律「……さすが、ていうか真っ先にそれで倒してくれよ」

澪「まだ完全に会得したわけじゃないから気をためるのに時間がかかるんだ」

律「わかったよ、期待してるわ澪ちゃん」

澪「出来れば使いたくなかったけど……この状況じゃあ」

澪「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」

律「いよっしゃー! パワーウェイブ!」

シュウウウ

梓「どうしたぁ!」

シュバッ

律「相殺されたか……! これならどうだ! パワー……ゲイッザー!!」

ドカンッ!

梓「! ふう、今のは危なかったです」

律「……あたらねえ」

梓「百弐拾七式・葵花! ホッ、フッ、ハアッ!」

律「あぐっ!」

律(澪……まだか!)

澪(もう少しだけど……あの子に当てられるか……?)


梓「もう終わりですかね、すぐ楽にしてあげます」

澪「まずい……!」

律「こうなったら一か八かだ!」

律「オーマイシット!!」

ガッ!

梓「ぐっ!」

澪「あれはパワーチャージ……いや、違う!」

律「おりゃあああああ!」

ガッガッガッ

澪「すごい! ショルダータックル後にジャンプしながらのアッパーで相手を浮かせた!」

ドオン!

澪「そのままパワーゲイザーまで繋げた!」

律「澪! ハイアングルゲイザーは威力が低いんだ! 後は頼んだぞ!」

澪「わかった!」


梓「ぐっ……楽には死ねませんよ!」

律「どっちだよ」

澪「今だ!! 覇王翔吼拳!!」

ドウッ!!!!

