部室
さわ子「南無阿弥陀仏…」
紬「さわ子先生、お茶を飲んで一旦落ち着いて下さい。ね?」コト
さわ子「……」ゴクゴクゴク…
ユウスケ「一心不乱に飲んでいる…」
梓「でも先生じゃなくたってあの状況なら普通パニック起こしますよ」
澪「梓は大丈夫だったの?」
梓「ええ! そりゃあ大丈夫ですよっ!!」
紬「見え張っちゃって…」クスッ
梓「なっ///」
さわ子「…ふぅ」
士「どうやら落ち着けたようだな。それじゃあ簡単に話をさせてもらうぞ」
士「――――というわけだ」
唯「というわけだ、って便利だよね」
士「そういうメタ的な事は滅多に言うもんじゃない」
唯「てへっ♪」
紬「とにかく私たちはあのワームという怪物にさらわれていた…」
さわ子「あー…もう名前も聞きたくないわ…」
律「さわちゃんのトラウマができたな。か弱い面ができて良かったじゃん!」
さわ子「…あ゛?」
律「お、怒っちゃいや…」
梓「まったく、迷惑な話ですよ! 学祭がすぐそこだという時に…」
梓「……」
梓「そうですよ!! 学祭っ! こんなことしてる場合じゃないですよ!?」
澪「梓、色々といそがしいな…」
梓「そうと決まれば練習しましょうよ!? ていうか本当にまずいですよ!」
ユウスケ(あずにゃん…いいよいいよー)
澪「確かにな。律、やるぞ!」
律「えー…」
澪「えー、じゃなく! 本番で失敗しただなんてそろそろ笑えないんだからな!?」
紬「練習なんていつぶりだったかしら…」
唯「ん~、一ヶ月?」
律「違う違う! 一ヶ月と三日」
澪「…そ、そんなに間空いてた!?」
士(おい、マジで茶飲み部かよこいつら)
さわ子「でもあんな事があったすぐ後によく練習する気なんて起きるわねー」
梓「それとこれとは別なんです!」
ユウスケ「さすがあずにゃん! きっぱりと言うなぁ!」
梓「部外者は黙っていていただけませんかね!」
ユウスケ「……」ショボーン
律「私、正直言うと今滅茶苦茶へとへとなんですけど…」
唯「私も…」
紬「困ったわねぇ」
澪「じゃあ一時間だけでいいからしておこう? 実を言うと私も結構きてて…」
梓「澪先輩がそう言うのなら…じゃあそうしましょう」
士「ユウスケ、俺たちは帰るぞ」
ユウスケ「え、やだ」
士「おい…」
ユウスケ「やだ、やだっ」
士「 」イラッ
光家(平沢家)
ユウスケ「…もっと見てたかったのに」グスン
夏海「無理矢理連れ帰ってきたんですか?」
士「あいつらの邪魔になっては悪いだろうしな」
夏海「…へー」
士「なんだよ」
夏海「いえ、士くんも良いところあるなぁって」クスッ
士「むしろ俺に悪いところが一つも見当たらないんだが」
夏海「そういうところが…」
キバーラ「ねぇねぇ~、早く続き見ましょうよぉ~?」
夏海「あ、そうだね」
士「続き?」
夏海「けいおんですよ。14話まで見たからまた最初から見直してるんです」
士(夏みかん…お前…)
士「ところで見るのは別に構わないが、唯たちにはくれぐれも気をつけろよ」
夏海「はーい」トタタタタ…
ユウスケ「俺も見てくる!」ダダダダ…
士「まったく…」
憂「士さん! 帰ってきてたんですか!」
士「妹!」
憂「あの、梓ちゃんたちは…」
士「ああ、安心しろ」
憂「よ…よかったぁ」
憂「あ、今お茶とお菓子だしますね」
士(なんだあのできた妹は…)
ガチャリ
じじい「いらっしゃ…おお、唯ちゃん!」
唯「たぁだいまぁ~…」フラフラ
憂「おかえりお姉ちゃん。それとお疲れ様!」
