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梓「はっ…はっ…!」

ガラッ

先生「ん?中野~20秒の遅刻だぞ~?」ニヤニヤ

梓「………」スタスタスタ…スタン…

純(せ…先生をシカトした…!?)

先生「中野…お前な…遅刻を……」

梓「アフリカでは子供達が飢餓で苦しんでいます」

先生「は…?」

梓「アフリカでは子供達が飢餓で苦しんでいます。今私達がこうしているなか餓死する子がいるんです」

先生「だから…?」

梓「私の遅刻よりも気にすべき問題が世の中に満ちあふれているんです。先生も木に捕われすぎて森を見失う議論は止めてください」

生徒「………」

生徒(すごい詭弁……)

先生「……もう良い…」

先生(ご両親に問題話をするしかないか…)

純「………」

純(あれ…?なんか梓ちゃん…カッコいい…///)


梓「………」

梓(とにかく…あの子に唯先輩に任されたものを渡さないと…職員室に呼ばれている場合じゃない!)←より悪くなったことに気づいていない

ガラッ

憂「はぁ…はぁ…すいません…遅れました…」

先生「ん…平沢…次から気をつけなさい……」

憂(あれ…?怒られない…?)

梓(珍しく遅刻…!やっぱり唯先輩とけんかして調子がおかしくなったのか…)

先生(いつも真面目だったはずの中野が何が原因でおかしくなったのか…)


……

紬「………」

紬「やっぱり家に帰ると落ち着いてしまうわね……」

紬「唯ちゃん、律っちゃん、澪ちゃんに梓ちゃんが私のことを一秒でも早く帰って来るのを待ってるというのに……」

prrrrr…

紬「はい……」

―『アロー』

紬「ダー」

紬(この声って……)

―『ムギ…?ムギなの…?私リーダ!覚える?ギムナージヤで同じクラスの…』

紬「………」フルフルフル

リーダ「あれ…?ムギ…?」

紬「……忘れるわけ…ないじゃない…!」

紬「手紙…ありがとう…返せなくてごめんなさい……」

リーダ『いいって!いいって!それよりもモスクワに戻っているんでしょ?』

紬「ええ……でも…」

リーダ『それじゃあ、今晩ムギのお帰りパーティーしましょ!みんなも来れるみたいだし!』

紬「あ…ちょっと待っ…」

リーダ『楽しみにしてなさいよ~みんなムギに会いたがってんだから』

ガチャッ

ツーツーツー……

紬「………」

紬「す…少しだけ…良いよね…?律っちゃん…ごめんね……」

「「ムギ!お帰りなさぁ~い!!」」カチャン

紬「みんな…ありがとう……」

リーダ「ムギ!日本ってどんなとこだったの?ちょんまげしている人はまだいるの?」

紬「もう…私が生まれるとっくの昔になくなったわよ…」

リーダ「ええっ!?じゃあ、死ぬ前は俳句を詠むんだよね?」

紬「コサックダンスが上手いロシア人を探すくらい難しいわよ……」

リーダ「ええー…じゃあ、『萌え~』とか感じる機会がいっぱいあるの?」

紬「……アターシャ、またリーダに変なことを教えたの?変なことを教えてリーダをからかわないの…!」

アターシャ「あちゃーばれちゃったかー」

リーダ「え?どういうこと?」

「「あはははは…!!」」

紬「ふふ♪」

アターシャ「でも良かったよねぇ~!」

リーダ「確かに!ムギが戻ってきてくれたからねっ!ユーリャがいたら飛び付くんじゃないっ!」

バタンッ

ユーリャ「むぎゅー!むぎゅー!」ダキッ

紬「あらあらユーリャったら…」

ユーリャ「寂しかったよお~!ムギュに会いたかったんだからぁ~!」ギュー

紬「…ごめんなさい……」

ユーリャ「でもいいっ!ユーリャ許すっ!」

紬「いいの…?」

ユーリャ「ムギュが帰ってきたからユーリャ許すっ!えっへんっ!」

紬「ふふっ♪///」ナデナデ

ユーリャ「えへへぇ~!」


紬「みんなありがとう。こんな時間まで私のために歓迎してくれて…」

アターシャ「気にしな~い!気にしな~い!」

リーダ「ムギが戻ってきてみんな嬉しかったんだよ!」

ユーリャ「……///」ギュッ

紬「あらあら…ユーリャったら…」

リーダ「しかし、楽しみだねぇー」

アターシャ「うん。これからは楽しみだねぇー」

紬「?これから?」

リーダ「またまた…何言ってんのよーこれからムギはこっちに住むってことでしょ?」

紬「ま…まだ…決まってないわよ…」

アターシャ「あら?おかしいわね…こっちの学校に来るって今朝ギムナージヤの時の先生から聞いたんだけど…」

紬「………」

紬(もしかして……)



