和「ところでどうしたのよ、唯」

唯「あずにゃんが血まみれで倒れてたから、
  一体どうしたのって聞いたら
  和ちゃんが危ないから早く行ってあげてって……」

和「そう」

唯「可愛いキャラ決定戦なんてやってるんだって?」

和「ええ、そうよ。唯も参加する?」

唯「私はいいよ、そういうの興味ないし。
  和ちゃんの応援してあげるよー」

和「ありがとう。唯がいたら百人力だわ」

唯「次は誰が相手なの?」

和「……次は最強の敵、澪よ」

唯「澪ちゃんか……強敵だね!」

和「ええ。でも、絶対に負けないわ。
  けいおんで一番可愛いのは私だって証明してみせる」

唯「頑張って、和ちゃん!」


澪「…………月が赤いな。
  今宵は私の血が……怯えている」

和「澪……」

澪「きたか、和」

唯「私もいるよーん」

澪「フッ……唯を味方につけたか……
  いや、いいんだ。
  和は唯が側にいる時が一番魅力的だからな……
  どうせなら全力同士で勝負したいし」

和「ずいぶんと余裕なのね」

澪「そっちこそ……私に勝てると思っているのか」

和「勝てる勝てないじゃない。勝つのよ。
  あなたを倒し、けいおんで一番可愛いキャラとなり……
  そしてけいおん2期では私メインの回を1話だけでいいから作ってもらうのよぉぉぉ!!」

澪「いい心意気だ!」

澪「しかし冷静に考えれば人気は私が一番上だ。
  それは私が一番可愛いということでもある。
  数字で比較してみようか……」

和「数字? キャラソンの売り上げとかかしら?」

澪「ああ、キャラソンもあるな。
  キャラソンは私の曲が圧倒的な売り上げだった」

和「そうね、それは認めましょう。
  で、他に数字で比べられるものなんてあったかしら」

澪「フィギュア」

和「ぎくっ」

唯「和ちゃん?」

澪「アルター、ウェーブ、ねんどろいど……
  けいおんのフィギュアはたくさん発売されている。
  その中でもっとも数が多いのが、私のフィギュアだ」

和「……っ」

澪「また、バンダイから発売されたプロッププラスプチシリーズ……
  あれは憂やさわ子先生まで商品化されたのに、
  和だけなかったんだ」

唯「え? そうなの!?」

和「そ、それはトラウマ……」

唯「和ちゃんってそんなに人気なかったんだねえ」

和「う、うるさいわね。
  あんた私の応援するんじゃなかったの……
  とにかく、そんな数字のデータだけで可愛さを決められるもんではないわ」

澪「そうだな、そういうことにしておいてやるよ」

和「……」

唯「じゃあ何で決めるのさ」

和「……そもそも、澪がここまで可愛いと言われる理由は何かしら?」

唯「うーん……つり目で、美人で、長い黒髪で、背が高くて、スタイル良くて……
  そういう外見的要素がまず目を惹くよね」

和「ええ、パッと見では気が強そうだけど、
  実は恥ずかしがりで臆病っていうギャップもあるわね。
  この中でも特に恥ずかしがりというのはポイントが高いわ。
  視聴者は内気なキャラが好きだから」

唯「恥ずかしがりやさんの割に恥ずかしいこといっぱいしてるよね。
  萌え萌えキュンとか、パンツ見せるとか」

和「そう、それもまた人気を集めた要因」

澪「はっはっは、そう褒めるな」

和「はっきり言えば澪の可愛いところはいくらでも挙げられるわ。
  ここには書ききれないくらいにね」

唯「じゃあ和ちゃん勝てないじゃん」

和「……澪の可愛さは、露骨なのよ」

唯「露骨?」


和「そう、キャラ設定、可愛さの演出……どれもあざといのよね。
  見る人によっては拒否反応を示しかねない。
  けいおんのキャラは総じて記号的な萌え要素は持ち合わせていない、
  それがけいおんが他の萌えアニメと一線を画すポイント……
  しかし澪、あなただけは違うわ」

