カリカリ

和「……よし」

和「いい時間だしそろそろ寝よう」

和「……」

和「……」

和(今日は楽しかった。また唯達と遊びに行きたいわね)

和(そういえば山中先生に提出する用紙出しそびれちゃった)

和(いくら給料日だからってすぐ帰りだすとかどうなのよ)

和「……」

和(あ、そういえば明日は澪とおかず交換するんだった)


和(いつも通りのがいいって言うから特に準備してないけど……)

和(やっぱり余り物だけじゃあね)

和(何作ろうかしら……)

和(えっと、冷蔵庫の中身は……)

和(……うん、いつもより奮発しよう)

和「……」

和(後は……本屋に行かないと)

和(地元の本屋だと品揃えが悪いのよね)

和(参考書のためだけに電車使うのもなんだか……)

和(他に何か買うものなかったかしら)


和(あ、どうせなら唯誘ってみよう)

和(……昨日の今日だけど大丈夫かな)

和(軽音部もあるし……)

和(よし、唯がOKならショッピング、だめなら図書館で試験勉強ね)

和(いけるといいなぁ)

和(えーと他に明日の予定は……)

和「……」

和「……」

和「…………すぅ……すぅ……」


………

紬『澪っ!わ、わたし……!』

紬『律……?』

紬『澪のことがっ……!』

紬『えっ!』

紬「……」

紬「うーん……」

紬『どうなんだよ、律』

紬『あ、う』

紬『その反応は文句ないってことだよな?』

紬『あ、やっ、待って』

紬『待たない』

紬(……うん)


紬『ほら、早く準備しろ澪』

紬『あ~……』

紬『早くしないと置いて行くぞ~』

紬『ま、待ってよりつぅ~!』

紬(……ん~)

紬(どれも捨てがたいわ)

紬(全部台本に組み込みたい……)

紬(うーんどれを取るか……)

紬(んんん……)

紬(……)

紬(……)

紬「…………くー」


………

梓「今日はどれにしようかな……」

梓「……よし、これにしよう」

カチ  ウィーン  ~♪

梓「……おやすみ」

~♪

梓「……」

梓(そういえばこのCD聴くの久しぶり)

梓「……」

梓(……あれ、この曲の題名なんだったっけ)

ムクッ


~♪

梓「そうそう、そうだった」

梓「……さて、寝よう」

~♪

梓(……)

~♪

梓(あれ、この曲の題名は……)

~♪

梓(……まあいいや、明日確認しよう)

~♪

~♪

梓(……)

~♪

梓(……あっ!スリープ設定するの忘れた)

カチ   SLEEP 30

梓(よし)

~♪

梓「……」

~♪

梓(後何分かな)

カチ   SLEEP 17

梓(……延長しよう)

カチ   SLEEP 30

~♪

梓(……)

……

梓(あ、電源切れちゃった)

梓(つけなきゃ)

カチ

~♪

梓(よし、今度は1時間にしよう)

カチ   SLEEP 60

梓「……」


梓「……」

ゴロン

梓「……」

ゴロン

梓(……え、もう2時間半も経ってる)

