先生『それじゃあこの問題がわかる人、手を挙げて~』

『はいはい!』『はーい!』『先生私に当てて当てて~!』

先生『ふふふ、お父さんお母さんが来てるからって皆ハリキってるわね~♪それじゃあ……』

先生『はい!梓ちゃん答えてみよっか』

梓『は、ひゃい!(うぅっ、皆あげてたからあげてただけだよぅ自信ないよぉ…)』

梓『…(大体こういうのママが来てる子に当てればいいんだよぅ、私きてないもん……)』

梓『……』モジモジ

先生『どうしたの梓ちゃん?わからない?』

梓『ぇと……』


『がんばれー!!』


梓『えっ!?』

律『がんばれ梓ー!できるよ、できる!!がんばれーっ!!』

梓『!!』

―――

梓「はっ」パチ

梓「……(夢か)」

律「ぐごぁあああ…ズピー」

梓「うるさっ」

梓「…トイレ行こう」


律「んが……むにゃ」

律「ふぅぁ…あ、朝か!浅香光代!」

律「ププ、今のいいな。今度唯に教えてやろ。ふぁあ~っ」

律「……ん?梓はd うわぁああ!!」ビクッ

梓「……」

律(何故ベッドから降りて正座してるんだ…)

梓「おはようございます(三つ指)」ペコリ

律「な、なんだ急に。こわいぞ……」

梓「私は姉が欲しかったんだと思います」

律「え」

梓「先輩、私のお姉ちゃんになってください」

律「」

律「いやいやいやいや」

梓「嫌…ですか……」

律「そ、そういうことじゃなくて意味わかんないから普通に」

梓「夢を見たんです」

律「夢?」

梓「うちは親がジャズ奏者で忙しくて、小学校の参観日いつも私だけ誰も見に来てくれませんでした」

律「そ、そうだったのか……」

梓「でも夢の中の参観日では律先輩が来てくれていたんです」

律「えっ……そ、そうか……」

梓「そうなんです。だからお願いします(三つ指)」ペコリ

律「あー…お姉ちゃんごっこ……みたいな感じにすればいいの?」

梓「違います。お姉ちゃんになってください」

律「……(んなこと言われても…)」

律「大体梓前に澪が姉ちゃんだったらいいって言ってたじゃん」

梓「あの時はまだ澪先輩の表面的な部分しか知りませんでした」

梓「大人でかっこいい人だって思ってたけど、内面を知るにつれてそうじゃないって分かりましたから」

律「あー……」

梓「律先輩はそのまったく逆でした。今では律先輩が理想のお姉ちゃんです」

律「そ、そっかぁ~っ(困ったぞこれは…)」

梓「お姉ちゃん」

律「……」

梓「……お姉ちゃん」

律「…な、なに?(わぁ返事してしまった!)」

梓「!!」パァア

律「ははっ……(ま、一日ぐらいで飽きるだろ)」


梓「それじゃあお姉ちゃん、私一階だからここで」

律「あ、あぁじゃあな」

梓「お姉ちゃんまた放課後ね!」

律「お…おう(なんか周りの視線を感じるぞ…)」


梓「おはよう憂」

憂「梓ちゃんおはよう」

梓「ヘケッ」

憂「?」

梓「私にもお姉ちゃんできたんだぁ~」

憂「え?」

梓「えっへっへぇえ~」

憂「……(大丈夫かなこの子)」

―――

律「はぁ~おはよ」ガチャ

紬「おはようりっちゃん」

唯「りっちゃん!いえーい!」

律「い、いえーい」

唯「……どしたの?何か疲れてるね」

紬「そうね、グッタリしてる」

律「あー、実はあの後梓がさぁ……」


唯「……な、何それッ……あずにゃんズルい…」プルプル

紬「何がお姉ちゃんだってぇのよ…あンの泥棒猫がぁあッ……」ブルッブルッ

律「まぁ一人っ子だから憧れとかあったんじゃないか?一日ぐらいいいよ」

律(唯はともかくムギまでブチキレかよ…)

