グウウウウウウウ
唯「うえ~お腹すいたよ~」
澪「そういえば朝からなにも食べてないな…」
紬「お菓子もみんな食べちゃったし…」
律「よーし!じゃあ魚でも採るか!向こうに岩場があったし、いろいろいるかも!」
梓「でも釣竿はどうするんですか?エサは?」
律「なに言ってんだ梓、直接採るんだよ!」
梓「んなっ…」
律「お、いるいる!こういう岩場には魚が結構いるんだぜ?あと貝とかも!」
梓「律先輩って、なんか詳しいですね」
澪「律は昔からアウトドア派だったからなあ…あちこち連れ回されたもんだよ」
唯「頑張るぞー!えい!えい!」バシャバシャ
律「あー唯、そんなに強くすると逃げちゃうだろ?捕まえる時は…こう!」ヒョイ
唯「すごーいりっちゃん!その魚なんて名前なの?」
律「えーっと…まあ細かいことはいいだろ!どんどんいくぞ!」
梓「詳しい、ですか…」
澪「…まあ、律は本能で生きてるから…」
唯「……うう」
梓「……」
律「…すいません」
澪「確かに20匹捕まえたのはすごい…けどどれも食べられないってどういうことだよ!」
律「だって~どれが食べられる魚かなんて教わったことなかったんだよう!」
梓「やっぱりこんな浅瀬じゃ小さな魚しかいないんですね…そういえばムギ先輩は?」
唯「別の場所で魚探すって…あっ帰ってきたよ!」
紬「みんな~遅くなってごめんなさ~い」
澪「遅いぞムギ…ってそれ…鯛!?なんで!?」
紬「…よいしょ、よいしょ…っと
向こうの浜辺に流れついてたの。焼いて食べましょ?」
梓「そのわりにはきれいですね…それに冷たいし…まるでついさっきまで冷凍庫に入ってたみたい」
紬「えっええと…」
律「細かいことはいいから早く食べようぜ!唯隊員!火の準備を!」
唯「ラジャーりっちゃん隊員!」
梓「…気のせいかなあ?」
律「はー生き返った気分だー」
唯「もうこのままここで暮らしてもいいやあ」
紬「ふふ♪それもいいわねえ」
梓「…澪先輩、どう思います?」
澪「どうって?あーお腹いっぱい」
梓「鯛ってもっと沖の魚じゃありませんでした?
仮に流れ着いたとしても、もう少し傷がついててもおかしくないです」
澪「…どういうことだ?」
梓「つまり…」
律「おーし食休み終わり!また作戦練るぞー!澪も梓もこっち来い!」
澪「あっ今行く!ごめん梓、また後でな」
梓「はい…」
唯「…結局脱出できないまま夕方になっちゃったねー…」
律「そうだなー…夕飯どうするかあ」
澪「二人とも!鯛の残りがまだあるから準備しろよー」
梓「あれ?またムギ先輩いない…」
紬「みんな~今度はイカが流れ着いてたわ~」
梓「なっ…」
律「マジか!?でかしたぞムギ!」
唯「ハンターだよ…ハンターだよムギちゃん!」
澪「ハンターって…でもすごいなムギ、ついてるな!」
梓「……」
律「んふ~イカうめえ~」
唯「ふわぁ~ゲソ最高だよ~」
紬「よかったわあ♪」
澪「げ…内臓食べちゃった…」
梓「…ムギ先輩!聞きたいことがあるんですけど!」
紬「なあに?」(小動物に見せかけて獲物を狙う飢えた鷹のような目で)
梓「うっ……む、迎えはまだ、ですかね…?」
紬「うーん、まだこないみたいねえ、まあ気長に待ちましょ?」
律「そうだなーなんとか食っていけそうだし、待つしかないかあ」
唯「私、だんだん楽しくなってきたかも!」
澪「梓、まあ待とう?」
梓「は、はい…」
よくあさ!
律「う~ん…澪ぉ…肌すべすべ~」
澪「り、律~前髪が…前髪がぁ…」
紬「ゲ…ゲ…ゲル…ゲルマン…」
唯「ギー太ぁ…お手ぇ」
梓「…はぁ…喉かわいた…水飲みに行こう…」
梓「ゴクゴク…いつになったら帰れるんだろう…
ムギ先輩、何か知ってるのかな…今日は絶対聞かなきゃ!」
サッ
梓「!?」
カサッ
梓「だ…誰?ゆ、唯…先輩ですよね?」
ガサッ
梓「驚かそうったって…まる分かりなんですから…!」
ガサッ
梓「ひっ…」
???「ウガアアアアアアアア!」
梓「きっ…きゃああああああああああああああああああ!!!!」
澪「ハッ…今の…梓!?」
律「行ってみよう!…なんか前髪痛いけど!」
唯「ギー太…おすわり…」
紬「唯ちゃん!起きて!行きましょ!」
唯「は!あずにゃん!?」
唯「あずにゃん!どうしたの?」
律「なんかあったのか」
梓「あ、あ…」
???「……」
澪「あっ…」
紬「……っ!」
さわ子「なんかじゃないでしょーが!!!」
唯「さわちゃん!?」
梓「うぅ…もうお嫁にいけない…」
澪「なにされたんだ…ゾクッ」
律「な、なんでさわちゃんがここに!?」
さわ子「なんでって…
私はムギちゃんに言われた通りあんたたちに合流しようとしただけよ?」
律唯澪梓「え?」
紬「……」
律「ど、どういうことだよムギ…ここ無人島じゃ…?」
さわ子「は?無人島?何いってんのあんたたち?
