プルプル

紬(澪ちゃんから!)

紬「もしもし!澪ちゃん!!りっちゃんが!」

澪「ムギ!律がヤバイんだ!律がヤバイんだよ!あー!!!!」

紬「澪ちゃん落ち着いて!!」

澪「律が!」

紬「落ち着いて澪ちやん!今どこにいるの!?」

澪「!!!今タクシーで律の家に向かってる!もうすぐ着く!」

紬「わたしも今向かってるわ!メールが来たの!?」

澪「うん・・・着いた!」


紬「明かりはついてる!?」

澪「点いてない・・どこかへ行ったのか!」

紬「ついてないのね・・多分だけど部屋じゃないと思うわ!」

澪「・・・ムギ・・メールに『思い出の場所に・・』って書かれてた・・」

紬「もしかして・・・桜高音楽室!?」




その頃桜高

律「なんとか侵入できた~」

律「うわ~懐かしいな~暗くてあんま見えないけど」

律「・・・」

律「音楽室ここか」

律「よいしょ・・・」

律「懐かしいなあ・・・ここでお茶して練習して澪に殴られて・・」

律「もう戻れないんだよな~・・」


律「なんか変わってないなあー」

律「あ!初めてのライブでも聞くかな」

律「えーと2009、2009っと・・・」

律「おーあったあった」

カチャ

君を見てるといつもハートどきどき♪

律「うっわ懐かしいなあ!」

律「・・・」

律「懐かしい・・」ポロポロ

律「唯声枯れてるし・・」

律「うっ・・・」ポロポロ

律(こんなに泣ける歌だっけ・・?)

みんな!ありがとう~!

律「ふふ・・・澪のやつこのあと!」

律「・・澪・・懐かしいよ・・」



その頃

紬「澪ちゃん走りながらでいいから聞いて」

澪「うん・・」ハアハア

紬「ホントはりっちゃんには口止めされてたんだけどね・・」

澪「・・」

紬「お金の話・・」

澪「・・・え?」

紬「実はね・・・」



約一年半前・・

澪「おつかれ~」

律「お~おつかれ~」

バタ

律「・・・」

律「唯、ムギ、ちょっといいか?」

唯「へ?」

紬「?」


律「さわちゃんが倒れてからもう半年経つじゃん?」

紬「はい」

唯「そうだっけ?もうそんな経つんだ~」

律「それでな?治療費にすごい金がかかるみたいなんだ・・」

律「それでわたしたちで力になれないかなって」


律「実は澪の奴すでにさわちゃんに金わたしてるんだよ」

紬「!?知らなかったわ・・」

唯「澪ちゃん・・偉いなあ・・」

紬「じゃあバンドでお金だせばいいんじゃないかな・・」

唯「それがいいよ~澪ちゃんの負担も減るし!」

律「それは駄目だ・・もしマスコミにバレたらただの売名行為になっちゃう・・」

唯「え~ばれないよ~」

律(唯、お前がコロっと言っちゃいそうだよコロっと・・)

