翌日 放課後

律「どうした澪? そんなミス連発するなんてお前らしくもない」

澪「んん…、なんだか思ったようにできないんだよな」

澪「唯のギターと合わせるときなんて特に酷くなるんだ」

エリ(すまん澪…ワシ…エライことしてもうたわ……)

唯「私も…澪ちゃんと合わせるとギー太がなんだか嫌がってるみたい…」

ギー太(唯ちゃんごめんなさい…私…汚れちゃった…)

唯「それになんだか色合いもいつもより赤くなってる気がする…」

梓「赤く? まさかとは思いますがそれって唯先輩的に言うと、照れてるってことですか?」

唯「う~~ん…なんだか照れとはまた違ってるような…」

律「やっぱり、昨晩楽器同士で何かあったのかもな…」

エリ(!?)ボボンボーン♪

紬「み、澪ちゃんいきなり音出してどうしたの?」

澪「えっ!? いや…私は何も……」

澪「あれっ?なんで……?」



その夜

怒羅無「ったく、あのバカ…」

キー坊「ねぇねぇ、怒羅無さん。ギー太ちゃんとエリザベスさんどうかしたの?」

怒羅無「ん? あ、あぁ。まぁな…」

キー坊「ケンカ?」

怒羅無「そうだな…」

キー坊「早く仲直りしたらいいのに」

怒羅無「大人にはよ、そんなに簡単に行かないことの方が多いんだよ」

キー坊「大人って面倒くさいんだね。でも、二人ともお互いの事が好きだと思うけどな~」

怒羅無「そりゃ~、どういう事なんだ?」

キー坊「ボクね、演奏の最中も結構余裕があるから周りをよく見渡してるんだけど」

キー坊「ギー太ちゃんとエリザベスさん、演奏中はなんて言うかいい雰囲気なんだよね」

怒羅無「そ、そうなのか? まったく気付かなかったぜ」

キー坊「うん。だって怒羅無さんは演奏でいっぱいいっぱいでしょ?」

怒羅無「ああ。全身全霊で奮闘中だからな」


キー坊「ギー太ちゃんが勢いつけすぎちゃってるところにエリザベスさんが落ち着きを」

キー坊「逆にエリザベスさんはギー太ちゃんに引っ張って行ってもらってる時もあるよ」

キー坊「まぁ、怒羅無さんとエリザベスさんのコンビほどではないけどね」

怒羅無「まぁな、あいつとは勝手知ったる仲だからな」

キー坊「でも、ギー太ちゃんとエリザベスさんのコンビもボクは見ていて楽しいよ」

怒羅無「なんだ…じゃあ、結局のところ相思相愛じゃねぇかよ」

キー坊「えっ? 何のこと~?」

怒羅無「んん? あぁ…なんでもねぇよ」

キー坊「あ~ヒミツの何かなんだ~」

怒羅無「うるせぇ! それより今回の話はついに宇宙へ飛び出すぜ!」

キー坊「ほ、ほんと!? 楽しみだな~。早く早く!!」

怒羅無(あとは、2人の問題だな……)



平沢家 唯自室

唯「どうしたのかな~ギー太…」

唯「エリザベスとなにかあったのかな~?」

ギー太(唯ちゃん、私、エリザベスさんに乱暴されちゃったんだ…)

唯「ギー太、何があったかは詳しくは聞かないけど澪ちゃんのエリザベスには
  いつもお世話になってるでしょ?」

ギー太(……)

唯「バンドっていうのは一人で出来るものじゃない。仲間とのコミニュケーションだ!」

唯「よく、音楽性の違いとかで解散するバンドが多いけど、結局はそういう事なんだよね」

唯「私は、澪ちゃんのベースが好き。りっちゃんのドラムも、ムギちゃんのキーボードも
  もちろんあずにゃんのギターだって」

唯「でも、いくら私が好きだからって、ギー太がみんなを好きになってくれなきゃ意味なんだよ」


ギー太(私も…、本当はエリザベスさんの事が……好き、だと思う)

ギー太(でも、きっとエリザベスさんは私の体にしか興味がない……)

ギー太(だって、こんな小娘なんかに……。だから、昨日は試してみたの)

ギー太(もし…優しくしてくれたなら、きっとそこには愛が存在するのかも…って)

ギー太(でも、昨日はエリザベスさんの太いアレが私のジャックを……無理やり…)

唯「ねぇギー太。きっとエリザベスはギー太のこと好きだと思うよ」

ギー太(えっ…?)

