―――27日朝!

チュンチュン、チュンチュン

唯「う~ん」ノビー

唯「今日は憂が起こしにくる前におきれた!」

唯「なんたって今日は私の誕生日だからね!」エッヘン

唯「みんなのプレゼントが楽しみだなぁ……エヘヘ」

トントントン ガチャ

唯(来た!)

憂「お姉ちゃーん、朝だよ~ ってあれ?
珍しいね、お姉ちゃんが朝早くに起きてるなんて」

唯「エヘヘ~おはよう憂!」

憂「おはよう~」

唯(そろそろくるかな?)

憂「じゃあ朝ご飯用意して下で待ってるからはやく着替えて降りてきてね」

ガチャ パタン

唯「あ、あれ~?」


唯(去年は朝起きてすぐ誕生日おめでとうっていってくれたのにな……)ヌギヌギ

唯(朝ご飯の時かな?)


―――リビング!

唯「憂お待たせー!」タッタッタ

憂「じゃあ食べよっか」

唯「……」ジー

唯(朝ご飯はいたって普通だ)


―――10分後!
TV『今日のーニャンコ~♪』

憂「わぁー、この猫さん可愛いなぁ」

唯「……」

唯(まだかな?もしかして……憂忘れてるのかな……?
いやいやいや、憂に限ってそんなことはないよね!
きっと朝はドタバタしてるから学校終わってから家で盛大に祝おうってやつだよね!)

憂「あっ!お姉ちゃん」

唯「!!!な、何!?」ガバッ

憂「今日、純ちゃんの家に遊びに行くから帰り遅くなるかも!
ごめんね、お姉ちゃん」

唯「……」

憂「お姉ちゃん?寝てる?」

唯「ね、ねぇ、憂今日―――」

憂「あっ!もうこんな時間!」

憂「お姉ちゃん学校いこっか?」

唯「……うん」


唯(憂は完全に忘れてる……毎年欠かさず祝ってくれてたのに……あれは私が前日に言ってたからであって憂にとってはどうでもいいことだったのかな……?)


―――学校!

唯(それでも軽音部のメンバーならきっと……)


  ガラッ

律「おいーっす!」

澪「おはよー」

唯「!!」

唯「りっちゃん、澪ちゃんおはよう!」

律「おぅ、唯おはよー、今日は唯張り切ってんなぁ」

唯「だって今日は―――」

律「げっ!今日1時間目数Bかよ!
宿題やってねー」ハァ

唯「……」

唯「み、澪ちゃん、(こういう日ちゃんと覚えててくれてそうな澪ちゃんなら……)」

唯「今日はなんの日かわかる?」

澪「今日……?さー?なんの日なんだ?」

唯「……」ズーン

ガラッ

紬「皆、おはよー」
澪律「おはよー」

唯「おはよ……」

紬「あら、唯ちゃん元気ないわ、どうしたの?」

唯「ねぇムギちゃん…今日なんの日か分かる……?」

紬「今日? え、えーっと」

唯「私に関する日だよ!」

紬「あっ!今日は唯ちゃんの女の子の日かしら?」

澪「あぁ、なんだ女の子の日かー
それは辛いなー」

唯「……」


唯「ねぇりっちゃん、澪ちゃん、紬ちゃん、何か忘れてることない?
とっても大切なこと!」

律「唯に言い忘れた」
紬「とっても」
澪「大切なこと?」

唯「……うん、私にとってはとっても大切な事だよ!」

律「あっ!」

唯「流石りっちゃん隊長!やっと分かったんですね!?」

律「そうだ、そうだ、今日は部活休みって唯に連絡するの忘れてたよ!」

唯「」


澪「おいおい、しっかりしろよ、律
もう少しで唯が放課後間違って部室にいく所だったじゃないか」

律「いや~ごめんごめん、唯には昨日の晩メールしようと思ってたんだけどさ」

唯「……もういいよ……ハハハ」ガタッ

唯(あずにゃんなら……きっとあずにゃんなら!)


紬「あら、どこいくの?唯ちゃん」

唯「あずにゃんの所……」トテトテ

律「!」

律「あ、梓なら今日休みだぞ!」

唯「えっ?」ピタッ

律「なんでも風こじらせたらしい」

唯「……」

――
――――
―――――――
唯(あずにゃんにメールしてもかえってこない)


唯(ね、寝てるのかなぁ?)

唯(……)



―――放課後!

唯(和ちゃんは幼なじみだし……大丈夫だよ!毎年家にきて祝ってくれてたし)

唯(もっとはやく和ちゃんの所きてたらよかった)

唯「あっ!おーい、和ちゃん」


和「あら、唯
もう帰るの? 」

唯「うん、一緒にかえろー」

和「ご、ごめんね唯ちょっと今日は生徒会の仕事が……」

唯「いいじゃん!だって今日は……私の誕生日だよ?」

和「それなんだけど……今年はどーしてもいけないのよ……」

唯「そ、そんな!」

和「唯、本当にごめん!」タッタッタ

唯「あっ!」



―――帰路!

唯「……」

唯「……あっ、ケーキ屋さん」

唯「……美味しそうだなぁ」

唯「そういえば去年は憂が手作りアイスケーキ作ってくれたんだったよね」

唯「美味しかったなぁ……」

唯「今年も……食べたかったな」

唯「……」ジー

唯「あのアイスケーキ買おうかな……」

唯「……」ガサゴソ
唯「……全然お金足りない」


―――ケーキ屋!

