ガチャ

梓「こんにちはー」

紬「あら梓ちゃん」

梓「あれ、ほかの先輩は?」

紬「皆休みなの」

梓「え?」

紬「よくわからないけど……」

梓「はぁ」

紬「……」

梓「……」


紬「ケーキ」

梓「へ?」

紬「ケーキ持ってきたけど、食べる?」

梓「あ……はい」

紬「たくさん種類あるから、好きなの選んで?」

梓「じゃあ……ショートケーキで」

紬「はいどうぞ」

梓「どうもです」

紬「はい紅茶」

梓「あ、ありがとうございます」


紬「じゃあ私は……モンブランにしようかな」

梓「……」

モグモグ

梓「あっ」

紬「ん?」

梓「い……いただきます」

紬「?どうぞ」

梓「……」

紬「……」


紬「……おいしい?」

梓「おいし……です」

紬「よかった」

梓「はい」

紬「え?」

梓「えっ」

紬「あ、なんでもない」

梓「……そうですか」


梓「モンブラン、おいしいですか?」

紬「うん」

梓「そう、ですか」

紬「ほしいの?」

梓「え、いやっ」

紬「はいどうぞ」

梓「……」

紬「あーん」

梓「……あー」

パクッ

紬「おいしいでしょ?」

梓「おいしい、です」


梓「ごちそうさまでした」

紬「いえいえ」

梓「……二人じゃ練習、できないですね」

紬「そうねー」

梓「何で皆さん休みなんですかね」

紬「そうねー」

梓「……えと」

紬「梓ちゃん」

梓「はひ」

紬「無理に話さなくてもいいのよ?」

梓「そ、そういうわけじゃ」

紬「ばればれ」

梓「うぅ……」


紬「……」

梓「……」

紬「気まずい?」

梓「そんなこと……」

紬「あまり、話さないものね」

梓「……」

紬「ごめんなさい、唯ちゃんみたいな人じゃなくて」

梓「……」

紬「あまり人との付き合い方がわからないから……」

紬「それに先輩ができたことないから、梓ちゃんの気持ちもわからないの」

梓「……」


梓「……確かにムギ先輩とはあまり話さないけど」

梓「ムギ先輩にはムギ先輩のいいところがありますよ」

紬「……」

梓「だから……唯先輩みたいな人じゃなくてごめんとか、言わないでください」

紬「梓ちゃん……」

梓「律先輩が風邪の時あったじゃないですか」

紬「うん」

梓「ムギ先輩が律先輩の代わりはいないって言った時、すごくかっこよかったですよ」

紬「そ、そうかな……」

梓「そうですよ」


紬「……えへへ」

梓「……なんだかムギ先輩ってかわいいですね」

紬「えぇ!?」

梓「ひっ」

紬「あ、ごめんね大きな声出して……」

梓「……いえ」

紬「綺麗とかは言われたことあるけど……」

紬「かわいいだなんて……」

梓「かわいいですよ」

紬「もう梓ちゃんたら先輩をからかって……」

梓「からかってないですけど……」


紬「顔が熱い……」

梓「……」

紬「かわいいっていうのは梓ちゃんみたいな子のことよ」

梓「えー……」

紬「背が小さくて、目が綺麗で、かわいくて……っていうのはおかしいかな」

紬「……なんか抱きつきたくなる感じで」

梓「……ムギ先輩は私に抱きつきたくなるんですか?」

紬「えっなんで?」

梓「今自分で言ったじゃないですか」

紬「そうだっけ……」


紬「……あはは」

梓「はは……」

紬「……」

梓「……」

紬「あ、梓ちゃん」

梓「はい?」

紬「……抱きついてみてもいい?」

梓「……どうぞ」

紬「本当に?」

梓「いいですって」


紬「……ごくり」

梓「……あの、早くしてくれないと恥ずかしいんですけど」

紬「じゃあ……えいっ!」

ギュッ

梓「んっ」

紬「……」

紬「これが梓ちゃんの感触なんだ……」

梓「そう……なんですかね」

紬「……気持ちいい」

梓「は、はぁ」


紬「唯ちゃんが羨ましいかも」

梓「こっちは迷惑ですけどね」

紬「あ、じゃあ離れたほうがいいのかな……」

梓「ムギ先輩に言ったわけじゃないですから」

紬「そっか……」

梓「……でもそろそろ暑いかも」

紬「あ、ごめんね」

梓「いえ」

紬「……」

梓「……」


梓「帰りますか……」

紬「そう……ね」

梓「明日は皆さん来てくれるますかね」

紬「来るよ、きっと」

梓「ムギ先輩がそう言うと、そんな気がしてきます」

紬「そう?」

梓「……何となく」

紬「……あ、梓ちゃん」

梓「なんですか?」

紬「仲良く、しようね!」

梓「……はい!」



あ、終わりで



最終更新:2010年04月04日 02:11