唯「私演奏しててわかるんだ。澪ちゃんのベースがシッカリと私のギターを包んでくれてるって」

唯「なんだかダメになりそうな時も澪ちゃんの演奏が
  『がんばれーがんばれー』って言ってくれてる気がして」

唯「それに応えようと私もがんばって演奏したら澪ちゃんもわかってくれて」

唯「そうやって『音』ができてくるんだよ」

ギー太(……)


唯「だからね、きっとみんなもお互いを支え合って音を紡ぎ出してるんだよ」

唯「ギー太のことなんにも思ってなかったら、そんな事できないよ」

ギー太(唯ちゃん……)

唯「もしなにか悩み事があるのなら…何か本当の事が言えないのなら」

唯「思い切ってぶちまけちゃった方が楽になるよ!!」

唯「さんざん無茶苦茶演奏してきた私だもん、今更無理だなんて言われないよ、きっと!!」

ギー太(ありがとう、唯ちゃん)






憂(お姉ちゃん…あんなに楽器に話しかけて…大丈夫かな…)



唯「さ~て。独り言はこれくらいにして、と」

唯「さぁ、ギー太ちゃん今日はどんな服着ましょうかね~♪」

唯「…って、アレ? いつもより服がキツイ」

唯「ギー太、なんか以前よりもふっくらとしてる…?」

唯「そんなわけないよね、きっと気のせいだね」




ギー太(そんなまさか……)

ギー太(あの一晩のことで……!?)



翌日 放課後

唯「雨」

澪「置いて帰る」

唯「寂しい」

梓「知るか」

紬「うぜぇ」

律「帰るぞ」

 ガチャバタン




エリ(あかん…ワシ、どないな顔してギー太と……)

