ライブ開演

律「棺桶は用意したか?」
ファン「うおー!リッチャン様ー!」
唯「ちょwwwてんwww」
ファン「うおー!イケヌマ様ー!」
澪「処刑の時間だ」
ファン「うおー!サンジュ様ー!」
ファン「やっぱり愛液は風格が違うぜ!」
ファン「おぉ!こっちのゲートからは!」
紬「私の前にひれ伏すが良いわ」
ファン「うおー!タクアン様ー!」
梓「欠片も残さない!」
ファン「うおー!アズニャン様ー!」
ファン「ティーバックもオーラが違うぜ!」
ファン「俺ら全員殺されるんじゃねぇ!?」
ファン「音楽で殺されるなら本望だー!」


澪「(タクアンに…アズニャン?まさかな…)」
梓「(リッチャン…イケヌマ…サンジュ…まさかね…)」
澪梓「(まぁ誰であろうと関係無い)」
澪梓「(目の前に立ちはだかる敵は…)」
澪梓「(全て殺す!)」


澪「いくぞ!SATUGAI!」
ファン「きたー!SATUGAIだー!」
澪「俺は地獄のテロリスト!昨日は母さん犯したぜ!明日は父さん掘ってやる!

律「(歌もベースも気合い入ってるな澪!やっぱりお前はメタルモンスターだぜ!)

律「(この分じゃ奴らは何も出来ないで終わるんじゃないか?)」
梓「(SATUGAI…そんな曲じゃ誰も殺せない)」
梓「‐187‐」
ファン「きたー!‐187‐だー!」
梓「…死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
律「!?」


梓「殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してや
る!殺してやる!殺してやる…」
律「(なんだ!?あれは歌なのか!?)」
梓「…殺してやる!」
律「(…!曲調が変わった!)」
梓「死ね!死ね!死ね死ね!」
梓「死ね!死ね!死ね!死ね!」
律「(な、なんだよあの曲…あんなのアリか!?)」
梓「死ね!死ね!死ね!死ね!」
ファン「死ね!死ね!死ね!死ね!」
律「(客があっちの曲に喰われてる…!)」
律「(このままじゃマズイ…!)」
澪「(……)」


梓「死ね!死ね!死ね!死ね!」
ファン「死ね!死ね!死ね!死ね!」
紬「(完全にお客さんを味方につけたわね)」
紬「(‐187‐)」
紬「(この曲ほどライブで生きる曲なんて無いわ)」
紬「(サビが「死ね」だけで単純…ノリやすい)」
紬「(この曲で押し続ければこの勝負…私達の勝ちよ!)」
律「(ダメだ…勢いは向こうの方が上だ…)」
律「(このまま負けるのか…?)」
律「(あんなドラムとベースが打ち込みのバンドなんかに…)」
律「(私が今日までやってきたことは無駄だったのか…)」
澪「…ここまでだな」
律「み、澪…?」
ファン「愛液の演奏が止まったー!」


律「お、おい…お前、演奏止めて何やってんだよ!?」
澪「それはこっちの台詞だ!」
律「!?」
澪「お前のプレイで伝わるんだよ。お前、勝負を諦めかけてるだろ?」
律「そ、そんなこと…」
澪「…何年幼なじみやってると思ってるんだよ?」
律「…っ!」
律「だ、だってあんな曲相手じゃどう足掻いたって私達は…!」
澪「簡単なことじゃないか」
律「えっ?」
澪「今の曲で通用しないなら同じ曲で勝負すれば良い!」
律「え…えぇっ!?」


澪「歌詞とベースラインは覚えた。単純だからな」
律「覚えた…ってお前…」
澪「唯、あの曲弾けるか?」
唯「…ひけるwwwうぇwww」
澪「そうか。頼もしいな唯は」ナデナデ
律「いや、お前!それってつまりパクリじゃん!?」
澪「そうだな」
律「そうだなって…それってバンドとして負けを認めたようなもんだろ!?」
澪「…いや、それは違うな」
律「違うって…何が違うんだよ!?」
澪「確かにただコピーするだけじゃただのパクリだ。でもコピーがオリジナルを
超えたらどうなる?」
律「超えたら……それってつまり!?」
澪「わかったみたいだな」


