唯「はぁ~~~~…」

律「どうしたんだ?唯のやつ」

澪「どうやらまた中間テストで赤点取ったらしいんだ」

律「なんだよ、またかよ。懲りないな~」

紬「唯ちゃん元気出して。はいケーキ」

唯「…ありがとうムギちゃん。でも今日はいいや…」

梓「重症ですね…」

澪「追試で合格点取らなきゃ強制退部だからな」

律「去年はギリギリ4人だったから唯が居なきゃ廃部だったけど今年は梓が居るから…」

唯「そんな!ヒドい!!」

律「冗談だよ、冗談」

梓「でも、本当に合格点取れなきゃそれが現実になっちゃいますよ」

唯「ううっ…」

紬「また、唯ちゃんの家で勉強会しましょ?」

唯「みんな…毎度毎度ご迷惑をおかけします…」

律「いいっていいって。私が手取り足取り教えてあげますわよん♪」

唯「りっちゃんに言われるとなんだか腹が立つな~」

律「な、なんだと~!!」

唯「りっちゃんだって赤点ギリギリだったんじゃないの?」

律「ふっ…甘いな唯。ほれ見てみ」

唯「ぜ、全教科70点以上……!?」

梓「へ~。意外と頭いいんですね律先輩」

律「意外と、は余計だ梓!」

唯「でも、どうせ澪ちゃんに泣きついての一夜漬けなんでしょ?」

澪「いや、今回は律一人の実力だよ」

唯「えっ!?」

律「まぁ、私が本気だせばこんなもんだよ」

唯「信じられない…」

澪「普段から勉強していればこんな事にはならないんだぞ」

唯「でも私、集中力が続かなくって」

紬「大丈夫よ。唯ちゃんはやればできる子なんだから」

唯「だよね! やればできるんだから、別に今やらなくったっていいよね!」

澪「おいおい…」

梓「でも高校に入ったら急に難しくなって、毎日の復習が大切になってきますよね」

紬「そうね、授業も予習をしてる前提で進むことだってあるし…」

澪「中学までは家での勉強っていったら宿題とテスト前の勉強くらいのものだったけど
  流石にそれだけじゃ追いつけないもんな」

唯(私、予習復習なんてしたことないよ……)

梓「勉強も大事ですけど私たちはバンドの練習もしなきゃ、ですよ」

澪「梓の言う通りだ。さぁ、そろそろ練習するぞ!」

律「仕方ない…やるか~」

紬「唯ちゃんも憂鬱な気持ちを演奏で発散させましょ」

唯「う、うん」


~~♪~~♪~~♪~~♪~~♪~~♪~~♪~~♪~~♪

唯「あっ…また間違えちゃった…」

梓「…唯先輩」

律「あ、あれだよ。やっぱり追試の事が気になって演奏に集中できないんだよ。な?」

唯「…うん。ごめんね」

澪「このままじゃ、リードギター交代も考えた方がよさそうだな…」

唯「!?」

紬「み、澪ちゃん…」

唯「……」ダッ!!

