澪「何見てんだオラぁ!!」
生徒「ひいっ!?」
澪「ああん?てめえガンくれといてなんだその面はよぉ?」
生徒「わ、私は別に」
律「ん?澪の奴また・・・」
律「こら!いきなり喧嘩売っちゃダメだろ!」
澪「律!こいつがよぉ」
律「はいはい、行きましょうね。あ、怖がらせちゃってごめんね~」
グイグイ
澪「ちっ覚えてろよ」
生徒「・・・」ガクガク
ガチャ
澪「よう」
唯「りっちゃん澪ちゃんおいっす」
紬「遅かったのね」
律「澪の奴がまた生徒に絡んじゃってさ・・・」
唯「うわー大変だったね」
澪「あぁ?あれはアイツがガンつけてきたから!」
律「その話はもういいって、ムギお茶!」
紬「はい♪」
澪「・・・」ゴクゴク
紬「どうかな?」
澪「こんなまずいもん飲めるか!」
ガシャーン
紬「きゃっ!?」
律「おい澪!」
紬「いいのよ、りっちゃん」
唯「ムギちゃん大丈夫?」
紬「うん」
澪「けっ!」
唯「・・・」
澪ちゃんがこうなってしまったのには理由があります。
少し前の学園祭。澪ちゃんはライブの後のことです。
澪『ありがとー!』
キャー ワー
クイッ ドテッ!
澪『いたた・・・』
ザワ・・・ザワ…
澪『・・・!』
唯『澪ちゃんのパンツが!』
律『澪!大丈夫か?立てるか?』
澪『・・・だ』ボソ
律『え?』
澪『何見てんだこらあああああああああああああああああああ!!』
シーン…
観客にパンツを晒してしまった澪ちゃんは、逆ギレしました。
それ以来、澪ちゃんは攻撃的な性格になってしまったのです。
澪「あーやってらんねえなあ!もう帰るわ!」
唯「あ、澪ちゃん!」
律「待てよ!せっかくなんだから練習してこうよ?」
澪「・・・しゃあねーな」
律「よし、みんな準備するぞ」
今や全校生徒から恐れられている澪ちゃんですが、りっちゃんにだけは少し素直でした。
幼馴染の力なのでしょうか。
りっちゃんは、今までは澪ちゃんに抑えられていたのが今度は澪ちゃんを抑えているうちに、最近は常識人になってしまいました。
練習中
澪(なんだかんだで演奏すると気分が落ち着くんだよな…)
澪(………)
澪(律のやつ、またズレたな)
澪(………)
澪(唯もミュートがまだまだだし…)
澪(おいおい。今梓もミスったのか?)
澪(信じられん…小4からやってんじゃねえのかよあいつ)
澪(つーかキーボードとか鳴ってんのかどうなのかよく分からねえよっつうか必要なのかよあの楽器)
澪(………)イライライライライラ
澪ちゃんの動きが止まってみんなの演奏も止まりました。
髪でよく見えないけどあんまりいい表情はしてそうにないです。
紬「ど、どうしたの、澪ちゃん」
澪「やめだ」
紬「え?」
澪「こんな糞ったれなバンドごっこはやめだって言ってんだよおおおおおおおおおお!!!」
そう言ってベースとアンプの音量を絞ってシールドを抜いてベースをクロスで拭いてからそれをケースに片付けて
澪ちゃんはホワイトボードをグーで殴りました。
澪「なぁにが武道館だこらあああああああ!!!!」
澪「たぁまねぎじゃねえかあああああああああああああ!!!!!!!」
澪「名前変えろよ!なんだよ武道館て!!!!あそこで武道してるとこ見たことねーよ!!!!!!!」
律「落ち着けよ澪」
澪「うるせー!!!なんだよドラムスってよお!!!略して書いたらDr.じゃねえかよ!!!ドクターかこらぁあああああああ!!!」
梓「ドラムスって今言ったじゃないですか」
澪「あああああああああ!!!??」
唯「み、澪ちゃんちょっと落ち着こうよ…」
澪「無理だろうが!!!建物のてっぺんがタマネギだったらみんな登りたくなるだろうが!!!!」
律「ならねーよ」
澪「いーやなるね!!!私登りたいもん!!!!」
梓「ある意味もう昇ってますけど」
紬「あのっ!」
澪「ぅあああああああああああああああんん!!!!??」
紬「うるさい」
澪「………ごめん。よく考えてみたらそんなに登りたくないかも。高いし」
律「なー?高いのはなー?」