怒羅無「おい、バカ野郎」

エリ「…なんやねんな」

怒羅無「男だったらちゃんと、責任とれよ」

エリ「……わかっとるがな」


怒羅無「だったら、早いとこプロポーズしてしまえよ」

エリ「そないな事言うたかて…ギー太にも選ぶ権利があるっちゅ~もんやで」

エリ「こないなオッサン……」

怒羅無「なんだ? だったら結局あの日は勢いでやっちまったってわけか」

エリ「せやな……」

怒羅無「嘘つけ…、本当は好きなんだろ?」

エリ「なっ!? なんでそうなんねん!!」

怒羅無「じゃあ好きでもないのに、か。ギー太も可哀想に…」

エリ「……いや、どうやらワシも素直にならなあかんっちゅ~ことやな…」

エリ「確かに、今まで演奏を共にしてきていつの間にか…その…愛情っちゅ~もんがやな」

怒羅無「ヒュ~ッ。聞いたか? むったん」

むったん「ああ。こっちもギー太の話は聞いてやったよ」

エリ「な、なんやねんな2人して! つるんどったんかいな!?」


むったん「ほらエリザベス。男を見せる時だよ!」

エリ「あ、あのなギー太…」

ギー太「はい…」

エリ「この前はホンマすまんかった…ワシ…お前のこと…」

エリ「こんなん順番逆になってもうたけど…ワシ、お前のことめっちゃすっきゃねん」

エリ「あの時はなんやえらい浮かれてもうて…こんなオッサンが嫌やったんなら
   もう、金輪際話しかけへんし、何らかの形で一生償っていくつもりや」

エリ「だから…堪忍したってや!!」

ギー太「許しません!!」

エリ「そうか…それもそうやわな…」

ギー太「だから…一生かけて、私を愛してくださいますか?」

エリ「へっ?」

ギー太「不束者ですが…」

エリ「ホンマかいな……」

キー坊「仲直りできた?」

怒羅無「ああ、もっと絆が深まったかもな」

キー坊「よかった♪」

むったん「ほら、もっと言う事あったでしょ?」

ギー太「は、はい」

ギー太「あの…エリザベスさん…」

エリ「ん?なんや言うてみ」

ギー太「私…実は…」

エリ「?」

ギー太「できちゃったみたいなの!!」

エリ「な……」

「なんやって~~~~!!!!」



翌日 放課後

唯「ギー太ぁ!!」

澪「エリザベス…///」

梓「アレ? なんですか?これ」

律「あん? えらく小さなアコギだな」

紬「ウクレレ…じゃないかしら?」

澪「誰が持ってきたんだ?」

梓「私は知りませんよ」

律「弦楽器なんかには興味ないぜ!」

紬「私も知らないわ」

澪「と、言うことは…」

唯「ギー太とエリザベスの子供だっ!!」

澪「なんでそうなるんだっ!!」

唯「でも、ほらほら。よく見たら2人に似てるよ」

律「んん~。そう言われれば…」

唯「弦が4本なとこはエリザベスから受け継いで」

梓「音楽的な要素はギー太から受け継いだってことですか?」

唯「そうそう」

紬「まぁ素敵」

澪「そんなバカな…」

唯「じゃあ名前決めないとね~」

律「ウクレレっていったらハワイだよな」

紬「私もハワイへ行ったとき何度か地元で生演奏をきいたことがあるわ~」

紬「波の音と相まってとても素晴らしかったの」

梓「音色が癒されますよね~」

唯「ハワイ…海…常夏…癒し…」

唯「よし! 閃いた!! 高木ブー!!」

澪「うぉいっ!!」 エリ(なんでやね~ん!)

さわ子「みんな、やってる?」

唯「あ、さわちゃん先生! 見て見て。ギー太とエリザベスの子供だよ」

さわ子「は?」

澪「ああ…まぁ普通はそんな反応しますよね」

さわ子「何言ってるのよ。このウクレレ私のよ」

律「なんだよ、人騒がせな」

紬「なんだか残念…」

唯「もう! 教師なら子供に夢見させてよ!!」

さわ子「え?何? なんで私こんなに攻められてるの?」

梓「なんか…すみません…」


エリ(そら、楽器同士で子供なんかできるわけあらへんわ…)

ギー太(ご、ごめんなさい。早とちりしちゃって…)

むったん(ところでなんで妊娠しちゃったって勘違いしたのよ?)

ギー太(それはね…)

唯「あ、そうだ!」

梓「どうしたんですか? 唯先輩」

唯「ギー太! ゴメンね、この前ふっくらしたなんて言って」

怒羅無(そういう事か…)

唯「でも安心して! アレはギー太が太った訳じゃなくって
  いつもより小さい服だったから、私の勘違いだったんだよ」

ギー太(……)

梓「またギターに服着せてるんですか…」

澪「だいたいギターが痩せたり太ったりする訳ないだろ」

唯「え? えへへ…そうなんだけどさぁ~」



ギー太(ご、ごめんなさい…)

エリ(ま、まぁええがな)

 落ち込んだりもしたけど…ギー太は元気です!



 おしまい



おまけ

律「ところでさわちゃん、なんでウクレレ始めたの?」

さわ子「こんど教師の寄合で一発芸披露することになってね」

さわ子「それで、ウクレレをつかった芸をやろうかな~、って」

唯「へ~、見たい見たい!」

紬「私も、ぜひ見てみたいです!」

梓「ウクレレ芸って…想像もつきません」

澪「何か作詞のヒントがある…かも…」

律「それではエントリーナンバー1 山中さわ子さ~ん!!」

さわ子「あ~ん あんあ やになちゃった♪」

さわ子「あ~んあ あんが おっどろいた♪」

「……」

唯「なにそれ?」

紬「何を表現してるのかしら?」

さわ子(ジェネレーションギャップ……)

澪「ま、牧伸二とか…」ブフッ

一同「!?」


 おわり



最終更新:2010年03月20日 03:34