律「もう休んじまうか」
律「あっ携帯が光ってる」
テクテク
律「…開けねえ」
ドン ポト パカ
律「足で頑張ってひらいてみたけど返信が打てない」
From ムギ
題 おはよう
本文
りっちゃん今日はお休み?
来れたら来てほしいな、おいしいお茶とお菓子を準備するから♪
返信はできたらでいいわ
律「ムギ…優しい子」
律「幸い制服着てるけど…風呂入ってないしなぜか縛られてるし」
律「どうにかしてほどいてやろう」
律「とりあえずやすりにこすりつけてやろう」ジャギジャギ
紬「返事こない…」シュン
唯「たぶん寝てるんだよ!」
澪「今日ぐらいほっといてやろう」
梓(なにかあったんじゃ…)
梓「先輩! 部活早引きさせてください!」
澪「いいけど…体調悪いのか?」
梓「いえ…急ぎの用事です…」
唯「いいよあずにゃん! 私が許可するよ~」
澪「こらこら まあ行っておいで」
梓「ありがとうございます!」
紬「はい梓ちゃんこれ今日の分のお菓子」
梓「2人分…?」
紬「あげるわ♪」
梓「ただの風邪とかならいいんですけど…」タタタ
梓「もしも私のせいで先輩に何かあったら…」タタタ
ヒラ
梓「?!」
梓「紙が落ちてきた」
ピラ
あいしてる
ずわいがにあるんでいっしょにたべましょう
さあれっつだんしんぐ
たんこぶ
んじゃめな
梓「なにこれ」ポイ
聡(4日かけて完成させたのに…梓たんが触った紙!)ハアハア
聡(梓たん部活さぼってどこいくのかなあ)
梓「えーと確かこの通りをまっすぐ…」
聡(ん? まさか僕の家?)
聡(嬉しいよ梓たん! そうとなれば先回りして帰っておこう!)
梓「あったこの家だ!」
梓「インターホンを…」
聡『はい』(フヒッフヒヒヒ)
梓 ビクッ
梓「田井中さんのお宅ですよね?」
聡『僕はオタクじゃないですよ!』
梓『え?』
聡『鍵あいてるんでどうぞあがってください』
梓「おじゃましまーす…」
聡「こんにちは」(生梓たん! ハアハア)
梓(この人なんか気持ち悪いなあ…)
梓「律先輩の部屋はどこでしょうか?」
聡(姉ちゃんの存在忘れてた…)
聡「階段あがってすぐです」(今日は梓たんとしゃべれただけでよしとしちゃおう…バカ姉ちゃん…)
コンコン
律『だれ?』
梓「中野です」
律『おう入れ入れ』
梓「失礼しまーす…ってなにしてるんですか?」
律「見てわかってくれ 縄をやすりで削ってるんだ」ジャギジャギ
梓「??? 弟さんに頼めばいいじゃないですか」
律「えっあいついつ帰ってきてたんだ?」
梓(まさか弟さんが犯人だったり…それは疑い過ぎか)
律「ほどいてくれ~」
梓「あっはい」
律「いやー朝からこれしかしてなくってさー」
梓「よく頑張りましたね…」
律「助かったよ」
梓「いえ あ、これ紬先輩からです」
律「おっサンキュー!」パク
梓「早い!」
後輩からもらったチョコ食べたら元気出た
心配してくれてありがとう
律「朝から何も食ってないからさー」モグモグ
梓「そうなんですか」
――――
聡(梓たんボイス…いい…)ハアハア
聡(録音録音…)
――――
梓「無事でよかったです」
律「無事…無事か?」
梓「まあ…家にいるわけですし」
律「結果オーライ的な? まあこれでストーカーがいるってことは証明されたな」
――――
聡(ストーカーだと?! 僕の梓たんに…許せん)
――――
梓「先輩は何か強いですね」
律「そうかな?」
梓「ごめんなさい…」グスン
律「えっなんで泣くんだよ?!」
梓「私のせいで縛られたりしたんですよね?」
律「いや大したことじゃないし…」
梓「私が相談しなかったら良かったのに…」グスングスン
律「何言ってんだ! 一人で抱え込んでもどうにもならないだろ!」
梓「でも…」ヒック
律「泣いても仕方ないぞ?」ナデナデ
梓「はい…」グス
律「とりあえずだ! 梓は今後1人で行動しないこと!」
梓「努力します…」スン
――――
聡(いてもたってもいられない…)
――――
律「部活の時間は早めに終わるようにするから」
梓「本当にすみません…」
律「やっぱり他のみんなには言わない方がいいのか?」
梓「はい…あんまり広めたくないんです…」
バタン!