唯「えー高いのいいじゃん」
梓「背ぇ高いと高所恐怖症なりやすいっていいますよね」
澪「え、誰が」
梓「一般人が」
澪「私言ったことないんだけど」
梓「はあ」
澪「私が一般人じゃねえってのかぁああああああああああああああ!!!??」
梓「落ち着いてください」
澪「ぅ……ああ…ああそうだな。まずは話を聞こう」
梓「一般人はそんなに沸点低くないです」
澪「ふぅん」
梓「だから澪先輩は一般人じゃありません」
澪「なるほどな、なるほどな。よぅし、キレていいか?」
梓「澪先輩は特別なんですよ。VIPです、英語で言うと」
澪「……え、今なんてもう一回」
梓「澪先輩は特別です」
澪「ひゃっほぉおおおおおおおい!!!!」
唯「ああ、そういうキレ方もあるんだ…」
紬「どう転んでも大声は出るみたいね…」
律「もう諦めようぜ」
澪「律律律律律律律律律律律律律律律律律律」
律「よく噛まないな」
澪「聞いた!!!??」
律「なにを」
澪「私、特別なんだって!!!!!!!!」
律「そうかそうか」
梓「特別=優れてる、っていうのは不良の考えですよね」
唯「しーっ」
澪「なんか気分がいいな!!!!今日は気分がいいぞ気分がな気分がうん気分がいいとても気分が」
澪「さて、何回『気分』と言ったでしょう!!!!????」
律「………」
紬「………」
梓「………」
唯「………」
澪「誰か答えろよこらぁああああああああああああああああああ!!!!!!!」
澪「なぁなかいだろうが質問文含めてよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
澪「もぉ台無しだよお前らのせいでよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
澪「なぁんなんだよさっきまでの私の高揚感は一体よお天国から一気に地獄だよ!!!!!」
澪「天国!地獄!!大地獄!!!!!!天国!地獄!!大地獄!!!!!!」
澪「ってあったろ昔懐かしいなあおい」
「………」
澪「うぅなずけよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
唯「う、うん……」
澪「あれさぁ、名前が六文字だったら大地獄なんだよなアレなあ!!!」
澪「あ・き・や・ま・み・お。天国、地獄、大地獄、天国、地獄……」
澪「ぅうわぁあああああああああああ大地獄じゃないかぁあああああああああああああ!!!!!!」
梓「自分で言ったじゃないですか今」
澪「地獄怖い地獄イヤ地獄怖い地獄イヤ地獄怖い地獄イヤ地獄怖い地獄イヤ地獄怖い地獄イヤ地獄怖い地獄イヤ」
紬「あ、やっと…」
唯「こんまま帰っちゃおうか」
梓「賛成します」
律「下手したら明日の朝までこれかもな」
「 あ は は は は ー 」
律「さぁってと戸締りして帰るかぁ!」
唯「ラジャー!!」
澪「声かけろよお前らよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
梓「あちゃー……」
澪「わっざわざ大地獄じゃなくて地獄って言ってるところとかさぁいっぱい突っ込むところあっただろおおおおおおお!!!!!???」
律「はいはい。帰りに話聞いたげるから、今日はもう帰りましょうねー?」
澪「なんだよお律が連れてきたくせになんでこんなに早く帰るんだよおおおおおお!!!」
澪「もうちょっとなんていうかこう粘りってもんをさぁ!!!!!」
律「帰りたくないのか?私と」
澪「………」
澪「帰る。律と一緒に……」
律「うん、じゃあ帰ろうぜ。な?」
澪「うん……」
律「手、繋ぐ?」
澪「今日は、いい……」
黄昏に沈む街の喧騒が金色の陽光を愛撫しながら二人の影に溶けていきました。
※ちょっと自分でも何言ってるか分かりません。ただ言えるのはどんな性格になってもあの二人は夫婦なんだなあということです。
おしまい。
最終更新:2011年12月18日 23:39