この先いくと色々民宿とかあるわよ?この辺は立ち入り禁止の区域になってるだけじゃない」
唯「どういうことなの?ムギちゃん…」
澪「ムギ、説明してくれないか?」
紬「……」
紬「みんな…ごめんなさい!全部私の計画なの!」
律「計画…?」
紬「ほら、澪ちゃんが合宿に行くって言ったとき…絶対遊ばないって言ったじゃない?」
澪「言ったけど…」
紬「私、寂しかったの…せっかくみんなでお泊まりするのに、何も遊べないなんて…」
唯「ムギちゃん…」
紬「だから、ここが無人島って言ってみんなでキャンプみたいなことが出来たらいいなって…」
梓「じゃああの鯛とイカも、イカダづくりの丸太もロープも、全部ムギ先輩が仕込んだんですね?」
紬「ええ、斉藤に頼んで持ってこさせたの」
律「あの船も…?」
紬「斉藤に隠してもらったのよ」
唯「さわちゃんは?どうして呼んだの?」
さわ子「それは私から話すわ…」
あれは3日前のことよ…
さわ子「あー書類だりーマジめんどくせーチクショーがー」
プルルルル
さわ子「もしもしムギちゃん?なあに?」
紬「あ、さわ子先生、お仕事お疲れ様です♪あの、海に行きたくありませんか?」
さわ子「え?海?また合宿行くの?」
紬「ええ、でも、梓ちゃんがさわ子先生は鬱陶しいから連れていかないって…」
さわ子「な~ん~で~すってぇ?あのちびっこが!」
紬「だけど先生が来ないと寂しいから、こっそり来て梓ちゃんを驚かせてほしいの!
唯ちゃんたちには知らせておくから!場所は…」
さわ子「分かったわ!任せなさい!」
さわ子「…っていうわけ」
梓「…ムギ先輩の中ではわたし、そういうキャラなんですね…」
紬「ち、違うわ!一番先に気付くと思ったから…」
律「でもさ、どうしてわざわざバレるようなことを?」
紬「…だって、いつまでもみんなに嘘ついてるわけには行かないじゃない?
いつかは帰らないといけないし」
澪「ムギ…」
紬「ホントに…ごめんなさい。みんなに迷惑かけて…」
唯「ムギちゃんは迷惑なんてかけてないよ!」
紬「え…?」
唯「確かに色々大変だったけど…とっても楽しかったよ?お魚おいしかったし!」
律「そだそだ!魚捕まえたの久しぶりで楽しかったぜ?」
澪「私も…みんなでイカダ作った時、結構楽しかった…」
梓「…まあ、練習ができなかったのは、怒ってますけど…
あんな風にみんなでくっついて寝るの、楽し、かったです」
紬「みんな…」
さわ子「いいムード邪魔して悪いけど、あんたたちこれからどうすんの?」
律「とりあえず、別荘…戻るか」
唯「そうだねえ~」
澪「合宿やり直し!みっちり3日間練習するからな」
梓「やっと本来の目的ですね…」
紬「……」
澪「…でもまあ…」
紬「え?」
澪「花火くらいは、やってもいいかな」
紬「澪ちゃん…すぐ斉藤に準備させるわね!」
さわ子「その前に私にもおいしい魚食べさせなさいよ!お腹ペコペコよ!」
紬「はい♪…もしもし斉藤!花火と魚料理の準備を!」
律「斉藤さん多忙だなー…」
唯「…ねえあずにゃん」
梓「はい?」
唯「あの時さ、私言ったよね、皆が一緒ならなんとかなるって」
梓「…はい」
唯「それはね、皆を信じてるからだよ?だからあずにゃんもさ、もっと皆を信じていいんだよ!」
梓「そ、そんなの当たり前です!何を今さら!」
唯「照れてるあずにゃんかーわいい♪ぎゅー」
梓「ちょ、ちょっと…」
紬「二人ともー!お魚の用意来たわよー!」
唯「うん!行こうあずにゃん!」
梓「…はい!」
END
最終更新:2010年03月01日 02:36