カチューシャ「・・・」
唯「大変だあ」
唯「りっちゃーん」
カチューシャ「・・・」
唯「おーい」
カチューシャ「・・・」
唯「返事がない」
カチューシャ「・・・」
ドア「ガチャ」
梓「こんにちはー」
唯「あ、あずにゃーん!」
梓「どうしたんですか?」
唯「りっちゃんがカチューシャになっちゃたんだよ」
梓「本当ですか。それは大変ですね」
カチューシャ「・・・」
梓「律先輩?」
カチューシャ「・・・」
唯「全然返事してくれないんだよ」
梓「カチューシャには口がついてませんから」
唯「あ、そうか。あずにゃん頭いい!」
梓「褒めても何も出ませんよ?」
唯「何も出ないの?」
梓「はい」
唯「じゃあ褒めなくていいや」
梓「賢明な判断ですね」
カチューシャ「・・・」
唯「りっちゃんはどうしよう?」
梓「私はカチューシャつけたことないからわからないですね」
唯「私はあるよ。カチューシャつけたこと」
梓「そうですか」
唯「私にならなんとかできるのかな?」
梓「私に聞かれても困ります」
唯「だよね」
カチューシャ「・・・」
ドア「ガチャ」
足音「スタスタスタ」
澪「お疲れー」
唯「澪ちゃんおいっす」
梓「こんにちは」
唯「澪ちゃんにお知らせがあります」
澪「なんだ?」
澪「意外と重大なお知らせだった」
梓「意外と重大って漢字の形が似てますよね」
澪「そうかな?」
唯「どんな漢字かわからないよ」
梓「すいません、レベルの高い会話をしてしまって」
澪「これから気をつけるよ」
カチューシャ「・・・」
澪「それにしても律がカチューシャになるなんてな」
唯「幼馴染なのに予想できなかったの?」
澪「唯が思ってるほど幼馴染はすごくないよ」
唯「でも私は和ちゃんが眼鏡になったときも予想できたよ?」
梓「きっと個人差があるんですよ」
唯「そうなんだ」
澪「おーい律」
カチューシャ「・・・」
唯「おーいお茶」
梓「澪先輩、カチューシャは口がないから喋れないんですよ」
澪「あ、そういう感じなんだ」
梓「はい」
カチューシャ「・・・」
唯「そうだ」
梓「どうしたんですか?」
唯「りっちゃんを元に戻す方法考えたよ」
澪「へえ。教えてくれる?」
唯「だれかの頭にりっちゃんをつけてみるの」
澪「いいアイディアだね」
梓「早速やってみましょう」
カチューシャ「・・・」
澪「誰の頭につけてみる?」
唯「あずにゃん付けてよ」
梓「私ですか?」
唯「あずにゃんはあずにゃんしかいないよ」
梓「そうですね。では失礼して」
梓「・・・どうですか?」
カチューシャ「・・・」
唯「かわいいよ」
澪「意外と似合ってるな」
梓「それはありがとうございます」
唯「どういたしまして」
梓「でもそうじゃなくて、律先輩は元に戻りそうですか?」
唯「なんで私に聞くの?」
梓「なんとなくです」
澪「唯が最初に気付いたから、戻った時も唯が気付くんじゃないかな?」
唯「なるほど。そっかあ」
梓「それで?どうですか?」
唯「似合ってるよ」
梓「ありがとうございます」
カチューシャ「・・・」
唯「ねえ」
澪「何?」
唯「カチューシャとりっちゃんって、どっちが可愛いかなあ」
梓「難しい比較ですね」
唯「澪ちゃんはどう思う?」
澪「ええっと、人間として可愛いのはやっぱり律なんじゃないか?」
唯「やっぱり?」
澪「え?」
唯「なんでやっぱりって言ったの?」
澪「さあ、良く考えたらなんで言ったのかな」
唯「やっぱりって言葉はすごく日本語らしいと思うんだよね」
梓「なんでですか?」
唯「日本人って、集団から孤立することを嫌がるでしょ?」
澪「そうだね」
唯「だから、自分の意見の前にやっぱりって言うことで、私は少数派じゃないですよアピールをしてるんだと思うんだ」
梓「なるほど」
澪「その説、唯が自分で考えたのか?」
唯「テレビで誰かが言ってた」
澪「やっぱり」
カチューシャ「・・・」
唯「あ」
梓「どうしました?」
唯「あずにゃん、りっちゃんを付けたままだね」
梓「そういえばそうでした。もうはずしますね」
唯「似合ってるのに?」
梓「これは律先輩のものですから」
唯「それがりっちゃんなんだよ」
梓「これは律先輩ですから」
唯「うん。それで正しいよ」
カチューシャ「・・・」
唯「そういえば、ムギちゃん遅いね」
梓「ムギ先輩来るんですか?」
唯「当たり前だよ」
澪「ムギは昨日たくあんになっただろ?」
唯「あ、そうだったね」
梓「ムギ先輩はいつ元に戻るんでしょうね」
唯「早く戻ってほしいな。ムギちゃんのケーキ食べたいもん」
澪「おいおい、ケーキ目当てか?」
唯「もちろんムギちゃんも好きだよ」
唯「あ」
澪「どうしたんだ?」
唯「良く考えたらムギちゃんもここにいるね」
たくあん「・・・」
梓「そうですね」
澪「気付かなかったよ」
唯「ムギちゃん、早く元に戻ってほしいなあ」
梓「何かいい方法はないんですか?」
たくあん「・・・」
唯「いいこと思いついたよ」
梓「教えてくれますか?」
唯「たくあんを食べたら元に戻るかも」
澪「食べるのか」
唯「駄目かな?」
梓「どうやって食べ・・・いや、食べたらムギ先輩が死んじゃうんじゃないですか?」
唯「それは問題だね。だったら舐めるのはどうかな?」
たくあん「・・・!」
唯「あれ?」
澪「どうした?」
唯「いまムギちゃんが反応したような気がする」
梓「私は気付きませんでしたよ」
澪「私もわからなかった。気のせいじゃないか?」
唯「きっとそうだね」
カチューシャ「・・・」
たくあん「・・・」
唯「舐めてみようよ」
澪「誰が舐めるんだ?」
唯「ここはやっぱりあずにゃんだね」
梓「やっぱり私ですか」
唯「予想できた?」
梓「はい、なんとなく」
澪「梓、頑張れよ」
唯「舐めればムギちゃんが元に戻るよ。たぶん」
澪「唯、自分に自信を持った方がいいよ」
唯「そうだね。あずにゃん、舐めればムギちゃんが絶対に戻るよ」
梓「わかりました・・・では失礼して」
梓「ペロ・・・」
たくあん「!」
唯「おお!」
澪「どうだ!?」
唯「ムギちゃんが元に戻った!」
澪「おお!」
梓「や、やりましたね」
紬「ありがとう。助かったわ」
最終更新:2010年03月14日 00:53