澪「コピーがオリジナルを超える…それはオリジナルにとって最大の屈辱と絶望
だ」
律「その屈辱と絶望をアイツらに与えることが出来れば…」
澪「あぁ、私達の勝ちだ」
律「で、でも今日聴いたばかりの曲を今ここで演奏してアイツらを超えるなんて
…」
澪「普通は出来ないだろうな…でも悪魔なら!」
律「…!」
澪「律…ドラム任せたぞ」
律「…あぁ!任せとけ!」
律「(澪…立派になっちまって…)」
律「(お前が幼なじみでホントに良かったよ…!)」


ファン「愛液の演奏が止まったままだぞー!」
ファン「諦めてしまわれたのかー!?」
澪「喚くな!今、絶望を与えてやる!」
澪「(いくぞ!律、唯!)」
律「(おう!)」
唯「(おーwww)」
澪「…死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
紬梓「!?」
さわ子「…ほう」
憂「コ、コピー…!?」
澪「殺してやる。殺してやる。殺してやる。殺してやる。殺してやる。殺してや
る。殺してやる。殺してやる…」
ファン「なんだー!?愛液が‐187‐を演奏し始めたぞー!」
ファン「自分達の曲じゃ敵わないからパクリに走ったのかー!?」
ファン「いや!よく聴いてみろー!」
澪「…殺してやる!」
澪「死ね!死ね!死ね!死ね!」
澪「死ね!死ね!死ね!死ね!」
ファン「演奏面は愛液の方がキレがあるぞー!」
ファン「もしかして愛液がオリジナルでティーバックがコピーなのかー!?」
紬梓「(なっ…こ、こんなことが…)」


律「(演奏面ではこっちが上だ!このまま行けば勝てる!)」
唯「(あーwww)」ジャカジャカ
ファン「でたー!イケヌマ様の歯ギターだー!」
律「(…!唯の奴、だめ押しってわけだな!ならあたしも負けてられないな!)」
ガンガン
ファン「でたー!リッチャン様のおでこドラムだー!」
紬「(…この曲は私達の曲…負けるわけには…!」バンバン
ファン「でたー!タクアン様の眉毛キーボードだー!」
梓「(演奏面で私が負ける!?そんなことあっちゃならない!)」ジャカジャカジ
ャン
ファン「でたー!アズニャン様のゴキブリギターだー!」
澪「(これが女帝の力だ!)」ベンベン
ファン「でたー!サンジュ様の在日ベースだー!」
ファン「必殺技の応酬だー!」
ファン「まだ勝負はわからないぞー!」
ファン「一体どうなるんだこの勝負ー!?」


律「(演奏面が互角になってきた…でもこれ以上強くおでこを叩きつけるのは…)

紬「(なんとか肩を並べることは出来たみたい…でもこれ以上は眉毛が…)」
唯「(はwwwぬけりゅwww)」
さわ子「技術はもうとっくにお互いに限界を越えている…」
憂「後は…」
澪梓「(ボーカル勝負!)」


澪「死ね!死ね!死ね!死ね!」
梓「死ね!死ね!死ね!死ね!」
澪「死ね!死ね!死ね!死ね!」
梓「死ね!死ね!死ね!死ね!」
ファン「なんで二人ともあの声量で勢いが止まらないんだ…?」
ファン「ていうか二人とも息づきしてるか…?」
澪梓「(息づきなんかしたら勢いが死んでしまう…)」
澪「(アズニャン…)」
梓「(サンジュ…)」
澪梓「(早く死ね!)」


澪「死ね!死ね!死ね!死ねっ…!」
ファン「サンジュ様が苦しそうだー!」
梓「死ね!死ね!死ね!死ねっ…!」
ファン「アズニャン様も苦しそうだー!」
さわ子「直に決まるな…」
憂「梓ちゃん…!」
澪梓「(負けられない…!)」
澪梓「(でも…もう…)」

ドサッ…!

