――4月7日

唯「ほげ~~っ」

澪「おい唯!そんなまったりしてないで、話に参加しなさい!」

唯「この季節はなんだか眠くなるんだよー」

律「あーなんとなくわかるぞ」

紬「そうねー」

唯律紬「ほげ~~っ」

澪「お前ら…」

澪「もう4月だぞ!軽音部に新入部員が入ってこなきゃヤバいだろ!」

律「なんで?」

澪「それは…その…」

律「理由が無いんかい」

澪「とにかく!私たちも新入生を勧誘しなきゃ!」

律「まあ、新歓ライブするし、それで入ってくれたらな…」

紬「そうね…」

唯「眠い…」

唯律紬「ほげ~~っ」

澪「はあ…」

……

唯「るんらんるんら~ん♪」

唯「今日も何もない一日だったなぁ」

唯「でも、こうやってまったり過ごすのも悪くないよね~」

唯「無気力人間さいこ~!」

?「本当にそんな人生でいいの?」

唯「ん?あなたは…」

さわ子「ちょりーっす」

唯「さわちゃん先生!」

さわ子「ふふふ…確かにこの世界では山中さわ子という名前よ…」

さわ子「しかし!私の本当の名前はキャサリン!地上に舞い降りたエンジェルよ!」

唯「へえ、そうなんだ~」

さわ子「ちょっとは驚きなさいよ…」

唯「で、どうしたのさわちゃん先生」

さわ子「あなたはそうやって何事も無気力に過ごすのがいいと思う?」

唯「さあ…でもこれでいいと思うし…」

さわ子「甘ったれるな!」

唯「ひぃっ!?」


さわ子「確かに今はそうやって過ごしてもいいと思うわ…だけど社会に出てからじゃそんな無気力ではダメなのよ!」

唯「う~ん、でもこのままでもいいし…」

さわ子「このままじゃあなたはニートになってしまうのよ!」

唯「えぇっ!ニート!?」

さわ子「そこで!私があなたに命題を下します!」

唯「命題?」

さわ子「4月10日午後5時までに軽音部に新入部員が出来なかったら即死亡!」

唯「死亡って…死ぬってこと!?」

さわ子「そう!もしこの命題がクリアできなかったら、あなたは死んじゃうの!」


唯「な、なんで?」

さわ子「あなたが何事にもやる気を出すようになるためよ」

唯「またまた~。さわちゃん先生も冗談がうまいですな~」

さわ子「これは冗談じゃないわよ?」

唯「ほんとに?」

さわ子「そう!だから死ぬ気でがんばりなさい!」

唯「はあ…」

さわ子「それじゃ失礼!」シュバッ

唯「うわっ!はやっ!」

唯「う~ん……命題をクリアしなければ死んじゃう…」

唯「本当なのかな…」

唯「ま、新入生は必要だって澪ちゃんも言ってたし、やるか!」

……


――平沢家

唯「おかわりっ!」

憂「はーい!」

唯「いやあ、憂のごはんはおいしいね!」

憂「えへへっ、照れるなぁ」

唯「そう言えば…ねえねえういー」

憂「なあに、お姉ちゃん」

唯「憂のクラスで軽音部に入りたいって人いるかな?」

憂「う~ん…あっ!一人いるよ!」

唯「えっ!?いるの!」

憂「うん!純ちゃんって言うんだけど…」

唯「そうかそうかあ!あはは、よかった!」

憂「じゃあ明日見学に連れていくね!」

唯「うん!」

唯(なんだ、私が頑張らなくても大丈夫じゃん)

唯(さわちゃん先生も人が悪いよね)


――4月8日

憂「失礼します」ガチャ

唯「おぉ!いらっしゃい!」

憂「なぜメイド服?」

唯「さわちゃん先生が着けろっていうもんだから」

憂「そうなんだ。あっこちらが純ちゃんだよ!」

純「今日は見学に来ました!」

唯「そうかいそうかい!まあ、入ってよ!」


憂「…以上が軽音部のみなさんだよ」

純「すごく…個性的ですね…」

唯「えへへっ、そうかな」

律「大部分はお前だと思うぞ」

紬「うふふ」

澪「どう?入ってくれるかな…?」

純「えっと…」

唯「…そうだ!」

律「なんだよ」

唯「私の時みたいに演奏すればいいんだよ!」

律「そうか…」

紬「まずは軽音部としての活動を見せなきゃね!」

澪「それじゃやるか」


律「用意はいいか~?」

唯(うぅ…このメイド服だとやりづらいよ…)

律「そんじゃ行くぞ!1234…」

ジャジャジャジャジャジャジャジャ…

唯(ヤバいよ…やっぱりやりづらい…)

ジャジャジャ、……

律「ゆ、唯?」

唯「うわっ!?ご、ごめん…」

澪「曲止まっちゃったな」

紬「仕方ないわよ」

純「……」

憂「お姉ちゃん…」


憂「それじゃ、私たちはこれで…」

律「ぜひ、清き一票を!」

純「は、はい……」

バタン

澪「あれはダメだな…」

紬「うん…」

唯「やっぱり私のミスで…?」

律「いや、最初からそんないいイメージじゃなかったな」

澪「…仕方ない、明日の新歓ライブでがんばるしかないか」

紬「そうね」

唯(どうしよう…このままじゃ私死んじゃうよ…)


唯「はあ…」トボトボ

さわ子「唯ちゃん、がんばってるかな?」

唯「さわちゃん先生…」

さわ子「…その様子じゃうまくいってないみたいね」

唯「うぅ…この命題をクリアしないと本当に死んじゃうんですか?」

さわ子「マジよ!」

唯「私、どうすれば…」

さわ子「そんなの簡単よ。唯ちゃんが必死に勧誘すればいいのよ」

唯「私が…?」


さわ子「そう。ただ待ってるんじゃなくて自分から動き出せばいいのよ!」

唯「自分から…動き出す…」

さわ子「何をやるかは自分で考えてね。そうじゃないとこの命題を出した意味が無いわ」

さわ子「あ、あと憂ちゃんはダメよ。憂ちゃんなら簡単に入っちゃうからね」

唯「わかった…!」

さわ子「じゃ、がんばりなさい!」シュバッ

唯(私、やる!)

唯(絶対に新入部員を見つけてやる!)



――4月9日

憂「おねえちゃ~ん!そろそろ起きないと…」

憂「あれ?もういない」

憂「もう学校に行ったのかな」

……

澪「はあ、今日がライブか…」

律「別に緊張しなくていいだろ。相手は下級生だぜ」

澪「で、でも…」

律「もう…そんなんで先輩になるのかと思うと…」ヤレヤレ

澪「う、うるさい!」


  軽音部でーす!


律「ん?あれは…」

唯「軽音部でーす!興味のある方はぜひ、音楽準備室にきてくださーい!」

澪「唯!」

唯「あっ!りっちゃん、澪ちゃん!」

律「どうしたんだ?こんな朝早くからビラ配りだなんて」

唯「だって新入部員ほしいもん!」

唯「それに昨日だってミスしちゃって逃しちゃったし…これで挽回しないとね!」


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最終更新:2010年03月10日 02:06