唯「なになに? 「6月の花のため、赤い花びら散らす花」?どういう意味だろ?」
憂「ん~、「赤く染まった白い花、されど枯れることはない」?どういう意味だろ?」
律「あ~楽しかった!じゃあそろそろ帰るか!」
澪「そうだな、もうこんな時間だし」
一同「じゃあまた来週ね~!」
憂「今日は楽しかったね、お姉ちゃん」
唯「また来年も来たいねぇ」
憂「そうだね、きっと‥」
憂「!? お姉ちゃん!!」
唯「うわっ何?憂・・・憂!!」
憂「いやっ!やめて!」
黒服A「大人しくしろ!」ビリビリ(スタンガン的な)
唯「憂・・・憂・・どこ・?憂~!? 憂~!!」
律「唯のやつまた憂ちゃんか、本当仲良しなんだなぁ」
澪「いやっ・・・でも何か様子がおかしくないか?」
律「うん・・?行ってみるか」
澪「ムギ!」
紬「憂ちゃんの悲鳴が聞こえたから、戻って来たんだけど」
律「おい、唯!どうした!憂ちゃんは?」
唯「エグッ・・ヒック・・憂が・・・憂ぃ~・・・」
梓「これ! 憂のサンダル・・!」
紬「斎藤さん! すぐに諜報部に連絡を!」
ドドドドドドドドドッ!!
律「さわちゃん!」
梓「大きいバイク・・」
さわ子「唯ちゃん! 今憂ちゃんが黒い車に乗せられて!」
唯「・・・ヒック」
律「・・唯」
紬「唯ちゃん! 落ち着いて、そして集中して!」
紬「唯ちゃんなら憂ちゃんがどこにいるか感じ取れる筈よ! 憂ちゃんの見ている光景を見えるはずよ!今日は曇りの日だもの!」
唯「でも・・・私には・・・!?」
唯「見えた・・・古くて、錆びたドアがあって、お酒のビンがあって、看板には、でびる・・?」
さわ子「分かったわ!」
律「さわちゃん!?」
さわ子「間違いないわ!その看板、錆びたドア、私が学生時代のころのたまり場だった所よ! 唯ちゃん乗って!」
唯「さわちゃん先生・・」
さわ子「憂ちゃんを助けたくないの!?」
唯「…行きます! 私は、憂のお姉ちゃんだからっ!」
斎藤「お嬢様方はこちらの車に!」
紬「斎藤さん!!」
斎藤「大丈夫!防弾ガラス搭載です。 ここにいるよりも安全です!さぁ早く!」
----さわちゃんの昔のたまり場----
黒服A「さて、どうするコイツ」
黒服B「見られちまったしな。。。まぁいい、とにかく姉妹を一緒にさえしなければいいんだ。」
黒服A「殺してもってことか?」
黒服B「あぁ、金さえもらえればどうでもいいさ。」
ドドドドドドドッ!!
黒服A「何故この場所が!」
さわ子「お生憎様、ここは元々わたしの場所なのよっ!」
さわ子の鋭い左ハイがAの側頭部に、鋭い回し蹴りがBの顔面に当たり吹っ飛ぶAB
唯「憂! 憂!しっかり!!」
憂「お姉ちゃん・・・」
黒服A「このクソっ!」
憂「キャッ」
まだ縛られている憂を蹴飛ばすA、吹っ飛ぶ憂、そしてAの手元に黒い物が・・・
黒服A「こうなったら妹殺して姉を差し出してやるよ!」バンッ
唯「憂!!!」
咄嗟に憂を庇おうとする唯、その時
ガラッ
律・澪・梓「唯(先輩)!憂(ちゃん)!!」
澪「い・・・や・・・」
澪「いやぁぁああああ!!唯ぃぃいいい!!!」
飛び込んだ3人が見たものは、憂を庇い銃弾を受けおびただしい血を噴き出す唯であった。
唯「憂・・・大丈夫・・・?」
憂「お姉ちゃん・・・お姉ちゃん!!!」
がっしぼか、黒服A,Bはさわ子がボコボコにして、琴吹家私設武装警備隊に連行されていった
律「唯!唯!」
梓「そんな・・・唯先輩・・・」
紬「早く救急車を!!」
唯「憂・・・良かった・・私、ずっと憂に悪いなって思ってたの・・・私はお父さんとお母さんと一緒に暮して来たけど、憂は一人で預けられて・・・」
唯「一緒に暮らしてからも、ご飯とか家事とか全部やってもらって・・・本当に甘えてばっかりで・・・だからいつもお姉ちゃんらしくなりたいと思ってて・・・」
憂「そんなことないよ!お姉ちゃんはお姉ちゃん!私にとって一番のお姉ちゃんだよ!!私はお姉ちゃんが大好き!! だから昔のことなんて関係ない!今お姉ちゃんと一緒にいられれば、私は、他に、何も、要らないのに・・・」
憂「お姉ちゃん・・・死んじゃやだよぉ・・・」
憂「お姉ちゃん・・お姉ちゃん・・・!!」
梓『唯先輩・・・うそ・・・そんな・・』
この時、余りのショックでむしろ冷静になっていた梓は、おみくじの内容を思い出してい
た。
梓『そうか、憂の浴衣のクチナシは6月何日かの誕生花・・・そして、唯先輩の赤い花びらって・・・・』
----エピローグ----
こんにちは、平沢憂です。まだまだ暑い日が続きます。
先ず、あの日のことですが、あのあと澪さんが必死にお姉ちゃんの止血をしてくれて、
救急車が来た時に処置が手早く済みました。
血とかすごく苦手な澪さんが頑張って止血してくれて、そのあと気絶しちゃったんですけど。
目を覚ました澪さんを律さんが「よく頑張ったね澪」って
抱きしめてナデナデしてる姿が印象的でした。
澪さんは顔が真っ赤だったけど、どこか嬉しそうでした。
お姉ちゃんはというと、銃弾は貫通していて命には別状はありませんでした。
本当に良かったです。。。
今はまだ病院に入院しています。
そして、お父さんとお母さんに会いました。お姉ちゃんのお見舞いに来て、
そして私もその場にいて、まさに出くわしたという表現でしょうか。
お父さんもお母さんも泣きながら「ごめんね、ごめんね」って言ってくれたんです。
でも、私はお姉ちゃんさえいればいい。今こうしてお姉ちゃんと会えて幸せ。だから
謝らないで、「お父さん、お母さん」と言いました。
自然と、そう言えたんです。
あとから聞くと、恨みや罵詈雑言を覚悟していたようでしたけど、私にそんな気は全然ありません。
でも今また、家族団らんの為に何か考えてくれているようです。
梓ちゃんも、お姉ちゃんが目を覚ましてから号泣して抱きつきながら「唯先輩!唯先輩!」
と叫んでいました。
もしかして梓ちゃんもお姉ちゃんが好きなのかな・・?