聡「姉ちゃん! 今の話本当?!」
律「嘘だから部屋に帰れ」
バタン!
――――
聡(いや…おそらく梓たんは僕に心配をかけたくなかったから姉ちゃんにも言わせなかったんだ…)
――――
梓「律先輩の弟さん変わってますね」
律「最近おかしいんだ」
梓「先輩、今日は私の家に泊まりませんか?」
律「おおいいねえ」
梓(律先輩もターゲットになってたら危ないし…)
――――
聡(梓たん…梓たん…お手紙かこう)
――――
律「さとしー!」
聡 ビクッ
聡「なんだよねーちゃん!」
律「私今日友達の家泊まるから」
聡「いってらっしゃーい!」
恥「さてどんな文章かこう?」ハアハア
律(今日はなんか視線的なものがない気がする)
梓「明るいと安心しますね」
律「ほんとだなー」
梓「私と先輩の家って割と遠いですね」
律「まあ景色でも見ながらのんびりいこうぜ」
梓(なんか…この人に言って良かった)
――――
梓「着きました」
律「広そうな家だな」
梓「ポスト見なきゃ…」テクテク
ガサ
梓(いっぱい入ってる…)
バサバサ
律「おいおい多すぎないか?」
梓「えーっと…『けっこんしよう』『ちゅうしたいよ梓たん』…」
律「…めちゃくちゃあるけど…」
梓「『なめなめしたい』『ぎゅーってしたいよ』…」ブルブル
律「延々と読み上げるのやめろ!」
梓「うわーん先輩ー!」ギュ
律「よしよしかわいそうに…」
律(この字…なんか見覚えあるんだけどな)
律(誰だったっけ…)
梓「怖いです…」グスッ
律「とりあえず中に入ろう」
――――
恥(梓たんが僕の手紙で感動してくれてる!)
律「こりゃ相当悪質だぞ…」
梓「気持ち悪いです…」
律「警察に連絡しよう」
梓「お願いします」グスッ
警察『そのような嫌がらせが…まだ犯人は近くにいる可能性がありますね。現場へ行きます』
律「やったな梓! 警察が来てくれるって!」
梓「はい…」
恥「これ…さっき梓たんが拾い上げてたやつ」ヒョイ
恥「こっちもさっき梓たんが…」ハアハア
トントン
恥「なに?」
警察「ここで何をしているんだい?」
恥「手紙を回収してるんですけど…?」
警察「君が出したのかね?」
恥「もちろん! 愛と情熱と言葉にしづらい微妙な感情をこめて書きました!」
警察(こいつか)
警察「署まで同行願えるかな」
恥「なんで???」
唯(ナレーション)「その後、警察さんの連絡で警察署にいったあずにゃんとりっちゃんは」
澪(ナレーション)「犯人の正体に衝撃を受けた」
紬(ナレーション)「りっちゃんの両親を呼んで、りっちゃんと梓ちゃんはひとまず梓ちゃんの家に戻ったわ」
憂(ナレーション)「律さんは心に傷を負ったけど、梓ちゃんに気を使って明るく振舞いました」
和(ナレーション)「律らしいわね」
さわ子(ナレーション)「家についてからのお話よ!」
律「梓、よかったな」ニコニコ
梓「律先輩…」
梓「本当にご迷惑を…おかけしました」フラッ
律「うわっ」キャッチ!
梓 スヤスヤ
律「…よっぽど疲れてたんだな」
律「さとし…」グスン
梓「…せんぱい…」ムニャ
律「ん? 寝言か」
梓 チュー
律「うわああああああ?!」
梓 ギュウ
梓「あれ…なんだ律先輩か…」
律「えっフラグじゃないんだ」
おしまい!
最終更新:2010年03月05日 04:28