 ガチャ バタン

梓「唯先輩!?」

律「お、おい澪。言い過ぎじゃ…」

澪「でもこのままだったら唯のためにもならないよ…」

紬「そう…ね…」

梓「確かに…試験の度にこれじゃあ…」

澪「唯には自分で気づいてもらわなきゃ意味ないんだ…」



平沢家 唯自室

唯「部室飛び出してきちゃった…」

唯「……」

唯「でも澪ちゃんの言うことももっともだよね…」

唯「宿題も憂に任せっきりだったし…」

唯「……」

唯「よし! 今日からは自分で勉強するぞ!!」

唯「まずは、机に向かって…と」

唯「……」カキカキ

唯「……」カキカキ

唯「……」カキカキ

唯「……」

唯「……zzzzzz」



朝 学校

唯「ううっ…結局寝ちゃった…」

唯「でも不思議な事に全然進んでなかった宿題が朝見ると全部できてるんだよね」

唯「それも今回だけじゃなくて以前にも何回かあったし…」

唯「もしかして私ったら寝てる間に無意識のうちに勉強できてるとか!?」

唯「……」

唯「わかってるよ。憂がやってくれたんだよ……」

唯「やっぱり私って、ダメな子だよね…」

唯「それに昨日の今日だし部室に行きづらいな…」

律「よっ! 唯、おっはよ~」

唯「りっちゃん…」

律「おいどうしたんだよ、昨日のことまだ引きずってんのか?」

唯「澪ちゃん怒ってるかな…」

律「ああ…覚悟しといた方がいいぜ……」

唯「そんな……!!」



放課後 平沢家

澪「と、言うわけで今から唯のためにみっちりと勉強したいと思います!!」

唯「澪ちゃん昨日はゴメンね」

澪「いや…私も言い過ぎたよ…ゴメン」

律「澪ったら昨日唯が帰ったあと『私、唯にヒドイこと言っちゃった』ってずっと泣いてたんだぜ」

唯「そうなの!?」

澪「おい! それは言うな!!」

梓「なぐさめるのに一苦労でした」

紬「でも、それだけ唯ちゃんのとこを心配してのことだったのよ。分かってあげてね」

唯「うん。だって試験の度に迷惑かけてたらいけないもんね…」

澪「唯……」

唯「よろしくご指導お願いします!!」


───
──────
─────────

澪「ふぅ…ここまでやればとりあえず追試は大丈夫だろう」

紬「唯ちゃんがんばったわね。ケーキ持ってきたから食べる?」

唯「わ~い♪ ありがとうムギちゃん」

梓「結局ここでもケーキなんですね」

律「以前はこのタイミングで確か和がサンドイッチ持ってきてくれたよな」

唯「和ちゃん最近塾に通いだして忙しいらしいよ」

澪「そうか…だから生徒会も辞めちゃったんだな」

律「へ~、そうなんだ~。大変だな」

唯「ところでなんでりっちゃん急に成績よくなったの?」

律「私? 実は私、進研ゼミ始めてさ」

唯「進研ゼミ!?」


唯「進研ゼミってあの恋も部活も勉強も上手くいくやつ!?」

律「そうそう、恋も部活も勉強も上手くいくやつ」

唯「りっちゃんがそんなことやってるなんて意外だ~」

律「そうか? 澪もやってるぜ」

唯「そうなの!?」

澪「ああ。私は中学の頃からやってるよ」

唯「へ~」

梓「実は私も……」

唯「あずにゃんまで!?」

梓「一日15分で済みますからね」

唯「もしかしてムギちゃんも…とか?」

紬「ごめんなさい。私、進研ゼミっていうのは聞いたことないわ」

唯「そうだよね、ムギちゃんには縁がなさそうだもんね」

紬「あ、でも家庭教師の先生には週に何回か来て頂いてるの」

律「ほえ~さすがだな」

紬「ええ、名前は赤ペン先生っておっしゃるのよ」

唯「結局みんな仲間じゃん!!」


澪「ほ、本当かムギ!?」

紬「ええ」

梓「どうしたんですか澪先輩?そんなに大声出して」

律「澪ったら昔、その赤ペン先生にラブレター書こうとしてさ~」

唯「へ~。聞かせて聞かせて!」

澪「わー!わー!」

律「『ふでペンボールペン』も本当は『あかペンボールペン』って曲名だったんだぜ」

澪「り、律バラすな!!」

梓「あ~、でもその気持ちも分かるかも」

澪「だ、だよな! だって手書きで的確なアドバイスをくれるから。ちゃんと私を見てくれてるって思って」

