チーム死神───────
ハンクを抱えながら何とか工場へたどり着いたは良いものの、この下の研究所へ行くリフトは下がったままだった。 だが、1つの書き置きで直ぐ様状況を把握する
澪へ────────
そこに置いてある鍵はリフトのコントロールパネルのものよ。
その鍵を回せばリフトが上がって来るわ。
先に行って待ってるわ
和
─────────
澪は鍵を使いリフトを上に戻す。その待ち時間にハンクの包帯を変えたりしていた。
ハンク「…………」
ハンクももうあまり体力がないのかほとんど何も喋らない
澪「やっぱりこれは縫わないと駄目だな……」
シェリー「……」
ハンクを抱えながらリフトに乗り込む。
シェリー「澪…ハンク大丈夫?」
今までずっと黙っていたシェリーが口を開いた。ハンクの様子と澪の元気の無さから心配になったのだろう
澪「大丈夫、ハンクはこんなことじゃ死なないよ。ねぇハンク?」
ハンク「…………」
返事は相変わらずないままリフトは地下へ降りていく…。
───────。
地下の研究所につく。ハンクの体力が危ないのですぐ側の休憩室のソファーに横たわらせ寝かすことにした。
澪「シェリー、ハンクをお願いね。私は針と糸を探して来るわ」
シェリー「気を付けてね…」
澪「えぇ。」
あの書き置きがあったってことは律達はもうここに来ていて全てを終えているかもしれない。Gウイルスの入手と脱出路の確保、見つけたら手伝ってもらおう
澪「針と糸…後はライターの様なものね…」
火は研究室にアルコールランプがあるはず
針と糸は…あるかわからないけど…探すしかない
律達に遅れること一時間、澪も、研究所で捜索を開始した。
その頃律達は……
Gチーム─────
律「ないな~…あるなら絶対研究室だと思ったんだけど…」
和「そうね……この資料によるとGウイルスは紫の液体らしいけど……ここにあるのは全部緑のTウイルスね。」
律「はあ……最後の最後でこれとはな。唯達はもう脱出路見つけたかな」
和「さあね……」
二人はただ黙々と探すが、一向に見当たらない
そんな時だった
「いくらここを探しても見つからないわよ?Gウイルスは」
律和「!?」
声の方に振り向くと拳銃を構えた女性が立っている。
律「……あなたは?」
「人に物を聞くとき時はまず自分から、それが社会のルールよお嬢さん」
律「私は
田井中律、こっちは
真鍋和。わけあってGウイルスを探してる。何か知ってるなら教えてほしいです。これでいいかしらん?」
「……どうやらUSSの奴らじゃないみたいね」
女性は銃を下げる
アネット「アネット・バーキンよ。Gウイルスの産みの親のウィリアム・バーキンの妻でもあるわ」
和「ウィリアム・バーキン……アンブレラでも指折りの科学者…」
アネット「その制服はSTARSね。私を捕まえに来たのかしら?待って……真鍋和……もしかしてあのSTARSの狼?!」
和「……一応そうです」
アネット「会えて光栄だわ。上層部は対和用BOWを作れ何て言うくらいよ」
律「何かすげぇな……」
私は無名かぁ…いいけどさ…
和「それはどうも……。いえ、今はS.T.A.R.S.としてあなたを逮捕することより友達の目的を優先します。Gウイルスのありかを知っていれば教えてください」
アネット「……1つ聞かせてもらえるかしら?あなた達はGウイルスを何に使うのかしら?」
律「……家族を助けるためです」
アネット「家族を?Gウイルスで?意味がわからないわ」
和「この子の両親はアンブレラに人質に取られてるんです。その人質との交換条件が…Gウイルスなんです」
アネット「でもGウイルスはUSSが持っていったはず…」
アネット「……まさか。…さっきアンブレラにと言ったわよね?」
和「えぇ」
アネット「でもアンブレラはもうGウイルスを入手してるはずなのよ。だからあなた達にわざわざGウイルスを持って来いなんて言わないわ。」
律「ウェスカー…と言う男から連絡があったんだ。Gウイルスを早く持って来いって」
アネット「ウェスカー…アルバート・ウェスカー!やはりあの男だったのね…」
アネットは全てを悟った様に膝をつく
和「ウェスカー……ですって……」
ただ一度だけこくりと頷いたアネット。
アネット「元凶よ、彼は、全ての……ね。恐らくGウイルスの完成を上層部に漏らしたのも彼ね…」
うんたんチーム─────
唯「確かこのエレベーターで降りた先に電車があるんだよ~」
梓「それで脱出するわけですね」