店員「いらっしゃいませー」

唯「ショートケーキ1つ」

店員「はい、680円になります」

唯「……」サッ

店員「ありがとうございましたー!」



―――公園ベンチ!
唯「HappyBirthday私HappyBirthday私~♪……」ハァ

猫「にゃー」トテトテ

唯「君も一人なの?」

猫「にゃー」スリスリ

唯「君は私の誕生日祝ってくれる?」

猫「……」プイッ

唯「……」



唯「私は……皆のお誕生日ちゃんと忘れてないのにな……」

唯「しょうがないよね……この時期は皆忙しいし……私の誕生日どころじゃないよね」


唯「……でも……でもやっぱり誕生日ぐらいは覚えててほしかったなぁ……ヒック…『おめでとう』の一言ぐらいかけてほしかったよ……エグ」ポロポロ

唯「泣いてたってしょうがないよね……ズズー」フキフキ

唯「誕生日なんだし明るくいこう、明るく」

唯「よし!さっき買ったケーキを食べよう」

ガサゴソ パカッ

唯「おいしい…… おいしいなぁこのケーキ……」パクパク

唯「本当……美味しい」パクパク


ヒュ~ヒュ~

唯「うぅやっぱり外は寒い……」

唯「帰ろう」カタッ

唯「……」トテトテ




―――帰宅!

唯「……」ガチャ

唯「ただいまーって誰もいないよね……」

唯「本当に明かりがついてない……」

唯「そりゃそうだよね……鍵かかってたし憂は遊びにいってるんだし 何まだ期待してんだろ私……」

キィー バタン

パンッ! パンッパンパンッ!

唯「!!わわ、な、な、なに!?」

唯「あ、明かりが!」

「「「「「「唯、お誕生日おめでとうー!」」」」」」パチパチパチパチ

唯「!?」

律紬澪梓和俺憂「」パチパチ


唯「えっ?えっ?な、なんで?あれ?」

律「なーに驚いてんだよ」ニヤニヤ

唯「だ、だって憂とりっちゃんと澪ちゃんとムギちゃんは私の誕生日忘れてたし……梓ちゃんは風邪で、和ちゃんは生徒会で忙しくって……あれ?」

憂「私がお姉ちゃんの誕生日忘れる訳なんてないよ!」

澪「私だってちゃーんと覚えてたぞ」

紬「大事な親友の誕生日は忘れないわ」ウフフ

梓「私は風邪なんて引いてませんし」

和「唯、全部どっきりよ」

唯「え、ええぇえ!ど、どっきり!?」


律「ははは、私が1週間前から考えてたんだ!」

唯「1週間も前から……?私の誕生日のために?」

紬「騙してごめんね、唯ちゃん」

和「はぁ……涙目のあんたを置いて逃げるのは辛かったわよ」

憂「ごめんねー、お姉ちゃん本当は朝からおめでとうって言いたくてうずうずしてたんだけど……律さんが『今年は唯の一生の思い出に残る誕生日にしよう』って」

梓「私は唯先輩に嘘なんてつけそうになかったので風邪ってことに」

律「どっきりはどうだった?唯」

唯「……うぅ」グスッ

唯「私……私本当にみんなに忘れられたかと思ったよぉ……」ポロポロ

一同「!!!」

律「わ、わ な、なくな 泣くなよ唯
悪かったよ」

唯「ひ、酷いよ……こんなのあんまりだよ……」

紬「唯ちゃん……ごめんなさい」

澪「やりすぎたな……」

憂(あれ?)

梓「唯先輩……すみません」

和(これは)

律「許してくれ唯、このとーり」

唯「……3回」ボソッ
唯「りっちゃんが3回まわってワンってやってくれないと許さない」ポロポロ

律「えっ?」


梓「律先輩!なにぼさっと突っ立ってるんですか!」

紬「りっちゃん!」

澪「は、はやくやれ!馬鹿律!」

律「は、はい!」

クル クル クル

律「わ、わん!」

唯「もっと犬らしく!」

律「ワンっ!」
唯「……」

律「ど、どうかな?」ビクビク

唯「……プッ」クスクス

唯「フフフ、アッハハハハハ、りっちゃんおもしろーい!」

律「!?」


唯「どっきりでした!」

和「フフフ」
澪「えっ?」
梓「じゃあ」
紬「さっきの涙は」律「嘘泣き……?」

唯「うん、そだよ~♪嬉しいのに泣くわけないじゃん!」


唯「いや~、みんなのびくびくした顔面白かったよ、でも、みんなに忘れられてたんじゃないかって思ってたのは本当なんだからね!これでおあいこだよ」ニコッ


和憂律梓紬澪「……プッ」

一同「アッハハハハハ」

律「ちきしょー、こりゃ一本とられたなハハハ」

和「私と憂は何回も唯のどっきり嘘泣きは見てきたからすぐにわかったけどね」フフフ

憂「律さん、犬の真似、にてましたよ」ニヤニヤ

律「///」カァー

梓「なんていうか唯先輩らしいです」クスクス

紬「私も騙されちゃった」ウフフ

澪「唯は芸達者だな」

唯「えへへ~今日は皆本当にありがとうね」


澪梓さわ子俺憂和律「唯!お誕生日おめでとう!」

唯「うん!ありがとう、みんな!」

憂「ふふふ、お姉ちゃん今日はお姉ちゃんのためにご馳走とアイスケーキ作ったんだよ!」

唯「わぁ~美味しそう!」

さわ子「あら、本当、このハンバーグ美味しそうね!」

律「さわちゃんいつのまに!?」

さわ子「りっちゃん、次の衣装は犬耳ね」

アハハー ワイワイ ガヤガヤ

私馬鹿だよね……皆が私の誕生日忘れるわけなんてないのにね

これからもこのメンバーで、ずーっと一緒に年を重ねていけたらいいな!



―――完



最終更新:2010年03月14日 02:09