律「こんなの見せられたら…ぐす…どうでもよくなっちまったじゃねえかあ…うわぁあーん」

茜「…」

茜「うあーん!」ポロッ

律「茜ェ…うう…」スリスリ

茜「あーん!あーん!」

息子「…」

律「茜…わかるか?お前のバーチャンだぞ…お前のクソ親父のカーチャンだぞ」ポロポロ

茜「?」

律「へへ…可愛い顔しやがって…」ポロポロ

律「ホントに…」ポロポロ

律「こんなの…ずるいよ…」ポロポロ

茜「??」

―――――――――
――――――
―――
律「で、お前はまだ音楽は続けてんのか?」

茜「でこ!」バチン!

律「いってえなコラ!デコを叩くな!」

茜「あぅ…」ポロッ

律「ぁ…ごめんね茜ちゃん。茜ちゃんの気が済むまでバーチャンのデコ叩いていいからねェ」

茜「♪」

茜「デコデコ!」バチンバチン!

律「あっはは…可愛いなぁもう!///」

息子(もうすでにバーチャンの目になってる…)

律「んで、どうなんだよ」

息子「今は楽器屋で働いてるよ」

律「そっか。一応音楽には携わってんだな」

息子「最初の志とは違ったけどな。まあでも好きな音楽に囲まれて給料もらってんだ。贅沢は言えねー」

律「そうだな」

息子「そんじゃまあ、そろそろ帰るわ。家で嫁が待ってるし」

律「…」

律「おい待て」

律「これ持ってけ」ガサゴソ

律「ほらよ」ポン

息子「なんだこれ?」ガサ

息子「…」

息子「カーチャン…これ…」

律「…お前を大学に入れるためにずっと貯めてたんだよ。もうお前には必要ないだろうから茜の養育費にでもしてくれ」

息子「500万もかよ…」

律「ま、まあちょっと切り詰めて生活しすぎて、ガキの時のお前には迷惑かけちゃったからな!特別にその金で家族旅行くらいは許してやろう!」

息子「わかった。ありがとうカーチャン。ありがたく使わせてもらうよ」

律「か、勘違いすんなよ!茜のための金なんだからな!余計な物買ってたら承知しないからな!」

息子「わかってるよ」

律「…」

息子「…」

律「…」

息子「…」

息子「ありがとうな、カーチャン」

律「ああ」

息子「…」

律「…」

茜「あうあー」

息子「それじゃあまた…」

律「ぁ…」

有線「何でなんだろ~♪気になる夜キミへの♪この想い便せんにね~♪書いてみるよ~♪」

律「これは…」

息子「この曲、カーチャンの…」

有線「どうしようかな♪読み返すのハズカシイ♪あれこれと便せんに~♪書いたくせに~♪」

律「昔の、な。今は澪の娘の曲だよ」

有線「気持ちごと♪ゴミ箱行きじゃなんだか♪この胸が切ないから~♪持ってようかな♪」

息子「ああ、澪おばさんとこの…」

有線「今の気持ちを表す辞書にもない♪言葉~探すよ~♪」

息子「…」

律「…」

息子「そんじゃ…」

律「…」


カランコローン

律「…」

有線「ワクワクしちゃう計画とか♪グダグダすぎる展開とか~♪全部ホッチキスで~綴じちゃおう~♪」

律「あー、ちょっと待て」

息子「ん?」

有線「今日の出来事思い出して♪いつも心がキュンとなって~♪もう針がないから~♪買わなくっちゃ~♪」

律「今まで色々な人に会って色々考えて…どうすればお前に気持ちを伝えられるのかと思ってたんだ。 こうして面と向かったら私の性格じゃあ、言いたいことの1割も言えないと思ってた。…だからお前に手紙書いたんだよ。いつか出そうと思ってたけど、ちょうどここにお前が来たから今渡す。 暇なときにでも読んでくれ」