ファン「…が倒れたー!」



梓「」ドサッ…!
紬憂「梓ちゃん!」
ファン「アズニャン様が倒れたー!」
ファン「ていうことは…」
澪「…死んじまえ。死んじまえ」
澪「死んじまえー!」
ファン「曲のラストを飾ったのはサンジュ様だー!」
ファン「この勝負、愛液の勝ちだー!」
会場全体「うおおおおおおおおおおおおお!」
澪「(…勝った)」
澪「(これで…頂点…だ…)」
律「やったぜ!澪!お前の勝ちだ!」
唯「みおちゃwwwすごいwwwうぇwww」
さわ子「正直イッたわ!」
澪「(頂…て…ん…)」
澪「」ドサッ…!
律「澪…?おい澪!?」
律「澪ー!!!」




ライブ終了
病院

澪「う…こ、ここは?」
律「…澪!良かったぁ~!」ポロポロ
唯「みおちゃwwwみおちゃwww」ポロポロ
澪「り、律…唯…?」
さわ子「目が覚めた?」
澪「先生…」
澪「私…一体…」


さわ子「酸欠で死にかけたのよ。全く…ライブで自殺しようとするなんてホント
にクレイジーなんだから!」
澪「そっか私…あのまま…」
さわ子「卒業したって貴女は私の生徒なんだからあんまり心配かけないでよね!

澪「あ…あれ?」
さわ子「ん?どうしたの?」
澪「先生…口調が…」


さわ子「…ファーック!!」
澪「ひっ!?」
さわ子「……」
澪「」ブルブル
さわ子「うふふ…冗談よ」
澪「…えっ?」
さわ子「貴女達は頂点を取ったんだもの。私の役目はおしまい
よ」
さわ子「そうよね?りっちゃん?」
律「頂点取ったら…って約束だったしな…」
澪「あ…じ、じゃあ…」
律「放課後、部室は愛液で濡れるは本日をもって解散だ!」
澪「や…」
澪「やったあぁぁぁぁ!!」


梓「うるさいです。病室では静かにしてください」
澪「あっ、ごめんなさ…えっ!?あ、梓…!?」
憂「まぁまぁ。元気そうで何よりだって思わなきゃ!」
紬「うふふ…そうね」
澪「ムギに…憂ちゃん…?どうしてここに…?ってか梓もベッドの上だけど…」
梓「そりゃそうです。同じ病室なんですから」
律「梓も酸欠で死にかけたんだってさ」
澪「酸欠…ってことは!?」
梓「…サンジュってやっぱり澪先輩だったんですね」
澪「タクアンとアズニャンってやっぱり二人のことだったのか…」


紬「完敗だったわ…まさか‐187‐をコピーしてくるなんて…」
梓「ルールなんて無用ですね…」
律「そりゃ私達は悪魔だからな!どんな手でも使うぜ!」
梓「まぁ早い話コピーする前は私達が圧倒してたってことですよね」
律「な、なんだとー!?負けた奴が生意気な!」
梓「な、何をー!?」プクー
澪「梓は相変わらずだな…」
紬「うふふ…りっちゃんもね」


澪「しかしまさかお互いにメタルをやってたなんてな…」
紬「私も驚いたわ~…それにみんな1年前よりも凄く上手になってた…」
澪「それは梓やムギもだよ。特に梓なんか歌まで歌って…」
紬「凄く頑張ってくれたのよ。まぁ、それは澪ちゃんにも言えそうだけど」
澪「えっ?」
紬「大方りっちゃんに半ば強制的にメタルをやらされたんでしょ?」
澪「(さすがムギ…わかってらっしゃる…)」


紬「でも本当に上手くなった…特にりっちゃん…もう自分勝手なプレイなんかじ
ゃない。リズム隊としての役目をしっかり果たしているわ」
澪「えっ…それって?」
紬「…また5人でバンドを組みたいわね!」
澪「…ムギ!」
紬「うふふ…りっちゃんが許してくれればだけどね」
律「…許すも何も無いさ」
紬「…えっ?りっちゃん…」
律「あの時は私が悪かったんだ。むしろ許してもらうのは私の方だよ」
澪「律…」
紬「りっちゃん…」
梓「律先輩…」
唯「おでこwww」
憂「お姉ちゃん、こっちおいで」