ゴロン

梓「……眠れないよう」

梓「起きようかな……」

~♪


………

律「聡も早く寝ろよー」

聡「わかってるよー」

ガチャ

聡「……寝るか」

聡「さみ~」

聡「……」

聡「……」

聡「……」

聡『…………はっ』


聡『ここは……?』

聡『あっ!気がついたか聡』

聡『あ……澪姉』

聡『よかった……』

聡『俺、どうして……あっ』

聡『思い出した?聡は私と封印の洞窟に行って……』

聡『うん、思い出した。そこであの異様に強いゴーレムに襲われて……』

聡『そう。あそこで聡が頑張ってくれなかったら今頃私は……』

聡『澪姉にケガが無くてよかった』

聡『ゴチン』

聡『いてっ』


聡『澪姉……?』

聡『バカ聡!』

聡『ええっ』

聡『あんな無茶して、聡が死んだらどうするんだよ!』

聡『でもあそこはああするしか』

聡『ゴチン』

聡『っつ』

聡『もう……絶対あんな無茶するなよ』

聡『わかったよ、澪姉』

聡『絶対だぞ。……じゃあご飯持って来る』

聡『あっ俺起きるよ……うぐっ』

聡『あっ無理するなって、ひどい怪我だったんだから。暫くは大人しくしておくこと』

聡『……わかったよ』


聡『2週間後』

聡『ふう、やっと回復した』

聡『よかった』

聡『心配かけてごめんね澪姉』

聡『う、うん』

聡『さて、苦労したけどその分中々のお宝も手に入ったし買い物にでも行こうかな』

聡『そうだな。そういえばこの町の武器屋にいいものがおいてあったんだ』

聡『そっか、じゃあ早速行ってみよう』

聡『うん』


聡『あれ、なんか騒がしいな』

聡『やめて下さい~』

聡『グヘヘ嬢ちゃん俺達に付き合えよ』

聡『あっちょっとどこ触って……』

聡『ああいうやつってどこにでもいるよな』

聡『……澪姉、ちょっと行ってくる』

聡『あ、私も』

聡『……あん?なんだテメエ』

聡『その娘嫌がってるけど』

聡『なんだテメくぁwせdrftgyふじこlp;』

聡『大丈夫ですか?』

聡『あ、ありがとうございます!強いんですね!』

聡『いえ、あはは』

聡『あなたなら……実は折り入ってお願いがあります!』


聡『……というわけで妹がさらわれてしまって』

聡『なるほど、わかりました。引き受けましょう』

聡『ありがとうございます!』

聡『――――――――』

聡『……あんな安請け合いしてよかったのか?』

聡『ごめん』

聡『まあいいけど』

聡『ありがと澪姉。じゃあ早速明日出発しよう』

聡『うん……なあ、聡』

聡『何?澪ね、うわあ!』

聡『ドサッ』

聡『いきなりだなあ……』

聡『……』

聡『……』

聡「………………ぐおー」


………

唯「さむいね~」

憂「うん」

唯「はやく布団に入ろう」

憂「そうだね、それじゃあお姉ちゃんおやすみ」

唯「おやすみ~うい~」

ガチャバタン

唯「さむさむ~」


唯「……でもちょっとだけ」

チャリラ~ン


唯「やっぱりギー太に触っておかないとね」

唯「よし、寝よっと」

唯「布団つめた~」

唯「今日も楽しかったな……」

唯「和ちゃんとも一緒に遊べたし」

唯「……」

唯「……」

唯(……和ちゃんはK大かぁ)


唯(……私は未だに大学を決められずにいる。日中は学校でみんなと楽しく話したり軽音部で演奏してるときはそんなこと忘れられるけど、こうして暗い部屋でただ眠るのを待つだけの時間には嫌でも思い出してしまう……これから先の進路のことを。
和ちゃんにこのままじゃニートになっちゃうって言われてすごく焦った。でも時が経つにつれて徐々にその危機感も薄れていって結局決めずじまい。今は日ごろの部活に加えてもうじき行われる学園祭の準備に追われているから、なんて言い訳めいたことを考えてしまう。
誰かに言われた時のために言い訳を考えるなんて……自分でも馬鹿げていると思う。それでも、そこまでして現実から逃げるのは何でだろう。自分でもわからなくなる。勉強が嫌いなのもあるけど、私は根っからのニート体質なんだろうか。
それに私は安心してるんだ。私と同じように進路を決めていないりっちゃんに。でも……正直私よりもりっちゃんの方がこの先の人生何とかなるだろう。だってりっちゃんはやるところはやるし、みんなをぐいぐい引っ張る行動力もある。それに引き換え私は……
今更和ちゃんと同じ大学なんて行けるわけ無い。かたや3年間耐えず勉強してきた成績優秀な生徒会長、かたやいつもごろごろしてるだけで辛うじてギターだけ続けてきた赤点ラインの生徒。
今更3年間をやり直したいとは思わないけど私は自分のこれからがまったく見えない。こんなことじゃだめだと思うけど考えようとすると胸が嫌な感じでモヤモヤする。私は……私はどうすればいいのだろう。……あ、涙出そう)



………

憂「いぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

コンコン

憂「ひゃあ!!」

  「ういーどうしたの?」

憂「えっ、あ、なんでもないよ!」

  「そう?」

憂「お姉ちゃんこそどうしたの?」

  「うん、なんだか考え事してたら眠れなくて……だから一緒に寝てもいい?」

憂「うん、いいよ~」

ガチャ

唯「ありがと、憂」


唯「とおっ」モゾモゾ

憂「あはは」

唯「憂のベッドあったかいね……」

憂「ぅえ!?そ、そうかな!?」

唯「?そうだよ~。これならよく眠れるかも」

憂「そ、そっか、よかった。じゃあ寝よっか」

唯「……うん」

憂「おやすみお姉ちゃん」

唯「おやすみ~憂」

憂「……」

唯「ねえ憂、手繋いでいい?」

憂「うん、いいよ」

唯「……ありがと」



END



最終更新:2010年03月04日 01:22