紬「澪ちゃん、残念だけど赤ペン先生は50代のおばさまよ」

澪「そ、そうなのか……」


律「で、でもさ~。噂じゃ赤ペン先生って何人もいるって話だし」

澪「そ、そうだよな!」

唯「落ち込んだりはしゃいだり、澪ちゃん乙女だね~」

澪「う、うるさい///」

紬「でも、その進研ゼミっていうのでみんなテストもバッチリってわけなのね」

律「そうだ! これを機会に唯も始めてみたらどうだ?」

唯「でも、私に続けられるかな~?」

梓「大丈夫ですよ、むしろ唯先輩のような人のために進研ゼミがあるって言っても過言ではないですよ」

唯「う~ん…でもやっぱり大変そう…高校の授業って範囲も広くってどこが重要か分からないし…」

律「だからその広い範囲の中でも最も重要なポイントを教えてくれるんだよ」

梓「授業でわかりにくかった所も丁寧に解説してくれてます」

澪「そしてなによりそれが1日15分でできるってところが魅力なんだ」

唯「1日…15分で…」

澪「そう、和は塾通うために生徒会辞めちゃったけど、ゼミなら…」


  進研ゼミなら部活も勉強も両立できるんだ!!



唯「憂~。最近の郵便物どこにある?」

憂「え? そこにまとめてあるけど」

唯「え~~~っと」ゴソゴソ

唯「あったこれだ!!」

唯「本当だ! 高校別の授業テスト対策。予習型、復習型、教科書別の授業チャレンジ」

唯「それに3つの個別サポート。わからなくなったときに私を助けてくれるんだ…」

憂「どうしたのお姉ちゃん?」

唯「憂! 私進研ゼミ始めたいっ!!」

憂「し、進研ゼミ? でも小学生のとき学研取ってたけど結局科学の付録だけ作って放置してた…」

唯「憂、お姉ちゃん今度は本気なんだよ!!」

憂「!?」

唯「お姉ちゃんこのままじゃダメだって気づいたの」

唯「なんでも憂頼みじゃダメだって」

唯「だからせめて勉強だけは自分の力でなんとかしたいの」

唯「でも私、要領よくないから……。だからこその進研ゼミなの!!」

唯「きっと私変わってみせるよ!!」

憂「お姉ちゃん……!!」

唯「軽音部のみんなもこれで成績が上がったんだよ!」

憂「軽音部のみなさんも…」

唯「お願い憂! 私にどうかチャンスをっ!!」

憂「分かった…そこまで言うなら私も応援するよ!!」

唯「憂……!!」

唯「ありがとう!!」

 こうして私は進研ゼミに入会を決めました


唯「憂~ただいま~」

憂「あ、お姉ちゃん。チャレンジ届いてたよ」

唯「おぉ早速!!」

憂「フフフッ。勉強がんばってね」

唯「あい!任せられよ!!」

憂「ご飯できたら呼ぶから~」

唯「は~い」




唯「さて、じゃあ夕ご飯までにやってしまうとしますか!!」


唯「フムフム…なるほど」

唯「イラスト付きで教科書みたいにお堅くないから眠くならない、不思議っ!!」

唯「……」カキカキ

唯「そうだそうだ、ここ授業でわかりづらかったんだよね…」

唯「でも、丁寧に解説されててこんな私でも理解できるっ!!」

唯「これならスラスラできるね♪」

唯「……」スラスラ~

唯「あ~そっかそっか…」

唯「……」スラスラ~

唯「……」

唯「……」

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──────
───

唯「憂っ! ご飯まだ?」

憂「ちょっと待ってねお姉ちゃん」

憂「って、お姉ちゃん勉強は?」

唯「フフン、もう終わりました!!」

憂「ほ、本当に!?」

唯「ちょちょいのちょい、だよ」

憂「へ~すごいね!!」

唯「でへへ…///」

憂「学校の宿題も終わったんだ」

唯「……あっ」

憂「そ、それはまだなんだね……」

唯「それは、忘れてた~」

憂「フフッ。もう、お姉ちゃんったら」

唯「てへへ」コツン☆


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最終更新:2010年03月01日 01:24