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唯律「え…演奏会に出場したいっ…!?」

澪「う…うん…この前のベース奏者からの誘いで…どうしても…出てみたいんだ……///」

律「………」

唯「この前聞きに行ったようなオーケストラに澪ちゃんが参加するってこと?」

澪「う…うん……///」

唯「か…かっこいいっー!!澪ちゃんスゴいっ!!」

澪「そ…そっかな……?///」テレッ

梓「………」

梓(私には…よく分からないのですが……)


律「本気…なのか……?」

澪「う…うん……///」

唯「澪ちゃんがんばってねっ!私絶対に聞きに行くよっ!」

律「唯…ちょっと黙ってくれないか…?」

唯「ほえ…?」

梓「………」

梓(あれ…?なんか…空気が…)


澪「じ…自分の可能性がどんなものか知りたいんだっ…!」

律「…でも…それはどういうことが起こるかわかるよな…?」

澪「も…もちろん、オーケストラに参加することはみんなに迷惑がかかることだって承知しているよっ!」

唯「………」

澪「でも…これを逃したら…チャンスがないと思うんだ…」


梓「………」

澪「取り返しがつかなくなることは…絶対にしたくないっ…だからっ…グスッ…グスッ…」

律「………」


律「で…でもよ…私たちは…?残された私たちはどうしたら良いんだよ…?」

唯「律っちゃん……」

律「澪がいない中で私たちは何をしたら良いんだよっ…!」

梓「………」

澪「律……」

律「……ろ…」

澪「?……」

律「勝手にしろっ!エリザベスとアンドリューでトルストイやドストエフスキーでも弾いてろっ!」

バタンッ

澪「律……」

梓(律先輩…ロシアの小説家が好きだったんですね…)