澪「な、何を言っているんだ。
  私の可愛さがどれだけ露骨だろうとあざとかろうと、
  可愛ければそれでいいんだ、
  結果がすべてなんだよ!」

和「作品に違和感を生じさせてまでやることではないわ。
  あなたの可愛さは押し付けよ。
  それに、パンツを見せて視聴者を釣ろうだなんて、
  下品極まりないわ」

唯「澪ちゃんサイテー」

澪「唯は黙ってろ……
  まあ和の言うことも正しいとしよう。
  それでお前は、私に勝てるのか?
  私より可愛いのかよ?」

和「可愛いわよ」


澪「へ、へえ……自信満々だな。
  じゃあ説明してくれるか、お前がいかに可愛いかを」

和「……私は一見ただの地味な優等生キャラでしかないわ。
  本編を見ていた人も、面倒見がいい子だなーくらいにしか
  思わなかったでしょうね」

澪「だろうな」

和「私以外のキャラクター……唯、澪、律、紬、梓には……
  可愛い、と思えるシーンや言動、特徴がたくさんあったわ」

澪「でも和にはなかっただろう」

和「そうね、なかったわ。
  でも、それで終わりじゃない。
  なければ、見出せばいいのよ」

澪「見出す……!?」

和「そう……たとえば、最初にも言ったメガネの件」


和「なんとなく見ていれば気付く人はいない……
  いや、気付いたとしても『ああ、メガネ違うな』っていう程度。
  でも地味だった自分から一歩踏み出すために……
  高校という新しい環境に胸をときめかせて……
  背伸びして赤いオシャレメガネを手にした……という
  胸キュンドラマを想像することができるのよ」

唯「え、メガネ変わってたの!? 気付かなかった!」

和「それに、幼なじみという設定。
  手のかかる唯を、ずっと見守ってきた……
  それが高校で軽音部に入り、
  新しい仲間を作ってギターやボーカルに挑戦して、
  多くの観客から声援をもらう……
  その姿を眺めていた私の心情、
  考えただけでときめくわ」

澪「……そんなものはただの想像でしかない。
  ていうか幼なじみって言うなら私と律もそうだ」

和「ええ、あなたと律の幼なじみ的エピソードも想像できるかも知れないわ。
  でも律と澪は今も変わらず同じ場所、要するに軽音部にいる以上は
  回想も今の延長線上でしか考えられない。
  翼を得て羽ばたいていく唯の背中を見続ける私とは重みが違うわ」

澪「……」

唯「もう可愛さ関係なくない?」

和「上辺だけの、視聴者を釣るためだけの可愛さ……
  そして、露骨でない、地味であるがゆえの深さ……」

澪「……視聴者が選ぶのは私の方だ。
  萌えアニメにそこまで想像を働かせる人など……」

和「視聴者の支持はもはや関係ないわ。
  見苦しいわよ、澪。
  けいおん可愛いキャラ暫定1位のくせに、
  自らの可愛さではなく数字にすがるなんて」

澪「くっ……」

和「問題は数字ではなく本質よ。
  可愛さの、本質」

唯「本質?」

和「澪の可愛さの本質は、ただ視聴者に媚を売るためのものよ。
  表面だけを飾り、中身は何も無い、空っぽなのよ」

澪「……」

和「でも私は違う。
  私のことを好きな人が好きになれば好きになるほど
  魅力的なところが増えていく……そういう可愛さなのよ」

唯「そうか……澪ちゃんの可愛さは本編で出てきたのが限界だけど、
  和ちゃんの可愛さは、どこまでも掘り下げて行くことができるんだね」

和「そういうことよ」

唯「可愛くないからこそ可愛い。深いね」

澪「うっ……でもっ……!!
  くそっ……」

和「諦めなさい、澪。
  そして、けいおんで一番可愛いキャラは、
  私だと認めるのよ」

澪「……分かったよ、和……
  お前の、勝ちだ……!!」

和「……ありがとう、澪。
  いい勝負だったわ……」

唯「おめでとう、和ちゃん!」

和「ありがとう、唯。
  唯がいなかったら、途中で負けていたわ」

唯「そんなことない!
  ここまで勝ち上がってこられたのは和ちゃんの実力だよ!
  胸はっていいんだよ!」

和「ふふ、唯には敵わないわね……」

こうして和はけいおんで一番可愛いキャラとなったのであった。


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最終更新:2010年03月14日 02:36