有線「ララまた明日♪」

息子「…ここで読んでいいか?」

律「バカヤロウ!本人の前で読む奴があるか!デリカシーの奴だな!」

息子「あ、ああ。じゃあ帰ったら読ませてもらうよ」

律「また…来いよ。今度は嫁さんも連れてさ。うまい飯作って待ってるから…」

息子「おう、じゃあな」

茜「ばーい」

カランコローン

律「…」

律「家族を幸せにしなかったら許さねーぞ、バカ息子」ポロッ




ある日の夜

聡「そっか」

律「ああ」

聡「まっ、いいんじゃね?良かったな、仲直りできて」

律「…」

律「お前の差し金だったんだろ?」

聡「さぁ?俺は何も知らん」

律「ふん、まあいいや。ほら、今日のビールはおごりだ」

聡「大好きですお姉さま」

律「気持ちわりいな…」

カランコローン

律「らっしゃーい」

聡「げえっ!」

純「お義姉さんこんばんは。…アンタ!またこんなところで飲んだくれて!」

聡「まだ飲んでねーよ!これからだよ!」

純「また減らず口かい!ほら、さっさと帰るよ!」グイ

聡「イテテテ!耳ひっぱんな!ババア!」

カランコローン

律「…」

律「まあ、家族の形はそれぞれだよな」




ある日の夜

律「きらきら光る願い事も~っと」

カランコローン

律「ん?」

さわ子「ちょりーっす」

律「うわ!出やがった!」

さわ子「ちょっとお、客をなんだと思ってるの?」

律「仕方ないだろ。先生が来ると店閉めるの遅くなるんだもん。飲んだくれババアだから」

さわ子「ちょ…」

さわ子「そ・ん・な・こ・と・よ・り」うふ~ん

律「なんだよその喋り方…キモい…」

さわ子「今日はゲストを連れてきました~!」

律「ゲスト?」

カランコローン

唯「私だよん」

憂「こんばんは律さん」

律「なんだいつものメンバーじゃん」

和「私もいるわよ」

律「アレ?和も?験かつぎはどうしたんだよ」

和「仕方ないでしょ…さわ子先生が来ないとあの事をバラすって言うんだもの…」

律「あの事ってなんだよ…」

紬「こんばんは、りっちゃん」

律「お前もかーい!」ズルル!

紬「さわ子先生から国際電話がかかってきてね。緊急だからすぐに日本に戻れって…私てっきり誰かがポックリ逝ったのかと…」

律「縁起でもねえからやめてくれ…」

澪「おいっす」

律「浄水器なら間に合ってまー」

げんこつ!

律「ぶるあ!」

澪「バカ律!」

律「いって~…」

梓「ふふ、お二人は相変わらずですね」

律「おお~!梓も!」

梓「なんだか楽しそうだったんで仕事休んで来ちゃいました」

律澪「おいおい…」

さわ子「さあみんな!今日は飲むわよ~!無礼講よ無礼講!」

唯「わーい!」

和「唯はお酒飲めないでしょ」

唯「さすが和ちゃん!私のことならなんでもお見通しだね!」

和「当たり前でしょ。でもあの唯が人の親になるなんてね…本当に大丈夫なの?」

唯「ぶ~。こう見えても家事はしっかりやってますから!」

梓「ホントですかぁ?信じられないですね」

唯「あずにゃんまで!?」

憂「お姉ちゃんはちゃんと子育ても家事もやってるよ~…」

やんややんや




ガチャ

律「ふう…酔っ払い共め…」

澪「さわ子先生にはついていけないな…」

紬「でもこういうのすごく楽しい~♪またみんなで集まって飲みましょう♪」

澪「ふふ」

律「だな」

澪「じゃあ戻ろうっか。せっかくみんな集まった時間を無駄にしたくないからな」

紬「はい~♪」

律「私はもうちょっと酔いをさましてからいくよ」

澪「うん、早くな」

カランコローン

律「…」カチッ、カチッ、シュボ

律「すううううう、ふう…」ぷかー

律「まったく、騒がしい奴らだ。大人なんだから少しは落ち着いて飲めってんだ」

律「ふふ」

律「今日は貸切にしてやるか。くるっと」

【本日の営業は終了しました】

律「またのお越しをお待ちしておりまーす」ペコリ

ガチャ

律「おいお前らー!私の酒も残しておけよなー!」

バタン





○○へ

○○、ガキの頃の○○は私の顔を見てはよく笑う子だったよ。
私の腕に抱かれて眠りもしたし、いつも私の後をハイハイして付いてきてたんだ。
大きくなってからも、反抗という反抗もせず、カーチャンを助けてくれた。本当に感謝してる。

お前がいなくなってから、カーチャンも自分なりに色々考えてみたんだ。
やっぱり、親として子供を応援しないのは親失格だよな。
今さら許してくれなんて言うつもりもないし、失った時間をこれから埋めていこうなんて言うつもりもない。
ただ、お前のことを応援させてほしい。
親からしてみりゃあ、頑張ってる子供を応援することほど幸せなことはないって気付いたからさ。

挫けそうになったり嫌なことがあったらいつでも帰ってこい。
ケツぶっ叩いて、即追い出してやるから。
せっかくだから特別に飯くらいは食わせてやってもいいけど。

まあとにかく、さっさといい嫁さんと結婚して可愛いガキ作って幸せに生きろってこった。

私はそれで充分だから。









追伸
おしまい!



最終更新:2010年03月27日 00:39