唯「み…澪ちゃん……」

澪「唯…どうした…?」


唯「これね…律っちゃんがやろうと言って生徒会に持ち掛けていたの…」ピラッ

『春の小文化祭』

澪「………」

唯「律っちゃん、あずにゃんが入ってからすっごくこれをやりたがっていたの…」

唯「あずにゃんしか後輩ができなかったから部員を随時募集するためにアピールする機会を増やさなきゃ、て…」

唯「最近授業の休み時間だけ律っちゃんがいないと思っていたらこんなことをしていたの…」

梓「律先輩……」

澪「………」

澪「私……」

唯「私は澪ちゃんの演奏会を聞きに行きたい…でも、これに出られないなら…して…ほしく……ないかも……」

唯「………」


澪「……そうか…分かった…」

梓「………」

澪「梓はどう…思う…?」

梓「そ…それは……」

澪「………」

梓「先輩方にとっては後輩を増やすためにですが、私にとっては仲間を増やすことになるんです…」

梓「このまま再来年になれば先輩方はいません…私の仲間もいません…私一人だけになるんです…」

澪「……そ…そっか…梓も反t…」

梓「で…ですがっ… !澪先輩に…チャンスを奪いたくありませんっ…!」

澪「あ…梓…」

梓「だって…澪先輩にとって…やりたいことですよね…?」

澪「……うん…」

梓「限りがある時間のうちにやりたいことをやらないのはもったいないですっ!例え結果がダメでもやらないよりは充実感はありますっ!」

澪「あ…梓……」

梓「やりたいことをしたくてもやれない人だっているんですっ!一生に一度のチャンスならなおさらですっ!」

唯「で…でも…あずにゃん…2つ同時になんて澪ちゃんには大変だよ…もし、澪ちゃんが倒れたらあずにゃんの仲間どころか、演奏さえできないんだよ…?」

梓「…く……す…」

唯「?」

梓「新しい仲間なんてクソ食らえですっ!!」

唯澪「!?」ビクッ

梓「そんなもんっ…先輩方がいなくなったって余裕ですよっ!」

唯「で…でも…」

梓「私のっ…!仲間はっ…!」








梓「先輩たちしか…いないんですから……!グスッ…グスッ…」

唯「…あずにゃん……」

澪「………」



……

和「り…律…本気なの……?」

律「………」

律「あぁ……」

和「あんなにやりたがっていたに……」

律「悪い…澪の夢を壊したくないんだ…」

和「律……」

律「元はと言えば私が勝手にやったんだ…私が自分の部を潰したくないがためにやっただけのこと……」

和「………」

律「結局は私のワガママを引いただけさ…」

和「………」

律「………」

和「ふぅー…分かったわ…春の小文化祭の計画は無効に…」


バタンッ

「待ったっ!!」



澪「はぁ…はぁ…はぁ……///」

和「澪……」

律「………」

澪「はぁ…はぁ…はぁ……///」

澪「はぁ…はぁ…ゴホッ…ゴホッ……///」

律「おい……」

和(せっかくの雰囲気が……)


澪「ゴホッ…ちょ…ちょっと…待って…ゴホッ…///」

律「良いから呼吸を落ち着かせろよ…待っているから…」

澪「う…うん…はぁ…はぁ……///」

和「………」

和(なんか残念すぎる……)