唯「ほんとお疲れだよー…」
士「なんだかんだいって1時間以上も練習したのか」
唯「うん。予想以上にみんな揃わなくってさぁ」
唯「…もう限界っ、私ご飯まで部屋で寝てるねぇ」フラフラ
憂「お姉ちゃん…頑張ったね! えらい、えらい♪」
士「ほぉ、褒めて伸ばす方針なのか?」
深夜
唯「…んー……おしっこぉ…」ムニャ
ガヤガヤ
唯「…あれ、まだ誰か起きてる…?」
…
『あったかあったか♪』
夏海「あったかあったか~♪」
キバーラ「私もマフラーしたい~」
ユウスケ「お前wどこに首あるんだよwww」
…
唯「ユウスケお兄さんたち…何かテレビ見てるのかなぁ…」
唯「私も見せてもらおーっと…」
ガチャリ
唯「こらー、こんな夜中まで起きて何見てるの~!」
夏海「唯ちゃん!?」
ユウスケ「え、え!?」
『私いくら食べても太らないんだ~』
唯「…あれ? テレビに映ってるのって…」
ユウスケ「まずいっ、り、リモコンは…」
『Please don`t say You are lazy…』
唯「…澪ちゃん?」
夏海「ち、違います!」
唯「でもこんな歌聴いたことない…あ、あれ?」
唯「私寝ぼけてるのかな…」
ユウスケ「そ、そうそう! きっと寝ぼけてるんだよ!」ドンッ
ドサドサ
唯「なにこれ? DVD?」
ユウスケ(し、しまった…棚に乗っけて置いたやつが…)
夏海「な、なんでもないんですってば!」
唯「けいおん?」
唯「な、なんでパッケージに軽音部のみんなが写ってるの!?」
唯「私…こんなの知らないよ!?」
キバーラ「そりゃーあなた、アニメのキャラだもん」
唯「アニ…メ?」
ユウスケ「あ!? このバカっ!!」
夏海「ああ…」
キバーラ「え? なんかまずいこと言っちゃった?」
唯「あ、アニメのキャラって…?」
ユウスケ「なんでもない!」
唯「なんでもなくないよっ、何か隠してるでしょ?」
夏海「べ、別に何も…」
キバーラ「だからぁ、あなたたち軽音部はこのけいおんってアニメのキャラなわけ」
ユウスケ「おい!!」
唯「つ、続けて…」
キバーラ「つまり2次元なのよ。あなたは。2次元ってわかる?」
唯「……うそ」
ユウスケ「冗談に決まってるだろ!? さぁ、明日も学校あるんだしそろそろ…」
唯「…じゃあ私って…いったい…軽音部は…」ブツブツ
夏海「ゆ…唯ちゃん」ス
唯「さ、触らないでっ!!」ダダダダ…
キバーラ「え、え?」
次の日の放課後!
澪「唯、学校休んだの?」
律「ああ。風邪でもひいたかなぁ」
澪「ひいたかなぁ…って」
紬「心配ね…」
梓「こんな大事なときにあの人は…もぉ」
律「…よーし! みんなで唯のお見舞いに行くかぁ」
紬「賛成ー」
澪「そうだな」
梓「まぁ…はい」
光家(平沢家)
コンコン
憂「お姉ちゃーん、そろそろ出てきて」
憂「……」
士「どうだ?」
憂「…ダメです。部屋に閉じ篭もったまま返事もしてくれない…」
士「……」
ユウスケ「士…ほんとにごめん」
夏海「ごめんなさい…」
士「…過ぎたことを悔やんでも仕方がないだろ。そんなことする暇があるならあいつを励ましてやったらどうだ?」
ユウスケ「あ、ああ」
士(あんなにのんびりしていた奴が真っ先に真相を知っちまうとは…)
律「ごめんくーださい」
士「お前ら」
澪「士さん。唯、大丈夫そうですか?」
士「ああ、まぁ…なんとかなるだろ」
澪「?」
紬「唯ちゃん、お部屋の方かしら」
