律「ほんと?」

澪「ほんとだよ」

律「ありがと、みおー」

澪「……可愛い奴め」

律「可愛い?」

澪「可愛いよ。すごく」

律「……よせやい」

澪「照れるなって」

律「照れてないし……」


澪「顔が真っ赤だぞ」

律「澪まで私をからかって」

澪「本心です」

律「むぅ……」

澪「ふふっ」

律「ねぇ、みおー」

澪「うん?」

律「チューしよ」

澪「ぶっ!」


律「みーおー、チューしようよ。チュー」

澪「風邪引いてるんだから、駄目に決まってるでしょ」

律「みーおー……」

澪「そんな甘えた声出しても駄目」

律「チュー……」

澪「だーめ」

律「ぐぅ」


律「澪の、けち……」

澪「律がワガママなんだ」

律「だってしたいんだもん……」

澪「ムギからもらったケーキあげるから
さ、今は我慢して?」

律「そんなんじゃ我慢できない」

澪「とか言いながら箱開けてるじゃん」

律「お腹、減ったからだし」

澪「はいはい」


律「いただきまーす」

パクッ

律「んん……甘い」

澪「そう」

律「……」

澪「……」

律「何だよ人のことじっと見て」

澪「駄目?」

律「べ、別に……」


律「……」

澪「律」

律「なに?」

澪「最後の一口、ちょうだい」

律「いいけど、食べれるの?」

澪「一口ぐらいなら」

律「じゃあ……あーん」

澪「あーん」


パクッ

澪「……おいし」

律「うん」

澪「……律と間接キスしちゃった」

律「あっ」

澪「これで我慢してね」

律「ずるい!私は澪とキスできないのに!」

澪「しょうがないでしょ」

律「も、もう帰る!」


澪「明日は練習に専念してよー」

律「するもん!もう見舞いに来てやらないからな!」

澪「わかったわかった」

律「じゃーなバカ澪!」

澪「ばいばい」

律「本当に帰るからな!」

澪「うん。ばいばい」

律「うがー!」

澪「……けほっ」

澪「ちょっといじめすぎちゃったかな」

澪「でもこうしないと律はしつこいからな……」

澪「……」

澪「寝よ……」

澪「……」

澪「スー……スー……」


澪「三十六度八分か……」

澪「明日には学校行けるかな」

澪「ふぅ……」

澪「本当に来ないのかな……」

澪「れ、練習に専念することはいいことだな。うん」

澪「……」

澪「さびしい……」



……

「ばんごー!」

澪「!?」

律「いち!」

澪「……」

律「……」

澪「律、だけ?」

律「うん」

澪「そっか……」

律「えーと……そのー」

律「別に澪が心配できたわけじゃないんだからな」

澪「そっか」

律「そう、だし」

澪「律」

律「はひ」

澪「ありがと。来てくれて」

律「……怒らないの?」

澪「なんで?」

律「練習、しないで来たから」

澪「んーん」

澪「私も律が来てくれないと思うとさびしくなっちゃって」

澪「私が練習しろって言ったのにね……はは」

律「……みーおー」

澪「なーに」

律「チュー、したい」

澪「……」

律「……だめ?」

澪「いいよ」

律「え、でも」

澪「もう熱はほとんどないから」

律「ほんと?」

澪「ん」

律「そっか。よかった」

澪「うん。それよりほら、しないのか?」

律「するよぉ」

澪「じゃあほら、おいで」


律「みお……」

澪「ん……」

ガチャ


紬「ごめんね、またお見舞いにきちゃ……った……」

澪「え……」

律「んぁ……?」

唯「へ?澪ちゃんとりっちゃんがチューしムグ」

紬「お邪魔しましたー」

バタン

唯「ねぇムギちゃん、なんで帰るの?」

紬「なんでも」

唯「チューぐらい私だって憂と毎日するよー?」

紬「ほんと!?」

紬「……コホン。とにかく今日はもう帰ろう唯ちゃん」

唯「せっかくお見舞いに来たのにー。ぶーぶー」



澪「……」

律「……」

律「見られちゃったな……」

澪「ど、どうしよう……」

律「まぁ、いいんじゃない?」

澪「いいんじゃないって」

律「どうせいつかバレることだったしねー」

澪「そうだけど……」

律「そんなに付き合ってることがバレるのいやだったかー?」

澪「そんなわけ、ないだろ」

律「うん。知ってる」

澪「もう……いじわる」

律「昨日のお返しだよん」

澪「ぐ……」

律「にひひ」

澪「……唯達に何て言おっか」

律「恋人同士って言えばいいんじゃない?」

澪「恥ずかしいな……」

律「大丈夫だって。唯達なら信用できるし」

澪「そう、だけどさ」

律「……」

律「秋山澪は!」

澪「うわっ」

律「私の頼りになる恋人です!」

律「って紹介しようかな」

澪「なんじゃそりゃ……」

律「澪はどうやって私を紹介してくれるんだ?」

澪「私もやるのか……」

律「当たり前だろー」

澪「んー」



※あ、しまったタイトル間違えた。



澪「律は……」

律「うんうん」

澪「甘えん坊な恋人です」

澪「って紹介しようかな」

律「えー、なんかやだなー」

澪「でも本当のことでしょ?」

律「まぁ……ね」

澪「……甘えられて嫌な気はしないけどね」

律「お?それは存分に甘えていいってことかな?」

澪「ないない」

律「みーおー!」

ギュッ

澪「ふぎゅ」

律「みーおー、みーおー」

澪「……もう」

律「だーいすき」

澪「ん、ありがと」

律「澪は私のこと好きー?」

澪「知ってるくせに」

律「知らなーい」

澪「……」

グイッ

律「えっ」

チュッ

澪「……わかった?」

律「……わかった」

澪「よしよし」

律「じゃあ、帰るね」

澪「うん」

律「明日、朝迎えに来るからな」

澪「うん」

律「だから今日は早めに寝なよ」

澪「うん」

律「……手、繋いで登校しよっか」

澪「うぇ!?」

律「じゃあねー愛しの澪ちゅわん」

澪「ちょま、律!」

ガチャ

バタン


澪「手、繋いで登校て……」

澪「できるわけ……」

澪「……」

澪「何にやけてんだ私」

澪「うぁ……顔が熱くなってきた気がする」

澪「……早く寝なきゃ」

澪「……」

澪「律と手繋いで登校するため、に」


終わり。



最終更新:2010年04月10日 00:03