律「この1年で気付いたんだ。バンドはチームプレイなんだってことを」
律「一人でも勝手なプレイをしたらバンド全体が崩れるってことわかってなかっ
たよ…」
律「ムギ…また自分勝手なこと言うけど…こんなあたしとまた一緒にバンドを組
んでくれるか?」
紬「…ええ!もちろん!私からもお願いするわ!今のりっちゃんなら即戦力だも
の!」
律「ムギ…ありがとう!」
澪「(ああ…また…)」
梓「(あのバンドに戻れるんだ…!)」
憂「ハッピーエンドですね!」
さわ子「濡れないわね」
憂「えっ?」
さわ子「ううん、何でもない」


律「それでムギ、これからのバンドの方針だけどさ…」
紬「ん?なぁに?」
律「あのな…」ゴニョゴニョ
紬「ふんふん…」
澪「(なんか二人でゴニョゴニョと…)」
梓「(イヤな…予感が…)」
紬「うん!私もそれが良いと思う!」
律「そっか!良かった!やっぱそうだよな~」
澪「…二人で何か納得してるけど方針は決まったのか?」
律「ああ!」
紬「ええ!」
律「メタルやろうぜ!」
紬「メタルをやりましょ!」
澪梓「」


澪「お…おい…律?」
律「ん?なんだよ?」
澪「頂点を取ったら…ポップバンドに…放課後ティータイムに戻るんじゃなかっ
たのか…?」
律「ああ…確かにそう言ったけどさー…」
梓「だ、だったら戻りましょうよ!5人でまたバンド組めるんです!それに約束は
守らきゃダメです!」
紬「確かに梓ちゃんの言うことは正しいわ」
紬「でもね、考えてみて?頂点って言ってもりっちゃん達は日本の頂点に立った
だけに過ぎないわ」
澪「そ、それってつまり…」
律「ああ!次は世界の頂点に立つ!」
澪梓「」


律「ていうかさ、1年もメタルやってたらさ…」
紬「今更ポップバンドには戻れないわよね~」
律「体がなんていうかね…もうメタルしか叩けない!みたいな?」
紬「みんなあれだけの技術があるんだし世界でもきっと通用するわ!」
律「‐187‐なんか外人にウケそうだよな!」
紬「りっちゃん~あれは元々私が作った曲なんだから自分の曲みたいに言わない
で~」
律「あはは!ごめんごめん!」
澪「(なんかもう話が勝手に進んでる…)」
梓「(こ、このままじゃ…)」


澪「で、でもさ…!これから先、世界でメタルをやっていくとしてもさ!先生は
もういないわけだし!せ、先生がいたから日本で頂点が取れたわけだし!」
梓「わ、私とムギ先輩も憂がいたからここまで来れたと思ってるです!その二人
がいないなら…」
さわ子「おい?誰がいないって?」
澪梓「え」
さわ子「ひゃっはー!日本を制したら今度はすぐに世界か!濡れるぜ!」
澪「せ、先生…口調が…」
さわ子「ファーック!!」
澪「ひっ!?」
さわ子「また…良い夢見させてくれよ?」
澪「(あ…悪夢だ…)」


梓「う、憂は世界なんて!だよね!?日本が良いよね!?」
憂「私はお姉ちゃんがいれば何処にでも行くけど…お姉ちゃんどうする?」
梓「(…唯先輩…!)」
唯「…せかいwwwせいはwww」
梓「」
憂「…決まりだね。梓ちゃん!みんなで世界制覇しよっ!」
梓「(こ、この姉妹は…)」


律「さわちゃんも憂ちゃんもいるなら世界制覇は遠くない未来だな!」
紬「ホント!恐れるモノは何も無いわね!」
澪梓「あの…」
律「ん?二人してどうした?」
澪梓「脱退を希望します」

しかし2年後、この2人は放課後ティータイムというデスメタルバンドのツインボーカルとして世界の頂点
に立つことになる

澪「私が…」
梓「やりたかったのは…」
澪梓「こんな音楽じゃない!」


おわり



最終更新:2010年02月28日 19:32