……

ガラッ

律「ちぃーす」

先生「ちぃーす」

律「………」スタスタスタ…スタンッ

先生「………」ニコニコ

律「先生嬉しそうですね!」

先生「そりゃあ…」

ドンッ

先生「みんな~!田井中が一人でこれぐらいの仕事をしてくれるみたいだぞ~!」

律「やっぱりか…」ハァー

ドタドタ

唯「ご…ごめんなさいっ!」

律「! 先生っ!唯も遅刻を…」

先生「田井中にやってもらいたいなぁ~常連者だしなぁ~!」

唯「??」

律(唯とワークシェアさえ許してくれない私って…)


……

澪「はぁ……疲れた……」

和「今日は珍しくぎりぎりにだったわね。何かあったの?」

澪「いや、まぁ…ちょっと寄り道をね……」

和「朝から寄り道って……」

先生「秋山~!何かお客さんが呼んでるぞ~!」

澪「え?誰だろう…」

和「お客さん、ってとこから親じゃないみたいわね……」

先生「一限目は良いから行ってこい!」

澪(授業よりも優先しないといけないお客さんって一体……)





教頭「秋山君…粗相のないように気をつけてくれよ…?」

澪「そ…そんな偉い方が来られているんですかっ!?」

教頭「とにかく、相手はお偉いさんと関係があるみたいだ…機嫌をねるようなことをしたら何がわからない…細心の注意を払ってくれよ…」

澪「は…はい……」ガタガタガタ

澪(な…何で私に……)ガタガタガタ

コンコン


澪「失礼します」

ガラッ

ベース奏者「やあ」キラーン

澪「」

ピシャッ

ベース奏者「待ってっ!!閉めないでくれたまえっ!!」

ベース奏者「秋山君…酷いじゃないか…私はどれだけ苦労してここに来たことか……」

澪(何かこの人、会う度にキャラ変わってきているような……)

ベース奏者「ところで、昨日の返事はどうかね?一緒にやらないかね?」

澪「あの…まだ部活のみんなと完全に話し合ったわけではないもので……」

ベース奏者「私はワクワクしているのだよ…」

澪「へ?」

ベース奏者「秋山君と共にコントラバスで低音を支えたいのだよ…知りたいのだ…君の音というものと…」

澪「………」

ベース奏者「君の音楽というものをね……」

澪「………」

澪「それでしたら……」

ベース奏者「ん…?」

澪「それでしたら…せめてやる曲だけでも教えてくれませんか?」

ベース奏者「ふむ…良いだろう…」ピッ

澪「こ…これですか…?」

ベース奏者「若い者に負けていられないからね…」フフン


澪「ロッシーニの『泥棒かささぎ』より序曲、芥川也寸志の『交響管弦楽のための音楽』の第一楽章と第二楽章、サン=サーンスの『死の舞踏』…」

ベース奏者「………」ワクワクワク

澪「………」

澪「無理です」キッパリ

ベース奏者「そりゃあねぇよあんさんっ!!」

澪「私には無理ですよ…こんな大曲…私みたいな新人に……」

ベース奏者「私はね…君の音を聞きたいんだ…」

澪「………」

ベース奏者「弾ける弾けないが問題じゃないんだ…」

澪「………」

ベース奏者「音楽を共に創ってみる…そう思えばワクワクしてくるだろう?」

澪「……はい…///」

ベース奏者「安心したまえ、私も出来る限りフォローするからな!」

澪「き…き……」

ベース奏者「?」

澪「今日だけでも待って下さいっ!」

ベース奏者「良い返事を待っているよ…」ニコッ



……

純「梓ちゃん今朝のは一体……」

梓「え…?何のこと?」

憂「純ちゃん、何かあったの?」

梓(あれ…?何か普通だ…?)