紬「私だって一人っ子です!」

律「えっ。うん」

紬「お姉ちゃん!」

律「」

唯「あぁっ、ムギちゃんズルいよ!私も妹しかいないもん、お姉ちゃん欲しいよ!」

律「……や、やめようそういうのは」

唯「お姉ちゃん!」

律「おい皆見てるからやめろって…」

紬「お姉ちゃんっ!」

律「おいいぃいいい!!」


ワイワイ…キャッキャ

梓(もう皆来てるのか)

ガチャ

梓「こんにちはー(あ、今日は澪先輩も来てる)」

澪「よう」

唯「あずにゃんやっほー」

梓「唯先輩やっほー!やっほーです!」

唯「う、うん」

紬「梓ちゃんすぐお茶淹れるわね~」

律「……おっす梓」

梓「あっ、おねえt」
唯「お姉ちゃんあ~んして!」

梓「!!?」

律「や、やめろって唯……」

紬「はいお姉ちゃん、お茶のおかわりよ」カチャ

梓「はぁ!?」

紬「ふふふ……クスクス」

律「だからやめろってぇえ」

梓「ちょ、何で二人ともそんな呼び方してるんですか!」

唯「えー、だってりっちゃんお姉ちゃんだもん……」

梓「り、律先輩は私のお姉ちゃんになったんですよ?」

律「いやそれも違うだろぶっちゃけ」

紬「なぁに梓ちゃん、嫉妬?ふふ」

梓「だ、だ、だって私が最初に妹になったのにぃい……!」

律「なぁ。おい」


澪「……(クソッ、なんかムカつくが耐えろ…ぼっちになってしまうぞ……)」ブルブル

唯「おねえちゃぁあ~ん♪」ギュウ

律「こらこら離れろ」

紬「お姉~ちゃんっ♪」ツンッ

律「こらー!」


梓「いい加減にしてくださいですーッ!!!!」バムッ


唯紬「!?」

梓「律先輩は!……りっ…グス……わ…」グスン

梓「わっ…ヒグッ、わ゛だじのおね゛ぇひゃんな゛んれひゅ……グスンッ……」

律「お、おい梓泣くなよ。ほら唯達がふざけてからかうから梓泣いちゃったぞ!」

紬「あらあらあら……」

唯「ご、ごめんあずにゃん……」

梓「グズ……ゆ、ゆいしぇんぱい……グスッ……」

唯「うん聞いてるよ、何?なんでもお詫びするよぉ……」

梓「抱き締めてください」キリ

唯「」

律(つか嘘泣きかよ)

唯「わ、分かったよぅ……」牛

梓「あッ!あっあっあっ……ヘケッ…あっ//」ビクビク

澪「ぅぷっ……」

律「どした澪」

澪(気持ち悪くて吐きそうだけど吐いたらぼっち確定だぞ!私!)

澪「いっ…いや!なんでもないしぃ!!ははは、唯と梓は仲よいのだな~!!」

律(こいつもどっかブッ壊れてねーか)