梓「!!」

ドッバアアァーーーーン

律「やったか!?」

澪「やったはず……って! 新入部員をやっちゃまずいだろ!」

律「お前がやったんだよ」

澪「まずい……生きてるかな?」

梓「……う」

澪「よかったああ~生きてる」


梓「く……まさかあんな技があるとは」

律「すごいだろー!」

澪「とにかく唯にちょっかい出すのはやめてもらうぞ」

梓「……それは約束できません」

澪「おいおい」

律「まあとにかく」

澪「?」

律「これで新入部員ゲットだ!!」




数ヵ月後

唯「あずにゃ~ん! 焼きそばパンとコロッケロールとコーヒー牛乳買ってきて~」

梓「いやですよ」

唯「そしたら技教えてあげるからさ!」

梓「結構です」

唯「え~カッコいいのに。名前はレインボー・エネルギー・ダイナマイト・キック! 略して……」

梓「結構です! それにその技にはちゃんとした名前が……」

唯「ひどいよあずにゃん! 私この名前気に入ってるに!」

律「いやー」

澪「いつの間にか仲良しになったな」

紬「よかったよかった」


梓「なんですか?」

律「憂ちゃんとも友達になったんだろ?」

梓「う……はい」

律「なんだよー最初は物騒なこと言ってたくせに」

梓「それは、その……」

澪「まあいいじゃないか」

紬「はい、今日のおやつは梓ちゃんの大好きな肉よ~」

梓「ありがとうございます」

律「肉って……まあいいや、ムギータレはないの?」

紬「ごめんなさい、今日はしょうゆしか持ってきてないの」


律「そういえば梓の自己紹介とかやってなかったな」

澪「そういえば」

紬「あの時はそれどころじゃなかったし」

梓「すいません……」

律「というわけでどうぞ」

梓「名前はいいですよね。えっと、趣味はバンド活動、嫌いなものは暴力」

梓「大切なものはクロムハーツの指輪、ポールスミスの時計、ガボールのチェーン」

梓「あとはリッケンバッカーのベースと…………新しい彼女です」

律「ふーん」

唯「ふーん」

紬「へえ……えっ?」

律「新しい……」

唯「彼女……?」

澪「////」


澪「そ、それよりそろそろ帰る時間だな」

律「ん、そうだなー。じゃあ今日はかいさーん」

唯「ほーい」

紬「そういえば今日はさわ子先生来なかったわね」

澪「そういえばそうだな」

律「まあいいじゃん、ほら行くぞー」



平沢家

唯「ただいま~うい~!」


唯「あれ、まだ帰ってないの? おかしいな……」



学校 1時間前

純「憂ー帰ろう?」

憂「うん」

さわ子「あ、平沢さん」

憂「はい?」

さわ子「用事を頼みたいんだけどいいかしら?」

憂「いいですよ」

さわ子「それじゃこっちに来てくれる?」

憂「はい。ごめんね純ちゃん、先に帰ってて」

純「わかった、じゃあ」

憂「うん、またね」



憂「先生、用事ってなんですか」

さわ子「ふふふ……憂ちゃん、この教室に入ってちょうだい」

憂「? はい」

さわ子「さてと、じゃあさっそく……憂ちゃんには服を脱いでもらうわ」

憂「…………へ?」

さわ子「その後に色々着てもらいたい服があるの……ドゥフフ」

憂「え……え?」

さわ子「うひゃひゃひゃー!」

憂「きゃあーーーー!!」


純「……やっぱり憂のこと待ってようかな」

純「うん、そうしよう」

  きゃあーーーー

純「!? 今のは憂の声!」

純「憂ーー!! どこーー?」

ドカーン!!

純「うわっ! 何今の!?」

さわ子「」

純「うわあ! 先生が……死んでる!?」

憂「……」

純「あ、憂! 何があったの!?」


さわ子「」

憂「負けたからといって自爆か……やはり人間は愚かな生き物だ」

純「う……い……?」

憂「だがおかげでこうして復活することができた」

純「……憂じゃない」

憂「私はオロチ」

純「オロチ!?」

和「……まずいわね」

純「え?」

和「あなた憂の友達?」

純「はい」

和「そう、じゃあ簡単に説明するわね」

和「あれは元々地球意思と呼ばれる肉体を持たない魂魄のような思念の集まりで、
何かしら活動するには必ず触媒を必要とするの。あの姿が目に見えるオロチの真の姿というわけではなくて、
憑依する触媒によってその姿は変わるの。人がこの世に誕生する以前の遥か古代から、
自然を含む地球上の生きとし生けるものすべてを見守り、時にはそれらに恩恵を、
時にはそれらに苦難を自然がもたらすものとして与え続けてきた。
しかし、進化した人類は徐々に自然を害す存在になり、その傲慢さに耐えられなくなったオロチは、
ついに人類を自然の一部ではないと判断し、人類に対して敵対するようになった。
人々の心の弱い部分にとりつき、憎悪・嫉妬・怨嗟などあらゆる負の感情を膨らませ、世を混乱に陥れる。
1800年前に紅蓮の炎を身につけた平沢一族と、呪術に長けた中野一族により八傑集ともども封印される」

和「でも、何らかの影響で封印が解けてしまったみたい」

純「……え、あ、はい?」

和「とにかく憂が大変だからこのことを唯に知らせないと!」


憂「そうはさせない」

和「来るっ!」

純「ここは私に任せてください!」

和「あなた一人じゃ無理よ!」

純「昔……憂にお願いされたんです。私に何かあったらよろしくねって」

純「何がよろしくなのか全然わからないけど……」

純「今はこのことを憂のお姉さんに伝えなきゃいけないんですよね?」

純「だったら早く!!」

和「……わかった。無理しないでね」

純「はい!」

ダッ

純「……さてと」

純「私がいつまでもナンバー2じゃないって所を憂に教えてあげないと」


純「ごふぁ……!」

憂「無駄な事を……」

純(強い……強すぎるよ……でも!)

純「かかってきな。こっちにはまだとっておきがあるんだ」

憂「……」

純(来た……!)

純「かかったな! ヘルバウッ…なっ!!」






ピンポーン

唯「あ、憂帰ってきたのかな」

和「唯!!」

唯「うわあ! 和ちゃんどうしたの」

和「大変よ! 憂が……憂が覚醒したわ」

唯「……」

唯「……へ?」

和「早く学校に!」

唯「ちょっちょっとまって!」

和「何!?」

唯「実は……」

和「憂に教えてもらった最終決戦奥義を習得できてない!?」

唯「めんぼくない……」

和「あんた今まで何やってたのよ!!」

唯「だってぇ~……」

和「だってじゃない! 仕方ない、今から習得するわよ」

唯「ええっ!?」

和「それまでは他の軽音部メンバーに期待するしかないわね」

唯「みんなにも連絡したの?」

和「ええ、仲間は多いほうがいいわ」

和「じゃあさっそく……やるわよ」

唯「やるって……え、和ちゃんと戦うの?」


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最終更新:2010年04月01日 04:00