紬「じゃあどうするっていうの?」

律「わたしが多くもらってその分をさわちゃんの治療費にあてるわ」

紬「!!!!」

紬「でもそれじゃ澪ちゃんが不信を抱くわ・・」

律「あーいいっていいって!」

律「わたしリーダーっぽいことしたことないしさ!」

律「カッコつけ!みたいな~」

紬「りっちゃん・・・」

唯「ムギちゃんこのお菓子おいしいよ~」

律「な~に心配すんなムギ!」

律「わたしは大丈夫だって!」

律「澪にもいい思いさせてあげたいしさ!」


紬「・・・」

律「あ、澪には絶対秘密にして?絶対だよ?」

紬「・・・わかったわりっちゃん・・」

紬「でも辛くなったら言ってね?」

律「おう・・ありがとね」

唯「わたしも絶対秘密守るから!!」

律「唯・・・」



病院

律「さわちゃ~ん!!」

さわ子「あらりっちゃん・・」

律「だいじょ~ぶか~?」

さわ子「来週手術だって」

律「そっか~・・さわちゃん、がんばれよ!!」

さわ子「ありがとうりっちゃん・・」

律「あ、さわちゃんこれ」

さわ子「!!!!」

さわ子「りっちゃんこのお金・・」

律「これうちのバンドから少しだけど治療費にあてて」

さわ子「でも・・」

律「澪がさ・・さわちゃんにお金渡してたこと知ってたんだ・・」

律「だからバンドで負担することにしたんだ!」

さわ子「でもこんな大金・・」

律「さわちゃんの病気がお金かかること知ってるよ・・?」

さわ子「りっちゃん・・」

律「さわちゃんがいなかったら今のわたしたちはいないよ」

律「だからよくなってほしいんだ」

さわ子「りっちゃん・・・・」

さわ子「ありがとう・・みんなにもよろしくね・・!」

律「あ!これからは澪からはお金受け取らないでね!」

律「絶対だよ!約束ね!」

さわ子「わかったわ・・」

律「あとわたしがお金渡したこと澪には秘密ね!」

さわ子「え?」

律「いいから絶対だよ!!!」

さわ子「うん・・・」

律「よろしくね!じゃあねさわちゃん!」

ガラ




二日後

澪「失礼しま~す」

さわ子「あら澪ちゃん。きてくれてありがとね。」

さわ子「ゴホゴホ・・」

澪「大丈夫ですか!?」

さわ子「うん・・大丈夫よ・・」


澪「よかった・・来週手術なんですか?」

さわ子「うん・・そうよ」

澪「がんばってください・・」

さわ子「うんありがとう」

澪「あの・・これいつもの・・」

さわ子「・・・」

さわ子「受け取れないわ・・」

澪「え?」

さわ子「お金はもう大丈夫だから・・」

澪「え・・でも・・」

さわ子「これは澪ちゃんの為に使って」

さわ子「ほら・・ミュージシャンならもっといい服買えるわ」

澪「・・」

さわ子「いままでお金ありがとうね。いつかちゃんと返すから」

澪「ごめんなさい力になれなくって・・」

さわ子「ほら顔上げて」

澪「はい・・手術がんばってください」

さわ子「ありがとう」

澪「じゃあ失礼します」

澪「ホントに大丈夫かな・・」

澪「お金なら気にしなくていいのに・・」

紬「ってわけなの・・」

澪「・・・」

澪「あの馬鹿・・」

澪「なんで言ってくれなかったんだよ~うわあああああん」ポロポロ

紬「多分だけど・・みんなに隠してお金渡してた澪ちゃんのこと・・」

紬「知ってたからだと思う・・」

澪「・・なんで知ってんだようううううう」

紬「澪ちゃんの性格だし・・幼馴染だし・・」

紬「きっと澪ちゃんには照れくさくて言えなかったんじゃないかな・・」



その頃

律「ふぅ・・もうすぐ0時か・・」

律「そろそろ行こうかな・・」

コトコト

律「屋上屋上っと・・」

律「ここか」

ギーッ

律「開いた」

律「ふぅ・・」

律「あ~星きれいだな~」

律「雲ひとつないや~」

律「うお~たけっけえ・・」

律「今からこっから飛び降りんのか~」

律「ふわふわ浮きそうだな~」



ツーツー

紬「澪ちゃん?澪ちゃん!?」

紬「切れた・・」

紬「あとどれくらいで着くの!?」

「20分ほどです」

紬(お願い間に合って・・・)


澪「はあはあ・・」

澪「開いてる・・」

澪「!!!!!!」

澪「う・・」

澪「怖い・・・夜の学校とか無理・・!」

澪「オバケでるよ絶対・・」

澪「・・・・」

澪「やっぱり無理!!」

澪「・・・・」

澪(律が死んじゃったらわたし・・・)

澪(謝りたい・・・)

澪(こんなときでもわたしは臆病・・)

澪(律・・・)

澪(!!!!!!!!)

澪「・・・」

澪「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」

澪「入れた!!!」

澪「あ!音楽室!」

ダッダッダ



その頃

唯「むにゃむにゃ・・・」

憂「おねえちゃんそんなとこで寝ないで~」

憂「風邪ひくよ~」


唯「は!」

憂「おねえちゃん!?」

憂「ちょっとおねえちゃんどこいくの!?」

憂「こんな時間だよ!?」

唯「すぐ帰るから!!」

バタ

憂「おねえちゃん・・」


澪「律!!!」

澪「いない・・・」

澪「!!!!!」

澪「これ律のカチューシャ!!」

澪「クッ・・・」

澪「り~つ!???」

澪「どこにいるんだ!?」

澪「あれ・・・屋上の扉が開いてる・・・」

澪「まさか・・・」


律「澪、唯、ムギ、さわちゃん、とうさんかあさん、ごめんね・・」

律「・・・」

律「よし0時ジャスト」

律「みんなバイバイ・・・」

バタッ!!!

律「!!!!???」

澪「律!!!!!!!!!!」

律「・・・・」

律「・・・・え?」


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最終更新:2010年03月12日 04:25