純「何かねー梓ちゃん、先生に対してカッコいいことを言ったんだー」

生徒「「………」」


生徒*1

憂「へぇー!なんて言っていたの?」ワクワク

梓「……///」

梓(そ…そんなに見つめても……///)

純「梓ちゃん、見せてやりなよっ!」

梓「……///」


梓「アフリカでは子共達が苦しんでいるっ!!私達が今こうしてしゃべっている間にも餓死する子達がいるんだっ!!」

梓「世の中はそうした問題を看過してはならないっ!!だから目の前の問題に捕われている場合じゃないんだっ!!」

憂「!!……」

憂「あ…梓ちゃん……私…間違っていたよ…グスッ…グスッ…」

梓「唯先輩と…仲直りしよう…!ね?」

憂「うん……でも…」

梓「でも…?」

憂「私…梓ちゃんに惹かれちゃった…テヘヘ…///」

梓「もう…唯先輩と仲直りが先じゃない…///」

憂「ごめんね…梓ちゃんとの仲も直したくて…///」スッ

梓「し…仕方ないなぁ~…///」


梓「えへ…えへへ…えへへへ……///」

憂純「………」

憂「ねぇ…本当にカッコ良かったの…?あんなにニヤニヤしていたらカッコ良くないよ…?」ヒソヒソ

純「う~ん…よく考えたらそこまでカッコ良くないね……」

憂「あ、次は理科室で授業だから一緒に行こう」

純「そうだね」

憂「梓ちゃんも一緒に…」

梓「えへへ…えへ…えへ……///」

憂「………」

純「もう置いていこう……」

憂「そうだね……」

梓「えへへ……えへへ……///」



……

バタンッ

紬「お父様っ!!」

紬父「何だ騒々しい…琴吹家の者としての振る舞いを忘れるな…」

紬「そんなことより何で私がここの高校へ行くことになっているのよっ!!」

紬父「何だ…そんなことか……」

紬「!?」

紬父「答えは簡単だ…お前が私との約束を破ったからだ…約束を破れば主張する権利は失う…それが私がお前に教えてきたことであり、私の働く世界では当前のことだ」

紬「で…でもっ…!!」

紬父「そんなこともまだ分からないのか…ムギ…お前と約束した契約書の中身は覚えていないのか?」

紬「うっ……」

紬父「確か、『高校生の間は日本での就学を許可する、ただし、資金面、身分面など最低限のものしか支給しない―』」

紬「………」

紬父「『また、高校を卒業するまで帰国した際は日本での就学を諦めたものと見なす。通信での接触も同様である』とな…」ピラッ

紬「………」

紬父「現にムギは今ここに私の前にいる…それはこの契約書でいう帰国を指し、ムギが日本での就学を諦めたものと見なしても良いということを意味する……」

紬「うっ…うっ……」

紬父「納得いかないようだな…だが、実際ムギもここにサインしてあるんだ。まさか契約を踏み倒す気じゃないだろうなぁ?それはビジネス…いや、大人の世界で何を意味するか分かっているんだろうなぁ?」

紬「くっ…くっ……」ポロポロ

紬父「もう泣いて許される年齢ではない…分かったな?そういうことだ…」

紬「そんなっ…ううっ…くっ……」ポロポロ

紬父「やはり…ムギには日本に行かせるべきではなかったな…」

紬「!?そ…そんなことないわよっ!!」

紬父「何が良かった?私が今見ている限り、ムギは全く成長してないじゃないか。外国に行く意味は自分の成長のためにだったのだろう?成長もなければただのコストに代わりない」

紬「~~~……」プルプル

紬父「どうした?何も言えないのか?」

紬「………」プルプル

紬父「自分の実力をやっと知ったか…明後日からここの高校に…」

紬「わ…私が……」

紬父「?」

紬「私がここに来たのは…帰国のためじゃないわ……」キッ

紬父「……ほう…じゃあ…これはじゃなくて何だっていうんだ?」

紬「………」

紬(ハッタリで何とかなる……とは思っていなかったけど…手厳しそうね……)

紬「…りょ…旅行よ…!」ニッ

紬父「………」

紬父(なるほど…)フッ

紬「私は…いわゆる旅行中の身で…たまたま…そう!たまたま私の家に着いたわけよっ!!」

紬父「しかし、ロシアの地に踏み入れたんだ…その瞬間に帰国と見なすされるのが当然だろ?自分の国にわざわざ旅行しに行く人間なんて生まれてこのかた聞いたことないな」

紬「!……」

紬(うっ…やっぱり手強い…!)

紬父「どうした?旅行中の身で何だというんだ?」

紬(何か言わないと…でも……)

紬父「………」

紬(何も…良いアイディアが思い浮かばない…)

紬父(良い線いっていたが…もう…)




紬・紬父(ここまでか……)


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最終更新:2010年04月02日 00:15

*1 え……?