澪「はぁ…ふぅ……ま…待って欲しいっ!!///」

和「………」

律「澪…それって…自分の夢を諦めることなんだぞ……」

律「お前は…それで…それで良いのかよっ!!」

和「………」

澪「律っ!それは違うっ!」

律「…?」

澪「わ…私は…私の夢を諦めたくもないっ!それにっ……」







澪「律の夢もっ…!私は…諦めたくないっ…!」

律「み…澪……!」


澪「私は…!律の夢である軽音部の発展と…!私の夢であるオーケストラの参加の両立は…不可能なんかじゃないっ!!」

律「!……」

澪「………」


澪「がむしゃらになってみたいんだよっ……!」

律「!……」

澪「私と…お前の夢は…絶対…相反するものじゃないってことをっ…証明してみせたいんだよっ…!!」

律「澪……」


律「そ…それは…お前にどんだけ負担がかかるというのを分かっているのかっ!?」

澪「そ…それは……」

律「澪が…澪が倒れたら私達はどうすれば良いんだよっ!!」ポロポロ

澪「………」

律「…グスッ……」

澪「……だよ……」

律「え……?」







澪「その時は…いつものように私を励ましてくれればいいんだよ…///」

律「澪……」


澪「私は…ここまで…頑張ってこれたのは…みんなの励ましがあったからなんだよ…」

律「………」

澪「その中でも……り…律…の励ましが…一番…大きかった……///」

律「………」

律「……///」

澪「だ…だから…わ…私は…自分のためだけじゃなく…律のためにも…夢を達成したいんだ……!///」

律「………///」



……

唯「………」

梓「………」

唯「あずにゃん……」

梓「何ですか…?」

唯「あずにゃんって…本当に良い子なんだね……」

梓「………」

唯「私があずにゃんの立場だったら絶対澪ちゃんに出ないように説得しちゃうもん……」

梓「………」

唯「でも、それは澪ちゃんの夢を潰すことになっちゃうんだもんね…それは澪ちゃんを傷つけちゃうことになるんだよね……」

梓「………」

唯「それをあずにゃんは澪ちゃんの夢を潰さない、傷つけない方法で澪ちゃんを励ましたんだもん……」

梓「……そう…です……」

唯「あずにゃん…でも…痩せ我慢しているんじゃない…?」

梓「!!そっ…!そんなことないですっ…!」

唯「いいよ……無理しなくて……」ニコッ

梓「ゆ…唯…先…輩……」ポロポロ

唯「ほ~ら!あずにゃ~ん!おいで!」

梓「グスッ…グスッ……」ポロポロ

唯「良い子なあずにゃんは一番幸せになる権利があるんだよ!さぁ、おいで!」

梓「グスッ…ゆ…唯ぜんぶぁ~い!!うわああああん!!!」ダキッ

唯「あずにゃん…良い子…良い子……」ナデナデ



……

飛行機内

紬「………」

斎藤「Zzzz……」

紬「ふふっ…主人より先に寝てしまうなんて……後で罰を与えないと…クスッ…」

斎藤「Zzzz……」

紬「でも……お疲れさま…そして……」

紬「ありがとう…斎藤…」ニコッ







紬父『さぁて……説明を……』

紬『私は…旅行でここに来たわけです……』

紬父『だから…?』

紬『ですから……』

紬父『………』ゴクッ

紬『………』

紬『お父様の事実誤認により、私はこの契約書をもとにお父様を訴えますっ!』

紬父『………』

紬父『ほほう…』ニヤリ


紬『私は確かに母国に足を踏み入れました…ですが、正当な理由があったからなのです…!』

紬父『何だ……?』

紬『日本での学習のため…!そのためにここに来たの…!いいえ…立ち寄ったにすぎないのっ…!』

紬父『それが…正当な理由に…なるのか…?』

紬『お父様…契約書の意味…お分かりかしら…?』

紬父『何…だと…?』


紬『契約書には「帰国した際には日本での就学を諦めたものと見なす」これはこうとも言えるの…』

紬父『………』

紬『「日本での就学であれば帰国と見なされない」と…』

紬父『………』

紬『これは…対偶という論理学で意味が同じ…あるいは同等の意味を指すものを言うの…』

紬『つまり…「帰国したならば日本での就学を諦めたと見なす」は「日本での就学を諦めないならば帰国したと見なされない」……』

紬父『………』


紬『私がロシアに足を踏み入れたのは日本での就学を向上させるため…』

紬父『………』

紬『ロシア・東欧について日本人は馴染みがないから…それなら直接空気で感じたこと…写真…映像で私の高校の学問のためにしたいのっ…!』

紬父『…そのために…わざわざロシアに足を踏み入れたのか…?』

紬『……ええ!』キッ


紬『私は…日本での就学のためにロシアに来た…ということ…』

紬父『………』

紬『それをお父様は日本での就学を諦めたからロシアに私が訪れたと勘違いされた……これがお父様の事実誤認よっ!!』

紬父『………』

紬(どう…かしら……?)

紬父『なるほどな…それじゃ…私を訴えるというのは…?』

紬『………』

紬(事実誤認を認めたっ!!)

紬(こ…これなら…いけるかもしれない……!)ドキドキドキ



紬『私は…日本での学問をより良いものにしようとしていたのにお父様は事実誤認で私の行動を妨害を行なったの…』

紬父『………』

紬『これを看過していては契約書を反故することにもなり、結果として契約上違反したのは……お父様になるのです……』

紬父『……ん…?』

紬『私の…権利を…この契約書で保証された…私の…日本での就学の権利を…お父様は…グスッ…お父様は侵害したのっ!!』

紬父『………』

紬『グスッ…私は…どれだけ…日本に行くことに憧れを抱いていたか知っているのっ…!!』

紬父『………』

紬『いろんな経験を過ごせたのにお父様やお母様に伝えられないことってどれだけ寂しかったか知っているのっ…!!』

紬父『………』

紬『グスッ…グスッ……』


紬『グスッ…だ…だから…私は…その寂しい思いをさせた責任を取ってよっ…!』

紬父『………』

紬『そのために…私は…お父様を…訴えます……!』キッ

紬父『………』

紬『………』

紬父『……ふっ…』


紬父『ははっ…ははははっ…!!』

紬『!?』

紬父『契約違反はむしろ私の方か…これは面白いっ!!さすが私の娘だっ!!でかしたぞっ!!』

紬『お…お父様……!』

紬父『ムギ…お前の勝ちだ……!』ニヤッ

紬『お…お父…様……』ポロポロ


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最終更新:2010年04月02日 00:16