんですか……さっきからすごく近くにいたんですね」

紬「みwikiさんですか?……ウフフ、こんなに近くにいらっしゃったんですか」

?「なんだ、2人はもう挨拶を済ませてるのかと思いましたよ」

紬「すいません、こうやった形で人と会うのは初めてなんで……」

みゆき「お恥ずかしながら私もそうでして……」

?「初めてはみんなそんなもんですよ、じゃあ行きましょうか?おいしいレストランが近くにあるんですよ」


……

唯「りっちゃん!ムギちゃんが動いたよー!」

律「よし!私たちも動くぞ!」

梓「はい!」

澪「あ……ちょ、ちょっと待てって!」


すたすた

こなた「みゆきさんたち動いたね……私たちも行こう!」

つかさ「お姉ちゃん、早く早く!」

かがみ「あ、う、うん……」


てくてく

唯「なんか随分と暗いとこ歩いてるね~」

律「おいしいレストランってのがこんな路地裏にあるもんか?」

梓「そうですよね、こんな人通りの少なそうな場所でわざわざ開かなくても……」

澪「隠れた名店って奴なんじゃないか……って!ああ!?」

唯「ムギちゃん!?」


てくてく

こなた「なんか怪しい場所歩いてるよね」

つかさ「うん、怪しいよね~」

かがみ「アンタたち少しは隠れるみたいなことはしないの?」

こなた「大丈夫大丈夫、みゆきさんは気づかないよー」

つかさ「大丈夫だよねー、なんか尾行って楽チンだね~!」

かがみ「何言ってるのよアンタたち……って!ああ!?」

こなた「みゆきさん!?」

こなた「え……?」

唯「へ……?」

律「もしかして今金髪の子と歩いてた女の子の友達の方ですか?」

かがみ「そうですけど、今のって……!」

澪「誘拐……!?」

つかさ「ど、ど、ど、どうしよう……!?お姉ちゃん!」

梓「せ、先輩!とりあえず警察!警察に連絡しましょう!」

律「ああ!わかってる!」


……

紬「む!むーっ!」じたばた

みゆき「むーっ!むーっ!」じたばた

?「おい!暴れるんじゃねえよ!じっとして黙ってろ!!」

紬「……」びくっ

みゆき「……」びくっ

?「そうだ、大人しくしてろ……大人しくしてたらすぐ済むからよ……!」

?②「うわああああああ!」

キイイイイイイイッ!!

?「ど、どうした!?」

?②「ば、バイクがいきなり前を横切って……!!」

?「バイク……?な……!まさか!」

すたすた

すたすた

?「首無しライダー!!に、逃げろ!!」

?②「ひいいいいい!」

セルティ「……」

てくてく

紬「……」ぶるぶる

みゆき「……」ぶるぶる

セルティ「……」

ばりりっ

ばりりっ

紬「は……はあ……はあ……あ、あの……」

みゆき「あ……ありがとう……ございました……」

セルティ「……」

『お前達を連れてきて欲しいと頼まれている』

紬「え……」

みゆき「あ、でも……」

セルティ「……」

『身に危害は及ばない、保障する』

紬「……わかりました」

みゆき「……連れてってください」

セルティ「……」

『ここの屋上に行け』

紬「……」

てくてく

みゆき「……」

てくてく

紬「……あ、あの」

みゆき「……は、はい」

紬「あの人……どうして話さなかったんですかね」

みゆき「すみません……わからないです」

紬「そう……ですよね」

みゆき「でも……あの人は信じてもいい気がします」

紬「……」

てくてく

紬「……」

みゆき「……」

紬「誰も……いない……?」

臨也「はーい、どうもー」

紬「!」

みゆき「!」

臨也「嫌だなー、そんな警戒しないでよ……あ、自己紹介がまだだったかな」

臨也「なくらです、スゥーっといなくなってしまいたいなくらですよ」

紬「なくら……」

みゆき「さん……?」

臨也「ええ、そうです」ニヤリ

紬「ひょっとして……助けてくれたのってなくらさんですか?」

臨也「はい、僕です」

みゆき「あ、ありがとうございます」

臨也「怖かったですか?」

紬「……はい」

みゆき「……はい」

臨也「大変でしたね」

みゆき「でも……どうしてわかったんですか?」

臨也「だって、彼らにたくあんさんとみwikiさんを拉致するよう頼んだのは僕ですから」

………………

…………

……

紬「……」

みゆき「……」

バタンッ!

唯「ムギちゃん!」

こなた「みゆきさん!」

紬「唯……ちゃん?みんな……!」

みゆき「泉さん……それにかがみさんとつかささん!」

律「大丈夫かムギ!ケガはないか!?」

梓「ムギ先輩すいません!私たち何も出来なくて……」

澪「ゴメン、ムギ……こんな怖い目に合わせてホントゴメン……!」

紬「大丈夫、大丈夫だからみんな……ありがとうね」

かがみ「みゆき!大丈夫!?ケガは!?」

つかさ「うわ~ん!ゴメンねゆきちゃ~ん!」

こなた「みゆきさん……私が会ってみればなんて言わなかったらこんなことにならなかったのに……」

みゆき「皆さん……大丈夫です、私は皆さんが来てくれたのがすごく嬉しいです」

律「ってわけで、尾行してたんだよ」

かがみ「私たちも全く同じ」

紬「そうだったの……驚いたわ」

みゆき「でも……なんでここがわかったんですか?車に乗せられてから見失ったんじゃ……」

唯「それはね、こなたちゃんのおかげなんだよ~!」

こなた「池袋にネトゲ仲間がいてさ、その人が2人の特徴に良く似た人をこのビルの前で見たっての聞いたんだよ!」

紬「……あの、もしかして」

みゆき「……泉さん、その知り合いの名前は何ですか?」

こなた「え?……なくらって人だけど、どうかしたの?」


……

臨也「あーあ、ネットって何が起こるかわからないから怖いよねー」

臨也「かわいい女の子たちのほんわかした話が見れると思った?残念」

臨也「どれが本当でどれが嘘か、ちゃんと自分の目で見抜けないと痛い目あうよー」

臨也「それにしても……友情って美しいよね?そう思わない?」

臨也「僕は人間が大好きだから、人間関係を見るってのも大好きなんだけどさ」

臨也「おっと、今日はここまで……そろそろ時間だ」

臨也「くれぐれも簡単に騙されちゃ駄目だよー、じゃあね」

臨也「あ、今日はもっと相応しい言葉があったね……ばいにー☆」





最終更新:2010年02月28日 12:07