唯「ご名答」
エレベーターから降りてしばらく歩くと唯の言う通り電車があった。
唯「ほんとにあった!」
梓「なかったら困りますよ…。でも動くんですかね?」
唯「走らせてみよっか♪」
梓「みんなを置いていく気ですか先輩!」
唯「冗談だよぉ」
梓「とりあえずこれで脱出経路は確保しましたね」
唯「後はみんなを待つだけかぁ~」
───────
アネット「……ここにはGウイルスは恐らくないわ。元々Gウイルスはウィリアムが使った物と後二つ、一本はアンブレラが回収したわ、もう一つは…私の娘、シェリーが持ってる」
「シェリーが…?」
それに反応したのは律でも和でもなく、シェリーを知ってる澪だった。丁度研究室に入ってきた所だった
律「澪!久しぶり…とそれよりシェリーって子知ってるのか?」
アネット「あなたシェリーに会ったの!?」
澪「えっ…あっはい…。もしかしてシェリーのお母さん?」
アネット「そうよ!シェリーの母親のアネットよ!シェリーはどこ?」
澪「リフトのすぐ側の休憩室にいますけど…」
アネット「どいて!」
アネットは澪を押し退け走って行く、恐らく休憩室、娘のところへだろう
律「なんかよくわかんないけどこれって一件落着じゃないか?Gウイルスはそのシェリーって子が持ってるんだろ?なら休憩室に戻ってGウイルスを受け取ったら脱出経路を確保しているであろう唯達と合流すれば万々歳と」
和「何か上手く行きすぎて怖いわね(それにしてもウェスカー…生きてるとはね)」
律「そうだな……」
澪「残念だけど私の探し物はまだ見つかってないから一緒には行けないんだ」
律「探し物?」
澪「ハンクが署長に撃たれて……今は応急措置してるけど、傷口自体を縫わないと…。だから針と糸が必要なんだ。」
律「針と…」
和「糸ね。わかったわ、一緒に探しましょう」
澪「ありがとう」
久しぶりにあった三人だが状況の重さを察して何も話さずに捜索を開始する。
澪「(ハンク……待ってて)」
針と糸は案外あっさりと見つかった。と言うより裁縫道具そのものが見つかったのだ。
その裁縫箱にはアネットと名前が彫られていた。
恐らくシェリーのものをここで直したり作ったりしていたのだろう。
それを持ち急いで休憩室へ戻る三人
休憩室────────
シェリー「ハンク…死なないよね?」
ハンク「」
さっきまでは頻繁に息をしていたのに今では死んでしまったのではないかと思うくらい息をしてない時があり、慌てて胸に耳をあて心臓の鼓動を確かめると言う作業が続いていた中、「シェリー!」と言う掛け声と共に休憩室の扉が開く
シェリー「マミィ!」
シェリーは母を見た瞬間駆け出し抱き締める
アネット「私のシェリー……ごめんなさい一人にして」
シェリー「ママ……」
その時ずっと沈黙を守っていたハンクが口を開いた
ハンク「……シェリーママに会えたのか。良かったな……」
アネット「!?」
アネットはソファーに寝ているものを凝視する。
そんなアネットを知るよしもなくハンクの元に駆け寄るシェリー
シェリー「ハンク!お腹大丈夫?」
ハンク「まあボチボチって所だ…」
アネット「離れなさい…シェリー」
アネット「離れなさい!」
銃をハンクに向けながらアネットが叫ぶ
シェリー「ママ…?」
ハンク「……そうだったな…。いいんだシェリー、離れてろ」
シェリー「ハンク……」
でもシェリーは離れようとしない
アネットはしびれを切らしもう一度シェリーを呼ぶ
アネット「シェリー、来なさい。そいつは悪い奴なの、……パパの仕事を邪魔して…そしてパパを殺した奴らなんだから!」
シェリー「!!……ハンク……本当なの?」
ハンク「どうやらそうみたいだ…」
ハンクは記憶がないからとその責任を放棄しなかった。
ここで記憶がないと言った所でアネットの気持ちは収まらないであろうことなどわかっているからだ
シェリー「……」
恐る恐るハンクから離れるシェリー
ハンク「(これでいい……どうせもう俺は助からないだろう……なら仇として撃たれた方が意味があるってもんだ…)」
だが、違った。シェリーはハンクを守るように自らの母の前で手を広げる
シェリー「違うわ…!ハンクはそんなことする人じゃない!」
アネット「シェリー……。その人はね、お父さんの仕事を奪い、殺した奴等の仲間なの、危険なのよ?」
シェリー「でも私をここまで守って連れてきてくれたもん!」
アネット「…………」
最終更新:2010年05月20日 20:15