でも、まだ渡したくはありませんから、お姉ちゃんに関してはライバルになりそうです。
紬さんは、こうなることを防ぐために琴吹家で動いていたこと、
私たちを守ることも琴吹家の使命なんだと言って、
でもそれが出来なかったことを本当に申し訳なく、感じているようでした。
さわ子先生は、教え子を救ったってことで、警察と学校と、琴吹家から表彰を受けていました。
斎藤さんの部下の、高須さんって方と最近いい感じみたいです。
そして私は、軽音楽部に入部することに決めました。
お姉ちゃんやみんなと私も演奏してみたい、と思って。
ギターならお姉ちゃんに教わって少しは弾けるしね。
そして-----------学園祭に向けて
澪「梓、一応リードの練習もしておいてくれないか?」
梓「嫌です!唯先輩じゃなきゃ嫌です!」
澪「でもまぁ・・一応な」
憂「梓ちゃん、頑張ろう?お姉ちゃんはきっと戻ってくるから、その時びっくり
させてあげようよ」
梓「まぁ、憂がそうこまで言うなら・・・」
さわ子「衣装作ってきました~!!」
律「またしてもノリノリだぁ!」
紬「あら、可愛い!」
律「今日はこの辺にするかぁ!」
澪「そうだな、あれ?憂ちゃんは?」
梓「憂ならソッコーで帰りましたけど」
律「また病院か、毎日毎日かいがいしいな」
紬「あら?これあの日の写真ね?」
澪「そうそう、憂ちゃんにも渡そうと思ってたのに・・・」
紬「そしてこれはおみくじね・・・まぁっ!!!」
律「ん?どうかしたか??」
紬「何から話せばいいか・・・これを見て!」
梓「あの二人の写真?」
紬「そう!この浴衣!唯ちゃんの浴衣のキキョウ、これの花言葉はね、「変わらぬ愛」って意味なの」
紬「そして憂ちゃんのクチナシ、これの花言葉は「私はあまりにも幸せです」って意味なの!」
澪「ほぉ~すごいなぁ!」
律「正にあの二人を表しているかのようだ」
紬「そして、おみくじの内容、梓ちゃんも言ってた赤い花びらってのは残念ながら当たってしまったけど、憂ちゃんの方も当たりね!」
梓「そうか!クチナシの白い花が、赤く染まっても憂の幸せは枯れてないって・・・」
紬「そうなの!」
さわ子「何だか素敵ねぇ」
紬「そしてこれ 唯ちゃんのおみくじ1184番と憂ちゃんの1210番」
律「それがどうかしたか?」
紬「じゃありっちゃん、1184の、1184以外の約数を全部出して、それを足してみて?
そして澪ちゃんは1210の、1210以外の約数を同じように全部足してみて?」
律「難しいなぁ。。」
梓「手伝います。」
律「あっ! 1210だ・・・」
澪「1184だ・・・」
紬「ね? これを友愛数って言うのよ。親和数とも呼ばれるけどね。昔からカップルのおまじないみたいな感じで、この数字は出てくることはあるの」
紬「やっぱり唯ちゃんと憂ちゃんは、心の底から繋がっているのね。
これから二人にはいっぱい幸せになってもらわなきゃね!」
律「そうだな!」
澪「あぁ、微笑ましいしな」
梓「そうですね!」
紬「そして、この「1184と1210の組み合わせを見つけたのが、確かイタリアのパガニーニって人なの。」
紬「当時16歳で見つけたのよ。そう、唯ちゃんの誕生日は再来週、憂ちゃんはこの前誕生日がきた。」
紬「年子の姉妹が、生涯で唯一二人とも16歳でいられるのは、今だけなの。」
紬「大丈夫、貴方たちは幸せになれるわ。 そして、私たちがその幸せを守ってあげる
守りたいの。」
おわり
最終更新:2010年04月01日 20:54