梓「会ったらガツンと一言いわせてもらいますからねっ」
澪「そう怒るなよ」
律「澪、わかってねーなぁ。これは梓なりの愛情表現だろうが」
梓「なに言ってるんですか!? そ、そんなはず…」
憂「あ、皆さんっ」
コンコン
澪「唯、具合はどうだ?」
唯『…!(澪ちゃん…?)』
紬「大丈夫そう?」
唯(ムギちゃん…)
律「唯が部活来ないから今日の唯の分のお菓子もらっちゃったぜー?」
梓「学祭ライブ前に風邪をひくなんて…体調管理ぐらいキチンとしてくださいよ!」
唯(りっちゃん…あずにゃん…)
唯(みんな…)
律「…おーい、唯ー?」
紬「寝てるのかしら…」
唯『…ねぇ、みんな』
梓「起きてるじゃないですか」
律「あー、起こしちゃった?」
唯『ううん。それより聞きたいことがあるんだけど』
紬「聞きたいこと?」
ユウスケ「つ、士ぁ…」ヒソ
士「……」
澪「何?」
唯『みんなは…』
唯『……』
梓「唯先輩…?」
唯『ご、ごめん。やっぱりなんでもないや』
律「? おい、大丈夫か」
澪「悩み事なら相談に乗るよ?」
唯『……』
紬「唯ちゃん。部屋に入らせてもらってもいいかしら?」
唯『そ、それはだめ!』
紬「!」
唯『あ…その、風邪…みんなにうつしちゃったら申し訳ないから』
紬「そ、そっか」
唯『あの…悪いけど今日はもう寝ちゃいたいんだ。だから…』
律「うーん、それじゃあ仕方がないな。風邪早く治せよ~?」
澪「じゃあお大事に」
唯『……』
唯『……ぐすっ』
士「おい」
唯『…放って…おいてよぉ』
ユウスケ「唯ちゃん…」
唯『私が…私が今までしてきた事って……全部…私が自分でしようと思ったことじゃなくて…誰かにやらされてきたことだったんだ…』
士「違う」
唯『違わないよぉっ』
唯『軽音部に入ったこと…みんなと出会ったこと…全部作り物だった…』
唯『私って…絵だったんだよ』
ユウスケ「……」
唯『ギー太…これだって、紛い物…』
士「お前…」
唯『…もう何もする気が起きないよ』
?「それじゃあ君のお宝は僕がいただくことにしたよ」
唯『…?』
ユウスケ「海東さん!」
海東「失礼」ガチャリ
唯「え!? は、入ってこないでっ」
士「海東。お前、何しにきた」
海東「言ったろ。お宝をいただきに来たのさ」スチャ
唯「あ…ギー太! か、返し―――」
海東「君にはもう必要ないだろ」
唯「!」
ユウスケ「っ!! あんた…っ!」ガシッ
海東「離せよ」
ユウスケ「ギー太を返せ!」
唯「…いい」
ユウスケ「…え」
唯「いいよ、持っていっても…大事にしてあげて」
海東「ほらね」
ユウスケ「そ、それでいいのかよ!?」
唯「いいの。もう私、ギー太に触りたくない」
ユウスケ「そんな……士!!」
士「……」
海東「さて、それじゃあ僕はいくよ。じゃあね」ス
ユウスケ「あ…」
唯「…二人も出てって」
ユウスケ「おい! 本当にいいのかよ!?」
唯「いいって…言ってるじゃん…」
ユウスケ「でも…!」
唯「出てってよぉっ!!」
ユウスケ「唯ちゃん…」
士「いくぞ、ユウスケ」
ガチャ…バタン
数日後!
紬「唯ちゃん。まだ風邪続きそう?」
律「困ったなぁ」
澪「一応さ、私たち練習はしてるんだ。あとは唯次第ってことで…」
唯『……』
唯『…私、軽音部やめる』
「!?」
澪「い、今なんて…」
紬「唯ちゃん…?」
律「じょ、冗談だよな? な!?」
唯『ごめん、冗談じゃないの。本気だよ』
澪「そんな…」
最終更新:2010年04月07日 23:37