紬「あら、澪ちゃんは女の子同士否定派じゃなかったの?気持ち悪いって言ってたじゃない」

澪「なんだよムギぃ、そんな派閥勝手に作ってるんじゃァーないよ!ぇえオイっ!」ガバッ

紬「きゃっ!?」

澪「だだだ大好きだぞムギぃいいいいい!」スリスリスリスリ

律「おいおい……」

紬「み、澪ちゃ…//」
澪「ゲホッ!ぅぼぇ」ビチャチャ

紬「」

澪「あっ」


シーン……


梓「さ、最低……」

澪「……」

唯「わぁあぁ……」

律「……み、澪……流石にそれは…」

澪「……」

梓「とりあえず謝ったらどうですか…黙ってないで……」

唯「そ、そうだよ謝りなよ澪ちゃん!ムギちゃんに謝りなよ!」

澪「」プチン


澪「なんじゃおめら」


唯律紬梓「!!?」


澪「なんなんじゃ。女同士でベタくりついてきもっちわるいの」

澪「吐いてせいせいしたわ。じゃあの」ガチャ

バタム


唯律紬梓「」ポカーン

和「……あら、あれ澪じゃない。何してるのかしら…が、ガニ股で練り歩いて……」


澪「ほぉたァーるのォ ひぃーかぁーーありぃ~!まァどーのぉー雪ぃ~!!」

澪「ふゥみぃーよむぅ!月ィーい日ぃ~!かさーァねーつぅつぅ~ッ!!」

澪「どォいーつもォ!こいーぃつゥもぉおおお!」


澪「レズぅーーーーぅばァーかぁりィーーーーーッ!!!」


和「!!?!?」


澪「そぉーれぇーーえではぁ!みーなァーさんン……」

澪「さーよぉーう なァーらぁ~……」


澪「…………」トボトボ




           (リタイア)
――秋山 澪  再 起 不 能 ――


……

紬「……」プーン…


梓「……」

律「……と、とりあえずムギ…ゲロついたとこ洗ってこようぜ…」

紬「……」

唯「行こうムギちゃん」スッ

唯「んっ!? げぇほ!(澪ちゃんのゲロくっさ)」

紬「」

唯「あっ!!ち、違うよムギちゃん澪ちゃんのゲロがくさくてつい!」

紬「い、いいのよ~」

梓「ツーンときますね…あ、赤いですね。キムチ?」

律「とりあえずかかった服脱いでさ……まぁ今日は終わりってことで…いいよな」

唯「う、うんしょうがないよ……」

紬「……」


律「んじゃ私こっちだから~」

唯「あ、りっちゃん!ちょっとおでこ見せてよ!」

律「?いいけど…」

唯「へへへへ」グイグイ…ググッ

律「……何。指圧?」

唯「だいすきって書いたんだよ~ん!//」

律「」

律「あ、あぁそうなんだぁ。んじゃな唯、またな」

唯「またね~!」タッタッタッ…

律「……」

律「……だいすき、か」ペチペチ

律「……さて、帰るか」クルッ

律「ってうわぁあっ!!?」

梓「……」

律「な、何してんだよ梓(地べたに正座すんなよ)」

梓「……にゃぉおお」

律「おい」

梓「野良にゃんです」

律「ただの家出猫だろが!今日は絶っっ対に帰ってくれ!叩いてでも追い出す!」

梓「……今が元禄だったら死罪ですよ、その発言」

律「はぁ?」

梓「猫は憐れむべきとのお触れが出ているの知らないですか」

律「今は平成だから」

梓「……空気読みましょうよそこは」

律「いやお前が読め」

梓「えぇ…じゃあどうしろっていうんですかぁー……」

律「だから帰れって」

梓「……」プルプル

梓「……じっ、実はわた……グスッ わ、わ゛た゛っ…しぃ゛…ヒグ……」

梓「家、でっ…ぎゃくたい……グスンッ、…さ、されてて……ぇうっ…」

律「嘘泣きするな」

梓「スイマセン」

律「ていうか唯んち行けば?お前唯が好きなんじゃないの?」

梓「流石に一人で乗り込むのは怖いんで……憂が……」

律「あぁ」

律「いやだからってうちもだめだ!だめだぞ」

梓「じゃあ野宿します……どうもありがとうございました」トボトボ

律「え」

律「……(いや騙されるな、同情を誘ってるだけだ…)」

梓「……」トボトボ…

梓「」チラッ

律(ほ、ほら見てる見てる!見てるぞぉお無視無視)

律(気にしない気にしない、帰ろう…)スタスタ

梓「ニャア~……ケホケホッ…… …ぁうっ」ドサリ

律「!?」チラッ

梓「あっ!見ましたね!」

律「」

律「ち、チラ見したぐらいでなんd」
梓「やっぱりほっとけないんだ!律先輩は優しいから!」

律「……」

梓「ほっとけないんだ!野宿して何かあったらどうしようって!」

律「……」

梓「ほっとけないんですよ!自分に正直になりましょう!」

律「……」

梓「ほっとk」
律「いいよもう。来いよ」

梓「どうもです」

律「……(あぁああもぉおお)」


7
最終更新:2010年01月24日 01:31